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棚卸の実施におけるポイント

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7. SAM 運用上のポイント

7.3. 棚卸の実施におけるポイント

棚卸作業とは、簡単に言えば管理台帳上の情報と現状の差異を検出し、あるべき状態に修正す ることである。台帳管理の手続きが有効に機能していることを確認することにより、ライセンス コンプライアンスの説明責任を果たすことができる。更に、コスト削減・合理化を達成するに当 たっては管理台帳上の情報が正確であることが前提であり、棚卸作業はSAM の効果を左右する 重要な作業の一つである。

前述したように、棚卸作業を定期的に実施することで、管理台帳上の情報の正確性を保つこと ができる。管理台帳上の情報の正確性をより高いレベルで維持するためには、なるべく頻繁に棚 卸をすることが求められるが、そのためには棚卸作業にかかるコストを考慮し効率的に実施する ことが望まれる。以下に、棚卸を実施する際に留意すべきポイントを解説する。

ポイント①:ハードウェア資産の網羅的な把握

ソフトウェアライセンスを適切に管理するためには、組織が保有するハードウェア資産を「網 羅的に」把握することが何よりも重要である。管理対象であるハードウェア資産が管理台帳上の 情報どおりに存在するかを確認するだけでなく、管理から漏れているハードウェア資産の存在に ついても確認することが必要である。更に、ハードウェア資産を正確かつ網羅的に把握するため に、納品書などの購入履歴といった証憑を併せて実在性を確認することも検討する

図7-5 ハードウェア資産の網羅的な把握

インベントリ収集ツールなどを用いるなど IT を活用することにより棚卸作業の効率化を 図ることも検討したいポイントである。インベントリ収集ツールなどを用いる場合は、ネッ トワークに接続されていないスタンドアロンPCや予備機、電源が入っていないハードウェ ア資産や修理中のハードウェア資産などを見落としやすいため、棚卸の手続策定において留 意しておく必要がある。

なお、自動収集するだけでは、現物とツールによる収集情報を紐付けることは容易ではな いことから、現物との紐付けを容易にするための確認作業は別途必要であることを忘れては ならない。

ポイント②:利用されているソフトウェアの正確な把握

次に棚卸において重要なポイントは、ハードウェア資産が網羅的に洗い出された後、その ハードウェア資産上で利用されているソフトウェアを正確に把握することである。ハードウ ェア資産上で利用されているソフトウェアが台帳上の情報と一致しているかどうかを確認す る。なお、利用されているソフトウェア情報を取得する際は、保有するソフトウェアライセ ンスとの照合を考慮し、ソフトウェア名称だけでなく、必要に応じてバージョン情報なども 取得しておく。

図7-6 導入されているソフトウェアの把握

導入ソフトウェア台帳

ソフトウェアA ソフトウェアB ソフトウェアC

ソフトウェアA ソフトウェアB

ソフトウェアA ソフトウェアC

導入ソフトウェア台帳

ソフトウェアA ソフトウェアB ソフトウェアC

ソフトウェアA ソフトウェアB

ソフトウェアA ソフトウェアC

ハードウェア台帳

保有するハードウェア資産

所在が不明な ハードウェア資産

管理されていない ハードウェア資産

ハードウェア台帳

保有するハードウェア資産

所在が不明な ハードウェア資産

管理されていない ハードウェア資産

収集方法は、インベントリ収集ツールを用いる方法や、WindowsOS であればレジストリ情報 をコマンドで取得する方法、「アプリケーションの追加削除」を確認する方法などがある。インベ ントリ収集ツールを利用しない場合は、調査票ベースで従業員や管理者、あるいは外部業者など に調査させることになるが、現場に負担を強いることは組織全体の生産効率低下が懸念され、外 部に任せる場合はコストがかかること、また、正確性も担保できないことから、SAM ツールを 導入することが望ましい。

ポイント③:保有するソフトウェアライセンス関連部材の確認

ソフトウェアライセンスを組織が保有していることを証明できなければ、そのソフトウェアの 利用がライセンス違反として捉えられてしまう可能性が高い。そのため、ソフトウェアライセン スを保有していることを証明するための証拠となる関連部材は確実に管理しておきたい。また、

ソフトウェアベンダーによってその証拠能力の捉え方が異なることから、ソフトウェアを調達す る段階でソフトウェアベンダーに問い合わせておくことも重要である。(6.8.1.1. 棚卸(3)を参 照)。

ソフトウェアライセンスの関連部材は一式が揃っていないとソフトウェアライセンスを保有 していると見做されない場合もあるため、同梱されるライセンス関連部材にシールなどで付番し 管理することが望ましい。

マニュアル

媒体(CD/DVD等) 証書類

001 001 001

マニュアル

媒体(CD/DVD等) 証書類

001 001 001

図7-7 同梱されるライセンス関連部材の付番による管理

保有ライセンス台帳

ライセンス関連部材台帳

マニュアル 媒体(CD/DVD等)

証書類

図7-8 ライセンス関連部材の把握

ポイント④:差異分析と再発防止のための改善

管理台帳上の情報と現状とを照合し、その間に差異が認められた場合は、その差異が発生した

原因を分析し、再発防止につなげることがSAM の改善において重要なポイントである。管理台 帳上の情報に差異が発生する要因として、

・管理台帳への登録・更新・削除に関する手続上の不備

・管理台帳への登録・更新・削除に関する運用上の不備

・ソフトウェア関連資産の紛失や盗難、誤廃棄

・ソフトウェアの不正利用

・管理台帳上の情報に対する不正操作

など様々に考えられるが、故意、過失のいずれの場合においても、再発防止のための改善策を講 じておくことが望まれる。

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