[297]
例: ἡδύς, ἡδεῖα, ἡδύ 快い
語幹 ἡδῠ-/ἡδε(Ϝ)-
ἡδειᾰ-男性 女性 中性
主格 ἡδύ-ς ἡδεῖα ἡδύ
対格 ἡδύ-ν ἡδεῖαν ἡδύ
属格 ἡδέ-ος ἡδείας ἡδέ-ος
与格 ἡδεῖ ἡδείᾳ ἡδεῖ
呼格 ἡδύ ἡδεῖα ἡδύ
主・呼格 ἡδεῖς ἡδεῖαι ἡδέ-α
対格 ἡδεῖς ἡδείας ἡδέ-α
属格 ἡδέ-ων ἡδειῶν ἡδέ-ων
与格 ἡδέ-σι ἡδείαις ἡδέ-σι
-ευς語幹の名詞は全て男性名詞で鋭調語である。 [275]
大抵の場合職業または民族名に関する(§189参照)。
例: ὁ χαλκεύς, χαλκέως 鍛冶屋
ὁ ἱερεύς, ἱερέως 聖職者
ὁ Ἀχαρνεύς, Ἀχαρνέως アカルナイ行政区の住民
この群の名詞と形容詞はディガンマ語幹に由来する。ディガンマは子音の前にυとして現れる;それは母音間の
位置に入る(§16参照)。 [275]
βασιλεύς型の名詞は起源的に-ηϜに終る長母音の語幹を持つ。ηは単数主格と呼格および複数与格において短
縮した。単数・複数対格並びに単数属格は量的音位転換に従った;叙事詩言語は音位転換のない形を保っている:
βασιλῆα, βασιλῆας, βασιλῆος。
複数属格において、ηは他の長母音ωの前では短縮した。
複数主格βασιλεῖςの形は後期の型である;その形はまた、類比によって、複数対格の代わりに用いられる。
その他の-υ語幹の名詞・形容詞語幹はゼロ階梯(単数主・対・呼格)とe(イー)階梯の間の交替を示す。それ らの単数・複数属格はβασιλεύς型のそれとの類比によって形成される。
πέλεκυς型名詞曲用は正確に-ῐς語幹女性名詞曲用に対応する。アクセントについても同様である(πόλις, §50 参照)。ἄστυ型中性名詞は、中性の特徴である主・対・呼格は別として、語尾およびアクセント法の同じ特殊性を 提示する。
ἡδύς型形容詞の大部分は鋭調語である。例外として以下に気づくだろう。
θῆλυς, θήλεια, θῆλυ,女性の ἥμισυς, ἡμίσεια, ἥμισυ,半分の
特殊例
[276]語尾が母音に先行される-ευς語幹名詞は単数・複数属格においてεωをωに、単数・複数対格においてεαをα に約音する。
例:ὁ Πειραιεύς ペイライエウス 属格 Πειραιῶς 対格 Πειραιᾶ
οἱ Εὐβοεῖς エウボエイス 属格 Εὐβοῶν 対格 Εὐβοᾶς
ὁ υἱος,息子
この語は混合曲用を持つ:
単数 主格 ὁ υἱός 複数 υἱεῖς
対格 υἱόν υἱεῖς
属格 υἱέος υἱέων
与格 υἱεῖ υἱέσι
呼格 υἱέ υἱεῖς
またιのないこれらの全ての形を見る:ὑός, ὑέοςなど。
後期には、-ο曲用の形は一般化された:
単数属格 υἱοῦ 単数与格 υἱῷ 複数主格 υἱοίなど
τὸ δόρυ,槍;τὸ γόνυ,膝 [285-5, 10]
これらの語は歯音語幹(δορατ-/γονατ-)に従って曲用する、§44参照:
単数属格δόρατος, γόνατος 単数与格δόρατι, γόνατι,など。
しかしながらτὸ δόρυはまた単数属格δορόςおよび単数与格δορίを持つ。
βοῦς, ναῦς, Ζεύς [275]
ὁ, ἡ βοῦς, βοός 牛,雌牛
ἡ ναῦς, νεώς 船
ὁ Ζεύς, Διός ゼウス
語幹 βου-/βο(Ϝ)- ναυ-/νη(Ϝ)-
Ζευ-/Δι(Ϝ)-主格 ὁ, ἡ βοῦς ἡ ναῦς ὁ Ζεύς
対格 βοῦν ναῦν Δία
属格 βοός νεώς Διός
与格 βοΐ νηί Διΐ
呼格 βοῦ Ζεῦ
主・呼格 βόες νῆες
対格 βοῦς ναῦς
属格 βοῶν νεῶν
与格 βουσί ναυσί
この三つの語の語幹はディガンマ語幹末を持っていた。それはυとして子音の前で現れ、そして母音間の位置で 落ちた(§16参照)。
ἡ ναῦς
子音曲折語尾の前で、用いられる語幹はναυ-と発音される形の下にνᾱϜ-である。
その他の場合、用いられる語幹はνηϜ-である;単数属格νεώςは量の音位転換(< νηός)に従い、複数属格にお いては母音ηはωの前で短縮される。
ἡ ναῦςのようにἡ γραῦς「老婆」は曲用する: [279]
単数 主格 ἡ γραῦς 複数 γρᾶες
対格 γραῦν γραῦς
属格 γρᾱός γραῶν
与格 γρᾱί γραυσί
呼格 γραῦ γρᾶες
Ζεύς
この語の多数の変異型がホメーロス言語および種々の方言において存在する:それらは辞書の中で見られるだろう。