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数値考察

ドキュメント内 目 次 (ページ 30-37)

本節では, 3.1節で提案した一部の最適配置法則以外の初心者に関する最適配 置法則を,各作業者の作業時間が指数分布に従うと仮定した数値実験を通じて考 察する.また,熟練者に関する最適配置法則が提案できていないため数値的な考 察を行う. 3.2.1項では,初心者が 1人,熟練者が 2人,一般者がn‑3人の場合に おける数値的な考察を記す. 3.2.2項では,初心者が 2人,熟練者が 1人,一般者 がn‑3人の場合における数値的な考察を記す.

こ こ で , 各 作 業 者 の 作 業 時 間 が 指 数 分 布 に 従 う と 仮 定 す る . す な わ ち , IE {A,B,C}に対して,作業者lの作業時間確率密度関数を

J , ( ; ) =

μ,e切'とする.こ のとき, IE{A,B,C}に対して,

P, 

=  J :  J ; ( t ) d t  =  l ‑ e ‑ μ , z ,  

Q, 

=  J : ̲ t ; ( t ) d t = e ‑ μ , 八

T S , =     : I ( z   t ) J , ( t Z‑ 1‑e ( , , , z ) ,  

μI 

l

T L 1  =  f

z

J 1 ‑ Z ) J 1 ( 1 ) d 1 = ―

'

e

, z

 

μI 

(3.6) 

(3.7)  (3.8) 

(3.9) 

と表される.ここで, IE{A,B,C}に対してμIは作業者の加工率を表す.たとえば,

初心者が A,一般者が B,熟練者が Cの場合の加工率の関係は,凡くμB<μ(.を 満たすものとする.

数値実験に用いるソースコードを付録4に記載する.また,数値実験に用いる パラメータは以下のように設定する.

工程数 遅れ費用

n=9,IO 

:C

州 =

40, Cj,2l = 80,  C}

り =

160, C}

り =

320, C}

り =

640, Cj,61 =1280 

c 仰 =

20480 目標作業時間 :Z=2 

遊休費用 :Cs =20 

ここで,本研究の定理の条件が指数分布においても成立するか確認する.まず,

C

い =

2560, C

炉 =

5120, C

り =

10240,

QA= e‑,,.,z 

QB =eμ,,z 

を比較する.凡くμ,Jより, QA>QBが成り立つ.次に,

l‑

︳ ︳  

︐ ︐ 

l ̲ J I A  

= 

T L A A ‑

QA  μ̲,z  μA 

l‑

= μ 

= 

T L B B ‑

QB  —µ,,z μB  TLA  TL13 

を比較する.凡くμBより,―‑>一ーが成り立つ.よって,本研究の定理の条件 QA  QH 

を満たしているため,指数分布においても定理が成り立つ.

また,数値実験を行う時の加工率は,「初心者と一般者の加工率が近い場合」,

「一般者と熟練者の加工率が近い場合」,「初心者,一般者,及び熟練者のすべて の加工率が近い場合」,及び「初心者,一般者,及び熟練者のすべての加工率が離 れている場合」のすべてのパターンを網羅できるように設定した.

3.2.1  初心者Aが1人,熟練者 Cが2人,一般者Bがn‑3人の場合における数 値的考察

本場合では,定理3‑1を提案した最適配置法則の範囲以外の初心者Aまたは,

熟練者Cに関する最適配置法則を,数値実験を通じて考察する.

初心者Aが1人,熟練者Cが2人,一般者Bがn‑3人居る場合において,工程 数が 9及び 10工程のシステムを対象に作業者の加工率を変えながら,初心者A

と熟練者 Cに着目して以下の数値実験を行う(表 3.2.1,表 3.2.2及び表 3.2.3). 具体的に,以下の三つの場合にそれぞれ各作業者の加工率が変動させる.

表 3.2.1に,初心者 Aの加工率μAを0.1として固定,熟練者 Cの加工率μ(.を 1.0として固定,一般者Bの加工率μ,,を 0.2から 0.9までの間で変動させた場合 の数値実験の結果を示す.表 3.2.2に, μAを0.1として固定,μいを 0.2として固 定,μ(を 0.3から 1.0までの間で変動させた場合の数値実験の結果を示す.そし て,表3.2.3に, μ Rを0.9として固定,μ(.を 1.0として固定,μ,1を0.1から 0.8ま での間で変動させた場合の数値実験の結果を示す.

表3.2.1, 表3.2.2及び表3.2.3から,定理3‑1で提案した最適配置法則,初心者 Aの最適配置は第1工程であることが確認できた.

表 3.2.1から,一般者の加工率が大きくなるにつれ,この場合の最適配置が

(1,2,3)に向かって単調に変化していくことが分かる.これは,一般者の加工率 が小さいときは,初心者及び一般者によって生じた連続した工程の遅れを防ぎ,

期待費用を低く抑えるため,加工率が大きな熟練者をバランス良く配置するが,

一般者の加工率が大きくなっていくと,一般者は遅れにくくなるため,熟練者が バランスをとる必要がなくなるためであると考えられる.また, 2人の熟練者が 初心者のすぐ後ろに配置されるのは,一般者が連続して遅れる確率よりも,初心 者が遅れる確率の方が高いため,連続して作業が遅れることを防ぎ,期待費用を 抑えるためであると考えられる.

表3.2.2から,熟練者 Cの加工率が大きくなっているが,配置される工程はほ とんど変わっていないことが分かる.これは,初心者,一般者ともに加工率が小 さく,加工率が大きな熟練者を中央工程に配置することにより,連続して作業が 遅れることを防ぎ,期待費用を低く抑えるためであると考えられる.

表 3.2.3から初心者Aの加工率が大きくなるにつれ,熟練者の配置される工程 が初心者のすぐ後ろから,中央工程へと変化していくのが分かる.これは,初心 者の加工率が小さいときは,初心者によって生じた第 1工程での遅れがこれ以上 連続することを防ぎ,期待費用を低く抑えるため,加工率が大きな熟練者を初心

表3.2.1 初心者 (1人)及び熟練者 (2人)の加工率を固定し,一般者 (11‑3 人)の加工率を変動させた場合における数値実験による最適配置 (Z固定)

μA  f.lB  μ('  9工程 10工程 0.1  0.2  1.0  ABBCBBCBB  ABBCBBCBBB  0.1  0.3  1.0  ABCBBCBBB  ABBCBBCBBB  0.1  0.4  1.0  ABCBBCBBB  ABBCBBCBBB  0.1  0.5  1.0  ABCBBCBBB  ABCBBBCBBB  0.1  0.6  1.0  ACBBCBBBB  ACBBBCBBBB  0.1  0.7  1.0  ACBBCBBBB  ACBBBCBBBB  0.1  0.8  1.0  ACCBBBBBB  ACCBBBBBBB  0.1  0.9  1.0  ACCBBBBBB  ACCBBBBBBB 

表3.2.2 初心者 (1人)及び一般者 (11‑3人)の加工率を固定し,熟練者 (2 人)の加工率を変動させた場合における数値実験による最適配置 (Z固定)

μA  μB  μ('  9工程 JO工程 0.1  0.2  0.3  ABBBCCBBB  ABBBBCCBB  0.1  0.2  0.4  ABBBCCBBB  ABBBBCCBBB  0.1  0.2  0.5  ABBCBCBBB  ABBBCBCBBB  0.1  0.2  0.6  ABBCBCBBB  ABBBCBCBBB  0.1  0.2  0.7  ABBCBCBBB  ABBBCBCBBB  0.1  0.2  0.8  ABBCBCBBB  ABBCBBCBBB  0.1  0.2  0.9  ABCBBCBBB  ABBCBBCBBB  0.1  0.2  1.0  ABCBBCBBB  ABBCBBCBBB 

表3.2.3 一般者 (n‑3人)及び熟練者 (2人)の加工率を固定し,初心者 (1 人)の加工率を変動させた場合における数値実験による最適配置 (Z固定)

μ,9  μB  μ(  9工程 10工程

0.1  0.9  1.0  ACCBBBBBB  ACCBBBBBBB  0.2  0.9  1.0  ACCBBBBBB  ACCBBBBBBB  0.3  0.9  1.0  ACCBBBBBB  ACCBBBBBBB  0.4  0.9  1.0  ACCBBBBBB  ACCBBBBBBB  0.5  0.9  1.0  ACBBCBBBB  ACBBCBBBBB  0.6  0.9  1.0  ACBBCBBBB  ACBBBCBBBB  0.7  0.9  1.0  ACBBCBBBB  ACBBBCBBBB  0.8  0.9  1.0  ABCBBCBBB  ABBCBBCBBB 

者のすぐ後ろに配置するが,初心者の加工率が大きくなっていくと,初心者は遅 れにくくなり,熟練者を初心者のすぐ後ろに配置する必要がなくなるためである

と考えられる.

3.2.2  初心者 Cが2人,熟練者Aが1人,一般者Bが11‑3人の場合における数 値的考察

本場合では,定理 3‑2と定理 3‑3を提案した最適配置法則の範囲以外の初心者 Cまたは,熟練者Aに関する最適配置法則を,数値実験を通じて考察する.

初心者 C2人,熟練者A1人,一般者 Bがn‑3人居る場合において,工程 数が 9及び 10工程のシステムを対象に作業者の加工率を変えながら,初心者 C

と一般者Aに着目して以下の数値実験を行う(表3.2.4及び表 3.2.5).具体的に,

以下の三つの場合にそれぞれ各作業者の加工率が変動させる.

表3.2.4に,μ(を 0.1として固定, μHを0.2として固定,μ;,を 0.3から 1.0ま での間で変動させた場合の数値実験の結果を示す.表 3.2.5に, μHを0.9として 固定, μCを1.0として固定,μ,,を 0.1から 0.8までの間で変動させた場合の数値 実験の結果を示す.

表3.2.4及び表3.2.5から,定理3‑2と定理3‑3で提案した最適配置法則,初心

3.2.4 初心者 (2人)及び一般者 (n3人)の加工率を固定し,熟練者 (1 人)の加工率を変動させた場合における数値実験による最適配置 (Z固定)

μc  μ/J  μA  9工程 10工程 0.1  0.2  0.3  CCBBBABBB  CCBBBABBBB  0.1  0.2  0.4  CCBBABBBB  CCBBBABBBB  0.1  0.2  0.5  CCBBABBBB  CCBBBABBBB  0.1  0.2  0.6  CCBBABBBB  CCBBBABBBB  0.1  0.2  0.7  CCBBABBBB  CCBBABBBBB  0.1  0.2  0.8  CCBBABBBB  CCBBABBBBB  0.1  0.2  0.9  CCBBABBBB  CCBBABBBBB  0.1  0.2  1.0  CCBBABBBB  CCBBABBBBB 

Cの最適配置は第1工程であることが確認できた.

3.2.4から,熟練者Aの加工率は大きくなっても,熟練者Aの配置は中央エ 程のままである.それは,初心者C,一般者Bともに加工率が小さく,熟練者Aを

中央に配置し,連続遅れを防いでいると考えられる.

3.2.5から,初心者 Cの加工率が大きくなるにつれ,配置される工程はほと んど変わっていないことが分かる.二人の初心者の配置は第 1工程と最後の工程 のままである最後に,初心者,一般者,及び熟練者のすべての加工率が近い場 合熟練者を中央工程に配置することにより,連続して作業が遅れることを防ぎ 期待費用を低く抑えるためであると考えられる.

第3章では, 目標作業時間が一定の場合,作業者が初心者,熟練者及び一般者 のような作業速度が異なる 3グループに分けられ,その構成が, 1人のグループ,

2人のグループ, n3人のグループである場合において,初心者を最初の工程に配 置することが,ある条件の下では最適となる法則を解析的に示し,局所最適配置 法則として提案したまた,提案した最適配置法則の条件以外の最適配置法則を 通じた考察や,初心者と熟練者に関する最適配置法則を提案するための数値的考 察を行った.

表3.2.5 一般者 (n‑3人)及び熟練者 (1人)の加工率を固定し,初心者 (2 人)の加工率を変動させた場合における数値実験による最適配置 (Z固定)

μ

μB  μA  9工程 10工程 0.1  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.2  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.3  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.4  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.5  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.6  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.7  0.9  1.0  CBBBBBBAC  CBBBBBBBAC  0.8  0.9  1.0  CBBBABBBC  CBBBBABBBC 

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