最初の立地評価と立地点の選定
5.1. 施設の立地における主な安全目的は、外部の危険性を考慮すること、そして放射性及び化学
的な危険物質の許可された排出と事故時の放出の影響から公衆と環境を防護することでなければ ならない。
5.2. 施設の立地のための根拠は、パブリックアクセプタンスを含む多くの因子に依存するであろ
う。
5.3. 特に、施設の設計及びその意図する目的は、立地に関係を持つであろう。ある施設では、公
衆に及ぼす潜在的な危険性が本質的に限定されており、また立地点に関わる外部起因事象により
比較的影響されないため、立地において必要とされる制約を最小限とすることがある。これ以外 の施設は、公衆に及ぼす潜在的な危険性がより大きいか、あるいは外部事象に対してより脆弱と なるかもしれない。
5.4. 事業者は、施設が有する潜在的危険性に応じた適切な範囲で、参考文献[17]に定められてい
る要件に基づいて、立地評価を実施しなければならない。特に、この立地評価では、そのような 施設に対する特定の立地点の適否、施設の安全面に影響するかもしれない立地点の特徴、及びそ うした立地点の特徴が施設の設計と運転の判断基準に与える方法について、考慮されなければな らない。
5.5. 立地評価は、施設の有する潜在的危険性を十分に考慮して、新規の施設の許認可文書の作成
の最初の作業とならなければならない。立地評価については、次の要件を適用する。
(a) 立地点において施設の将来の影響を評価するための放射線に係るパラメータの基本線レベ ルを設定するため、何らかの立地点での活動を実施する前に、立地点での放射能の適切な測 定は実施されなければならない。立地点における大気中、水中、土壌中、及び動植物中の自 然及び人工放射能は調査され、記録されなければならない。
(b) 施設の運転状態と事故状態8での放射性物質の影響及び付随する化学物質による影響を受け る可能性のある区域の環境特性が、調査されなければならない。放射線の影響と付随する化 学物質の影響の数学モデルを使用して得られる結果を検証するため、適切な測定システムが 設計されなければならない。
(c) 放射性物質とその他の危険物質が環境に排出又は移行する可能性のある、施設近傍の場所が 調査されなければならない。水系の希釈と分散の特性を評価するため、必要な程度に水文学 及び水文地質学上の調査が行われなければならない。地表水と地下水の汚染による公衆と環 境への潜在的な影響を評価するため使用されたモデルは記載されなければならない。
(d) 運転状態及び事故状態において環境に放出された放射性物質とその他の危険物質の分散を 評価するために使用されたモデルは、事業者と規制機関の要件に従うものでなければならな い。
8 事故状態:添付資料Ⅲ、Ⅲ-12項を参照のこと。
(e) 施設からの放射性物質とその他の危険物質の予想される排出及び放射性物質の移行の挙動 と共に、公衆への線量及び生物系と食物連鎖の汚染について評価することを可能とする情報 が収集されなければならない。
(f) 施設の安全面に影響を与える可能性のある立地点の特性(例えば、土質、地質学、水文地質 学上の特性)が評価されなければならない。特に、自然現象(例えば地震、津波、洪水、強 風、極端な気温、落雷)又は航空機落下事故、衝突、火災(例えば山火事)及び爆発(例え ば近くのガス基地での)のような外部の人的起因事象の発生可能性と潜在的な過酷度につい ては評価されなければならない。このような事象は施設の設計の根拠の中で考慮されなけれ ばならない。
(g) 新しい施設については、立地点に関する地質学的、水文地質学的及び気象学的データが収集 され、また施設の許認可文書に組み込まれなければならない。立地点の選択により、上記の 事象によるリスクを除去又は低減することが可能である。
(h) 航空交通の予測可能な特性、空港の位置と種類、及び消火用航空機又はヘリコプターのよう な施設上空又は近辺を航空する特別許可を得た航空機を含む航空機の特性を考慮して、立地 点での衝突、火災、爆発を含む航空機落下事故の可能性が評価されなければならない。
(i) 立地点の適否の解析では、放射性物質の保管と輸送、処理用化学物質、放射性廃棄物と化学 廃棄物、及び立地点の既存の基盤(例えば電源供給とその信頼性)の考慮がなされなければ ならない。
(j) 安全に影響を与える可能性のある当該地域の予測可能な自然及び人工的変化は、施設の計画 存続期間を通して評価されなければならない。
(k) 施設において事故が発生した場合に要求されるアクシデントマネジメントの措置や緊急時 対策(例えば消火役務の使用)のような緩和措置の、必要性又は程度に与える立地決定の影 響は、考慮されなければならない。
5.6. 事業者は、提案された立地点で施設が安全に運転され得ることを立証するための安全解析を
裏付けするのに十分詳細な情報を収集しなければならない。危険の可能性が非常に限定された施 設については、必要とされる詳細さの程度は、危険の可能性が中程度又は高い施設について求め られるものよりも実質的に低くなるであろう。
5.7.運転状態における放射性物質の放出が許認可された限度内であり、緩和措置を採るに至ること のある状態を含む事故状態における放出による公衆への放射線の影響が容認限度以下であり、か つ、国の要求を満たしているという結論が、評価結果により導かれた場合にのみ、その立地点が 適合していると考えなければならない。調査及び評価は、提案された施設が立地点に適合してい るという検討と結論を引き出すことができる、妥当な結果を与えるものでなければならない。
5.8. 評価結果は文書化され、許認可文書の中で十分詳細に呈示されなければならない。
継続的な立地点の評価
5.9. 事業者は、その地域の自然及び人工的変化並びにその立地点の特性に及ぼす影響を評価し、
かつ、そのような可能性のある変化を当初の予想と比較するため、施設の存続期間(廃止措置段 階を含む)を通して監視の計画を設定しなければならない。
5.10. 継続的に行われる立地評価が立地点の特性に関する新しい情報を特定する場合には、工学
的安全管理と緊急時の準備措置のような安全対策は、再評価され変更される必要のあることがあ る。