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2.束病棟新営工事に伴う発掘調査(0712調査地点)
(4)出土遺物 く溝出土土器>
1号溝出土土器(図56:1~8)
1号溝の遺物には近世の遺物と、古代の遺物がある。1は近世の瓦質土器火鉢である。口縁外面に X字形のスタンプ模様が並んでいる。その下に突帯が貼り付けられている。2は施釉陶器の摺鉢であ る。焼成温度の低い榿色の陶胎である。口唇部内外面に灰色の泥のような釉が施されている。口唇部 内面には自然釉が付着している。3は白磁碗の底部である。釉は薄い。高台の先端は釉が削られてい る。4は古代の土師器坏の底部である内外面に丹が塗られており、胎土にも赤色顔料が混ぜ込まれて いる。表面はローリングを受けて磨り減っている。5と6は須恵器塊の底部である。7は古代の土師 器鍋か甑の把手である。これもいくぶんか磨り減っている。8は須恵器甕の口縁部である。
255.266号溝出土土器(図56:9~16)
9は回転へラミガキの施された土師器坏である。胎土に赤色顔料が混入されている。丹塗りはきれ ていない。10は回転へラミガキの施された土師器坏である。内外面に丹塗りが施されている。底部内 面には煤が付着している。煤の付着とへラミガキの前後関係は、煤が先でヘラミガキが後である。11 は内黒の黒色土器塊である。内面に炭素が付され、2mm程の幅のミガキが施されている。外面は焼 きが良いのか、赤みが強い。12は須恵器の蓋である。つまみは付いていない。13は須恵器塊である。
14は須恵器塊である。口径が183cmと、かなり大型の塊である。15は土師器の甕である。口縁内面と 外面全体に丹塗りが施されている以上、255号溝は、8世紀前半から9世紀中ごろにかけての遺物が 主体をなしている。16は須恵器の甕である。外面に平行線状のたたき目、内面に青海波状のたたき目 がある。
256号溝出土土器(図56:17~26)
17は土師器模倣坏である。5世紀後半ごろの須恵器蓋を模倣したものである。18も土師器模倣坏で ある。内外面に丹塗りが施され、内面はミガキが施されている。19は須恵器の坏である。6世紀中ご ろから6世紀後半のものである。20は土師器の高坏の脚部である。外面は削られている。21は土師器 の高坏の脚部である。22は布留I式の甕の口縁である。外面に、ナデを施した時に付いたと思われる 右手親指爪痕が多数ある。23は土師器の甕である。口縁の内外面は回転方向の刷毛目が施されており、
胴部外面は左上から右下に向かって刷毛目が施されている。内面は極薄に削られている。24は土師器 の甕である。調整は23と同様である。25は土師器の甕である。これも調整は23,24と同様である。26 は須恵器の甕である。256号溝出土土器は、22を除いてほとんどが、5世紀後半から6世紀後半にか けてのものである。
3号溝出土遺物(図57:27)
27は土師器の甕の口縁である。外面全体に煤が付着している。4世紀中ごろのものと思われる。
<古代の住居出土土器>
107号.108号竪穴住居吐出土土器(図57:28~33)
28は土師器鍋か甑の把手である。手びねりで成形されており、刷毛目が施されている。29は土師器 の高坏の脚部である。内外面にケズリが施されている。30は移動式竈の底部と思われる。外面に刷毛 目が施きれている。内面はケズリが施されている。31は土師器甕の口縁である。外面に刷毛目が施さ れている。32は土師器甕の頚部である。内外面に刷毛目が施されている。33は土師器の甑の口縁であ る。外面に刷毛目、内面にケズリが施されている。108号竪穴住居趾の時期は、8世紀後半ごろと考 えられる。
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図561.255.256号溝出土土器実測図(1/4)