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流通プロセスの安全性

ドキュメント内 食肉の知識 (ページ 72-76)

第3章  食肉の栄養と健康

ビタミンB 1 が豊富な豚肉 48/注目したいビ

5. 流通プロセスの安全性

2003年に食品安全基本法が成立して、内閣府に食品安全委員会が設立 されるなど、消費者の視点に立った食品行政の整備が急ピッチで進んで います。食肉の分野でも、BSE問題を契機にしてトレーサビリティの考 えに基づいた安全対策の強化をめざしています。このシステムで、問題 のある食肉パックが出た場合に、同じ、または同じロットの枝肉から製 造された肉だけを迅速に回収することができ、食中毒などの発生原因の 解明やきめ細かい衛生上の予防対策を図ることができます。

食肉流通センター(加工場)の安全性確保

と畜場から出荷された枝肉は、主に食肉流通センター(加工場)に運 ばれます。流通センターでは、枝肉をカット、骨抜きし、部分肉に加工 してスーパーマーケットや小売店、飲食店などに出荷し、副生物や副産 品も処理・加工しています。

食肉の安全性確保には、あまり移動せずに遅くても3日以内に加工す ることが望まれます。このため食肉流通センターは、と畜場に隣接(併 設)されています。

加工する枝肉は、生体を冷却してから0℃の冷蔵庫で一晩保管され、

低温管理された環境でコンベアで移動しながら加工されます。食肉流通

書類審査

依頼

通 関 積み戻し、廃棄

食品等輸入届出書の受付

食品輸入届出書 衛生証明書 自主検査済成績書等

図4-6 食品の輸入手続き

の基準温度である10℃に保たれている工場では、細菌の増殖を抑えると ともに、加工器具だけでなく、作業従事者にも徹底した衛生管理を行い 汚染を少なくしています。また、センターでは、独自の細菌検査や金属 探知機などによる異物チェックも行われています。

腸管出血性大腸菌O−157問題以来、衛生データの提出を求める店が 増えていますが、食肉の生産と流通の中核的施設に位置づけられている 食肉流通センターの安全性チェックは、危害となりうる可能性をひとつ ひとつ取り出し、それをひとつひとつ監視していくHACCP方式による 衛生管理に重点が置かれています。

鶏肉の流通と安全性確保

市場流通がほとんどなく、生産・加工・販売を一括して行っているイ ンテグレーターが管理する鶏肉では、平成4年に施行された「食鳥処理 の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」に基づいた安全性確保が行な われています。この法律の柱は、食鳥検査と処理施設の微生物汚染コン トロールです。

食鳥処理事業を行うには都道府県知事の許可が必要で、厚生労働省の 定めた施設基準や衛生基準を守ることが明記され、食鳥検査では生体検 査、解体処理された後の脱羽後検査、内臓摘出後検査が、獣医師である 食鳥検査員によって行われています。

表4-2 食肉および食肉製品等の分類 (食品衛生法に基づく見解)

食 肉 食 肉 製 品

ハム・ソーセージ・ベーコン・その他これらに類するもの 食肉ハム・食肉ソーセージ・食肉ベーコン・食肉コーンビーフ その他食肉製品

食肉を含む加工品

(総菜)

食肉 食肉 半製品

総菜

半製品 総菜 鳥獣の生

肉で骨及 び内臓も 含まれる

食肉の含 有率が 50%以上 の半製品

食肉ハム 食肉ソーセージ 食肉 ベーコン

食肉

コーンビーフ 焙焼肉 乾燥肉

食肉を 50%以上 含む製品

食肉含有率 50%未満の 半製品

食肉含有 率50%未 満の製品 枝肉

カット肉 スライス肉 挽肉 等

(未加熱)

食肉処理業 総菜製品製造業

食肉加工品

(未加熱)

表面加熱

加熱 非加熱

(半乾燥) 加熱 乾燥 加熱 乾燥 加熱

(未加熱)

表面加熱 加熱 生ハンバーグ

生ウィンナー 味付け生肉

(焼き肉)

ローストビーフ 生とんカツ 等

ロースハム ボンレスハム プレスハム チョップドハム

ラックス ハム 生ハム等

ウィンナー フランク ボロニア リオナ ローフ 

ドライ ソーセージ サラミ ソーセージ

ベーコン ロース

ベーコン ショルダー ベーコン

コーンビーフ プレス コーンビーフ 

ロースト ポーク 焼き豚 ロースト ビーフ等

ビーフ ジャーキー ポーク

ジャーキー 干し肉 等

ハンバーグ ミートボール メンチカツ ナゲット等

生シューマイ 生餃子 生コロッケ 生春巻き

ハンバーグ ミートボール コロッケ 春巻き

調

食肉製品製造業

小売店・量販店の安全性確保

食肉の安全性を保つには、細菌の増殖を抑えるために低温を保ったま まの流通と管理がもっとも重要です。このため、冷凍肉はマイナス15℃

以下、生鮮肉は0℃〜5℃以下の状態で流通・管理されています。最近 では、各プロセスを連続してで温度管理する「コールドチェーン」とい うシステムが導入されています。

これらの製品を輸送する冷蔵車は、製品が外気にふれないように設計 され、小売店に搬入された部分肉は速やかに冷蔵庫に保管されます。部 分肉をスライスしてパックする作業所でも、肉内の温度は0℃を保たれ、

作業中の食肉の温度は4℃を超えない範囲で進められます。

肉内の温度が上がると、作業の途中でもすぐに冷蔵し再び0℃に戻し ます。これは、いったん肉の温度が上がると、細菌などの増殖の危険が あることや、解凍肉から肉汁(ドリップ)が浸出して変色したりして品 質を落とすことになるからです。

作業する部屋も10℃以下に管理され、移動も冷蔵庫内で行われるなど 食肉の低温管理は徹底していますが、店頭の温度管理も重要です。ショ ーケースも、細菌の増殖が始まる10℃を超えないように管理される必要 があります。一般に細菌は10℃を超えると増殖が活発になり、その種類 によっては50℃ぐらいまで増え続けるものもあります。細菌の増殖にも っとも適した温度(増殖至適温度)は、人間の体温に相当する37℃前後 です。このため、加工現場では、トレイや手袋を使うなど直接、食肉に 手を触れないように注意が払われています。

安全性の仕上げは消費者

生産者から小売店までの安全性が保たれていても、消費者の衛生管理 に手落ちがあれば、食中毒などで家族の健康を損ないかねません。食肉 の安全確保の最後の仕上げは、消費者の手に委ねられているのです。

表4-3 食肉の期限表示基準

原料畜種 保存温度 包装形態 原産国 品質保存期間(日)

牛肉

豚肉

鶏肉

0℃

−15℃

0℃

−15℃

0℃

−15℃

真空包装 包装形態不問

簡易包装 真空包装 包装形態不問

真空包装 包装形態不問

日本 アメリカ オーストラリア

すべての国 日本 日本 アメリカ

カナダ すべての国

日本 すべての国

45 62 77 24(か月)

7 14 40 40 24(か月)

10 24(か月)

生活情報シリーズ⑱

食肉の知識

平成16年2月20日第1刷発行

定価1,000円 送料240円

………

協   力 財団法人 日本食肉消費総合センター 〒107-0052  東京都港区赤坂6-13-16

    アジミックビル5F

   TEL(03)3584-0291 FAX(03)3584-6865    ホームページ http://www.jmi.or.jp 落丁本、乱丁本はお取替えいたします。 C㈱ 恒信社 2004

褐毛和種(雄)熊本系 褐毛和種(雌)

日本短角種(雌) 国産の肉用種 日本短角種(雌)

黒毛和種(雌) ホワイトコーニッシュ種 イギリス原産

大ヨークシャー種(雄)イギリス原産 ランドレース種(雌)デンマーク原産

編集・発行

国 際 出 版 研 究 所 株式会社 恒   信   社 凸 版 印 刷 株 式 会 社

〒162-0814 東京都新宿区新小川町9-25 TEL(03)5261-0031

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