• 検索結果がありません。

建物総重量の算定 25)26)

ドキュメント内 福島県の伝統的家屋・曲家の耐震性評価 (ページ 179-192)

第 5 章 福島県喜多方市における構造調査

5.1 調査の概要

5.2.3 建物総重量の算定 25)26)

本項では、建物総重量の算定手順を示し、算出した重量を述べる。建物総重量は礎石天 端から1階梁天端までを1階階高として、1階階高の半分より上の重量とする。小屋裏を構 成する部材の重量は梁や貫、束、垂木の本数と材積の総和から概算する。茅屋根は、垂木 の上に茅を敷いたものであるため、500mm の屋根に対して637N/m2と見積もる3)。また、

後述の耐震診断においては、通常の地震用荷重のみを考えたパターンと、多雪区域である ことを考慮し、屋根上に1mの積雪を想定した積雪荷重を加えたパターンの両者を比較する。

算出した全体の上載荷重W(kN)は、柱本数N(本)、建物全体高さH(m)、床面積A(m2)等共

に表5.2.3.1に示す。また、表5.2.3.2に重量の内訳を示す。なお、地震用荷重は建物全体が

受ける荷重とし、積雪荷重は1mの積雪時の建物全体が受ける荷重とする。

表5.2.3.1 重量等の情報

高さ (m)

1階床面積 (m2)

重量 (kN)

1階柱本数

(本)

W/A (kN/m2)

W/N (kN)

N/A (1/m2)

H A W N

4.0 279 1448.4 97 5.19 14.93 0.34

表5.2.3.2 D邸の重量表

壁 貫,差鴨居 小屋組 茅葺屋根 荷物 地震用 荷重

積雪 荷重

合計

重量(kN) 216.4 5.0 354.4 286.6 0 0 636.0 1448.4

- 176 -

5.2.4 地盤と住宅の常時微動計測

本項では常時微動計測の方法と結果を示す。速度計を用いてD 邸に水平2成分、地盤は 水平2成分、鉛直1成分の常時微動計測を行う。表5.2.4.1に計測開始時間と計測方向を示 す。計測が成功した回のデータを使用する。

表5.2.4.1 計測回と時刻

計測回 開始時刻 方角 計測CH 成否

1 2019年8月5日11時30分36秒 EW(梁間) CH1-7,10,11 成功

2 2019年8月5日12時15分12秒 EW(梁間) CH5-11 失敗

3 2019年8月5日12時35分05秒 EW(梁間) CH5-11 成功

4 2019年8月5日14時34分29秒 NS(桁行) CH1-9 成功

5 2019年8月5日14時58分18秒 NS(桁行) CH5-11 成功

6 2019年8月5日16時00分03秒 地盤3成分 CH1,2(NS,EW,UD) 失敗 7 2019年8月5日16時15分28秒 地盤3成分 CH1,2(NS,EW,UD) 成功

住宅の常時微動計測の結果を述べる。

計測は 1回につき300秒間とした。計測点配置を図5.2.4.1-2の図中に、計測点の写真を

写真5.2.4.2 に示す。図中の矢印の向きが計測方向を表している。微動計測は地盤(梁間方

向CH1、桁行方向CH1)と小屋裏の数箇所で多点同時計測を行った。図5.2.4.3-4に桁行方 向と梁間方向のフーリエスペクトル比を示す。フーリエスペクトル比は小屋裏のフーリエ スペクトルを地盤のフーリエスペクトルで除したものである。桁行方向のピーク振動数は 2.93Hz、5.05Hzであった。梁間方向2.88Hz、4.39Hzであった。

地盤の常時微動計測の結果を述べる。

3成分の速度計を地表面上に方角と水平を確認しながら設置し、300秒間継続して測定を 行った。図5.2.4.5に計測点配置と計測点の写真を、図5.2.4.6にH/Vスペクトルを示す。NS・ EW方向ともに4Hz程度で卓越している。

- 177 -

図5.2.4.1平面図と計測点配置 …微動センサー位置(桁行)(矢印の向きは計測方向)

CH1

CH2

…微動センサー位置(梁間)(矢印の向きは計測方向)

CH3 CH4

CH6 CH5 CH7

CH8

CH9

CH10 CH11

CH1 CH2 CH3CH4CH5

CH6CH7CH10CH11

CH8CH9

15750 7200

7200 14400

N

Y

X

O 剛

重 心 心

- 178 -

図5.2.4.2 断面図と計測点配置

(a) S1

(b) S2 微動センサー位置

  紙面前方   紙面後方  

(  )

CH7 CH6 CH5

CH9 CH8

- 179 -

図5.2.4.2断面図と計測点配置 (c) S3 CH3CH11CH10CH10CH7 CH6CH5CH4

- 180 -

図5.2.4.2 断面図と計測点配置

(d) S4

(e) S5

CH8 CH9

CH10 CH11 CH13

CH4

- 181 - 写真5.2.4.2 計測点

(a) CH4(桁行) (b) CH5(桁行)

(c) CH6(桁行) (d) CH8(桁行)

- 182 -

図5.2.4.3 梁間方向フーリエスペクトル比

(b) 計測回3 (a) 計測回1 0

5 10 15 20 25 30 35

0.1 1 10

Amplitude

f(Hz) CH3/CH1

CH4/CH1 CH5/CH1 CH6/CH1 CH7/CH1

0 5 10 15 20 25 30 35 40 45

0.1 1 10

Amplitude

f(Hz) CH8/CH1

CH9/CH1 CH5/CH1 CH6/CH1

- 183 -

図5.2.4.4 桁行方向フーリエスペクトル比

(a) 計測回4

(b) 計測回5 0

10 20 30 40 50 60 70

0.1 1 10

Amplitude

f(Hz) CH10/CH1

CH11/CH1 CH5/CH1 CH6/CH1 CH7/CH1 CH8/CH1 CH9/CH1

0 10 20 30 40 50 60 70 80

0.1 1 10

Amplitude

f(Hz) CH3/CH1

CH4/CH1 CH5/CH1 CH6/CH1 CH7/CH1 CH8/CH1 CH9/CH1

- 184 -

図5.2.4.6 H/Vスペクトル 0.1

1 10

0.1 1 10

EW/UD NS/UD

図5.2.4.5 地盤の計測点配置

- 185 -

D邸の常時微動計測から振動モード図を示し、振動特性を述べる。

図5.2.4.7-8に梁間、桁行方向の1~2次振動モードを示す。桁行・梁間方向のそれぞれの

固有振動数の小さい順に1~2次振動モードとする。

梁間方向の1次振動モードでは、耐震要素が少なく大空間となっている主屋で振幅が大 きく、増築部の先端に向かうにつれ振幅が小さいことがわかる。2次振動モードではねじれ が発生しており主屋の中央部と主屋と増築部の連結部辺りを境に振動の向きが反転してい る。また、2次振動においては主屋に比べ増築部先端の振幅が大きくなっている。梁間方向 の振動では1次振動モードと2次振動モードで主屋と曲がり棟で同列に並ぶ梁の振幅に大 きな差は見られず、構造的な連成がされていると推察できる。

桁行方向の1次振動モードでは主屋の中央部でやや振幅が大きいものの、全体的に振幅 は大きな差が無く、一体となって振動していることがわかり、主屋と曲がり棟の構造的連 成は比較的強いことがわかる。2次振動モードではねじれが発生しており主屋の中央部や曲 がり棟中央部を境に振動の向きが反転している。

- 186 - (a) 1次モード(2.9Hz)

(b) 2次モード(4.4Hz)

図5.2.4.7 梁間方向振動モード

●・・・元の位置

●・・・振動モード

- 187 - (a) 1次モード(2.9Hz)

(b) 2次モード(5.1Hz)

図5.2.4.8 桁行方向振動モード

- 188 -

ドキュメント内 福島県の伝統的家屋・曲家の耐震性評価 (ページ 179-192)

関連したドキュメント