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今後の展開

ドキュメント内 類題⽣成・演習機能システムの開発研究 (ページ 126-129)

第 7 章 考察

7.6. 今後の展開

7.6.1. ペアリングの⽀援

本研究で述べた類題演習は,他者に教えることが重要な因⼦となっている.しかし,複数 の学科,学⽣が混在するクラスでは,教え合う相⼿がいないことにより,類題演習の効果を 享受できない学⽣が散⾒されている.この状況を改善するため,教え合いのペアを探せる仕 組みを検討したいと考えている.特に類題演習では,ペアを固定して学習させることより も,あるペアでチューティであった学⽣を,別のペアではチューターとして振る舞わせるこ とが重要である.協調学習のグループ構成や LMS のグループ機能は,ランダムあるいは恣 意的にグループ分けを⾏い,そのグループは与えられた問題を解決するまで変更されない.

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また,グループを構成する意味も,類題演習におけるペアとは異なる.また,アクティブラ ーニングの⼿法としてしばしば登場する Think-Pair-Share においても,ペアを構成する学 習者は互恵関係にあり,やはり類題演習のペアとは性質が異なると考えられる.したがっ て,類題演習のペアリングは,今までにはない⼿法が要求されると考えられる.

システム的な協調学習への介⼊には,嵯峨ら(2009)や梅村ら(2005)の先⾏研究もあ り,今後このような先⾏研究も⾒据えつつ,類題演習に適したペアリング⽅法を確⽴した い.

7.6.2. 多分野での実践による改良

本類題演習は,著者が研究のフィールドとしている化学教育を対象として,初期仕様が決 定され,実⽤試験の類題,授業も化学に関連するものであった.システム⾃体の検証等に関 しては,各種分野の問題を⽤いているものの,他の分野でも類題演習が同様の結果を⽣じる かについて検証することは重要であると考えている.

7.6.3. 雛形⼊⼒⽀援

雛形に記述する変数の指定や数式の指定は,構造が簡単であるがゆえに,さまざまな問題 に対応可能である⼀⽅,複雑な問題を⽣成しようとする場合,その指定もかなり複雑にな る.このため雛形の構⽂の誤りが発⽣しやすい.現在この構⽂をチェックする機能も,⽣成 される類題を事前にプレビューして修正する機能も備わっていない.Moodle に熟達してい ない教員でも雛形を正しく定義できるようにするため,例えばグラフィカル・ユーザ・イン ターフェイスを利⽤した⼊⼒⽀援機能を提供したいと考えている.

7.6.4. ⾮同期型オンライン学習への発展

本研究で述べた類題演習は,教室での対⾯による学⽣の教え合いを想定して,設計・開発 されている.このため,e ラーニングの強みである時間的,空間的制約に囚われない点が失 われていることも否めない.対⾯による学習は,相⼿の状態を具に確認することができる,

教わる側の学⽣にとって,⾃分のわからない点を教わる⾏為の中から気づくことができる,

双⽅とも相⼿の状況に応じて臨機応変に対応できる,教える側にとって教えた結果がすぐ

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に体感できるなど,さまざまなメリットがある.しかし,対⾯による学習を不得⼿とする学

⽣や,種々の事情により,対⾯の学習に参加できない学⽣も存在する.このような状況を考 慮すると,類題演習をオンライン学習へ発展させることは⼗分価値があると考えている.

オンラインでの教え合いを想定した場合,教え合いを同期的に⾏う⽅法と⾮同期的に⾏

う⽅法が考えられる.同期的なオンライン学習であれば,テレビ会議システムなどテレコミ ュニケーションシステムを⽤いることで現状でも⼗分可能と思われる.ただし,教わりた い,教えたいをどのように⽀援するか,教え合いを参加者の間に染み渡らせていくにはどう すべきかなど,明らかにしなければならない問題も多いと考えている.

⼀⽅⾮同期的にオンラインで教え合いを⽀援するには,同期的な教え合いに⽐べて検討 すべき点は多い.⾮同期のバーチャルクラスを実現する⽅法として,教員が⽤意した教材に 時系列で随時参加者がコメントを書き込み,擬似的に授業に参加している状況を作り出す 研究例も報告されている(松浦ら, 2001).また,LMS の掲⽰板などを利⽤して学習者同⼠

がコメントを出し合う⽅法,チューターが⾮同期に介⼊する⽅法などもある.いずれの⽅法 も,教材なり問題なりが固定されており,それに対して複数の⼈間が介⼊する形式である.

類題演習では,先述の通り,学⽣が教え合うこと,教わった学⽣が教える学⽣として別な ペアで活動することが重要であり,このような連鎖的な活動を⽀援する⽅法の構築が必要 である.現時点では,適当なグループを構成して,グループ内での教え合いを⽀援しつつ,

外部のグループとの緩やなつながりを形成し,状況に応じてシステム的にグループのメン バーを変化させ,なるべく多くの学⽣が「教える側」の役割を果たせるような⽅法を検討し たいと考えている.グループのメンバーを固定してしまうと,グループ内で相対的に理解度 の⾼い学⽣は,常に教える側の役割を演じ,グループ内で相対的に理解度の低い学⽣は,常 に教わる側の役割を演じることになり,本来の類題演習が指向する教え合いが成⽴しなく なる.

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ドキュメント内 類題⽣成・演習機能システムの開発研究 (ページ 126-129)