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極端現象の長期変化傾向

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第 2 章 日本の気候

2.4 極端現象の長期変化傾向

○日本の月平均気温における異常高温は増え、異常低温は減っている。同様に、熱帯夜や猛暑日 の日数は増え、冬日の日数は減っている。

○日本の日降水量100mm以上の大雨の日数は、長期的に増加傾向がみられる。

この節では、月平均気温や月降水量における異常気象の出現数あるいは日降水量や日最高・最低 気温が極端な値となる年間日数の長期変化傾向について説明する。用いた観測地点は、基本的には 2.3節と同じ気温17地点、降水量51地点であり(表1.2-3参照)、宮崎および飯田の月平均気温は、

移転による影響を除去するための補正を行ったうえで利用している。ただし、日最高気温、日最低 気温の観測データについては、宮崎、飯田の移転による影響を除去することが困難であるため、2.4.1 項の(2)、(3)では宮崎、飯田を除く15地点で解析を行なった。

2.4.1 極端な気温の長期変化傾向

(1)月平均気温における異常値の出現数

図1.2-7に、1901~2010年の110年間における異常高温と異常低温の年間出現数の経年変化を示 す。また、これらの出現数の長期変化傾向と、20世紀初頭の30年間(1901~1930年)と最近30 年間(1981~2010年)で平均した出現数を表1.2-4に示す。

ここでは、異常高温・異常低温を「1901~2010年の110 年間で各月における月平均気温の高い 方・低い方から 1~4 位の値」と定義している。ある地点のある月に、月平均気温の高い方あるい は低い方から1~4位の値が出現する割合は、110年間に4回で、つまり28年に1回(約0.036回 /年)となり、本書の異常気象の定義(用語一覧参照)である「30年に1回以下」とほぼ一致する。

ある年の異常高温・異常低温の出現数とは、17地点において異常高温・異常低温と判断された月平 均気温の年間総数を、地点数の総数(欠測値を除く)で割った値で定義され、1 地点あたりの平均 年間出現数を意味する。年間の発生数の期待値(図1.2-7の黒い横破線)は1地点あたり0.036回

×12か月=約0.44回である。

1901~2010年における異常高温の出現数は5%未満の危険率で統計的に有意に増加している。異 常低温の出現数は有意に減少している。これらの特徴は2.3節に示されている年平均気温の上昇傾 向と符合している。異常高温の出現数は1980年代以降に増加が顕著となり、20世紀初頭の30 年 間(1901~1930年)に比べて、最近の30年間(1981~2010年)は約6倍に増えた。一方、異常 低温は3割以下にまで減少した。

1.2-4 月平均気温の高いほうから1~4位(異常高温)と低いほうから1~4位(異常低温)の出現数の長期変化

傾向と平均出現数

月平均気温で見た異常高温の出現数

変化傾向

+0.10回/10年(*)

1901-1930年の平均出現数 0.16 1981-2010年の平均出現数 0.97 月平均気温で見た異常低温の出現数

変化傾向

-0.07回/10年(*)

1901-1930年の平均出現数 0.72 1981-2010年の平均出現数 0.18

変化傾向は一次回帰式より求めた10年間あたりの出現数の変化(傾き)で、1地点あたりの出現数で示した。(*)

5%未満の危険率で変化傾向が有意であることを示す。また、20世紀最初の30年間と最近の30年間における1 地点あたりの平均出現数も合わせて示す。

0 1 2 3 4

1900 1910 1920 1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 1

地 点 あ た り 年 間 出 現 数

異常高温 異常低温

異常高温(11年移動平均) 異常低温(11年移動平均)

0.44 回

1.2-7 月平均気温の高い方から1~4 位(異常高温)と低い方から1~4 位(異常低温)の年間出現数の経年変

19012010年の月平均気温の各月における高い方・低い方から14位の値の年間出現数。年々の値(細い折れ線)

はその年の異常高温あるいは異常低温の出現数の合計を有効地点数の合計で割った値で、1地点あたりの出現数を意 味する。太い折れ線は 11 年移動平均値。黒い横破線は異常高温・異常低温の平均的な年間出現数(0.44 回)を示 す。

(2)日最高気温30℃以上および35℃以上の年間日数

日最高気温が 30℃以上(真夏日)と 35℃以上(猛暑日)の年間日数(15 地点の平均)の 1931

~2010年の80年間における経年変化を、それぞれ図1.2-8と図1.2-9に示す。日数は1地点あた りの年間日数である。また、これらの日数の長期変化傾向と、最初の30年間(1931~1960年)と 最近30年間(1981~2010年)で平均した日数を表1.2-5に示す。

真夏日の日数については、1931年以降では有意な増加傾向はなく、1931~1960年の30 年間と 最近の30年間で平均した日数を比較しても大きな差はない。しかし、1980年代以降は増加傾向が あり、図1.2-8に太線で示した11年移動平均値で見ると、近年の値は1931年以降で最も多くなっ ている。一方、猛暑日の日数は1931~2010年の80年間で有意な増加傾向があり、最初の30年間 と比較すると、最近30年間は約1.7倍の出現数となっている。猛暑日の日数は1980年代後半以降 に増加しており、特に1990年代半ば以降は1地点あたり2日を超える年がそれ以前に比べて多く なっている。

2.4 極端現象の長期変化傾向

○日本の月平均気温における異常高温は増え、異常低温は減っている。同様に、熱帯夜や猛暑日 の日数は増え、冬日の日数は減っている。

○日本の日降水量100mm以上の大雨の日数は、長期的に増加傾向がみられる。

この節では、月平均気温や月降水量における異常気象の出現数あるいは日降水量や日最高・最低 気温が極端な値となる年間日数の長期変化傾向について説明する。用いた観測地点は、基本的には 2.3節と同じ気温17地点、降水量51地点であり(表1.2-3参照)、宮崎および飯田の月平均気温は、

移転による影響を除去するための補正を行ったうえで利用している。ただし、日最高気温、日最低 気温の観測データについては、宮崎、飯田の移転による影響を除去することが困難であるため、2.4.1 項の(2)、(3)では宮崎、飯田を除く15地点で解析を行なった。

2.4.1 極端な気温の長期変化傾向

(1)月平均気温における異常値の出現数

図1.2-7に、1901~2010年の110年間における異常高温と異常低温の年間出現数の経年変化を示 す。また、これらの出現数の長期変化傾向と、20世紀初頭の30年間(1901~1930年)と最近30 年間(1981~2010年)で平均した出現数を表1.2-4に示す。

ここでは、異常高温・異常低温を「1901~2010年の110 年間で各月における月平均気温の高い 方・低い方から 1~4 位の値」と定義している。ある地点のある月に、月平均気温の高い方あるい は低い方から1~4位の値が出現する割合は、110年間に4回で、つまり28年に1回(約0.036回 /年)となり、本書の異常気象の定義(用語一覧参照)である「30年に1回以下」とほぼ一致する。

ある年の異常高温・異常低温の出現数とは、17地点において異常高温・異常低温と判断された月平 均気温の年間総数を、地点数の総数(欠測値を除く)で割った値で定義され、1 地点あたりの平均 年間出現数を意味する。年間の発生数の期待値(図1.2-7の黒い横破線)は1地点あたり0.036回

×12か月=約0.44回である。

1901~2010年における異常高温の出現数は5%未満の危険率で統計的に有意に増加している。異 常低温の出現数は有意に減少している。これらの特徴は2.3節に示されている年平均気温の上昇傾 向と符合している。異常高温の出現数は1980年代以降に増加が顕著となり、20世紀初頭の30 年 間(1901~1930年)に比べて、最近の30年間(1981~2010年)は約6倍に増えた。一方、異常 低温は3割以下にまで減少した。

1.2-4 月平均気温の高いほうから1~4位(異常高温)と低いほうから1~4位(異常低温)の出現数の長期変化

傾向と平均出現数

月平均気温で見た異常高温の出現数

変化傾向

+0.10回/10年(*)

1901-1930年の平均出現数 0.16 1981-2010年の平均出現数 0.97 月平均気温で見た異常低温の出現数

変化傾向

-0.07回/10年(*)

1901-1930年の平均出現数 0.72 1981-2010年の平均出現数 0.18

変化傾向は一次回帰式より求めた10年間あたりの出現数の変化(傾き)で、1地点あたりの出現数で示した。(*)

5%未満の危険率で変化傾向が有意であることを示す。また、20世紀最初の30年間と最近の30年間における1 地点あたりの平均出現数も合わせて示す。

1.2-5 日最高気温30℃以上および35℃以上の年間日数の長期変化傾向と平均日数

日最高気温30℃以上の日数(真夏日) 変化傾向

+0.30日/10

1931-1960年の平均日数 36.5 1981-2010年の平均日数 37.5 日最高気温35℃以上の日数(猛暑日)

変化傾向

+0.16日/10年(*)

1931-1960年の平均日数 1.0 1981-2010年の平均日数 1.8

変化傾向は一次回帰式より求めた10年間あたりの日数の変化(傾き)で、1地点あたりの数で示した。(*)は5 未満の危険率で変化傾向が有意であることを示す。また、最初の30年間の平均日数と最近の30年間の平均日数も 合わせて示す。

0 20 40 60

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 1

地 点 あ た り の 年 間 日 数

真夏日(日最高気温30℃以上)の日数

1.2-8 日最高気温30℃以上の年間日数の経年変化

1地点あたりの年間日数。細線は年々の値を、太線は11年移動平均値を示す。

0 2 4 6 8 10

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 1

地 点 あ た り の 年 間 日 数

猛暑日(日最高気温35℃以上)の日数

(3)日最低気温0℃未満および25℃以上の年間日数

日最低気温が0℃未満(冬日)と25℃以上(熱帯夜4)の年間日数(15地点の平均)の1931~2010 年の80年間における経年変化を、それぞれ図1.2-10と図1.2-11に示す。日数は1地点あたりの年 間日数である。また、これらの日数の長期変化傾向と、最初の 30 年間(1931~1960 年)と最近 30年間(1981~2010年)で平均した日数を表1.2-6に示す。

冬日の日数は有意に減少しており、最近の30年間は最初の30年間と比べて約15%少なくなって いる。一方、熱帯夜の日数は有意に増加しており、最近の30年間は最初の30年間の約1.6倍の出 現頻度となっている。

1.2-6 日最低気温0℃未満および25℃以上の年間日数の長期変化傾向と平均日数

日最低気温0℃未満の日数(冬日)

変化傾向

-2.36日/10年(*)

1931-1960年の平均日数 69.8 1981-2010年の平均日数 59.4 日最低気温25℃以上の日数(熱帯夜)

変化傾向

+1.37日/10年(*)

1931-1960年の平均日数 11.0 1981-2010年の平均日数 17.6 表の見方は表1.2-5と同様。

0 20 40 60 80 100

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 1

地 点 あ た り の 年 間 日 数

冬日(日最低気温0℃未満)の日数

1.2-10 日最低気温0℃未満の年間日数の経年変化

図の見方は図1.2-8と同様。

4 熱帯夜は夜間の最低気温が25℃以上のことを指すが、ここでは日最低気温が25℃以上の日を便宜的に「熱帯夜」

1.2-5 日最高気温30℃以上および35℃以上の年間日数の長期変化傾向と平均日数

日最高気温30℃以上の日数(真夏日) 変化傾向

+0.30日/10

1931-1960年の平均日数 36.5 1981-2010年の平均日数 37.5 日最高気温35℃以上の日数(猛暑日)

変化傾向

+0.16日/10年(*)

1931-1960年の平均日数 1.0 1981-2010年の平均日数 1.8

変化傾向は一次回帰式より求めた10年間あたりの日数の変化(傾き)で、1地点あたりの数で示した。(*)は5 未満の危険率で変化傾向が有意であることを示す。また、最初の30年間の平均日数と最近の30年間の平均日数も 合わせて示す。

0 20 40 60

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 1

地 点 あ た り の 年 間 日 数

真夏日(日最高気温30℃以上)の日数

1.2-8 日最高気温30℃以上の年間日数の経年変化

1地点あたりの年間日数。細線は年々の値を、太線は11年移動平均値を示す。

0 2 4 6 8 10

1930 1940 1950 1960 1970 1980 1990 2000 2010 1

地 点 あ た り の 年 間 日 数

猛暑日(日最高気温35℃以上)の日数

1.2-9 日最高気温35℃以上の年間日数の経年変化

図の見方は図1.2-8と同様。

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