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改正の内容

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Ⅰ 改正前の制度の概要

2   改正の内容

 我が国の森林資源は利用期を迎えているところ であり、施業の集約化による面的なまとまりをも った森林経営の確立や、路網整備の推進による経 営の効率化等の施策を実施し、木材需要の拡大と 国産材の安定供給体制の構築を進め、林業・木材 産業の成長産業化の早期実現を推進していく必要 があります。林業経営者の多くは、経営規模の拡 大や路網整備などによる経営の効率化に対する意 欲が高く、こうした森林所有者は施業の集約化・

効率化の担い手として期待されています。一方で、

森林所有者の高齢化の進展により、相続による世 代交代で林業経営の分断や廃止が進むおそれもあ り、意欲ある森林所有者に対する林業経営の効率 化・継続確保のための支援は喫緊の課題となって います。

 また、平成28年 5 月24日に閣議決定された新た な森林・林業基本計画においては、「森林経営計 画に基づく森林施業を一層推進するため、引き続 き、森林所有者・境界の明確化等による施業集約 化と意欲ある者への長期的な施業委託、森林施業 と一体となった森林作業道の整備を支援する」、

「路網と高性能林業機械を適切に組み合わせた作 業システムの普及・定着を図るとともに、林業機 械と人員の配置を最適化し、高い生産性を確保す ることにより、低コストで効率的な木材生産の実 現を目指す」ともされたところです。

 こうした状況を踏まえ、平成29年度税制改正に おいては、本特例措置のより一層の活用により施 業の集約化・路網整備が推進されるように、この 特例措置について、以下の見直しが行われました。

⑴ 林業経営相続人による山林経営の継続が困難 となった場合の特例

 この特例は、その適用を受ける林業経営相続 人が、死亡の時まで特定森林経営計画に基づき 山林の経営を継続することが要件とされており、

経営の継続ができない場合には、猶予税額及び 猶予期間に対応する利子税を納付することとさ れています。こうした制度であることから、森 林所有者の中には、将来、身体障害等により山 林経営が継続できなくなるといったリスクを考 慮し、この特例の適用を躊躇する者もいるよう です。また、一方で、農地の納税猶予制度につ いては、身体障害等により耕作が継続できなく なった場合には、特例適用農地を貸し付けても 納税猶予が継続する措置が講じられているとこ ろであり、制度間のアンバランスも生じていま した。そこで、本改正においては、林業経営相 続人が身体障害等により山林経営の継続が困難 となった場合であっても納税猶予が継続できる 措置が講じられることとなりました。

① 概要

 林業経営相続人が、障害、疾病その他の事 由により特例山林について経営を行うことが 困難な状態となった場合において、その特例 山林の全部の経営をその林業経営相続人の推 定相続人で一定の者に経営委託をしたときは、

その経営委託をした日から 2 月以内に、その 経営委託をした旨の届出書を納税地の所轄税 務署長に提出したときに限り、その経営委託 をした特例山林に係る山林の経営は、廃止し ていないものとみなされ、納税猶予が継続す ることとなります(措法70の 6 の 4 ⑥)。

② 山林経営を行うことが困難な状態

 上記①の山林経営を行うことが困難な状態 とは、林業経営相続人(相続税の申告書の提 出期限において既に次に掲げる事由が生じて いた者(その提出期限後に新たにその事由が 生じた者並びに次のロの身体障害者手帳の交 付を受けている者のうち、その提出期限後に その身体障害者手帳に記載された身体上の障

害の程度が 2 級から 1 級に変更された者及び 身体上の障害の程度が 1 級又は 2 級である障 害がその身体障害者手帳に新たに記載された 者を除きます。)を除きます。)に次に掲げる 事由が生じている状態とされています(措令 40の 7 の 4 ⑰、措規23の 8 の 4 ⑯)。

イ 林業経営相続人が精神保健及び精神障害 者福祉に関する法律第45条第 2 項の規定に より精神障害者保健福祉手帳(精神保健及 び精神障害者福祉に関する法律施行令第 6 条第 3 項に規定する障害等級が 1 級である 者として記載されているものに限ります。)

の交付を受けていること

ロ 林業経営相続人が身体障害者福祉法第15 条第 4 項の規定により身体障害者手帳(身 体上の障害の程度が 1 級又は 2 級である者 として記載されているものに限ります。)

の交付を受けていること

ハ 林業経営相続人が介護保険法第19条第 1 項の規定により要介護認定(その要介護状 態区分が要介護認定等に係る介護認定審査 会による審査及び判定の基準等に関する省 令第 1 条第 1 項第 5 号に掲げる区分に該当 するものに限ります。)を受けていること ニ イからハまでに掲げる事由のほか、林業

経営相続人がその提出期限後に山林の経営 を行うことを不可能にさせる故障として農 林水産大臣が財務大臣と協議して定めるも のを有するに至ったことにつき、市町村長 の認定を受けていること

(注) 上記ニの山林の経営を行うことを不可 能にさせる故障として農林水産大臣が財 務大臣と協議して定めるものは、以下の とおりです(平29農林水産告511)。

⑴ 次に掲げる障害により山林の経営を 行うことができなくなる故障として市 町村長が認定したもの

① 次に掲げる視覚障害

イ 両眼の視力(万国式試視力表に よって測ったものをいい、屈折異

常がある者については、矯正視力 について測ったものをいいます。)

の和が0.1以下のもの

ロ 両眼の視野がそれぞれ10度以内 で、かつ、両眼による視野につい ての視能率による損失率が90パー セント以上のもの

② 両耳の聴力レベルが90デシベル以 上のもの

③ 平衡機能の著しい障害

④ 次に掲げる咀嚼又は言語の機能の 障害

イ 咀嚼又は言語の機能を廃したも の

ロ 咀嚼及び言語の機能の著しい障 害

⑤ 精神の著しい障害

⑥ 神経系統の機能の著しい障害

⑦ 胸腹部臓器の機能の著しい障害

⑧ 次に掲げる肢体不自由

イ 上肢又は下肢の全部又は一部の 喪失

ロ 一上肢又は一下肢の用を全廃し たもの

ハ 一上肢の三大関節のうち、二関 節の用を廃したもの

ニ 両手の手指又は両足の足指の全 部又は一部の喪失

ホ 両手の母指、示指又は中指の用 を廃したもの

ヘ 一手の母指及び示指の用を廃し たもの

ト 母指又は示指を含めて一手の三 指の用を廃したもの

チ 一下肢の三大関節のうち、二関 節の用を廃したもの

リ 両足の足指の全部の用を廃した もの

ヌ 長管状骨に偽関節を残し、運動 機能に著しい障害を残すもの

ル 体幹の機能に座っていること、

立ち上がること又は歩くことがで きない程度の障害を有するもの ヲ 脊柱の機能に著しい障害を残す

もの

⑨ ①から⑧までに掲げるもののほか、

身体の機能の障害若しくは病状又は 精神の障害が重複する場合であって、

その状態が①から⑧までに掲げるも のと同程度以上と認められる程度の もの

⑩ ①から⑨までに掲げるもののほか、

老衰により山林の経営を行う能力が 著しく阻害されているもの

⑵ 次に掲げる事由により山林の経営を 行うことができなくなる故障として市 町村長が認定したもの

①  1 年以上の期間を要する入院

② 生活保護法に規定する救護施設へ の入所

③ 老人福祉法に規定する認知症対応 型老人共同生活援助事業を行う住居、

養護老人ホーム、特別養護老人ホー ム、軽費老人ホーム又は有料老人ホ ームへの入居又は入所(介護保険法 に規定する要介護認定を受けている 者又は要支援認定を受けている者が 入居し、又は入所する場合に限りま す。)

④ 旧介護保険法に規定する介護療養 型医療施設への入所

⑤ 障害者の日常生活及び社会生活を 総合的に支援するための法律に規定 する障害福祉サービス事業(療養介 護、生活介護、重度障害者等包括支 援、自立訓練又は共同生活援助を行 う事業に限ります。)を行う施設又は 障害者支援施設への入所

③ 推定相続人の範囲

 上記①の推定相続人で一定の者とは、林業

経営相続人からその林業経営相続人の有する 特例山林の全部の経営の委託を受けた個人で あって、次に掲げる要件の全てを満たす者を いいます(措令40の 7 の 4 ⑱、措規23の 8 の

4 ⑰)。

イ その個人が、経営委託を受けた日におい て、林業経営相続人の推定相続人であるこ と

ロ その個人が、特定森林経営計画に従って 特例山林の経営を適正かつ確実に行うもの と認められる要件として次に掲げるものを 満たしていること

イ 森林法施行規則第99条第 3 号及び第 4 号に掲げる要件に該当することについて 同令第100条第 1 項本文の確認を受けた この特例の適用を受けようとする林業経 営相続人のその確認に係る推定相続人で あること

ロ 特定森林経営計画について森林法第16 条の規定により市町村長等の認定が取り 消されたことがある場合にあっては、そ の取消しの日から起算して10年を経過し ている者であること

ハ 特定森林経営計画についてその期間満 了時までに引き続いて市町村長等の認定 を受けなかったことがある場合にあって は、その期間満了の日から10年を経過し ている者であること

ニ その個人が林業経営相続人から経営委 託を受けた山林(森林保健施設の整備に 係る地区内に存する山林等を除きます。)

について作業路網の整備が行われる部分 の面積の合計が100ha 以上であること ホ その有する山林(森林保健施設の整備

に係る地区内に存する山林等を除きま す。)の全て及びその個人が他の山林の 所有者から経営の委託を受けた山林の全 てが、特定森林経営計画が定められてい る区域内に存すること

ヘ 次に掲げる事項について、農林水産大

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