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新規鉱山開発状況

最近の鉱業投資としては,Barrick社がVeladero金・銀鉱床プロジェクト(San Juan 州)の開発に着手したことがトピックスとして挙げられる。また,アルゼンチン鉱業庁の 2003年の発表によると,今後,鉱業投資の顕著な伸びが予測されている。具体的なプロジ ェクトとしては,Veladero (San Juan州,金・銀),Pascua-Lama(San Juan州,金・

銀),El Pachon(San Juan州,銅・モリブデン),Agua Rica(Catamarca州,銅・金・

モリブデン),San Jorge(Mendoza州,銅・金)などの新規プロジェクトの開発が想定 されている。

Pascua-Lama

チリ第III州とアルゼンチンSan Juan州に跨る第三紀の金・銀鉱床で,チリから続く El Indioベルトに属する。1994年にBarrick社が権益を買収した。その後の探鉱により,

買収当時の埋蔵金量1.8百万ozが現在の17百万ozにまで増大している。初期投資約10 億 USD とされ,酸化鉱はシアンリーチングにより金・銀ドーレを生産し,硫化鉱は浮遊 選鉱により金・銀を含有する銅精鉱を生産する予定。年産80万ozをキャッシュコスト85

USD/ozで計画している。採掘はチリ側で始まり,Pascuaピットは1次クラッシャーから

地上および坑内コンベヤーによりアルゼンチン領内の Rio Turbio に位置する選鉱場まで 運搬される。鉱山キャンプと磨鉱プラントもまたアルゼンチン側Rio Taguasに建設が予 定される。現地までのアクセス道路(アルゼンチンSan Juan~Valle de Cura間)の建設 は2000年第4四半期に完成している。

1997年の政府間の合意によるPasuca-Lama議定書により,国境に関係のない操業が可 能になり,その後,2000 年には議定書の根拠法となるチリ-アルゼンチン 2 国間鉱業統 合条約が発効されている。当初は,本プロジェクトが真っ先に,この2国間条約の恩恵を 受けるものと考えれていたが,折からの金価格低迷もあり,開発が先延ばしにされてきた。

今後,近隣のVeladero鉱床(同じくBarrick社が権益を所有する)との共同開発の検討,

通貨の下落に伴う投資額やコストの再評価の必要もあり,2004 年の前半に F/S の終了,

2005年の建設開始,2008年の生産開始といったスケジュールを目標としている。

Veladero

アルゼンチンSan Juan州,Pascua-Lama鉱床から6 kmほど東,標高5,000 mに位置 する。ジュニアカンパニーの探鉱活動に 1994 年 Barrick 社が参入し,1999 年には Homestake社が参入した。2002年のBarrick社とHomestake社の合併により,現在は Barrick社が100 %の権益を所持する。探鉱の結果鉱量は増大しており,1999年当初で金 量5.3百万ozであったが,現在は金量8.3百万ozになる。2002年10月にF/Sを終了し,

初期投資4.55億USD,年産金量53万oz,銀1百万oz,キャッシュコスト155 USD/oz で生産を開始する見込みである。マインライフは15年,2006年からの生産開始を目標と

している。2003年11月にはEIS(環境影響評価)がSan Juan州から承認され,アクセ ス道路やキャンプ施設の建設が開始された。

Pirquitas

アルゼンチン北部Jujuy州,ボリビア国境から60 kmに位置する銀・錫・亜鉛鉱床,標 高は4,200 m。1935年から1980年代まで坑内採掘が行われた。2002年に,Silver Standard Resources社がHighwood Partners LP社から43.4 %権益を獲得し,開発プロジェクトが 始動した際には,オペレーションを行う予定。銀価格の上昇を待って,開発準備を進めて いる模様。本鉱徴は,ボリビア錫ベルトの南限とされ,以前(1995~2000 年)に探鉱を 実施していたSunshine Mining社の計算によると,埋蔵鉱量3千万t(Cut-off品位Ag 40 g/tでAg 128 g/t,Sn 0.17 %,Zn 0.81 %)であったとされる。

Esquel

アルゼンチンChubut州にてMerdian Gold社が実施する金・銀鉱床プロジェクト。2001 年のPre-F/Sでは露天採掘での開発を想定して,10.4百万t(Cut-off品位Au 1 g/tで,

Au 8.5 g/t,Ag 15 g/t)の埋蔵量としたが,環境団体や地元からの反対に会い,F/Sを完了 していない。

El Pachon

本鉱床は,アルゼンチンSan Juan州にあるポーフィリーカッパー鉱床である。チリと の国境から6 kmほどに位置し,チリ側の第IV州にはLos Pelambres銅山(El Pachon の西10 kmに位置する)が操業する。埋蔵鉱量約8億(Cut-offt 品位Cu 0.4 %で,Cu 0.62 %,

Mo 0.015 %,Au 0.02 g/t,Ag 2.4 g/t)とされる。1997年にCambior社がF/Sを実施し,

初期投資9億USD,キャッシュコストは0.28 USD/lb,年産銅量25万t,モリブデン2,800 tと計画した。Cambior社とCia Mina San Jose(Comsur)社が50/50の対等権益を有し ていたが,2001年9月にNoranda社が2.8千万USDで買収した。その後,Noranda社 は2005 年までに操業開始を判断して,2百万USDを支払うことで買収が完了する予定。

当初は,Los Pelambres銅鉱山のオペレーションシップを持つAntofagasta Minerals社 が買収し,Los Pelambresとの統合開発もありえると目されていた経緯もある。

Agua Rica

Agua Ricaポーフィリーカッパー鉱床は,Catamarca州Bajo de la Alumbrera鉱床の 東約30 kmに位置する。2003年2月にBHP Billiton社は72 %シェアを,パートナーの Northern Orion社に1.26千万USDで売却し,現在Northern Orion社が100 %シェアを 所持している。埋蔵鉱量は7.5億t(Cut-off品位Cu 0.4 %で,Cu 0.62 %,Au 0.23 g/t,

Ag 3.2 g/t,Mo 0.037 %)。鉱床には2本の構造坑道によりアクセス可能であり,予備的

な選鉱試験の結果は良好であった模様。2001年,Bankable F/Sに必要な調査を完了した とされる。Northern Orion社の発表によると,操業形態をヒープリーチング(6.8万t/d)

か精鉱生産(5万t/d),または,それらを組み合わせる場合などを検討している模様。建 設費用も1.5億~5億USDが見込まれている。2004年にF/Sを完了し,2006年建設開始,

2008年からの生産を想定している。

San Jorge

San Jorgeポーフィリーカッパー鉱床探鉱プロジェクト(Northern Orion社100 %)は,

Mendoza州の州都Mendozaの北西100 kmに位置し,SX-EW対象鉱量は46百万t,品 位Cu 0.6 %,Au 1.18 g/tを計上している。露天掘,酸化鉱+二次富化鉱対象のヒープリ ーチング-SX-EWで回収する計画。1996年1月にPre-F/S用のボーリングを実施,3月 には選鉱試験を実施,1997年にSX-EWのPre-F/Sを実施した。2001年4月にはNorthern

Orion社は新規の参入社を捜している旨を発表している。2002年にそれまでのパートナー

であったClimax社を買収して,現在の100 %シェアとなる。

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