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健康な家畜はこうして育てられる

ドキュメント内 食肉の知識 (ページ 68-71)

第3章  食肉の栄養と健康

ビタミンB 1 が豊富な豚肉 48/注目したいビ

3. 健康な家畜はこうして育てられる

生産農家から加工・製造・流通を経て消費者に届くまで、食肉の危害 要因を分析して排除するため、農場から消費者に至るプロセスを安全の 鎖でつなごうという試みが進んでいます。

生産農場における安全性確保

安全性の第一歩はまず健康な家畜や家禽を育てることであり、その指 導に家畜保健衛生所の家畜防疫員があたっています。家畜衛生思想の普 及・向上のほか、家畜の伝染病予防、家畜に対する保健衛生上必要な試 験・検査を行い、地域的な特殊疾病を調査して地域の家畜衛生などの向 上を図っています。また、農場などで重大な伝染病が発生した場合には、

家畜伝染病予防法に基づき、検査、調査を行い、消毒などの防疫措置を 迅速に図るための体制も整えられています。

動物用医薬品や飼料添加物を食肉に残留させないための厳しい基準も あります。農林水産省では、動物用医薬品の製造ついて安全性、毒性、

薬理作用、臨床試験、残留などについて詳細なデータの提出を求めるほ か、中央薬事審議会で検討・承認されます。動物医薬品の販売も許可制 で、使用法についても薬事法に基づいて使用されているかを監視してい ます。なお残留基準は、抗生物質や合成抗菌剤など各医薬品に設けられ ています。

安全の担い手

生 産 者

都 道 府 県 畜 産 主 務 課 家畜保健衛生所(家畜防疫員)

独 立 行 政 法 人・肥 飼 料 検 査 所 農 林 水 産 省 動 物 医 薬 品 検 査 所 独立行政法人・家畜改良センター

法 令

家畜伝染病予防法 動物用医薬品の使用の

規制に関する省令

(薬事法による)

飼料の安全性の確保及び 品質の改善に関する法律

﹇ 生   体

と 畜 場 食肉センター

都道府県・市 食肉衛生検査所

と畜場法 食鳥処理の事業の規制 及び食鳥検査に関する法律

食品衛生法

﹇ 食 肉 処 理 施 設

食肉卸売業者

食肉卸売市場 食肉加工業者 飲食店・ホテル 量販店・専門小売店

都道府県・市 保健所(食品衛生監視員)

JAS法(農林物資の規格及び品質表示 の適正化に関する法律)

食肉の表示に関する 公正競争規約 食肉小売品質基準

食品衛生法

﹇ 卸 売

・ 小 売

消費者

自ら守る食肉の衛生

﹇ 家 庭

農 林 水 産 省

厚 生 労 働 省

check

牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法 図4-4 農場から食卓までの安全確保のシステム

飼料添加物は、飼料安全法でチェックが行われています。添加物の飼 料への使用目的は、①品質低下の防止(抗酸化剤など)、②栄養補給

(ビタミン、ミネラル、アミノ酸など)、成長促進剤(抗生物質、ビフィ ズス菌など)に限られ、その使用についても残留が懸念される添加物に は品目ごと規定が設けられています。とくに、抗生物質の残留について は添加できるものとしては22種類に制限されています。なお、ホルモン 剤は1967年以降国内では使用が禁止されています。

HACCPの導入=「宇宙食」開発方式

HACCP(Hazard  Analysis  and  Critical  Control=危害分析に基づく 重要管理点監視方式)は、1970年代のアメリカで高度な安全を保証する 宇宙食の開発のためにNASA(アメリカ航空宇宙局)で確立された安全 性管理システムです。

これは、食品の生産から下処理、製造、加工、製品の配送・販売まで のすべての段階で起こりうる生物的・化学的・物理的危害を予め調査・

分析し、その危害を阻止するために特に重点的に管理を行う必要のある 工程を重要管理点として、集中的に監視するというものです。日本でも、

O−157(腸管出血性大腸菌)の発生や製造者責任法(PL法)の成立を 契機にしてより確実な手段が求められるようになりました。

食肉の分野でも、家畜や食肉の生産段階でHACCPの考え方に基づい た管理体制の整備が進んでいます。農林水産省は1996年以降、家畜の飼 育段階の監視体制としてHACCPの考え方を生産段階に導入し、より安

生 産 者 ・市町村・農協

・農業共済組合・農業改良普及センター

・家畜畜産物衛生指導協会

・獣医師・家畜人工受精師

家畜保健衛生所

都道府県(畜産主務課)

農林水産省消費安全局(衛生管理課)

独立行政法人 農業技術研究機構 動物衛生研究所

技 術 指 導

技 術 指 導

通報・技術指導等 報告

連絡・通報

報告 報

告 届 出 指 導 命 令

報告 病

性 鑑 定 依 頼

図4-5 家畜生産における安全管理体制

全な畜産食品を提供するための事業を推進するとともに、6年計画で畜 舎への畜産衛生指導体制整備計画を進めてきました。

安全性を第一とした生産体制の確立というニーズに応えるためには、

どのような病原体などによるハザード(危害)が、どのような動物や環 境、食品中に、どのような頻度と菌数で分布しているのか。さらに、そ の病原体の伝播の強さはどの程度で、どのようなルートで人に危害を加 えるようになるのか。そして、そのルートを断ち切ってリスク(危険)

を取り除く有効な手段は何かを、明らかにするものです。

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