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楓、

ドキュメント内 談話行動の諸相 : 座談資料の分析 (ページ 143-163)

     、、嚇、

    0.5      1.0   一喝鞠隔鴨.一、   1.5      (sec)

図9 自然な談話中における話者Bの声の高さの変化(3)

      (速度)

「かいでず一も一水はきれ一ですわ」9.302        ・

「ひえなご橋のとこで」      6.56G        ,

「三銭だ」      4.326

2.3. ポーズとイントネーション 137

のように,高さの変化に応じて速度も次第に遅くなる。高さと速度の変化が根 まってここが発話文の束羅であるとともに,発話の大段落としての区切りの位 置であることを示している。

 始めにのべたように,発話は睦く息で作られており,従って話は発話節とポ ーズ,発話節とポーズのように区切りながら進められる。その間に書い淀み,

まちがいあるいは挿入があり,こうしてぶつ切れで進行する談話のことばは必 ずしも文としてのまとまりをつけてはいない。しかし,聞き手はそれを許容し,

発話節のうち意味上の重要な情報を受取ってそれらを接続して理解するのであ

ろう。

 このとき,発話文あるいは発話段落としてのまとまりが,ポーズとイントネ ーション,また,発話速度等の音響的な変化によって示され,これが意味を理 解する上で重要な手がかりを与えるものと考えられる。

2.3.5,結び

 一速の談話のうち,やや改まった発話部分と,自由な生き生きとした談話の 部分とを材料として,発話とポーズの時間関係および区切りのイントネごショ

ンの特微についてのべた。

 なんらかの問いに答える場合に,発話が整ってくるまでの雷い淀みや,無意 味な発話では,発話節が短くなる傾向があった。発話とポーズの時闇の割合は,

この談話の主な話者の場合,平均値が約3:1であり,ニュースの場合と同様の 値を示していた。しかし,場面によって変動が大きいことが明らかとなった。

 話者の発話に対する聞き手の臨答は,話者のポーズ内にあるもの,割込み,

138 11 分析編

盤ね割込みとここで呼んだ3種の場合があり,重ね割込みは話の進展と関係の 少ない言葉に重ねられる傾向があった。自由な談話の中では,話が盛り上がる

とき音声の重なりや割込みが盛んに行われ,これに続いて話者交代が行われる 傾向が見られた。

 談話は,発話とポーズの繰返しからなり,そのことぽは必ずしも文として整 っていない。しかし,基本周波数が示すイントネーションから見れば,発話句,

発話文としてのまとまりが明瞭に観察される場合があり,そこには聞ぎ手の応 答が挿入される傾向があった。大きな発諸段落においては,声の顕著な下げと ともに,発話速度が遅くなる場合があり,これに続いて話題が大ぎく転換し,

それが段落の区切りであることを承していた。

 談話の文法においては,従来考えられている文の規鍵と異なり,非文が多い が,これに対する聞き手の許容度が高く,聞き手は話者の音声のポーズやイン トネーションさらに身体的な動作を含めた全体から情報を受取り,総合して理 解するものと考え.られる。

2.4.声の使い方・調音など

2.4,1.言語のパ癬一ル的部分

 談話はラング的な要素が中心になって成立していることについては疑いがな い。Nかちょっとこみ入ったことを説明したりするときにはどうしてもラング

としての雷語にたよらざるを得ない。「きのう,会社に行った。」という文は,

聞き手がそのようなものとして聞き取るかぎり,どのような速度で話しても,

またどのような声で話してもそのまま伝わる。ラング的な部分が不変であれぽ,

パロール的な部分がどのように変化しても,発謡内容の論理的意味は変わらな いのである。

 イントネーションはラソグ的な部分とパロール的な部分の両方の{生質をあわ せ持っている。いまの例で言えば,「行った」の部分を疑問のイントネーション で需うか,肯定のイントネーションで雷うかで論理的意味が変わってしまう。

しかし,つまらなそうな「調子」で言っても,うれしそうな「調子」で言って も,論理的意味は固じである。我々は,ふだんこのようなときに「調子」とい うことぽを使って了解しているつもりでいるが,この「調子」のなかにイソF ネーションが含まれていることは間違いない。

 需語のパロール的な側薦は談謡全体とどのようにかかわっているのだろうか。

論理的意味をになっていないとすれぽ,どのような機能があるのだろうか。筆 渚は,それは「気分」の表出だと考える。「気分」,「感情」というのは,とらえ どころのないことぽだが,談話の場がある感情に支配されることは我々がよく 経験することである。談話の参加考の一一…i入の感情がその場にいる金鐘に伝染す ることも普通にあることである。談話の鐸的が憶報の交換でなく,ひと嗣士の 接触にある場合,気分ないし感構を樹手に伝えることのほうが,欝語による情

14 ノ II 分折編

報のやりとりよりも:重要な意味をもつことがしぼしぼある。また,こうした感 情的要素が談話の構成そのものに大きな影響を与えることもある。談話の参加 老がお互いに気づまりな思いをしていれぽ,よけい話がはずまなくなるであろ うし,その逆に全員がリラックスしていれば,自然に話をすることができ,そ の結果,さらに打ちとけるということも考えられる。

 それでは談話の参加者の感情はどのような形で蓑現されるのであろうか,ま たどのようにして他の参掬老に伝わるのであろうか。ここで,ちょっと突飛だ が筆者には類似しているように思われる例をとりあげたい。筆者はときどき車 の運転をすることがあるが,同時に難じ道を走っている運転者たちの感情を感 じることがある。それは道路が渋滞しているときに限るのだが,そのようなと きには運転者がイライラしているのがよくわかり,自分もその感情にひきこま れそうになる。ちょうど,談話に参撫している人たちが共通の感構に支配され

るのと同じである。このようなとき,運転考がイライラしているのは運転その ものから分るのである。イライラしているときは,ちょっとでも前があくと,

猛然とダッシュしたり,醜声にハンドルを切って他の車の蒋{」に割り込んだりす るのが特徴である。

 これと同じことが談話についても潤える。談話に参加している人たちの感構 は,その人たちの使っている伊語そのものによって表現されるのである。しか も,それは言語のラング的部分よりはパV一ル的部分によって表現されること が多い。もっと琶えぽ,ラング的な部分によって伝達された論理的意味そのも のが感吟の表現を行うことはあまりない。(「私はうれしい。」ヂこの話はつまら ない3などと薩接ことぽで書うことはあまりない。)のに尽し,話すスピード,

インFネーションなどによって代衷される新語のパP一ル的部分が,談話に参 加している人の感情を代弁することがむしろ普通であるということである。

 筆潔の回りにいる入のなかには,次のような人がいる。Aさんは,興奮して くると畢癖になり,ややドモリがちになる。また,単語または音節を発音しか けてやめる。発話の最初の都発以夕Fの欝節の発欝が不完全になる。ttttt一つの発話 のなかでスど一ドが急に変化する。そうかと患うとひと患で発話を背おうとす

る,、霞が幾.{高くなることも特徴であ鵜、、

      2.4. 声の使い万・調音など  ノ41  Bさんは「そういうこともありますね」などと需うときに最後の部分を

[arimannne]と発音する癖があるが,これはtt:!るときと出ないときがある。緊

   /) 1

張したときにむしろ出るようである。また,笑いながら話をするときに[m]の 轡が[1司(上歯と下唇で閉鎖を作るm音)になるというのも我々のよく経験す ることである。

 このように考えてくると,書語そのものによる話し手の感情の表現の仕:方は 次のように分類されることになる。

1)

2)

ラング的…  話されている内容 パP一ル的

a)イントネーシsン

b)スピード(ポーズも含まれる)

C)調音の仕方(「ドモる」ことも含む)

d)声の強さ。高さ

 ここで淺些したいのは,最後にあげた「声の強さ・高さ」である。実は筆者 は,このなかに「声の音色」も閉めたいのである。f声の音色」とは聞きなれな いことばだが,擁壁語には「猫なで声」「鼻を鳴らす」「ささやく」「声色」など の袈現があり,それらは「声の音色」の一部を表していると考えられる。

 ただし,「量色」は「高さ」「強さ」とともに声を形作っている要素であるが,

後の二つと「音働を分離するのが難しい場合があることも認めなけれぽなら ない。たとえば「軍高い声」というのは発声器官の緊張をともなった声であり,

そのために特有の層層を帯びるが,そのような声はピッチが高いことも特微で

ある。

 また,翠色を褒す語彙が1三体語に乏しく,客観的に音色を記述することが照 嫌なことも問題である。

 高さということばについても説明を加える必要がある。これはピッチのこと であって,強さとは対立する概念である。また,一つの文のなかでのピッチの

..}∴がり下がり(イントネーション}¢)ことを譜っているのではない。そうでは なくて,藪しろひとつの発話金体のピッチと考えたほうが透い。これに・ゲント

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