日本株の取引において、SR社の認識では手数料、取引ツールなどが差別化要素となる。2018年3月期においてマネックス 証券の手数料率(委託手数料÷株式売買代金)はオンライン証券大手5社の中で最も高かったが、同業他社と比較して取 引ツールにおける注文方法が充実しているという特徴がある。
株式取引の手数料は「取引毎手数料コース」と「一日定額手数料コース」の2種類
株式取引の手数料は投資スタイルに合わせて「取引毎手数料コース」と「一日定額手数料コース」の2種類がある。また、
アクティブトレーダー向けには別料金体系の「トレードステーション」も提供している。
取引毎手数料コース
取引毎手数料コースは1注文の約定代金に対して手数料を計算する。手数料率は0.10%程度である。なお、2017年11月に は信用取引の手数料引き下げを実施した。
取引毎手数料コース(現物取引)
1注文の約定金額 パソコン スマートフォンアプリ、携帯電話
10万円以下 100円
10万円超20万円以下 180円
20万円超30万円以下 250円
30万円超40万円以下 350円
40万円超50万円以下 450円
50万円超100万円以下 (成行注文)1,000円
(指値注文)1,500円
約定金額の0.1%
100万円超 (成行注文)約定金額の0.1%
(指値注文)約定金額の0.15%
出所:同社資料をもとにSR社作成
*取引毎手数料での月間支払い金額が30万円以上で半額相当額をポイント還元。
マネックスグループ|8698
LAST UPDATE: 2018.08.21 Research Coverage Report by Shared Research Inc. | www.sharedresearch.jp
R
Coverage
取引毎手数料コース(信用取引)
1注文の約定金額 取引手数料
10万円以下 95円
10万円超20万円以下 140円 20万円超30万円以下
190円 30万円超40万円以下
40万円超50万円以下
50万円超100万円以下 355円 100万円超150万円以下 600円 150万円超200万円以下 800円 200万円超 一律1,000円 出所:同社資料をもとにSR社作成
一日定額手数料コース
一日定額手数料コースでは、顧客の1日の約定金額の合計額に対して手数料を計算する。1日の売買代金のうち、約定金 額300万円ごとの売買を「ボックス」という単位で呼び、1ボックスごとに1日何回取引しても2,500円の手数料となる。
月間利用ボックス数21回目からは2,250円、月間利用ボックス数121回目からは1,650円となる。また、一日定額手数料を 利用時に日計り取引を行った場合、日計り取引の片道分についてはポイントを還元する。一日定額手数料コースの場合、
手数料率は0.08%程度となる。
同業他社との手数料体系の違い
オンライン証券大手5社の手数料体系は、取引毎または1日の約定金額に応じて手数料を決定する。カブドットコム証券 は取引毎の手数料体系、松井証券は1日の約定金額に応じた手数料体系を採用している。それに対して、SBI証券、楽天 証券、マネックス証券では取引毎の手数料と1日の約定金額に応じた手数料の2種類の手数料体系を提供している。
SBI証券、楽天証券、マネックス証券の信用取引(取引毎手数料コース)では約定金額が高いほど手数料率は低下するが、
マネックス証券の現物取引、松井証券、カブドットコム証券では約定金額の違いによる手数料率の違いはない。また、
SBI証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券では現物取引より信用取引は安い手数料率を設定しているが、
松井証券は現物取引と信用取引で同じ手数料体系としている。
オンライン証券大手5社の現物取引における株式委託手数料
出所:各種資料をもとにSR社作成
*単純平均は株式売買手数料÷しきい値の約定金額の単純平均
オンライン証券大手5社の信用取引における株式委託手数料
出所:各種資料をもとにSR社作成
*単純平均は株式売買手数料÷しきい値の約定金額の単純平均
*松井証券の手数料体系において、信用取引口座開設から6ヵ月後の月末まで、1日の株式約定代金合計が30万円まで手数料が無料となる。
証券会社名 株式売買手数料 手数料率
10万円 20万円 30万円 50万円 100万円 200万円 300万円 単純平均 約定金額50万円以上の平均 マネックス証券 取引毎手数料コース 1注文の約定金額に対し 100円 180円 250円 450円 1,000円 2,000円 3,000円 0.09% 0.10%
一日定額手数料コース 1日の約定金額合計に対し 約定金額300万円ごとに2,500円 0.08% 0.08%
SBI証券 スタンダードプラン 1注文の約定金額に対し 90円 105円 487円 0.05% 0.04%
アクティブプラン 1日の約定金額合計に対し 0円 191円 286円 429円 762円 1,162円 1,562円 0.07% 0.07%
楽天証券 超割コース 1注文の約定金額に対し 90円 105円 487円 0.05% 0.04%
いちにち定額コース 1日の約定金額合計に対し 0円 191円 286円 429円 858円 2,000円 3,000円 0.08% 0.09%
松井証券 1日の約定金額合計に対し 0円 500円 1,000円 2,000円 3,000円 0.08% 0.10%
カブドットコム証券 1注文の約定金額に対し 90円 180円 250円 0.09% 0.10%
250円 921円
約定金額×0.09%+90円 上限3,690円
250円 921円
300円
証券会社名 株式売買手数料 単純平均
10万円 20万円 30万円 50万円 100万円 200万円 300万円 手数料率 約定金額50万円以上の平均 マネックス証券 取引毎手数料コース 1注文の約定金額に対し 95円 140円 355円 800円 1,000円 0.05% 0.04%
一日定額手数料コース 1日の約定金額合計に対し 約定金額300万円ごとに2,500円 0.08% 0.08%
SBI証券 スタンダードプラン 1注文の約定金額に対し 90円 135円 0.05% 0.03%
アクティブプラン 1日の約定金額合計に対し 0円 477円 877円 1,277円 0.05% 0.05%
楽天証券 超割コース 1注文の約定金額に対し 90円 135円 0.05% 0.03%
いちにち定額コース 1日の約定金額合計に対し 0円 191円 286円 429円 858円 2,000円 3,000円 0.08% 0.09%
松井証券 1日の約定金額合計に対し 0円 500円 1,000円 2,000円 3,000円 0.09% 0.10%
カブドットコム証券 1注文の約定金額に対し 99円 179円 249円 449円 760円 940円 1,100円 0.07% 0.06%
239円
350円 180円
190円
180円 350円
300円/0円
マネックスグループ|8698
LAST UPDATE: 2018.08.21 Research Coverage Report by Shared Research Inc. | www.sharedresearch.jp
R
Coverage
このような手数料体系の結果、2018年3月期におけるオンライン証券大手5社の手数料率は、SBI証券、楽天証券、カブドッ トコム証券では0.03%程度で、松井証券では0.05%程度であったが、マネックス証券では0.09%程度であった。マネック ス証券はサービスの提供に対して適正な手数料を受領する方針であること、手数料率より取引ツール、商品の品揃え、投 資家教育などで差別化を図る考えである。また、同社によれば、オンライン証券の手数料率は平均すれば株価1値段の変 動の範囲内であり、板乗り時間の短縮、自動売買注文などによって1値段でも早く注文の約定を成立させることによって、
同業他社との手数料率の差を埋め合わせることが可能であるという。
このような手数料体系によって、取引回数の多いアクティブトレーダーはSBI証券や楽天証券に特に多いとSR社は認識し ている。松井証券では手数料無料の「一日信用取引」の開始(2013年1月)、カブドットコム証券では信用取引の手数料 率引き下げと大口取引向け優遇プランの導入(2013年11月)によって、アクティブトレーダーを獲得しつつある。それ に対して、マネックス証券の顧客は中長期での資産形成を志向する顧客が多いという。
マネックス証券では2016年3月に同社の米国子会社であるトレードステーション社の技術を活用し、アクティブトレー ダー向け日本株取引ツール「トレードステーション」を同業他社比で相対的に割安な手数料率で提供し、アクティブトレー ダーの獲得を図っている。
トレードステーションの提供を開始
マネックス証券は2016年3月にアクティブトレーダー向け日本株取引ツール「トレードステーション」の提供を開始した。
日本株取引ツール「トレードステーション」は米国子会社であるTradeStation Securities, Inc.およびTradeStation Technologies, Inc.とマネックス証券が共同で開発した日本株取引ツールである。米国のTradeStationはアクティブト レーダーからの評価が高く、「BARRON’S」のオンライン証券ランキング「アクティブトレーダー」部門で8年連続4つ星 半の最高評価獲得など、数々の賞を受賞している。
同社によれば、「トレードステーション」は発注速度が最速(マネックス証券を除くオンライン証券の中では発注速度が 最速であるカブドットコム証券の板乗り時間が中央値で33ミリ秒に対して、日本株取引ツール「トレードステーション」
の板乗り時間は平均6.6ミリ秒)で、登録銘柄のリアルタイムモニタリング機能(2,000銘柄の騰落率リアルタイムソート が可能)、スクリーニング機能(200種類以上の指標が利用可能)、バックテスト(過去のデータによる売買戦略の検証)
機能など、アクティブトレーダーが求める高い性能を実現しているという。また、専用プログラム言語「EasyLanguage」
によって、独自の分析指標、売買シグナル、プログラム売買も可能である。
さらに、「トレードステーション」の手数料体系は1日の約定金額に対して、10万円ごとに50円(ミニプラン)、100万 円ごとに400円(ノーマルプラン)、1,000万円ごとに3,250円(ラージプラン)(ラージプランは信用取引口座開設済み の顧客のみ選択可能)と、手数料率は0.04%程度である。
注文方法が充実
マネックス証券の株式取引(信用取引を含む)は、同業他社と比較して注文機能が充実している。下表の通り、逆指値、
ツイン指値は当然ながら、先頭指値、連続注文、リバース注文など、提供しているオンライン証券が限られる注文方法が 可能である。
オンライン証券大手5社の注文方法
出所:各種資料をもとにSR社作成
逆指値 ツイン指値 先頭指値 連続注文 リバース注文
マネックス証券 可能 可能 可能 可能 可能
SBI証券 可能
楽天証券 可能 逆指値付通常注文
松井証券 可能 追跡指値注文 返済予約注文
カブドットコム証券 可能 W指値 リレー注文 Uターン注文