昭61
7 東京都の水道水源林【水道局】
6 森林保険(旧・森林国営保険)
(1) 森林国営保険の移管について
森林保険(旧・森林国営保険)は、人工林を保険の目的として加入し、この森林 が火災、気象災(雪害、風害、水害、干害、凍害、潮害)及び噴火災によって被害 を受けた場合は、損害をてん補し、森林の早期復旧を図る制度である。
この事務の一部は、国から都道府県知事に法定受託され、森林所有者と知事が保 険契約を結んでいたが、「森林国営保険法等の一部を改正する法律」が平成27年4 月に施行され、それまで国が実施してきた森林国営保険は平成27年4月1日より「森 林保険」に改称され、国立研究開発法人森林総合研究所森林保険センターに移管さ れた。このため、平成27年度からは原則、都道府県は保険事務への直接的な関与は しないことになった。
なお、移管時点で有効な森林国営保険の契約については、補償内容の変更はな
く、自動的に森林総研に引き継がれている。
7 東京都の水道水源林【水道局】
(1) 水道水源林の概要
東京都水道局は、多摩川水源域の安定した河川流量の確保と小河内貯水池(奥 多摩湖)の保全を図るため、多摩川上流域の森林を水道水源林として管理してい る。その範囲は、東京都奥多摩町から山梨県小菅村、丹波山村、甲州市にまたが り、その面積は23,492㌶に及び、羽村取水堰上流の流域面積の48㌫を占めている。
江戸時代の多摩川上流域一帯は徳川幕府の領地に属し、流域内には幕府直轄の
「お留(止)め山」(樹木の伐採を禁止した山)が各所にあり、おおむね良好な森林 を形成していた。ここから流れ出る豊かな水は、承応3年(1654)に玉川上水が完 成して以来、江戸・東京の水道水として利用されてきた。
しかし、明治維新以降の林政の乱れから、最上流部等で森林の荒廃が進んだ。
これを憂えた東京府は、明治34年(1901)に当時御料林(皇室所有の森林)であっ た森林を譲り受け、府自ら経営を開始した。同43年には東京市も御料林を譲り受 け経営に着手するとともに、同45年には府有林を譲り受けた。このほか、民有林 の買収等により管理面積を増やし、現在は東京都水道局が管理を担っている。
水道水源林の管理を開始して110年以上が経過し、かつての荒廃無立木地も良 好な森林に生まれ変わり、昭和32年に完成した小河内ダムと共存する森林として、
水源のかん養、貯水池の堆砂防止、水質の浄化等に大きな役割を果たしている。
(2) 水道水源林の管理
東京都水道局は、第11次水道水源林管理計画(平成28年度~平成37年度)に基 づき、水源地の適正な管理に努めている。
ア 管理の目的
多摩川上流域において、その全域を見据えた森林の育成・管理により、安定 した河川流量の確保及び小河内貯水池の保全を図る。
また、豊かな自然環境を次世代に引き継ぐとともに、親しまれる水源林を通
じて東京水道への信頼を醸成する。
① 多摩川上流域の森林が持つ機能(水源かん養機能、土砂流出防止機能、
水質浄化機能等)のより一層の向上を図るため、森林整備を推進する。
② 水源林に関する情報の発信や多くの方々とのコミュニケーションを通 じて、水源地保全の重要性や水道事業への理解の促進を図る。
③ 水源林の適正な管理などを通じて、地球温暖化緩和などの環境保全に 貢献する。
イ 管理の基本方針
管理の目的を達成するため、次の事項を管理の基本方針とする。
ウ 水源林の将来像
水源かん養機能など森林の持つ多面的機能が将来にわたって十分に発揮さ れるとともに、山腹崩壊などの自然災害や病害虫に対し抵抗力が大きい森林を 目指す。
水 道 水 源 林
人 工 林
天 然 林 立地条件の優れた森林 立地条件が悪い森林
複層林更新型森林 天然林誘導型森林 天 然 林 二酸化炭素の吸収や木
材供給といった機能も果 たすよう、複層林として 更新を図る。
水源かん養機能等を高 度に発揮させるため、間 伐等により広葉樹の導入 を促し、天然林に近い森 林へ誘導する。
原則として人の手を加 えず、長期的にその土地 で最も安定した森林(極 相林)を目指す。
複層林 針広混交林 天然林
① 多摩川上流域の森林が持つ機能(水源かん養機能、土砂流出防止機能、
水質浄化機能等)のより一層の向上を図るため、森林整備を推進する。
② 水源林に関する情報の発信や多くの方々とのコミュニケーションを通 じて、水源地保全の重要性や水道事業への理解の促進を図る。
③ 水源林の適正な管理などを通じて、地球温暖化緩和などの環境保全に 貢献する。
イ 管理の基本方針
管理の目的を達成するため、次の事項を管理の基本方針とする。
ウ 水源林の将来像
水源かん養機能など森林の持つ多面的機能が将来にわたって十分に発揮さ れるとともに、山腹崩壊などの自然災害や病害虫に対し抵抗力が大きい森林を 目指す。
水 道 水 源 林
人 工 林
天 然 林 立地条件の優れた森林 立地条件が悪い森林
複層林更新型森林 天然林誘導型森林 天 然 林 二酸化炭素の吸収や木
材供給といった機能も果 たすよう、複層林として 更新を図る。
水源かん養機能等を高 度に発揮させるため、間 伐等により広葉樹の導入 を促し、天然林に近い森 林へ誘導する。
原則として人の手を加 えず、長期的にその土地 で最も安定した森林(極 相林)を目指す。
複層林 針広混交林 天然林
エ 多摩川上流域の森林を取り巻く課題とその対応
多摩川上流域には、水道水源林のほかに、個人や企業等、水道局以外の 方が所有する民有林が広がっている。これら民有林の一部では、林業不振 による手入れ不足から荒廃が進み、森林が持つ機能の低下が懸念されてい る。
また、水道局では、これまでも交流・連携事業として様々なPRに取り 組んできたが、着実に水源の森づくりを進めるためには、より一層多くの 方々に水源 地保全の 取組を理解 して頂け るよう積極 的な情報 発信が必 要 である。
これらの現状を受け、第11次水道水源林管理計画では、従来から行って きた水道水源林の適正管理に加え、次のような取組を実施していく。
(ア)民有林の再生
①民有林の購入
②購入した森林の整備
③ボランティアによる民有林の再生(多摩川水源森林隊)
(イ)水源地を通じた社会とのコミュニケーション
①水源地来訪者や国内外の方々とのコミュニケーション
②都民、企業・各種団体及び教育機関とのコミュニケーション
③ボランティアや地域社会とのコミュニケーション
(3) 森林のタイプ別現況
(H29.4.1現在)(単位:㌶)
森林の所在
森 林 型 奥多摩町 小菅村 丹波山村 甲州市 計
人 工 林
複層林更新型
1,035 346 402 938 2,721天然林誘導型
1,396 192 703 1,417 3,708計
2,431 538 1,105 2,355 6,429天 然 林
6,452 1,191 5,773 3,003 16,419除 地
215 37 142 250 644合 計
9,098 1,766 7,020 5,608 23,492
ドキュメント内
東京の森林-表紙2018.pwd
(ページ 142-146)