争 /
第 2節 今後 の課題
今後の課題 として
,以
下の2点
が挙げ られ る。1.数
学的 コ ミュニケー シ ョンが実現 している授業の題材 について第
3章
と第4章
では中学校 の数学の「資料の活用」を用いて実践授業 を行 つてきたが, 他の領域で,同
じよ うに数学的 コ ミュニケー シ ョンが実現 してい る授業 を計画 し,実
践 す る。そ こか ら,グ
ループに よる話 し合 い活動時の コ ミュニケー シ ョン連鎖や ポジシ ョ ンの変動に注 目して,領域 が変わつて も同 じよ うな視点が使 えるのか を検討 していきた い。2.グ
ルー プによる話 し合 い活動 を活発 にす るための手立てについてグループに よる話 し合 い活動 が活発 か ど うか をポジシ ョンの変動 を とらえることで 判断 してきた。そのなかで
,実
践授業では授業者 (筆者)の
意 図で グループ編成 を行 つ たが,実
際の学校現場 では,グ
ループ編成は教師が意図 してい るよ うにできない ことが あ る。その ことか ら,グ
ループ編成が どのよ うなもの (同 じポジシ ョン同士の組み合わ せや異なるポジシ ョン同士の組み合わせ な ど)であつて も一人ひ とりが しつか りとした 話 し合い活動の姿を意識 させ るよ うにす る。理想的な話 し合 い活動 を生徒たちに体験 さ せ るために も,グ
ループに よる話 し合い活動 を習慣化 させ る必要があると思われ る。そ して,教師が グループによる話 し合い活動時に どのよ うな介入 を していけるのかをもつ と多 くの事例 を考察 し,さ
らに効果的な ものを見つ け出すべ きであろ う。また
,教
師が現実の問題 として,4人
グループでの話 し合 い活動 を行 う時に,一
つ一つのグループに対 して しつか りと対応す ることができない。この部分は どの よ うにすれ ば カバーで きるのか を考 えてい くの も教師 自身 の授業力の向上 につなが るのではない か と考 えた。
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引用・ 参 考 文献
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紀型スキルー学び と評価の新たなかたち―』,北
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謝 辞
本研 究 を進 め るにあた り
,終
始 ご指導 ご鞭撻 を頂 きま した 川 内充延先生 に心 よ り感謝 申 し上げます。各学会 に向けた 準備 のみな らず,普
段の生活の方に も気 をかけて くだ さる な ど,丁
寧 かつ熱心なご指導 をいただいたか らこそ,こ
のよ うに修士論文 としてま とめることがで きま した。 また,
様 々な機会 で適切 な ご助言 を与 えて くだ さいま した
,國
岡 高宏先生,加
藤久恵先生,漬
中裕明先生 をは じめ本学数学 教室の先生方や,学
会等の様 々な機会 に ご助言 くだ さい ま した諸先生方,本
大学院数学 コースの大学院生の方 々に心 よ り御礼 申 し上げます。そ して,本
論文第3章
では,附
属 中学校 の黒 田一真先生に実践授業のデー タを提供 して もら い,ご
協力いただきま した。本論文第4章
の授業において,兵庫県加東市 立東条中学校の先生方 に ご協力頂 きま した。
深 く感謝 の意 を表 し
,心
よ り御礼 申 し上げます。 さらに,話 し合い活動 をテーマに行 つていることもあ り
,生
徒た ち の協力のおかげで,無
事にま とめることができま した。感 謝 して も感謝 しきれ ないものです。最後に,大
学院生活 2 年間で教 えていただいた こと,学
んだ ことを十分に活かせるよ う
,学
校現場 で 日々精進 し,子
どもたちに尊敬 され る よ うな教師 を 目指 していきます。あ りが とうございま した。
平成