第6章 新たな仮説の提示とその検証
第2節 新たな仮説の検証 ①マス・ツーリズムとニュー・ツーリズムの妥当性
第1項 重回帰分析の目的
重回帰分析を通して、下記仮説
5
、6
を検証することを目的とする。仮説5:
観光消費を高める要因は航空路線、ホテル、旅行パッケージツアーの充実である。
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仮説6:観光消費を高める要因は後天的な観光資源を生みだし、
観光振興予算を投じつつ、生活者からの口コミ情報の充実である。
第2項 重回帰分析の方法
まず、航空路線座席数、ホテル客室数、旅行パッケージツアー数と観光消費の因果関係 を重回帰分析によって分析し、仮説
5
を検証する。ここで目的変数は「観光消費額」、説明 変数は「定期航空座席数」「ホテル客室数」「旅行パッケージツアー数」を用いる。次に、後天的な観光資源、観光振興予算、観光の口コミ情報と観光消費の因果関係を重 回帰分析によって分析し、仮説
6
を検証する。ここで目的変数は「観光消費額」、説明変数 は「スポーツ・レクリエーション地点」「観光振興予算額」「観光口コミ情報数」を用いる。第3項 重回帰分析の結果(1)
「観光消費額」を目的変数、「定期航路座席数」「ホテル客室数」「旅行パッケージツア ー数」を説明変数とした重回帰分析の結果は図表
26
に示される。重回帰式の有意確率は
0.00
であり、1
%水準で有意な結果を得た。調整済み決定係数 は.736
であり、十分な説明力を有していると考えられる。なお、各変数のVIF
値は「定期 航路座席数」(5.31
)、「ホテル客室数」(5.20
)、「旅行パッケージツアー数」(1.52
)であり、多重共線性の問題は発生していない。
各変数の標準化係数は「定期航路座席数」(
-.707
)、「ホテル客室数」(.998
)、「旅行パッ ケージツアー数」(.576
)であった。「定期航路座席数」はその座席数が増えても観光消費 の増大にはつながらない一方で、「ホテル客室数」、「旅行パッケージツアー数」は増加すれ ば、観光消費もまた増加していることが示される。さらに「旅行パッケージツアー数」よ りも、「ホテル客室数」の増加の方が、より「観光消費額」増加への影響力が大きいことが 明らかとなった。仮説5:
観光消費を高める要因は航空路線、ホテル、旅行パッケージツアーの充実である。
77
重回帰分析の結果より、仮説5
は支持された。第4項 重回帰分析の結果(2)
「観光消費額」を目的変数、「スポーツ・レクリエーション地点数」「観光振興予算額」
「観光口コミ情報数」を説明変数とした重回帰分析の結果は図表
27
に示される。重回帰式の有意確率は
0.00
であり、1
%水準で有意な結果を得た。調整済み決定係数は0.554
であり、説明力を有すると考えられる。なお、各変数のVIF
値は「スポーツ・レクリエーション地点数」(
1.18
)、「観光振興予算額」(1.18
)、「観光口コミ情報数」(1.09
)で あり、多重共線性の問題は発生していない。各変数の標準化係数は「スポーツ・レクリエーション地点数」(
.427
)、「観光振興予算額」(
.472
)、「観光口コミ情報数」(.324
)であった。各変数は「観光消費額」に正の影響を与 えているとともに、「観光振興予算額」「スポーツ・レクリエーション地点数」「観光口コミ図表 26 重回帰分析の結果(1)
モデル要約
モデル R R2 乗
調整済み R2 乗
推定値の 標準誤差
1 .872a 0.760 0.736 45453.937
a. 予測値: (定数)、パッケージツアー数, ホテル客室数, 定期航路座席数。
分散分析a
モデル 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率
1 回帰 190067713306 3 63355904435 30.665 .000b
残差 59915751566 29 2066060399
合計 249983464872 32
a. 従属変数 観光消費額(百万円)
b. 予測値: (定数)、パッケージツアー数, ホテル客室数, 定期航路座席数。
係数a
モデル
標準化 されてい ない係数
標準化
係数 t 値 有意確率
共線性の 統計量
B 標準誤差 ベータ 許容度 VIF
1 (定数) 2997.386 13528.223 0.222 0.826
定期航路
座席数 -0.008 0.002 -0.707 -3.373 0.002 0.188 5.310 ホテル
客室数 4.781 0.993 0.998 4.816 0.000 0.192 5.20 パッケージ
ツアー数 3.027 0.576 0.589 5.258 0.000 0.658 1.52 a. 従属変数 観光消費額
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情報数」の順に強い影響を与えていることが示された。
仮説6:
観光消費を高める要因は後天的な観光資源を生みだし、
観光振興予算を投じつつ、生活者からの口コミ情報を充実させることである。
重回帰分析の結果より、上記仮説
6
は支持された。モデル要約
モデル R R2 乗
調整済み R2 乗
推定値の 標準誤差
1 .766a 0.587 0.554 53485.091
a. 予測値: (定数)、観光口コミ情報数, スポーツ・レクリエーション地点, 観光振興予算額。
分散分析a
モデル 平方和 自由度 平均平方 F 値 有意確率
1 回帰 154399383282 3 51466461094 17.991 .000b
残差 108704886539 38 2860654909
合計 263104269820 41
a. 従属変数 観光消費額
b. 予測値: (定数)、観光口コミ情報数, スポーツ・レクリエーション地点, 観光振興予算額。
係数a
モデル
標準化 されてい ない係数
標準化
係数 t 値 有意確率
共線性の 統計量
B 標準誤差 ベータ 許容度 VIF
1 (定数) -4777.415 16092.259 -0.297 0.768
スポーツ・
レクリエーション地点 467.550 119.642 0.426 3.908 0.000 0.917 1.091 観光振興
予算額 3297.056 791.522 0.472 4.165 0.000 0.847 1.181 観光口コミ
情報数 0.531 0.186 0.324 2.857 0.007 0.846 1.182
a. 従属変数 観光消費額
図表 27 重回帰分析の結果(2)