散布図ビューでは
,
多次元時系列データの時点ごとの次元削減結果を,
アニメーションで再生時 点を制御可能な2
次元散布図を用いて可視化する.
散布図ビューは,
各時点におけるデータオブ ジェクト分布を可視化する散布図,
投影に関するパラメータを調整するユーザインタフェース群,
次元削減のパラメータを表示する棒グラフ,
アニメーションを制御するためのUI
群から構成され る.
散布図ビューの構成要素を図9
に示す.
散布図上に表示されるノード(
単一のデータオブジェクト
)
の座標は, 3.6
節で示した式により定義される.
これらのノードに対して,
軌跡や凸包などの各種オブジェクトの呼び出しが行われる
.
4.5.1
各属性の強調度合い3.8
節で示したパラメータ調整手法を適用する場合,
分析者は時系列データの次元削減結果に おける主成分(
パラメータω)
の特性と,
オブジェクト配置の関係を理解している必要がある.
現 在のパラメータ値を明示的に通知し,
投影との関係の理解を促進するため,
各投影軸に沿って,
図9(c)
のように,
投影軸における各属性値の強調度合いを半透明色(
赤色と青色)
の棒グラフで表現 する.
赤色の棒グラフは主成分分析で獲得された初期時点のωに,
青色は調整後のω′に対応す る.
両者の値が重なっている場合には,
紫色の棒グラフとして表示される.
特定属性の強調度合い(a)アニメーション 制御用UI (4.4.2) 現在の時点
(d)パラメータ調整用UI (4.8)
(c)属性値の寄与率 パラメータω (4.4.1)
𝜔 𝜏 Y
𝜔 𝜏 X
(b)ヒートマップ (4.4.3)
図
9.
散布図ビューの構成の絶対値がプラス方向に大きい場合
,
その属性値が大きいほど投影軸の値が大きくなる方向に配 置される(
正方向への強調).
マイナス方向に大きい場合には,
属性値が大きいほど投影軸における 値が小さくなる方向に配置される(
負方向への強調).
4.5.2
アニメーションの制御プロトタイプインタフェースでは
,
図10
に示す散布図上部のアニメーション制御UI
を用いて,
アニメーションを制御できる.
アニメーションの現在の再生時点は,
図10(a)
のように文字列で表 示されている.
アニメーションを用いて時系列データを可視化した際に調整可能なパラメータ例 として,
再生間隔,
再生範囲,
再生時点が挙げられる.
各パラメータのインタラクティブな調整は,
アニメーションを探索的データ分析へと活用するために必要不可欠である[46].
インタフェース では,
再生間隔スライダ,
タイムスケール,
再生時点スライダの3
つのUI
を用いて各パラメータ を調整できる.
再生間隔の変更は
,
再生間隔スライダ(
図10(b))
から行える.
スライダでは,
アニメーションの 再生間隔を500
から10000 [ms
/]
の間で変更できる.
また, 4.2
節で示した探索モードに基づき,
散 布図ビュー内のマウスホイール操作によってもアニメーションの再生間隔を変更できる.
前者は 明示的な再生間隔の変更,
後者は暗黙的な再生間隔の変更に対応する.
再生範囲は
,
タイムスケール(
図10(c))
に対するドラッグ&
ドロップ操作により変更できる.
ま た,
後述する軌跡や凸包のような,
複数の時点における変化傾向を可視化するオブジェクトの描画 は,
指定された再生範囲について行われる.
そのため, 3.3
節の要件3
を満たすような,
時点ごとの 傾向の違いを反映したパラメータ調整が行えると考える.
また, 4.3.3
節で示したように,
各時点の 上に表示されたボタンをクリックすると,
パラメータα(
赤色)
とω(
青色)
の値をその時点に固定 できる.
これによって,
特定時点tで調整したパラメータωt,αtの他時点における有効性を検証でき
,
時系列データに対する効果的な指標構築を支援できると考える.
また
,
これらのボタンの高さは,
α(
赤色)
の場合には時点tにおける相対的操作が適用された点 の割合に,
ω(
青色)
の場合には,
初期時点におけるωに対する直接操作に基づくパラメータ変更 量に対応する.
例えば,
初期時点のパラメータ(
図11(a))
に対して,
時点t=4, 8, 9
について絶対的 操作を適用してωを調整した後に,
t=5
の時点に対して相対的操作を用いてαを調整した場合,
ボタンの縦幅が図11(b)
のように変化する.
これによって,
パラメータ調整を行った時点と量を一 目で把握可能となり,
まだパラメータを調整していない時点や,
パラメータの変更量が大きい時点 を検出できる.
そのため,
パラメータ調整の対象となるオブジェクトの偏り[93]
を抑制できると 考える.
アニメーションの再生位置や再生/静止の変更は
,
以下のような,
ボタン(
図10(d))
による明示的 な制御によっても行える.
•
START/PAUSE:
アニメーションの再生と静止を切り替える.
再生モードではボタンの文字列が
PAUSE,
静止モードではSTART
になる.
•
NEXT:
アニメーションの再生時点を一つ進める•
PREV:
アニメーションの再生時点を一つ戻す•
RESET:
アニメーションの再生時点を最初に戻すまた
,
再生位置スライダ(
図10(e))
を用いた場合にも特定の時点を直接指定できる.
これらの操 作を適用した場合後,
アニメーションの再生時点が変更され,
散布図も更新される.
再生位置の変更は
, 4.7.2
節で示す軌跡のノードに対するマウスオーバーからも行える.
間接的なUI
を用いた再生範囲の変更は明示的なアニメーションの制御に
,
軌跡の直接操作は暗黙的な制御に対応する.
(b)再⽣間隔スライダ
(d)制御ボタン
(c)再⽣範囲レンジ
(a)現在の時点 (e)再⽣位置スライダ
図
10.
アニメーション制御用のユーザインタフェース図
11.
パラメータ変更量可視化ボタン4.5.3
ヒートマップ散布図ビューでは
,
図9(b)
のように散布図上での特定範囲内におけるオブジェクトの密集度合 いを各投影軸に沿ったヒートマップを用いて可視化する.
ヒートマップでは,
軸上の対応する値域(
セル)
に該当するオブジェクト数が,
全オブジェクト数Nに対して占める割合をセルの濃度色で 表現する.
分析者はヒートマップを用いながら, X, Y
軸についてどの程度オブジェクトが集合し ているかを理解できる.
また,
アニメーションとヒートマップを組み合わせて,
分析者はオブジェ クト集合の時間的傾向の変化に関する洞察を得られると考える.
ドキュメント内
首都大学東京
(ページ 54-57)