参考書
小林昭七 「円の数学」(掌華房)小林昭七 「ユークリッド幾何から現代幾何へ」(日本評論社) 砂田利一 「分割の幾何学–デーンによる2つの定理」 (日本評論社) 面積計のウェッブサイト:
http://persweb.wabash.edu/facstaff/footer/Planimeter/PLANIMETER.HTM http://www.math.duke.edu/education/ccp/materials/mvcalc/green/contents.html
コメント
参考書およびウェッブサイトは自習の参考として講義中に提示した.講義の回数など
講義回数 休講回数 代講を頼んだ回数(その依頼先) 補講回数 TAの有無
(回) 12 1 0 0 無
受講者数,合格者数の内訳
学部 大学院 その他
F印:対象学年 F (他学科等)
学年 1年 2年 3年 4年 M1 M2 D 総数 受講者数(人) 122 1 0 4 0 0 0 0 127 合格者数(人) 116 1 0 1 0 0 0 0 118
出席状況
6名(1年4名,4年2名)はレポートを1度も提出しておらず,実質受講者は121名であったと考え ている.出席者数は徐々に減少する傾向はあったものの,おおよそ105名ー115名で推移した.しか し,講義終了間際に来て出席者名簿に丸をつけたり,他の受講者に丸をつけてもらう受講者がかなりいたよ うで,しかも徐々に増加する傾向があったようである.このことを考慮すると,出席者数は5月頃で110 名程度,7月頃で95名程度と考えるのが妥当なようである.
前期・数学展望I 2002年度講義結果報告
B: コースデザインとの比較,引継事項
○当初予定の講義の目標
この講義では,図形の「面積」に関連するいくつかの話題について,その背景にある数学とともに解説す ることを通じて,数学の面白さ,有用性,奥深さをできるだけ伝えることを目標とした.具体的には,面積 計(プラニメータ),等周不等式,非ユークリッド平面における面積を題材に選んだ.
○達成できた内容
面積計については予定通りであった.線積分に関連して,閉曲線の回転数や絡み数についても解説し,さ らに絡み数と電磁気学との関係にまで言及した.非ユークリッド面積については,当初「初等幾何」的に扱 う予定であったが,議論が長くなりすぎるので,モデルを用いるやり方に切り替えた.しかし,平行線公理 を否定したときに起こる現象のいくつかは,モデルを用いずに直接証明して見せた.最終回には,種数2の 閉曲面上に双曲構造が入ることを,専門用語を用いずに解説した.
○達成出来なかった内容
時間的な都合により,予定した題材のうち等周不等式については十分に扱えず,面積計を用いた証明を解 説するにとどめた.
○分析および自己評価
絡み数と電磁気学の関係に言及したが,これは理解困難だったようで,配慮不足であった.種数2の閉曲 面に双曲構造が入ることを説明する前に,トーラスに局所ユークリッド構造が入ることを説明した.おおま かに説明して,あとはウィークスのビデオ「宇宙の形」を鑑賞して納得してもらうことにした.週末に機器 の動作確認もしたが,当日うまく作動せず失敗に終わった.
C: 講義方法
○講義の基本的な構成,工夫した点
講義において,質問を促したり,問いかけをしたり,その場で問題を考えてもらう時間を作るように心掛 けた.しかし,十分ではなかったと反省している.プロジェクターやビデオの使用を合計4回の講義におい て試みたが,2回は失敗に終わった.とくに,上に述べたケースは少し深刻であった.
○講義内演習の方針,目標
講義の性格上,とくに講義内演習というのは設けなかった.しかし,回転数や絡み数を求めてもらった り,議論・証明の途中で問いかけを行うようにした.
○他の講義との関連
数学の他の講義との関連付けはとくに行わなかった.一方,線積分が物理の講義に頻繁に出てきており,
しかも理解が困難であることを受講生から聞き出し,これについて解説を加えた.
○学生からのフィードバック
レポート提出時に感想・要望を書いてもらうようにした.要望は多岐にわたり,ときに正反対のことを求 めていることもあったので,多くを講義に反映させることはできなかった.しかし,対応できることは対応
2002年度講義結果報告 前期・数学展望I
し,少なくとも心にとめるようにした.
○学生の自己学習の支援
レポート問題を毎回1題程度出題した.オフィスアワーは設けなかったが,3名程度の学生がアポイント メントをとったうえで繰り返し質問に来た.
D: 評価方法
○評価の方針
出席状況と2回の課題レポートと1回の自由レポートに基づいて評価を行った.ただし,出席について は,「出席状況」に述べた事情のため信頼性のおけるデータではなかったので,参考にする程度に留めた.課 題レポートは,講義内容と関連する問題を毎回1題程度ずつ配布し,各回2題以上解いて提出することを 求めた.自由レポートは,夏休みになんらかの自主学習をしてもらい,その成果をまとめて提出してもらっ た.内容は数学に関係していることなら何でもよいことにした.
○最終評価の方法
数学展望は,1年次の数学講義の先にある数学を提示し,1年生の数学への興味を引き出すことがその主 要な目的である.とくに,講義内容を十分に消化し習得することは強く要求しない.この趣旨を考慮して,
レポートについてはその出来具合をほとんど問わないことにし,成績評価の基準をおおよそ以下の通りと した.
優 相当の回数出席し,3回のレポートをすべて提出したもの 良 相当の回数出席し,レポートを2回提出したもの
可 相当の回数出席し,レポートを1回提出したもの 不可 履修の意志は認められるが,上に該当しないもの 欠席 履修の意志の認められないもの
ただし,レポートが書き殴りであるとか,実質的内容を含んでおらず,レポートの形態をなしていないと 判定されるものは,上の基準に基づいたものより低い評価とした.結果は以下の通りであった.
優 良 可 不可 欠席 全体 98 17 3 6 3 1年生 96 17 3 4 2
○評価方法,成績の結果に対する自己評価
成績評価は,出席と3回ないし4回のレポート提出に基づいて行うことを早い段階で告知した.しかし,
すでに述べたように,出席状況を成績評価に有効に用いることはできなかった.科目の性格上,できるだけ 多くの受講者に優を出すのが適当と考え,そのようにした.
E: 学生の取り組み
前期・数学演習I 2002年度講義結果報告
A: 基本データ
科目名 数学演習 I 担当教官 梅村 浩
サブタイトル なし
対象学年 1年 2単位 選択
レベル 1 教科書
なし参考書
なしコメント
線型代数と,微分積分学の教科書を持って来るように指示した.講義の回数など
講義回数 休講回数 代講を頼んだ回数(その依頼先) 補講回数 TAの有無
(回) 15 0 0 0 有,1名
受講者数,合格者数の内訳
学部 大学院 その他
F印:対象学年 F (他学科等)
学年 1年 2年 3年 4年 M1 M2 D 総数
受講者数(人) 25 0 0 1 0 0 0 0 26(私の担当分)
合格者数(人) 24 0 0 1 0 0 0 0 25
出席状況
良かった.合格しなかった1名は出席しなかった.
B: コースデザインとの比較,引継事項
○達成できた内容
論理てきで明晰な文章を書かせる訓練をした.最初,√
2が無理数である証明,より一般に√pが無理数 であることを証明した.その途中で素数が有理整数環で素イデアルを生成することを示した.そのあとは 線型代数の基礎を学んだ.
○分析および自己評価
この演習は評判が良かったと思う.
2002年度講義結果報告 前期・数学演習I
C: 講義方法
○他の講義との関連
選択の演習なので講義と特別関係づけるのは,好ましくないと考えた.
○学生からのフィードバック
演習の時間はそれ自体がフィードバックと提案のくりかえしである.学生と友だちになるようにした.そ のために調査票を書いて頂いた.好きなもの,嫌いなもの,数学にたいするイメージ,自画像を書いて頂い た.そして学生を必ず名前で呼ぶことにした.線型代数の勉強になってからは,
「鶴亀算の解る人は線型代数が解る.」と演習の前に唱和した.
これよりも,
「線形代数は鶴亀算より易しい.」
とした方が正しいと思い標語をそう代えた.学生とコミュニケーションをとるのはうまく行ったと思う.
○学生の自己学習の支援
Office hourはもうけなかったが,上に述べたように学生としてはつきあい易い先生であったと感じている.
D: 評価方法
○評価の方針
出席で評価した.実質的に出席しなかった1名を除いて全員優とした.
○評価方法,成績の結果に対する自己評価
公正に実行できたと思う.学生に励みになるように配慮した.
例外は一人作った.その学生は4年生であり,工学部から転学科した.線型代数,微分積分学は既に習得 していた.卒業研究の指導者から要望があり,面接の後単位をあたえた.
E: 学生の取り組み
○評価出来る点
担当したクラスは非常に雰囲気がよく,良く勉強したと思う.昨年,線型代数を担当し,学級崩壊の前兆 のようなものを感じたが,今回は非常に良かった.