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第3章 福島県の曲家

3.1.1 概要

中門造とは、主屋から馬屋を突出させた L 字型の住宅である。主屋下手から前面に曲が り棟を突出させて馬屋を収納する。中門造では、この馬屋を収容した曲がり棟を中門と呼ぶ。

中門の発祥は、豪雪地帯における冬季の出入に備え、廊下をもつ馬屋としての中門に発展し 主屋に付帯したものとされる。中門造では中門の正面が主要な出入口となるため、主屋は寄 棟造でも中門正面だけ入母屋造にしたり、中二階のある住宅は切妻屋根に破風をつけるな どして飾り、立派に見せる。中門造の中には主屋の上手前面にも寝室など突出させて設けた コの字型のものもあり、下手の馬屋中門と合わせて両中門造と呼ばれており、秋田、山形の 日本海側に分布する。

屋根は茅葺き屋根のものが多く、主屋は寄棟、馬屋部分は切妻または入母屋が一般的であ る。軒高は高く、壁面は柱や梁、束、密に通した貫を化粧とし華やかな木組を見せるつくり になっている。このつくりは最上層農家の形式として定着していったとされる。

中門造の典型的な間取り22)を図3.1.1.1に示す。中門の正面に大戸口を構え、土間への通 路を取り、馬屋、便所を設けるつくりが多い。

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図3.1.1.1 中門造の典型的な間取り22

A) うわえん

主屋部分の中央に位置し、多くは天井が無く屋根まで吹き抜けた大きな空間である。床に は畳が敷かれ、表側の1間にのごえんと呼ばれる板床がある。どまとの間にかきこまれてあ がり口があり、ながどから出入りが出来る。

B) したえん

大黒柱、小黒柱の間の敷居を挟んで、うわえんより4~6寸低くなっている。どまからは1 尺半程度高くなっていて全体が板床であった。どまとの間に建具は無く空間的にひと続き であり、天井は屋根裏の床をかねる裏板が張ってあった。食事の支度から食後の団らんまで いろりを中心に行われ、日常生活の場であった。

C) どま

どまは踏み固められた土の地面で、天井はしたえん同様裏板が張ってある。したえん同様、

人の日常生活の場であったとともに、馬の世話もどまで行われた。

したえん いろり ちゅうもん

うわえん のごえん ざしき

床の間 仏だん

ながど 溝どの

小便所 おおど

うまや どま

わらぶち石 すえ釜

うまぶね

こえだし口 ません棒 大便所

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D) うまや

土間より少し掘り下げて、わらをしいてこえを作り、1頭または2頭の馬を飼っていた。

どまに面してうまぶねとませんぼうで仕切られており人がいつも馬の様子を見ることが出 来た。

E) ちゅうもん

うわえんの裏側にあって、通常板床である。納戸として使われている。

F) ざしき

うわえんの隣の表側にあり、8~12 畳ほどの大きさである。畳が敷かれ天井が張られた部 屋で、床の間と仏壇を付す。日常は子供や老人の寝室となっているが、儀式や寄り合いにも 使われていた。

G) へや

仏壇と床の間を挟んでざしきの裏側にあり、4畳ほどの大きさで板張りである。夫婦の寝 室として使われる。

H) おおど

曲がりを入ってすぐの大便所の外側、あるいは大便所とうまやの間にある幅1間弱の板 の引戸で、1枚か2枚である。この戸で外部と内部を区切っており、馬の出入もここから行 う。

I ) ながど

入隅部の出入口で、半間の引戸がほとんどである。現在は上部にガラスが入っているもの も多いが古くは板戸であった。

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ドキュメント内 福島県の伝統的家屋・曲家の耐震性評価 (ページ 36-39)

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