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時間介護・看護について

ドキュメント内 「「すこやかクラブ」心の通う日常生活」 (ページ 42-66)

がん終末期

2006年11月 ~ 2010年6月 の体験記録

小山 貴

死亡場所の年次推移(第一生命保険・研究開発部 小谷みどり氏報告より)

ホスピスの概念(WHO)

治癒的な治療が不可能な患者への、積極的

・全人的なケア・・・痛み等の症状のコントロー ル、精神的ケア、社会的、スピリチュアルな問 題を優先する。

緩和ケアの目的は、患者とその家族のQOL

(生活・生命の質)を高めることにある。

ヨーロッパのホスピスの歴史

巡礼者や旅行者のための、宗教団体の宿泊施設。

現代の施設は、1967年に設立されたロンドンのセン ト・クリストファー・ホスピスがモデル。

これまでの医療は死を否定的にとらえ、少しでも寿命 を延ばすことに力を入れてきた。 これに対し、現代 のホスピスの基本的姿勢は「死を自然の出来事」と して考え、不自然に延命するより、苦痛を緩和し、人 間らしい生を援助しようとする。

ケアの要件

1.生を尊重し、死を自然のプロセスとしてとらえる。

2.死を早めたり遅らせたりしない。

3.痛み、その他不快な症状を緩和する。

4.精神的、スピリチュアルなケアを統合する。

5.最期まで患者が生き生きと過ごせるよう支援する。

6.患者の療養中から死期までの過程で、家族が対処 できるよう支援する。

・残された時間をいかに快適に生きるか・・・に主眼が おかれ、ケアの対象は患者本人だけでなく、家族にも 向けられている。

ホスピスと一般医療の違い

治る見込みがなく、死が近い場合

終末期を迎えたい場所

患者の病態と在宅介護

1.認知症・・患者の苦痛は少ないが介護は長期間 に及ぶ。介護にあたる家族の心身の負担が大きい 医療・介護専門職による広範囲の支援が必要。

在宅医療医師、訪問看護師、ヘルパー等 2.回復の見込みがある疾患・・・通院の付き添い・訪

問看護・入浴サービス等の支援。

3.がん終末期

期間は数年以内が多いが、病態の変化がしばしば 起こる。元気なときは普通の家庭生活ができるが、

進行すると排尿・排便・清拭・食事のほか、頻繁に 苦痛軽減処置(指圧・灸・酸素・浣腸・オプソ服用・褥 創処置等)が必要になる。

病気の経過

2006年10月・・・かなり進行した卵巣がんと判明

(左卵巣がんの大きさ12cm)

それまで、内科の定期検診ではメタボとされ、糖尿検査のほ か運動の薦め・栄養相談を受けること等で数か月経過してし まった。 お腹の膨満は腹水のためなのに、触診さえされな かった。

緊急入院して抗がん剤点滴の結果、腫瘍マーカーは劇的に 低下。2007年1月、手術(5cm程度の壊死状態)

以後、マーカー値が正常期間は普通に生活。しかし、炎症反 応値が常に高く、しばしば発熱。小康状態のときは医師の許 可を得て短期間の海外へ。(ハワイ・バリ島・香港など)

しかし、次第にマーカーが上昇。2010.11月抗がん剤副作 用のため多臓器不全。奇跡的に1週間ほどで回復した。

もう治療手段はないと判定され、在宅医療となった。

病院での治療

入院回数・・30数回(最初の診断時と手術の 際は約10日間)

以後、毎月抗がん剤点滴の際は2~3日

在宅時、急激な発熱の際は二回救急搬送 抗がん剤 等による治療

パクリタキセル、イリノテカン、ペプチドカプセル。

PET検査により縦隔への転移が発見され、

放射線治療約20回

末期には認可されたばかりのドキシル投与

抗がん剤副作用等による苦痛軽減処置

パクリタキセル・・・投与二日目より4日間、全身(とくに 足)に激痛。・・・しばしば足底部を指圧

イリノテカン ・・・終日、猛烈な下痢・・・・・副作用激烈な ため投与は一回で中止された。

その他

放射線治療に際して、放射線が食道にも当たるため、

食物の通過障害・・・・食物が下に降りにくい・・・処方された 油薬を食前に飲む。

末期・・・嘔吐が頻繁・・・・アイスクリーム等が有効

便秘が顕著・・・あおぞら診療所より鍼灸医が施術。

不思議に施術後、便意を催す。

・痛みはないが苦痛を訴え

・・・在宅医療医師の処方により、オプソを服用

在宅支援の仕組み(松戸市の場合)

病院

担当医 家 族

病棟看護師長 (患者の現況・予後の説明)

ソシァルワーカー

在宅医療機関と打ち合わせ

地域ケアマネジャー (曜日・地図・駐車場等)

・ 在宅医療機関と連絡 医師の所見 ・ 訪問看護ステーションに連絡

・介護用品レンタル会社に手配

介護度判定 ・入浴サービス会社に手配

市の介護支援課に申請

支援課会議 診療開始

・必要に応じて 病院担当医

認定通知 訪問看護ステーション

等と連携

在宅医療機関との契約・打ち合わせ

今回は、松戸市にある在宅医療組織(あおぞら診療所)と 契約。

診療費その他の説明を聞き、訪問日を設定。

緊急事態の際の連絡方法等の説明を受けた。

◆松戸市 あおぞら診療所の特色

在宅医療・終末期医療に関心のある医師十数名で構成。

週一度の定期診療のほか、休日や深夜にも対応してく れる。・病院の担当医や訪問看護ステーションとも連 携し、必要な場合は緊急入院の手配もしてくれる。

▼さらに、介護にあたる家族の疲労軽減ため、希望に 応じて患者をショートステイさせる手配もあり、患者 死亡後は遺族の心のケアも考慮してくれている。

参考までに、病気発見から現在までの病院での処置・

患者の病状経過等をまとめて、在宅医療機関に提出

看護・介護記録ノート

表紙には緊急連絡先等を記入

病院医師、在宅医療機関、訪問看護センター、入浴 サービス会社など

病状関係記録

日に3回の 体温・血圧・脈拍等の測定記録

苦痛の有無、食欲・・食べた物・量、排尿回数・量、排 便回数・量

行動・・・車椅子で散策・買い物何分・・・など その他 患者の感情の状況、褥創の程度など

日常的に使用した器具・用具

体温計、血圧計(心拍数も測定)・・末期に血圧 が低下すると家庭用血圧計では測定不能。

移動式トイレ、陰部・肛門洗浄用ペットボトル(栓に 穴をあける)、使い捨て手袋、介護用ベッド(レン タル)

パルスオキシメータ(動脈血酸素飽和度の測定)

・・・普通に呼吸していても酸素が十分に取り込まれていない ことがある。

超小型心電計・・・胸に当てるだけで30秒間の心電図 を記録。パソコンに接続すると心電図波形がプリントさ れ、これを医師に見せる。

末期・・空気中から酸素を取り出す装置・酸素ボンベ

・・・あおぞら診療所が手配・・・酸素業者から貸与

1週間の記録を訪問医に提出

介護の実際

排尿排便のたびに[栓に穴をあけたペットボト ル]の温湯で局部を洗浄

食べたいものを聞き、消化良いように調理

体位変換・・ベッド傾斜調整・症状によりマットレ スの交換(ケアマネジャーを通じて介護用品業者に依 頼)

褥創の手当

入浴等・・・動ける時は、浴室まで支えて、シャワー の補助 ▼入浴には細心の注意が必要

気分良いときは・・・・車椅子で散策、スーパー、コン ビニ等に買い物。

自宅での入浴について

在宅の場合、介護者一人での入浴は危険

・・・浴槽から立ち上がれないことがあり、ベッドまで運 ぶことは至難。

●ケアマネジャーを通じて入浴サービス会社と契約す ることが望ましい。(看護師1・介護士1・男性1で来訪)

・来訪前に浴槽にお湯を沸かし、着替えを用意しておく。

業者は二つに分割された浴槽を組立て、ホース・ポン プで浴槽にお湯を入れ、湯音を調節する。

血圧・体温を測定し、3人がかりで浴槽に移し、頭髪を 含めて全身を洗う。

全身を拭いてベッドに移し、体温・血圧を測定。

褥創について

局所的に圧迫が継続すると、発生しやすい。

・一般には背・殿部等に多く発生する。自分で 寝返り困難な場合は介護者が時々体位を変 換してあげる。

▼第一子出産時に左股関節が脱臼し、大腿骨 大転子部が外側に突出していた。

自宅では家族の居る方に横向きになることが 多く、その突出部に褥創が発生しやすかった。

圧迫がかからないようにすると、顕著に改善す るが、うっかりすると一晩で大きく拡大する。

褥創予防用具の工夫例

医師・看護師は、タオルか綿を使うことを推奨

・・・しかし、タオルがあたる部分がからだ を圧迫するため違和感が強く、新たな褥 創ができることがある。

◆綿ではつぶれてしまって復元しない 褥創部に塗る薬は医師が処方してくれたが、薬店で 薦められたものが効果があった。

今回の工夫

用意したもの

•台所用のスポンジ 6枚

•ダンボール、粘着テープ

•三角巾

•褥創部を中心としてダンボールをコの字型に切り、ス ポンジを階段状に、少しずらして重ねて固定。

•全体を三角巾で包む

◆このようにすると、患部に圧迫がかからず、

寝返りをしても復元する。

局部に凹部分があたるようにする

死去3か月前から

腹水貯留(訪問医療では腹水を抜けない)

病院に連絡

介護タクシーに車椅子ごと乗せ、付き添い者が 酸素ボンベを背負い、指示された流量を設定 して吸入させながら、病院の救急部に搬送

・・・特別室で2時間ほどかけて腹水を5~6リッ トル抜く。

始めは腹水を抜くと呼吸が楽になり、食欲も出 たが、次第に苦痛は軽減されなくなった。

最期の3か月ほど前

内科医とともに精神科医師も時々同行

便秘がひどくなり、訪問看護師が時々浣腸。

さらに私が摘便・浣腸

あおぞら診療所から針灸医師も毎週来訪 して約40分かけて苦痛軽減の鍼と灸。

不思議なことに、施術後は便意を催し、排便 した。

死後、病院医師の話では、腸閉塞も起こしていた 可能性もあったという。末期には緑色の液体を 吐いた。

死去2週間ほど前から

苦しさ(痛みはなし)軽減のため、オプソを服 用・・・服用後は楽になった。

血圧低下・・・収縮期血圧が80程度以下にな ると、家庭用血圧計では測定不能。パルスオ キシメータも作動しない。

妻は決して弱音を吐くことなく、明るくしていた ので、家族もいつもと変わらない接し方をして いた。

ドキュメント内 「「すこやかクラブ」心の通う日常生活」 (ページ 42-66)