ネ • ウ ィ ン 議 長 訪 米 決 定 と 米 国 の ビ ル マ 接 近
1962年 3 月 の ネ •ウ ィ ン 革 命 直 後 ,ネ •ウ ィ ン 政 権 は 米 国 の フ ォ ー ド ,ア ジア両財団とイギリスの British C ouncil のビルマ国内での活動を停止した。
し か し ,
ビルマが米国援助を拒否したのは1964年5月21日,当時建設中の
ラ ン グ ー ン = マ ン ダ レー間高速道路に対する米国援助を断
わ っ た —度
だけである。革命以後政冶的交流について米国とビルマの間に特別な関係はもたれ
な か っ た 。だが,援助をつうじての米国, ビルマ関係は,むしろネ•ウィン革命 を契 機 に ,それまで停滞を続けていたにもかかわらず米国のビルマ援助の増加と
して迪ってきている。
米国の対ビルマ援助は1965〜66年度計画では,総 額 7 8 7 万 5000ド ル ( 3750 万チャット) が見積られ,1963〜64年 度 の 2 6 1 万2000ドルに比べ3 倍に達っ
している。 ビルマに対する米国の援助額は,米国のタイやベトナムに対する それに比べはるかに少ない。 しかし,最近のビルマに対する米国の援助増加 傾向は注目しなければならない。
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ビ ル マ (4 月)
ネ
• ウ ィ ン革 命 以 後 ビ ル マ は 「沈黙」 と 「鎖国」 を守り続けていると言わ れてきた。 しかし, ビルマは, も は や こ の 「沈黙」 を続けることができなく
なってきているようである。 とくに,農工業生産の停滞,商品流通状況の悪 化に代表される政府の経済苦悩は深刻化してきている。 こうしたなかで政府 の政策的動揺,外国援助依存の増大および諸外国,殊に米国,中国からのコ
ミット, さらには,デルタ反乱活動の激化は, ビルマを序々に国際舞台に押 し出し,注目を集め始めている。
.こうした状況下でネ•ウィン 議 長の訪 米 が決定 し たので ある。 この訪米決 定を頂点に,最近米国のビルマ接近を裏書きする事実を挙げることができ
る。 、
2 月2 4 日, U P I 通信は,米国政府筋の談話として,米国のビルマに対する 考え方を伝えた。 これによると⑴反乱軍問題については,「主要な五つの反 乱集団は,ネ.ウィン政権を脅やかすほど強力ではない」。 ⑵ 「アメリカが ビルマの政冶変化に対処する方法は,その変化の型態如何に依る」。 ( 3 ) 「平 和的変化の場合はアメリカが介入して得るものはない。平和的でない場合は ベトナム情勢の進展如何に依る。現状では, ビルマに大量の軍隊や武器を投 入することは出来ない」。 ⑷ 「アメリカはネ•ウィン政府を支持する。ネ •
ウィンは現実主義者であるから極端な社会主義政策を変え,民政に移管出来 るただ一人の人である」, と述べている。 1962年 3 月の ネ•ウィン政権成立 以来,米国がそのビルマに対する態度を公表したのは,おそらくこれが始め
てのものであろう。
こ の “ 談話” から米国の対ビルマ政策を次のように考えることができるの ではないだろうか。⑴米国は,今ベトナム戦争のため, ビルマで何が起ろう と介入する余裕を持たない。⑵だが,現状のビルマはこのまま,いまの政策 を採り続ければ,政 治 的 “ 変化” の可能性もでてくる。 したがって,現行の 極 端 な 「 社会主義」政策を変えなくとも, こ れ 以 上 の “進行’ ’をせずに,少 なくとも現状維持を続けることが米国にとっては好ましい。⑶結論として,
ネ •ウ ィ ン 政 府 の 下 で , ビルマが米国の対東南ア政策遂行上,協力しないま でも障害とならぬよう米国は希望する。
ま た 3 月2 2 日, フルブライト米上院外交委員長の中国および,ベトナム問
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ビ ル マ (4 月)
題に
つ い て の講 演 で 「アジアの危機は, タイ,
マ レ ー シ ア , ビ ル マ などを中 立化する取決めと並行して,米国の軍事力をアジア沿岸の水域や島々に引き 揚げることにより,永久的に解決できるのではないか」 と述べ, タ イ •マ レ ーシアと同様,米国がビルマの中立化構想をも考えていることを明らかにし た。
このことは,米国政府の見解とは内容の差異はあるにしても,米国の東南 ア政策の一環としてビルマが注目され始めていることを示している。同時に 米国の対ビルマ政策を窺い知る事もできよう。
今 ,米国はベトナム戦争で巨大なエネルギーと費用を消耗しているとい う。 こうした状況下で,米国にとって恐れることが,ベトナムに隣接する東 南ア諸国のこれ以上の政治的混乱あるいは米国に対する反駁であるとした ら, ビルマに最もその可能性を見出すことができるのではないだろうか。 さ き の “ 談話” に示されたように米国のビルマに対する危惧は, ビルマがこれ 以 上 の 「 社会主義」化を推し進めるとしたら,経済的困難はもとより,そこ
から生じる政府内部の抗争といった事態も起りかねないというところにある のだろう。 また殊に経済建設の遅滞や慢性的にまでなっている物資の欠乏 は, 「 社会主義」 の如何を問わず,外国への援助を求めることになる。 この 事態を米国が見過すとしたら, ビルマが米国にとって好ましい状態に一応の
“ 変化” を示す時宜を失することになるだろう。中国はネ•ウィン 政権に対 してその態度を明らかにはしていないが,少なくとも援助額において米国を 凌がないまでも同程度であることは事実である。 また中国はビルマの中立•
非同盟を賞讚し,共 同 声 明 で は 常 に 「 新植民地主義と帝国主義に反対する同 邦」 であることを確認し,中国のビルマに対する外交的牽制はかなり成果を 収めている。
いずれにしても,此度のネ•ウィン 議長の 訪 米決定は ,米国が現在採り続 ける東南ア政策の一つとして,ネ•ウィン政府を少なくとも米国のこの努力 に障害とならぬように位置づける,米国政府の意向を反映したものと考えら れる。
一 方 ネ •ウィ ン 政 府 に と っ て ,米国のビルマ接近は一つには政冶的圧力と して受け取られているだろう。 しかし, ビルマが,た と え 「 社会主義」 を標
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ビ ル マ (4 月)
榜 し,遂行しているとはいえ,その成果は,いまのところ,経済的逼迫を増 長させている。貿易収支の赤字は,昨 年 度 で 1 億ドルに達した。デルタ反乱 軍の集米作業妨害などに起因する米の輸出低下は,今年度は1〇〇万トンを割 ることも予想■されるほど深刻になっている。 こうした諸種の困難に対して,
政府はこれまで,一応の経済統制を強めることで切り抜けてきた。だがこう した国有化政策に代表される経済の統制化は, 1 月の全商品国家統制令をも って万策尽きた感が強い。 したがって,政府の内部でも, 「 社会主義」経済 政策遂行をめぐって,動揺が表面化し始めていることも考えられる。
このような政府の苦悩は,新たに外国援助の要請強化という型で表面化し ているのではないだろうか。
ネ •ウ ィ ン 議 長 の 訪 米 が ,一つには米国の東南ア政策遂行における苦悩を 象徴しているとしたら, ビルマでは,国內 における諸種困難に対処すべき政 府の苦悩を物語っているのではないだろうか。
、 令一般教育法制定
革命評議会議長は4 月2 8 日,1966年布告第2 号を発し, 一 般 教 育 法 (1966年) を制 定した。
なお当法律序文は, 「一般教育制度は社会主義経済の進歩と強化に貢献するもので ' なくてはならない」 と述べてある。
当法律は一般教育の目的を次のように規定した。
(a) 連邦内の如何なる国民も,健全な一般教育を受けることになって,誠実にし て且つ健康的な労働者となるために...
(b) 「ビルマ社会主義への道J の思想を理解し, ビルマ社会主義社会を建設し擁 護する連邦国民を生むために……
(c) ビルマ社会主義社会を適宜建設し,擁護するに必要な職業教育を受けるため に...
⑹職業教育の普及と生産力の発展に寄与する学問に優先権を与えるために……
⑹大学教育のために健全な一般教育的基礎を提供するために……
◊また一般教育の課程は,小学校,中学校,高等学校を含む。
なお各課程要領は次のとお!)である。
(小学校) 全課程は5 学年で, 4 才までの幼児は1 年間小学校入学前課程を経, 5 一 ( 108 )— — 198 _
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才に到達すると小学校入学が許可される。
(中学校) 小学校最終学年5 学年から始り8 学年で終了,年限による四つの課程を 設ける。
(高等学校) 第 9 学年より始まり,政府が一般教育の最終学年と定めた学年で終了
する。 :為
一般教育の教育指導は教育相を議長として教育省, 教育局,大学管理局,計画党担
当官で構成する監督評議会によって行なわれる。 : 、
◊一般教育評議会は政府の教育政策に基づき, ⑴一般教育の教育方法,⑵職業教育お よび大学教育制度と一般教育との調整,⑶教師訓練, ⑷教師の奉仕能率の改善,⑸教 師資格の規定,教師の登録,教師の威厳保持, ⑹教科課程および講議内要の決定,⑺ 教科書の選定,⑻政府試験,⑼学校図書館および体育館, ⑽一般教育学校の開閉,管 理,運営,監督などについての原則を設定する。
当評議会はその他,⑴一般教育学校における教育が, およびその他全ての教育活動 が,政府の政策に一致しているかどうか, 国家の発展に寄与しているかどうかを審査 する。⑵政府の諮問する一般教育問題について分析し, 見解を発表する。⑶責任業務 を分化するため,⑷講議内容,教科書委員会,㈦教師教育監督委員, ⑷試験委員会を 設置する。
♦国 営 商 業 銀 行 1963〜64年度報告
大蔵省が4 月2 3 日発表したビルマ官報に, 1963〜64年度の国営商業銀行年次報告を 掲載した。要旨は次のとおりである。
国営商業銀行は当年度(1963年7 月〜1964年6 月)に 総 額 1629万3044.60チャッ 卜の利益を計上した。 これは,前 年 度 1809万8849.19チャットに比し,約 200万 チ ヤツトの減益であった。
また預金額は6 億2550万チャットから3 億187〇万チャットに落ちた。
1964年 6月30日現在の 投資総額は 1 億2490万チャット,資本は3699万3000チャッ 卜であった。
また,同日現在での銀行融資高,当座貸越高,および貸出高は合計1 億2821万1900 チャットであった。
なおこれらの融資払出先の内訳比は次のとおりである。