■161■
<地域の将来像>
謙信の里と雁木の街並み おもてなしのまち
1 地域の概要
・長岡市東部に位置する栃尾地域は、四方を守門岳と東山山系に囲まれ、守門岳を水 源とする刈谷田川と西谷川の合流地点に市街地が広がり、山あいには農村集落が点 在しています。
・この地域には、国道 290 号が南北に縦断しているほか、東西に国道 351 号が配置さ れ、地域住民の日常生活や産業振興を支える重要な路線となっています。
・刈谷田川と西谷川の合流地点の市街地には、地域の基幹産業である繊維関連の企 業が立地しているほか、栃尾地域の中心となる本町、谷内、滝の下町地区には商店 街が形成されています。昭和 40 年代には新栄町、原町地区において、また、平成8年 から泉、平地区において、土地区画整理事業が行われ新たな市街地が形成されまし た。
・地域資源としては、「あぶらげ」、酒などの特産品があり、上杉謙信公ゆかりの史跡、雪 国の生活を感じさせる「雁木の街なみ」などがあります。加えて、国道 290 号沿いの道 の駅、美術館、「道院高原」などの観光施設も数多くあります。
2 現状と課題
○地域資源を活かしたまちづくり
・栃尾地域の中心部では、上杉謙信公ゆかりの史跡や日本有数の長さを誇る「雁木の 街なみ」が保全され、地域資源を活かしたまちづくりが既に始まっています。今後とも、
市民との協働による地域づくりをさらに進めていく必要があります。
・栃尾地域では、さらなる観光振興を図るため、「道の駅 R290 とちお」、「杜々の森」、
「道院高原」など既存の観光施設の活用を図るとともに、他地域との広域的な交流・連 携が必要です。
○地域に関するデータ
・総面積 204.9 (23.0%)
・総人口 21,004人 ( 7.4%)
・世帯数 6,847世帯 ( 6.9%)
・年少人口比率 10.6%
・老齢人口比率 33.7%
(出典)平成22年国勢調査
※カッコ内は市全体に占める割合
■162■
○地域産業の活性化に向けた課題
・栃尾地域では、年々人口が減少してきており、とりわけ若年層の人口流出が顕著です。
地域における雇用の場を創出し、定住人口の確保につなげるため、都市整備の面か らも地域産業の活性化を支援する必要があります。
○地域の中心部における課題
・栃尾地域の中心となる金町、本町、谷内、滝の下町地区周辺は、地域における生活 の場として最も重要な役割を担っています。しかし、モータリゼーションの進展や消費 者のライフスタイルの多様化などにより、中心商店街の活力が低下してきており、活性 化に向けた取組みが必要です。
・市街地では、住宅が密集して立地し、道路幅員も狭い箇所があります。また、人口減 少や転居に伴って、空き家や空き店舗が発生しています。
○道路・交通ネットワークの課題
・栃尾地域と長岡地域や隣接する市町村を結ぶ国・県道は、住民の通勤・通学などの 日常生活はもとより、広域観光を支える重要な路線であることから、道路の拡幅や歩道 整備など、さらなる道路機能の強化が必要です。
・幅員の狭い生活道路では、歩行者の安全性を確保する交通安全施設の設置が必要 です。
・路線バスは、栃尾地域における唯一の公共交通であり、通勤・通学はもとより日常生 活を支える重要な移動手段であることから、今後とも維持・充実を図る必要があります。
○安全・安心なまちづくりの課題
・栃尾地域は、県内有数の豪雪地帯であり、冬期間においても、安全に安心して暮らせ る地域づくりが必要です。
・西谷川左岸の大野町、表町、大町周辺の市街地においては、急傾斜地に住宅が密 集していることから、土砂災害防止に向けた取組みが必要です。
3 地域づくりの方針
○謙信の里にふさわしいまちづくり
・栃尾地域の中心市街地周辺では、謙信の里にふさわしい地域づくりを推進するため、
今後とも、市民との協働により「秋葉公園」や「中央公園」、「栃尾美術館」、雁木の街な みなどを活用した環境整備に取組みます。あわせて、「道の駅 R290 とちお」との連携 強化により、中心部における整備効果を一層高めます。
○観光振興に向けた基盤整備
・「道の駅 R290 とちお」、「杜々の森」、「道院高原」などの既存の観光施設については、
さらなる活用を図るとともに、他地域との広域的な連携による観光振興を促進するため、
案内標識などの基盤整備を進めます。
■163■
○地域産業の活性化に向けた土地利用の誘導
・豊富な資源や長年培われてきた高い技術力を活かして、新たな産業の導入を図るた め、企業立地の需要に応じた土地利用の誘導とともに、立地環境の向上を図る基盤 整備を検討します。
・とりわけ、工場集積地内の大規模な工場跡地において、新たな土地利用ニーズが発 生した場合は、既に立地している工場の操業環境や周辺の市街地環境に影響を及ぼ さないものに限り、適切な土地利用転換を検討します。
・市街地や農村集落では、日常生活において身近な範囲内に買い物の場を確保し、高 齢社会に対応した地域づくりを推進するため、土地利用の面からも適切な支援を行い ます。
・既に開発された住宅用地の分譲を促進するとともに、既成市街地をしっかりと活用して いくため、空き家や空き店舗の有効活用などの仕組みづくりを検討します。
○幹線道路及び生活道路の整備
・栃尾地域と周辺地域を結ぶ、国道 290・351 号などの幹線道路については、さらなる道 路機能の強化に向けて、道路拡幅等を促進します。
・通学路や身近な生活道路では、交通安全施設を設置するとともに、歩道の整備を推 進します。
○公共交通ネットワークの維持・充実
・栃尾地域とJR長岡駅を結ぶバス路線は、その運行を維持するとともに、バス停の上屋 整備など、バス交通の利用環境の向上を図ります。また、地域内を運行する路線バス は、利用状況に応じた運行頻度や運行時間の見直しを行い、その運行を維持するとと もに、バス利用者の少ない路線については、地域が主体となった公共交通の検討や 運営を支援します。
○安全・安心な都市基盤の整備
・雪に強い地域づくりに向けて、雪国の特性に配慮した道路整備や流雪溝の整備更新 を推進します。また、雁木などの整備や克雪住宅の普及などを促進します。
・土砂災害が生ずる恐れのある区域では、地すべりやがけ崩れによる土砂災害を防止 するため、施設整備を促進し、あわせて警戒避難体制の強化を図ります。
・幅員の狭い道路に面した地区においては、緊急時に迅速な対応ができる安全・安心 なまちづくりを検討します。
○自然環境の維持・保全
・守門岳や東山山系の豊かな自然と、そこで育まれた豊富で良質な水は、地域の誇りと なる貴重な自然資源です。今後とも、このような自然資源を積極的にまちづくりに活か していくと同時に、適切な維持・保全を図ります。
■164■
地域づくりの方針図(栃尾地域)
■165■
<地域の将来像>
与板の歴史と伝統文化を活かした 安全で快適なまち
1 地域の概要
・長岡市北西部に位置する与板地域は、東部を信濃川及び黒川が南北に流れ、西山 丘陵地沿いの与板地区などに市街地が形成されています。また、国道 403 号、県道 長岡寺泊線、県道寺泊与板線など、地域を南北に縦断する幹線道路沿いに集落が 点在しています。
・国道 403 号沿道の与板地区に中心商店街が形成されているほか、近年、新たに住宅 地が整備された江西地区周辺には、食品スーパーやホームセンターなどの商業施設 が立地しています。また、荻岩井、江東、本与板地区において、工業導入地区が整備 され、金属加工などの企業が立地しています。
・地域資源としては、直江兼続公とお船の方ゆかりの歴史資源、伝統工芸品「越後与板 打刃物」、与板十五夜祭りで催される「登り屋台」などがあります。また、「楽山苑」、「与 板歴史民俗資料館」などの観光施設があります。
2 現状と課題
○地域資源を活かしたまちづくり
・与板地域では、「与板・本与板城跡」や鉄道廃線敷などを活用したまちづくりが進み、
今後とも、このような取組みを継続しながら、市民との協働による地域づくりを推進する 必要があります。
・大河ドラマ「天地人」を契機として、与板地域への観光客が増加しました。今後とも継続 的な観光振興を図るため、既存の観光施設の活用や新たな観光資源との連携が必要 です。
○地域に関するデータ
・総面積 20.1 (2.3%)
・総人口 6,808人 (2.4%)
・世帯数 2,102世帯 (2.1%)
・年少人口比率 12.6%
・老齢人口比率 28.3%
(出典)平成22年国勢調査
※カッコ内は市全体に占める割合
第 10 節 与板地域
ライトアップされた幻想的な「楽山苑」