5. 循環系浴槽での消毒剤濃度分布の時系列変化
5.3.2 施設 J・男子系統と女子系統
施設Jは、「第2章 1.社会福祉施設」で測定した北海道石狩地方のリゾート ホテルである。「第2章 1.社会福祉施設」と、この測定結果を解析した本章「4.
循環系浴槽での消毒剤添加・制御方法」の測定とは、別に測定した。
図-3.5.4 施設I・女子浴槽での結合残留塩素濃度の推移
0 2 4 6 8 10 12
0.0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0 1.2
9:30 10:00 10:30 11:00 11:30
入浴者数[人]
結合残留塩素濃度[mg/L]
時刻 結合残留塩素濃度A
結合残留塩素濃度B 結合残留塩素濃度C 結合残留塩素濃度D 入浴者数
図-3.5.5は男子浴槽の平面で、写真-3.5.2が写真である。浴槽の長手方向全 体に、床から天井までのガラスが隣接している。屋外に軒が出ているのと、ガ ラスの外に格子と植物が配置されているので、冬季以外は、比較的直射日光が 浴槽に射し込みにくい構造になっている。採水時に、直接日射が浴槽に射し込 んだことはなかった。
図-3.5.6~図-3.5.7は、浴槽内での遊離残留塩素濃度と総残留塩素濃度の時 系列変化のグラフである。この系統は、女子系統が同じろ過系統になっている。
浴槽形状は矩形であり、循環水は浴槽全体に満遍なく廻りやすい形状である。
この系統は、遊離残留塩素濃度を自動で制御している。
図-3.5.5 施設J・男子浴槽の平面図
写真-3.5.2 施設J・男子浴槽
図中のA~Cは採水ポイントで、3ポイントとも吐水口の対面側である。
自動で次亜塩素酸ナトリウムを注入した後、17時以降、採水ポイントAが、
ポイントBとポイントCより、高めの遊離残留塩素濃度と総残留塩素濃度にな る傾向が見られた。また遊離残留塩素濃度と総残留塩素濃度が高い20時と24 時に、3採水ポイントでばらつく傾向が見られた。採水ポイントAは、ポイン
図-3.5.6 施設J・男子浴槽での遊離残留塩素濃度の推移
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 25:00
入浴者数[人/h]
遊離残留塩素濃度[mg/L]
時刻
遊離残留塩素濃度A 遊離残留塩素濃度B 遊離残留塩素濃度C 入浴者数
図-3.5.7 施設J・男子浴槽での総残留塩素濃度の推移
0 2 4 6 8 10 12 14 16 18
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 25:00
入浴者数[人/h]
総残留塩素濃度[mg/L]
時刻
総残留塩素濃度A 総残留塩素濃度B 総残留塩素濃度C 入浴者数
トBとポイントCより循環しやすく、注入した塩素が行き渡り易いために、こ のような残留塩素濃度の分布になったと予想される。
女子浴槽は、写真-3.5.3 のように、平面はほぼ図-3.5.4 と同じである。図 -3.5.8は、浴槽内での遊離残留塩素濃度の時系列変化のグラフである。
採水ポイントBで、16 時30 分と19時 30分~20時 30分に、ポイント A とポイントCより低い遊離残留塩素濃度が現れた。採水ポイントBは、他の2 つのポイントに較べて、循環しにくい傾向があるためだ。16時30分は、既に 次亜塩素酸ナトリウムの注入が始まっていて、採水ポイントで残留塩素濃度が
写真-3.5.3 施設J・女子浴槽
図-3.5.8 施設J・女子浴槽での遊離残留塩素濃度の推移
0 5 10 15 20 25
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
11:30 13:30 15:30 17:30 19:30 21:30 23:30
入浴者数[人/h]
遊離残留塩素濃度[mg/L]
時刻 遊離残留塩素濃度A
遊離残留塩素濃度B 遊離残留塩素濃度C 入浴者数
上がるまでにライムラグが生じていると推定するのが妥当と考える。
前述した通り、男子浴槽系統と女子浴槽系統は同一ろ過系統である。男女浴 槽の採水ポイントAでの遊離残留塩素濃度を並べたのが、図-3.5.9である。男 女浴槽の採水時間は、30分のずれがあるり、単純に男女に採水ポイントA~C
図-3.5.9 施設Jの男女浴槽の遊離残留塩素濃度の推移
0 5 10 15 20 25
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 25:00
入浴者数[人/h]
遊離残留塩素濃度[mg/L]
時刻
遊離塩素濃度A(男子)
遊離塩素濃度A(女子)
男子浴場入浴者数 女子浴場入浴者数
図-3.5.10 施設Jの男女浴槽の遊離残留塩素濃度の推移を結んだもの
0 5 10 15 20 25
0.0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
11:00 13:00 15:00 17:00 19:00 21:00 23:00 25:00
入浴者数[人/h]
遊離残留塩素濃度[mg/L]
時刻
遊離塩素濃度A(男女混合)
遊離塩素濃度B(男女混合)
遊離塩素濃度C(男女混合)
男女浴場入浴者数
同士の遊離残留塩素濃度と入浴者数を線で結んだグラフが、図-3.5.10である。
ろ過装置で混合して、男女に分岐しているので、残留塩素濃度の大きな変化の 傾向が一致していることが伺える。