第 2 章 既往の研究
3.6 本検討における課題
3.5 実験結果および考察より,通常の蒸気養生コンクリートは蒸気養生中にコ ンクリート温度が養生槽内温度よりも高くなり,それによって蒸気圧勾配が発生 し,乾燥していると考えられる。しかし,蒸気養生中に散水(水温20℃一定)を行 うことで,蒸気養生中の乾燥を抑制できる可能性が示唆された。蒸気養生中の乾 燥が抑制されることで細孔構造が密になり,一般的な蒸気養生コンクリートと比 較して強度が増進し,中性化速度係数が減少した。また,蒸気養生を行った場合 でも散水を行うことで,同一配合の現場打ち模擬コンクリートと同程度の細孔構 造,強度特性を得ることができた。
一方で,散水を行うことで蒸気養生中の乾燥を抑制できることは確認されたが,
20℃の水を散水するということは蒸気養生コンクリートの打設面を急冷すること でもある。部材厚さの大きいコンクリートに対して,蒸気養生中に散水(水温 20℃
一定)を行った場合,コンクリート内外部の温度差により表面近傍に引張応力が 発生し,ひび割れが発生する可能性がある。そのため,コンクリート表面を急冷 しないために,散水温度を変更しての検証が必要である。
参考文献
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