οὗτος, αὕτη, τοῦτο
[333, 1240ff]この代名詞は話者からある距離に見られるまたはそれについては既知であると認めつつ語る人や 物を示す。また、興味の圏内にまたは受取り手の視点に属するものに関連する。
例: οὗτοι οὐκ αἰσχύνονται 「その(より近い他の人々に対して)人々は恥を持たない」、または、「こ
の(我々が知っている)人々は恥を知らない」。
ταῦτα εἰπών それ(人が理解したばかりのこと)を言った後で。
ὦ οὗτος おお、君!(通常の呼びかけ)。
οὗτοςは名詞によって再び続けられ限定され、あるいは名詞を続けることがある。名詞はその時
一般に冠詞が先行する。 [1171]
例: οὗτοι οἱ συκοφάνταιあるいはοἱ συκοφάνται οὗτοι(より稀)
これらの人々、密告者達;これらの密告者達
関係代名詞の相関語としてのοὗτοςの用法については、§76,表、および §78参照。
男性 女性 中性 男性 女性 中性
単数 主・呼格 οὗτος αὕτη τοῦτο 複数 主・呼格 οὗτοι αὗται ταῦτα
対格 τοῦτον ταύτην τοῦτο 対格 τούτους ταύτας τούτους
属格 τούτου ταύτης τούτου 属格 τούτων τούτων τούτων
与格 τούτῳ ταύτῃ τούτῳ 与格 τούτοις ταύταις τούτοις
この代名詞の形において、冠詞の形を含む事が分かる。それは冠詞が起源において指示代名詞であったという事で ある:したがって、男・女性形主格は帯気音(冠詞の形ὁ, ἡ, οἱ, αἱ参照)であり、そしてτου/ταυの交替は冠詞の 曲用における母音交替に対応する。
単数中性主・対・呼格の-ο語尾は代名詞曲用の特徴である。語尾はまた冠詞(古い代名詞)中性において現れる(§28 および29参照)。
女性複数属格は類比によって男性形のように形成される。
ὅδε, ἥδε, τόδε
[333, 1240ff]この代名詞はその場にある人または物を示す。これは指で指し示すもの、あるいはすぐに言おう とするものである。それはまた関心域に属するものまたは話者の視点に属するものに関係すること がある。
例: ἐν τῇδε τῇ οἰκίᾳ 「この家の中で」、「ここにある家の中で」、または、「私のものであるこの家
の中で」
τάδε γράφω これ(以下のこと)を書く
οὗτοςのように、ὅδεは名詞によって限定されるが、その際名詞は一般にその冠詞に先行されて いる、あるいはὅδεは名詞を繰返す。
例: οἵδε οἱ συκοφάνταιまたはοἱ συκοφάνται οἵδε(より稀)
この人々、密告者;ここにいるこれらの密告者;これらの密告者
男性 女性 中性 男性 女性 中性
単数 主・呼格 ὅδε ἥδε τόδε 複数 主・呼格 οἵδε αἵδε τάδε
対格 τόνδε τήνδε τόδε 対格 τούσδε τάσδε τάδε
属格 τοῦδε τῆσδε τοῦδε 属格 τῶνδε τῶνδε τῶνδε
与格 τῷδε τῇδε τῷδε 与格 τοῖσδε ταῖσδε τοῖσδε
この代名詞は指示小辞-δεが加わる冠詞(古い指示代名詞)の形から成る。
ἐκεῖνος, ἐκείνη, ἐκεῖνο
[1257-1261]この代名詞は空間的あるいは時間的に離れた人または物を示す。
例:ἐκεῖνοι あそこの(時間的にはなれた、距離が離れた、または、不在の)人々
ἐκείνῃ τῇ ἡμέρᾳ あの(離れた)日
ἐκεῖνοςはまた名詞によって限定される、その際一般に冠詞が先行する、あるいは名詞を繰返すことがある。
例: ἐκεῖνοι οἱ συκοφάνταιまたはοἱ συκοφάνται ἐκεῖνοι(より稀)
あれらの人々、密告者達;あれらの密告者達 これはαὐτόςのように曲用する、§67参照。
限定詞 αὐτός, αὐτή, αὐτό
[327, 328, 1204-1206]この代名詞は代名詞が関係する人あるいは物の同一性identitéを主張する。それは「自ら」、「そ
れ自身」を意味する。
例: αὐτὸς ἔγωγε 私自身、私自ら、自ら
この意味では冠詞が先行する名詞を伴うことがある。
例: αὐτὸς ὁ βασιλεύς, ὁ βασιλεὺς αὐτός 王自身、王自ら
人称代名詞に結合して、再帰代名詞を作る(§69参照)。 [1218, 1219]
例: σεαυτὸν ἐπαινεῖς 君は君自身を賞賛する。
ἡμῖν αὐτοῖς πιστεύομεν 我々は我々自身に信を持っている
それは冠詞に先行されて用いられる(形容語の位置で、名詞の限定詞として、§201参照)、そし
てその時「同一の」を意味する。 [1204]
この意味を伴い、ὁ αὐτόςは属詞の機能においてさえ冠詞を保つ(§208参照)。 [1210]
例: ὁ αὐτὸς βασιλεύς 同じ王
ὁ αὐτός εἰμι 私は同じである。
もし比較語(~と同じ~)があるなら、これは与格に置かれる(与格2参照)
αὐτόςはまた三人称人称代名詞の役もする(§68参照)。 [1204]
全ての格において、主格を除いて、その時非常にしばしば同一性についての主張の意味を失う。 [1212]
例: αὐτοὺς ὁρῶ 私は彼らを見る。
αὐτῷ διαλέγομαι 私は彼に話す。
しかし、αὐτὸς λέγει 話すのは彼自身だ。
男性 女性 中性 男性 女性 中性
単数 主・呼格 αὐτός αὐτή αὐτό 複数 主・呼格 αὐτοί αὐταί αὐτά
対格 αὐτόν αὐτήν αὐτό 対格 αὐτούς αὐτάς αὐτά
属格 αὐτοῦ αὐτῆς αὐτοῦ 属格 αὐτῶν αὐτῶν αὐτῶν
与格 αὐτῷ αὐτῇ αὐτῷ 与格 αὐτοῖς αὐταῖς αὐτοῖς
中性単数主・対格の-ο語尾については、οὗτοςの曲用表注、§64参照。
人称代名詞
[325]一人称単数 二人称単数
主格 ἐγώ 主・呼格 σύ
対格 ἐμέ με 対格 σέ σε
属格 ἐμοῦ μου 属格 σοῦ σου
与格 ἐμοί μοι 与格 σοί σοι
一人称複数 二人称複数
主格 ἡμεῖς 主・呼格 ὑμεῖς
対格 ἡμᾶς 対格 ὑμᾶς
属格 ἡμῶν 属格 ὑμῶν
与格 ἡμῖν 与格 ὑμῖν
三人称
単数 複数
対格 αὐτόν, -ήν, -ό 対格 αὐτούς, -άς, -ά
属格 αὐτοῦ, -ῆς, -οῦ 属格 αὐτῶν, -ῶν, -ῶν
与格 αὐτῷ, -ῇ, -ῷ 与格 αὐτοῖς, -αῖς, -οῖς
主格代名詞並びに単数一・二人称のアクセントを置かれた形は代名詞を強調する時用いられる。 [325a, 1192]
例: οὐκ ἐμοὶ ἀλλὰ σοὶ ἀρέσκει それを気に入っているのは私ではなく君だ。
しかしζηλῶ σε τοῦ νοῦ 私は君を理性ゆえに賞賛する。
前置詞の後、代名詞は一般にアクセントが置かれる。
例: πρὸς σέ, ἐπ᾿ ἐμοί
三人称人称代名詞として用いられると、代名詞αὐτόςは同一性を主張する意味を非常にしばしば失う(§67参照)。
例: αὐτὸν βλέπω 彼を見る
アッティカ方言では三人称代名詞のより稀で古風な形が存在する:
単数 対格ἕ, ἑ 属格οὗ, οὑ 与格οἷ, οἱ
複数 主格σφεῖς 対格σφᾶς 属格σφῶν 与格σφίσι(ν)
アクセントの置かれた全ての形は一般に再帰的意味を持つ。最もよく用いられた形は与格のそれである。
再帰代名詞
[329]再帰代名詞は人称代名詞を代名詞αὐτόςと結合している(§67参照)。それは再帰関係を示すが、
文の文法上の主語に強くは関係しない。
Ar. Nu. 385: ἀπὸ σαυτοῦ ᾿γώ σε διδάξω.
おまえ自身から(=おまえ自身のもっているもの、それを基にして)この私はお前を教えよう。
一人称 二人称 三人称
単数 対格 ἐμαυτόν, -ήν σεαυτόν, -ήν ἑαυτόν, -ήν, -ό 属格 ἐμαυτοῦ, -ῆς σεαυτοῦ, -ῆς ἑαυτοῦ, -ῆς, -οῦ 与格 ἐμαυτῷ, -ῇ σεαυτῷ, -ῇ ἑαυτῷ, -ῇ, -ῷ
複数 対格 ἡμᾶς αὐτούς, -άς ὑμᾶς αὐτούς, -άς σφᾶς αὐτούς, -άς またはἑαυτούς, -άς
属格 ἡμῶν αὐτῶν ὑμῶν αὐτῶν σφῶν αὐτῶν またはἑαυτῶν
与格 ἡμῖν αὐτοῖς, -αῖς ὑμῖν αὐτοῖς, -αῖς σφίσιν αὐτοῖς, -αῖς またはἑαυτοῖς, -αῖς
またσαυτόνなどそしてαὑτόνなどの形もσεαυτόνおよびἑαυτόνの代りに見られる。
時に三人称の再帰は一人称または二人称の代わりに用いられる。 [1230]