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図22 三次市四捨貫(Loc.92)の露頭スケッチと柱状図

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4.塩町累層と是松累層の関係

研究史でもふれたように,塩町累層と是松累層(下部砂岩層)との層序関係につい ては,研究者によって見解が異なる.塩町累層の模式;地である三次市塩町において,

塩町累層と是松累層(下部砂岩層)の関係が確認できる露頭がある.この露頭は,

三次市塩町の塩町中学校に露出しており,糸魚川・西川(1976)や三浦(1979)に 紹介されている.しかし,この露頭のどの層準で層序区分しているかは,過去の研 究では詳細な柱状図がないこともあり,明確にされていなかった.ここではまず,

この露頭の詳細な岩相記載を行い,過去の研究の境界を推定して比較を行う.

三次市塩町塩町中学校(Loc.41) (図23;図24;図25;図26;図27)

 この露頭は塩町中学校の校庭の南側に高さ13m,長さ約100mで露出している.下 位より,青灰色砂岩・黒色砂岩・淡黄色砂岩の順に重なっている(図23).青灰色 砂岩は,校庭より高さ1mまでのところに露出している.細〜粗粒で淘汰が悪い.こ の青灰色砂岩中には上位の黒色砂岩が,落ち込んでいる様子が観察できる(図26>.

この境界面に見られる特徴は恐らく生物擾乱による未固結変形であると考えられる.

黒色砂岩は,校庭から高さ約6mまでに露出しており,層厚は5mである.黒色砂 岩は,中〜極粗粒で上位ほど細粒になる.淘汰は悪く,亜炭やサンドパイプをたく

さん含んでいる様子が観察される.この黒色砂岩の基底付近には中礫岩と巨礫岩の 2つの礫層がはさまれている(図25).巨礫岩は,流紋岩の角礫よりなる.この巨 礫岩は東では脂鰭大に変わる,

淡黄色砂岩は,校庭から約6m〜13mのところに露出しており,層厚は7m+である.

淡黄色砂岩は中粒で淘汰がよい.また,塊状でシェールパッチを多く含んでいる.

この淡黄色砂岩の基底には石英斑岩や安山岩の礫がある.この石英斑岩や安山岩の 礫は大礫大で亜尊墨である.下位の黒色砂岩との淡黄色砂岩の境界には,約10cmの 厚さで赤褐色のリモナイトの層がある.境界面は少し凹凸している様子が見られる

(図24>.

過去の研究との比較  (図2;図23>

今村ほか(1953)は,塩町累層と備北層群との関係を 平行不整合 とした.し かし,この 平行不整合 については露頭の詳しい記載など具体的な記載はされて

いない.

糸魚川・西川(1976>は,塩町累層と連曲層群の関係という項目の中で,露頭の 位置・不整合の形状について詳しく記載している.彼らは,塩町累層と備北層群の 関係を 非整合 としたが,詳細な柱状図による区分がなされていない.この 非 整合 の観察される代表的な地点の1つが「三次市塩町塩町中学校裏」の露頭であ

る.その観察によると, 非整合 の形状として1)わずかな浸食面がある(多少の 凹凸がある),2)上下の岩層が異なり,下位は淡水成層の特徴,上位は含化石海成 層である,3)上位の淡水成層の最:下部には50cm以下の層厚をもった細礫岩がある

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ことがある,としている.以上のことから,糸魚川・西川(1976)は,塩町中学校 の露頭で黒色砂岩と淡黄色砂岩の境界を塩町累層と備北層群の境界としていると考 えられる(図23の黄色の破線〉.

三浦(1979)は,塩町中学校の露頭写真を載せ,その写真に不整合面を引いてい る(広島県地学のガイド).この写真の解説文では「中学校校庭の南側の大露頭で は,下部が大角礫層を含む塩町累層で,上部に備北層群の砂岩層があり,平行不整 合の関係を持っています」としている.このことから三浦(1979)も糸魚川・西川

(1976)と同様,黒色砂岩と淡黄色砂岩の境界を:塩町累層と備北層群の境界として いる(図23の黄色の破線).

上田(1989)は,塩町累層を備北層群の中に含めて再定義した.彼は塩町累層と 上位の是松累層との関係を 整合漸移関係にあり,しかも一部では指交関係にある

とした.また,上位の是松累層の記載中に「例外的に三次市塩町では近傍の基盤岩 類に由来した人頭大の角礫を混じえることがある」としている.このことから上田

(1989)は,:塩町中学校における青灰色砂岩と黒色砂岩の境界を塩町累層と是松累 層の境界にしていると考えられる(図23の青色の破線〉.

塩町累層の岩相の特徴として青灰色砂岩があり,これは上位の層準では見られない 岩相である。また,黒色砂岩は下位層準の塩町累層中には存在せず,三次地域の是 松累層中に広く見られる.従って,本研究では青灰色砂岩と黒色砂岩の境界を塩町

累層と是松累層の境界とする.これは,上田(1989>の境界と同じである.

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