2. 実証調査の実施内容と方法
2.5. 読書装置
2.5.3. 据え置きターミナルの設定
5. 調査中の日本での調整(日本・ハンディターミナル)
調査を開始し、実際にオペレーションを実施していく中で、日本のフォワーダ上屋における個 品タグの読み書き(輸出許可受理・爆発物検査・ULDビルドアップの各業務)を行うに当たり、
「複数の個品が一箇所にまとめられている場合にどの個品に対して処理を完了できたのかが分 かりにくい。その結果、作業済みのものと区別が出来ず、作業済みかどうかわからないまま作業 を完了してしまう。」とのコメントが、オペレータからあった。
これを受け、作業済みかどうか分からないまま作業を終了すると、個品タグの読書き精度を正 確に把握できなくなることから、日本における個品タグの読書き業務をどの個品に対して実施し たのかが分かるように画面の仕様を変更した。具体的には、読み取れた個品タグ(ハンディター ミナル画面では「PNOタグ」と表記)のIDの下4桁を画面に表示することで、処理を完了し たタグの判別が画面上から可能になるようにした。
修正前の画面イメージ 修正後の画面イメージ 図 2-47 ハンディターミナル個品タグ読書き画面の修正
2.5.3. 据え置きターミナルの設定
制御部分(据え置きターミナル) リード/ライト部分(アンテナ)
図 2-48 据え置きターミナル
表 2-17 据え置きターミナルの仕様
メーカー モトローラ社
品番 XR480-JP
周波数 952-954 MHz
対応プロトコル EPC Class1 Gen2(Dense Reader Mode) 通信インタフェース イーサネット、 RS232、
USB(Host/Client)、GPlO チャンネル幅、チャンネル数 200KHz 9ch
アンテナコネクタ TNC-J (Reverse)×8
送信出力 最大 1W
外形寸法 300×50×220(mm)
重量 2.2kg
電源 24V
表 2-18 据え置きターミナル(アンテナ)の仕様
メーカー モトローラ社
品番 SANT200
編波 円偏波(右旋回、左旋回)
外形寸法 282 x 282 x 48.3(mm)
重量 1.26Kg
図 2-49 据え置きターミナルおよびローラとタグ読書き方法
(2) 据え置きターミナルについての読書き向上施策
今回の調査に際して、据え置きターミナルの読書き向上および、個品の取扱に関する安全性確 保の観点から、調整を行った。その経緯を示す。
1. 据え置きターミナルのカーテンの取扱調整
据え置きターミナルを設置した際、現場のオペレータから
・ 据え置きターミナルで読み取れる範囲が広すぎるため、範囲を制限できるようにして欲しい
・ 制御部分のランプが確認しづらい
との要望を受けた。そこで、考えられる対応策として
・ 電波遮蔽カーテンの利用により読み取り範囲を限定する
・ 鏡等の利用等により読み取りランプを作業者から確認しやすくする
対応策を施し、作業した。しかしながら、今回の対応策で得られるメリットよりも
・ 電波遮蔽カーテンの設置スペース
・ 鏡等の設置スペース
がもたらすデメリットの方が大きいと判断し、本調査時にはこれらの対応をしないこととした。
2. 据え置きターミナルのローラの取扱調整
据え置きターミナルのローラに関して、現場のオペレータから
・ ローラの角度、長さを調整して安定して作業できるようにしたい
・ ローラを利用せず据え置きターミナルの上流から下流に貨物を手渡しする形で処理し、安全 性を確保すると共に効率的に作業を進めたい
との要望を受けた。そこで検討した結果、
・ ローラの角度はそのままにし、長さを半分とする 方法で運用を進めることとなった。