Ⅰ 改正前の制度の概要
1 改正前の制度の概要
特定森林経営計画(注 1 )が定められている区 域内に存する山林(立木又は土地をいいます。以 下五において同じです。)を有していた個人のう ち一定の被相続人(注 2 )から相続又は遺贈によ り特例施業対象山林(注 3 )の取得をした林業経 営相続人(注 4 )が、その相続に係る相続税の期 限内申告書の提出により納付すべき相続税額のう ち、特例山林(注 5 )に係る納税猶予分の相続税 額に相当する相続税については、その相続税の申 告書の提出期限までにその納税猶予分の相続税額 に相当する担保を提供した場合に限り、その林業 経営相続人の死亡の日まで、その納税が猶予され ます(措法70の 6 の 4 ①)。
なお、この制度は、相続税の申告書の提出期限 までに、その相続又は遺贈により取得をした山林 の全部又は一部が共同相続人又は包括受遺者によ って分割されていない場合には適用されません
(旧措法70の 6 の 4 ⑥)。
(注 1 ) 「特定森林経営計画」とは、租税特別措置法 第70条の 6 の 4 第 2 項第 1 号に規定する市町 村長等の認定を受けた森林法第11条第 1 項に 規定する森林経営計画であって、次の①から
⑤までに掲げる要件の全てを満たすものをい います(措法70の 6 の 4 ②二)。
① 属人計画(その対象とする山林が、同一 の者により一体として整備することを相当 とするものとして、森林法施行令第 3 条に 規定する基準に適合するもののうち森林法 施行規則第33条第 2 号に掲げる場合に該当 するものをいいます。以下同じです。)であ ること(措法70の 6 の 4 ②二イ、措規23の
8 の 4 ⑥)
② その森林経営計画に森林法第11条第 3 項
に規定する事項が記載されていること(措 法70の 6 の 4 ②二ロ)
③ ①及び②に掲げるもののほか、その森林 経営計画の内容が同一の者による効率的な 山林の経営(施業又はその施業と一体とし て行う保護をいいます。以下五において同 じです。)を実現するために必要とされる要 件として、次のイからハまでに掲げる要件 の全てを満たしていること(措法70の 6 の
4 ②二ハ、旧措規23の 8 の 4 ⑦)
イ 森林法第11条第 5 項第 4 号及び第 6 号
(これらの規定を同法第12条第 3 項におい て準用する場合を含みます。)に掲げる要 件に該当する森林経営計画であって、そ の期間が連続し、かつ、引き続いて市町 村長等の認定を受けているものであるこ と(旧措規23の 8 の 4 ⑦一)
ロ 森林法第11条第 3 項に規定する事項が 最初に記載された森林経営計画の始期(そ の森林経営計画について同法第12条第 3 項において読み替えて準用する同法第11 条第 5 項の認定を受けた場合にあっては、
その認定を受けた日)以降連続して森林 法施行規則第99条第 2 号に掲げる要件に 該当することについて同令第100条第 1 項 の農林水産大臣の確認を受けている森林 経営計画であること(旧措規23の 8 の 4
⑦二)
ハ その定められている区域内に次に掲げ る山林の全てが存する森林経営計画であ ること(旧措規23の 8 の 4 ⑦三)
イ その森林経営計画について市町村長 等の認定を受けた個人の有する山林(そ の山林を含む一の一体的かつ連続的な 山林の面積が著しく小さい場合におけ
るその山林等を除きます。)
ロ イの個人が他の山林の所有者から経 営の委託を受けた山林
④ その定められている区域内に存する山林
(上記③ハイの個人が有するものに限りま す。)のうち作業路網の整備を行う部分の面 積が100ha 以上ある森林経営計画であること
(旧措規23の 8 の 4 ⑦四)
⑤ その定められている区域内に存する山林 のうちに一の小流域内に存するものの面積 が 5 ha 未満である山林がある場合にあって は、その山林の全てが作業路網の整備を行 わない山林である旨が記載された森林経営 計画であること(旧措規23の 8 の 4 ⑦五)
(注 2 ) 「一定の被相続人」とは、特定森林経営計画 が定められている区域内に存する山林を有し ていた個人で、次の①から③までに掲げる要 件の全てを満たすものをいいます(旧措令40 の 7 の 4 ①)。
① 相続開始の直前において、特定森林経営 計画が定められている区域内に存する山林
(森林保健施設の整備に係る地区内に存する ものを除きます。)であってその山林に係る 土地について作業路網の整備が行われる部 分の面積の合計が100ha 以上であるものを有 していたこと(旧措令40の 7 の 4 ①一)
② 次に掲げる事項について、被相続人がそ の死亡前に農林水産大臣の証明を受けてい ること(措令40の 7 の 4 ①二、旧措規23の
8 の 4 ①)
イ 特定森林経営計画の達成のために必要 な機械その他の設備を利用することがで きること
ロ 特定森林経営計画が定められている区 域内に存する山林(森林保健施設の整備 に係る地区内に存するものを除きます。)
の全てについて、その特定森林経営計画 に従って適切かつ確実に経営及び作業路 網の整備を行うものと認められること ハ 特定森林経営計画に従って山林の経
営の規模の拡大を行うものと認められ ること
③ 特定森林経営計画に従って、
イ その被相続人が特定森林経営計画に係 る市町村長等の認定を受けた場合には、
当初認定起算日
ロ 当初認定起算日後に、認定森林所有者 等(その被相続人の親)の死亡により(認 定森林所有者等の子である)被相続人が 包括承継人となった場合には、その認定 森林所有者等の死亡の日(包括承継した 日)
からその被相続人死亡の直前までの間継続 して、その所有する山林又は他者から経営 の委託を受けた山林について適正・確実に 経営を行ってきた者であることについて、
農林水産大臣の証明がされた者であること
(旧措令40の 7 の 4 ①三、旧措規23の 8 の 4
②)
(注 3 ) 「特例施業対象山林」とは、被相続人がその 被相続人の相続開始の直前に有していた山林 のうちその相続開始の前に特定森林経営計画 が定められている区域内に存するもの(森林 保健施設の整備に係る地区内に存するものを 除きます。)であって、次の①及び②に掲げる 要件の全てを満たすものをいいます(旧措法 70の 6 の 4 ②三、措令40の 7 の 4 ④)。
① その被相続人によりその相続開始の直前 まで引き続きその特定森林経営計画に従っ て適正かつ確実に経営が行われてきた山林 であること
② その特定森林経営計画に記載されている 山林のうち作業路網の整備を行う部分が、
同一の者により一体として効率的な施業を 行うことができるものとして次に掲げる要 件の全てを満たしていること
イ その特定森林経営計画が定められてい る区域内に存する山林であって、その面 積の合計が100ha 以上であること
ロ 自然的条件及び作業路網の整備の状況
に照らして、同一の者により、造林・保 育・伐採・木材の搬出を一体として効率 的に行うことができると認められる山林 であること
(注 4 ) 「林業経営相続人」とは、被相続人から相続 又は遺贈によりその被相続人がその相続開始 の直前に有していた全ての山林の取得をした 個人であって、次の①から③までに掲げる要 件の全てを満たす者をいいます(措法70の 6 の 4 ②四、旧措規23の 8 の 4 ⑧)。
① その個人が、その相続開始の直前において、
その被相続人の推定相続人であること
② その個人が、その相続開始の時からその 相続に係る相続税の申告書の提出期限(そ の提出期限前にその個人が死亡した場合に は、その死亡の日)まで引き続きその相続 又は遺贈により取得をしたその山林の全て を有し、かつ、その特定森林経営計画に従 ってその経営を行っていること
③ その個人が、その特定森林経営計画に従 ってその山林の経営を適正かつ確実に行う ものと認められる要件として次のイからト までに掲げる要件の全てを満たしているこ と
イ 森林法施行規則第99条第 3 号に掲げる 要件に該当することについて同令第100条 第 1 項の確認を受けた被相続人のその確 認に係る推定相続人であること(旧措規 23の 8 の 4 ⑧一)
ロ 特定森林経営計画について森林法第16 条の規定により市町村長等の認定が取り 消されたことがある場合にあっては、そ の取消しの日から起算して10年を経過し ている者であること(措規23の 8 の 4 ⑧ 二)
ハ 特定森林経営計画についてその期間満 了時までに引き続いて市町村長等の認定 を受けなかったことがある場合にあって は、その期間満了の日から10年を経過し ている者であること(措規23の 8 の 4 ⑧
三)
ニ 被相続人の死亡に係る森林法第17条第 2 項の届出書をその死亡後遅滞なく提出 していること(措規23の 8 の 4 ⑧四)
ホ その有する山林(一定のものを除き、
被相続人から相続又は遺贈により取得し たものに限ります。)について作業路網の 整備が行われる部分の面積の合計が100ha 以上であること(措規23の 8 の 4 ⑧五)
へ その有する山林(一定のものを除き、
被相続人から相続又は遺贈により取得し たものを含みます。)の全て及びその個人 が他の山林の所有者から経営の委託を受 けた山林の全てが、特定森林経営計画が 定められている区域内に存すること(措 規23の 8 の 4 ⑧六)
ト 次に掲げる事項について、農林水産大 臣の確認を受けた者であること(措規23 の 8 の 4 ⑧七)
イ 特定森林経営計画の達成のために必 要な機械その他の設備を利用すること ができること
ロ この特例の適用に係る相続又は遺贈 により被相続人から取得をした特定森 林経営計画が定められている区域内に 存する山林の全てについて、その特定 森林経営計画に従って適正かつ確実に 経営(その山林の経営の規模の拡大及 び作業路網の整備を含みます。)を行う ことができること
(注 5 ) 「特例山林」とは、特例施業対象山林で相続 税の期限内申告書にこの特例の適用を受ける 旨の記載があり、林業経営相続人が自ら経営 を行うものであって、次の①から③までに掲 げる要件の全てを満たすものをいいます(措 法70の 6 の 4 ①)。
① その特定森林経営計画において、作業路 網の整備を行う山林として記載されている ものであること
② 都市計画法第 7 条第 1 項に規定する市街