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活動の様⼦

ドキュメント内 類題⽣成・演習機能システムの開発研究 (ページ 48-51)

第 4 章 プロトタイプシステムを⽤いた授業実践と知⾒

4.4. 活動の様⼦

4.4.1. デジタルビデオを⽤いた観察

複数回の授業の様⼦をデジタルカメラで録画し,その動画を分析した.その結果,以下 のような状況が観察された.すなわち,学⽣には事前に授業中における会話,席の移動が

⾃由である旨を伝えていたが,通常の電⼦教材を⽤いて学習している間は,学⽣は個別に 学習し,ほとんど会話をしていなかった.これに対して,類題演習を⾏っているビデオ画 像には,各⼈の学習スタイルにあわせて個別あるいは数名からなるグループを⾃然発⽣的 に形成して学習している様⼦が映し出されていた.この様⼦はクラス A,クラス B とも観 察された.

クラスAでは,全員が同⼀学科・学年であり,ある程度顔なじみであることも働き,グ ループ間でも情報の交換が⾏われていた.⼀⽅で,異なる学科・学年が混在するクラス B では,多くのグループが同⼀学科・同⼀学年の学⽣で構成され,同⼀学科複数学年で構成 されているグループも存在したが,異なる学科,学年で構成されたグループは⾒られなか った.また,グループ間での情報の交換はほとんど⾏われていなかった.

同⼀問題を⽤いた演習時にも,学⽣が席を移動することを認めていたが,学⽣間の会話 よりはむしろ答案⽤紙を書き写しているような⾏動が散⾒された.

4.4.2. ⽬視による観察

学習状況の観察は,ビデオカメラによる録画以外に,教卓からおよび机間巡視中の⽬視 によっても⾏い,学習状況の観察結果および課題提出時間を記録した.

図 4-2 は,同⼀問題を課題として利⽤して演習を⾏った授業の観察記録の⼀例を⽰した ものである.⾚⽮印は教わりに⾏った,⻘⽮印は教えに⾏ったことを⽰している.この例 のように同⼀問題を利⽤した場合は相互の教え合いよりも,教える側,教わる側が固定さ れている傾向が⾒受けられた.また,⼀⼈の学⽣が解答⽤紙を提出,受理されてから,別 の学⽣が提出するまでの時間間隔が短い傾向が⾒受けられた.さらに,成績上位の学⽣の 答案を書き写して提出する傾向が強いこともわかった.

第 4 章 プロトタイプシステムを⽤いた授業実践と知⾒ 33

図 4-2 学⽣活動の記録(同⼀問題を利⽤した演習)

図 4-3 は類題を利⽤して演習を⾏った回の観察記録の⼀例を⽰したものである.類題を⽤

いた場合,相互の教え合いが活発になる傾向がみられ,課題を提出する時間も,同⼀問題 を利⽤した場合に⽐べて学⽣間のばらつきが⼤きくなる傾向がみられた.

図 4-3 学⽣活動の記録(類題を利⽤した演習)

同⼀問題を課題として利⽤した場合,解答⽤紙の記述内容から,成績下位の学⽣が成績 上位の学⽣の答案を書き写したと思われる答案が散⾒された.このことから,同⼀問題を 課題として利⽤した場合に成績上位の学⽣と成績下位の学⽣の課題提出時間の差が⼩さく なるのは,あらかじめ成績下位の学⽣が成績上位の学⽣に答案を写させてもらい,成績上

第 4 章 プロトタイプシステムを⽤いた授業実践と知⾒

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位の学⽣の答案が受理されると速やかに成績下位の学⽣が答案を提出する傾向の強いため であると考えている.また,教え合いが近隣のメンバー間で⾏われ,教える側と教わる側 の役割がはっきりとわかれる傾向が⾒られた.

これに対して,類題を利⽤した場合では,⾃分の問題を最終的には⾃分で解く必要があ ること,成績上位の学⽣の課題提出を待って質問する等の⾏動が⾒られることから,提出 時間にばらつきが増える傾向がみられたと考えている.また,同⼀の学科,学年で構成さ れたクラスAでは,同⼀問題を利⽤した場合に⽐べて教え合いが活発になり,教室内を移 動する学⽣も増える傾向を⽰した.⼀⽅,複数の学科,学年が混在するクラス B の観察結 果から,教え合いは同⼀学科,学年の学⽣間でのみ起こる傾向があることがわかった.

4.4.3. 学⽣相関図

図 4-4 は,4.4.2 の⽬視による観察結果に 4.4.1 のデジタルビデオによる録画データの分 析結果を加え,教え合いにおける学⽣の相互関係をモデルとして表現したものである.こ のモデルを学⽣相関図と呼ぶことにする.この図から,同⼀問題演習では,中⼼となる学

⽣から情報が順次伝わっていくことがわかる.また,⼀⽅向の⽮印が多い,すなわち教え る学⽣と教わる学⽣が固定化している傾向が⾒られる.なお,この場合の教える内容は,

成績上位の学⽣の答案の伝達に終始していた.

図 4-4 同⼀問題演習の学⽣相関図

第 4 章 プロトタイプシステムを⽤いた授業実践と知⾒ 35

⼀⽅の類題を⽤いた演習では,図 4-5 に⽰したように双⽅向の⽮印が多く,学⽣の教え 合いが活発な傾向が観察された.また,この際の教え合いの内容は,答えの伝達ではなく,

多くの場合,問題を解く⽅法に関するものであった.

図 4-5 類題演習の学⽣相関図

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