8.16. 必要であれば、手順書は、安全委員会(9.15項を参照のこと)、外部機関、メーカー及び規 制機関への通知とそれらの関与のためのホールドポイントを含めなければならない。
8.17. これらの試験の範囲、順序、期待される結果と合格基準を包含した報告書は、マネジメン
トシステムに従って適切な詳細さで作成されなければならない。この試験報告書には次の事項を 含めなければならない。すなわち、試験計画と試験結果、収集したデータとその解析の概要、容 認基準との比較結果の評価及び試験に合格したことの記述、逸脱と欠陥の特定、さらに、すべて の是正処置とその是正処置を正当とする理由である。
8.18. すべての試運転の試験結果は、それが事業者により得られたものであれメーカーによるも
のであれ、事業者と規制機関が利用できるようにしなければならず、そして施設の存続期間中、
保持されなければならない。
9.4. 事業者は、保守、放射線防護、臨界安全、マネジメントシステムの適用、及びその他の関連 する支援活動のような施設の安全な運転と利用に関係する適切な機能が十分に果たせることを確 実なものとし、産業安全と化学物質に対する安全に配慮しなければならない。
9.5. 事業者は、いかなる施設の設計変更に対しても、施設の管理、なされた措置、利用又は運営
のいかなる変更に対しても、安全面の全てに責任を負わなければならない。この責任は委譲され てはならない。
インターフェイスの取決め
9.6. 事業者は、同一敷地内にある施設間の、安全関連の相互依存性が考慮されていることを確実
なものとしなければならない。境界の責任が明確に規定され、効果的な通信ルートが構築されな ければならない。
9.7. 必要に応じて、また国内規制と国際基準に従って、敷地内輸送のための専用組織と特別規則
が定められなければならない。
従業員の資格と訓練
9.8. 従業員の最小限の資格が規定されなければならず、またこの最小限の資格は割当てられた職
能的責任と権限に見合ったものでなければならない。施設で働く従業員の訓練は、彼らに割当て られた職能上の責任、権限及び安全関連活動に見合ったものでなければならない。施設で働く従 業員のための訓練計画は、訓練目的を果たすための計画立案、運用、評価、管理がしやすくなる ように、編成され、人員配置され、さらに管理されなければならない。与えられる訓練は等級分 けされなければならず、また職能の枠組みに基づいていなければならない。
9.9. 訓練には、以前訓練を受けた有資格者の再訓練が含まれていなければならない。この訓練計
画は、次の側面を含んでいなければならない。すなわち、訓練が必要な職能分野の分析と明確化、
職位ごとの訓練の要求事項、目的を含む訓練のための基礎の開発、訓練生が習得した内容の評価、
実地研修、及び訓練の効果の系統的評価である。
9.10. 訓練は、緊急時手順(この出版物の9.62~9.67項を参照のこと)を含めた施設の運転の状 態を包含したものでなければならない。また、それは、運転員が施設とその安全の特徴について 十分な理解を有することが確実なものとされるようにしなければならない。施設の運転のすべて の面における安全の第一義的な重要性が強調されなければならない。
9.11. 火災あるいは爆発が発生した場合、対応時間が消火するために決定的に重要であるので、運
転チームは適切に及び定期的に消火訓練を受け、訓練と演習が定期的に行われなければならない。
9.12. 訓練に関して、人手による介入を伴うことのある放射線の危険性に特別な注意が払われな
ければならない。作業員には、自分が実施している活動に伴う危険性を認識させなければならな い。
9.13. 施設の改造は、時宜を失せずに訓練計画に反映されなければならない。
最小の人員配置
9.14. 事業者は、停止期間を含む運転状態での施設の安全確保のために必要な様々な技術的、機
能的分野に対して、また、事故時での緊急時計画の実施に関与する人と組織に対して最小の人員 配置の規模を定めなければならない。
安全委員会
9.15. 事業者は、施設の試運転、運転及び改造に関連する安全問題について運転組織の管理者に
助言するため、1つ又はそれ以上の内部安全委員会を設置しなければならない。そのような委員 会は、適切な助言を与えるのに必要な知識と経験の幅広さを有するように委員で構成されなけれ ばならない。その構成委員は、必要な程度に、安全問題を提起する運転管理者から独立していな ければならない。
運転経験の反映
9.16. 経験から学んだ教訓の反映及び必要であれば予防処置のため、該当施設又は類似施設で発
生した異常事象、出来事及び事故に関する入手可能な技術情報が分析されるように手はずが整え られなければならない。
文書管理
9.17. 事業者は、許認可文書と手順書とともに、安全文書の完全な最新版を整備し、従業員がそ
れらを利用できることを確実なものとしなければならない。必要不可欠な文書の複写は別個に保 管され、適切に維持されなければならない。
9.18. 事業者は、次の事項を含む、運転段階と廃止措置段階において安全上重要な記録と報告を
作成し管理するための手はずを整えなければならない。
(a) 許認可文書の改訂版の完全な収集 (b) 定期安全レビュー
(c) 試運転文書
(d) 手順書と運転要領書 (e) 変更の履歴とデータ (f) 施設の運転データ
(g) 保守、試験、監視及び検査から得られたデータ (h) 異常事象及び出来事の報告書
(i) 個人モニタリングデータを含む放射線防護データ (j) 核物質とその他の放射性物質の量と移動のデータ (k) 排出される気体及び液体の排出記録
(l) 放射性廃棄物の保管と輸送の記録 (m) 環境モニタリングの結果
(n) 施設の各場所で実施された主な作業活動の記録
組織変更の管理
9.19. 事業者は、組織体制の変更が、適宜、影響緩和のために必要な安全とあらゆる活動に及ぼ
す潜在的な影響という観点から考慮されることを確実にするため、手はずを整えなければならな い。
規制機関との連絡
9.20. 事業者は、国内の要件と慣行に従い、安全上の重要性が高い変更のための提案について、
また予期される運転時の事象又は事故状態(9.16項を参照のこと)の場合に、規制機関に通知す るための手順を策定し、かつ、運用しなければならない。
運転に関する個別要件
運転要領書
9.21. 施設の運転が開始する前に、運転の制限値と条件が準備されていなければならない。
9.22. 必要であれば設計者やメーカーと協力して、事業者によって運転要領書が作成されなけれ
ばならない。運転が開始する前に、安全関連の運転要領書が準備されていなければならない。運 転要領書は、運転の制限値と条件の遵守を確実なものとするために必要な点検、試験、校正及び 検査のすべてを含む、運転方法を明確に記述しなければならない(2.9~2.15項を参照のこと)。
9.23. 運転員には、運転の制限値と条件の遵守を確実なものとするために必要な要領書と手順書
が特に安全上重要なものであることと、それらを厳密に遵守することが必要であることを認識さ せなければならない。
9.24. 運転要領書と手順書は、定期的に審査され、かつ、最新化され、必要に応じて利用者に入
手しやすいようにさせなければならない。
9.25. 運転要領書からの著しい逸脱が特定された場合、適宜、原因の調査が行われ、再発を防止
するための適切な措置が講じられることを確実にするための取決めがなされなければならない。
そのような取り組みには、前記の逸脱が運転の制限値や条件の違反をもたらした場合、規制機関 へ通報することを含めなければならない。
9.26. 運転要領書は、施設を運転停止することが必要となるような予期される運転時の事象発生
の後、施設を安全な運転状態へ移行させるように規定しなければならない。
9.27. 現行の要領書には包含されていない活動が計画される場合、活動が開始される前に、適切 な要領書が用意され、かつ、検討され、適切な承認を受けなければならない。この要領書に関し て、関係する運転員の追加訓練が提供されなければならない。
保守、校正、定期試験及び検査
9.28. 安全上重要なSSCが設計の意図と安全要件に従って機能し得ることを確実なものとするた
めに、保守、校正、定期試験及び検査が実施されなければならない。ここで、用語「保守」は予 防処置と是正処置の両方を含む。敷地内の緊急時計画を実施するのに必要な設備についても又、
保守、校正及び定期試験が実施されなければならない。
9.29. すべての保守、校正、定期試験及び検査は、承認を受けた書面による手順に基づく計画に
従って実施されなければならない。施設の運転が開始する前に、事業者は、安全上重要なSSCの 保守、校正、定期試験及び検査に関する計画を作成し、承認を得なければならない。これらの手 順書は、施設の通常運転状態からのすべての変更について定め、作業の完了時に通常の構成配置 に復帰するための対策を設けなければならない。保守、校正、定期試験及び検査のために、マネ ジメントシステムに従って作業の許可を与える体制が採用されなければならない。通常運転の再 開は、保守作業の統括責任者が保守の評価結果を承認した後でのみ許可されなければならない。
9.30. 安全上重要なSSCの保守、校正、定期試験及び検査の頻度は、施設の許認可文書に従わな
ければならない。
9.31. 保守、校正、定期試験及び検査に使用される設備と機器等は、それらの適切な使用を確実
なものとするため、特定され、かつ、管理されなければならない。
9.32. 保守、試験及び検査の結果は、記録され、かつ、評価されなければならない。