に所定の形式により申請書を提出する。最低資本金は100万USD。申請書には出資形態の 明記が求められるが,出資形態として認められているのは次のとおりである。
-自由交換性を有する外国通貨
-無為替輸入される機械・資材
-資本化可能な技術
-外貨建対外債務
-対外送金の権利を有する利潤
技術を出資することは法律上は認められているが,技術の評価が困難であることから認 可の実例は少ない。また,出資に加えて外国の融資を導入する場合には,申請書に「外国 投資に伴うクレジット(Creditos Asociadosと呼ばれる)」として明記する必要があり,
その比率は投資総額の75%を超えてはならない。
(3) 認 可
外国投資の認可は,外資委員会が外国投資家と公正証書により締結する「外国投資契約 書」によりなされる。チリ国を代表し署名するのは通常,外資委員会事務局長であるが,
投資額が500万USDを超える大型投資は外資委員会委員長が署名する。また,契約書に署 名できるのはチリ国内居住者であることから,通常は外国投資家本人ではなく,権限を委 譲されたチリ国内の代理人(Representante Legal)が署名する。
外資委員会は,外資法(法令600号)に準拠する外資導入を認可する所管機関で,経済 相,蔵相,外相,企画相,並びに当該投資分野を所管する閣僚,中銀代表により構成され,
経済相が委員長を務める。事務局は経済省内に設置されている。
「外国投資契約書」の締結により外国投資家は,法令600号の定める資本・利益の対外 送金などの権利を保証される。契約書により外国投資家が出資を実行すべき期限が定めら れ,通常は3年,鉱業投資の場合は8年であるが,鉱業投資については,事前探鉱を必要と する場合に限り外資委員会はこれを12年まで延長できる。また,工業プロジェクト,非鉱 物採取プロジェクトに対する5,000万USD以上の投資も8年まで延長できる。
申請から会社設立に至る手順を記すと次のとおりである。
①外国投資申請書と外資委員会に提出
②外資委員会と「外国投資契約書」を公正証書により締結。これが外国投資認可書とな る。
③資本金の送金,外貨の国内通貨ペソへの転換資本金振り込みを実行し,外資委員会へ 早期完了報告を行う。
④株式会社設立手続き(会社設立文書,定款を公正証書にて作成)
⑤商業登記,納税者番号(RUT)取得など
(注)有限会社の場合は資本金払い込みに先立って会社を設立出来る。すなわち,設立
以前に払い込みされてなくても良い。
(4) 法令600号により保障される権利および義務
・海外投資家は,資本金および利益の海外送金がいつでも認められる(但し,資本金は 出資後1年間,償還送金できない)。
・資本金および利益の送金実行時の為替は,為替のフォーマル市場を使用する。その際,
外資委員会は,送金の依頼書を受け付けてから10日以内に送金を認めるCertificateを 発行する。送金人は,これに基づいて外貨の購入をファーマル市場で行うこととなる。
・海外投資を受けた会社などは,国内企業と同等に扱われる。
(5) 税に係わる特権
①法令600号に基づく外国投資家は法人所得税率につき,次のa)とb)のいずれかを選 択することができる。どれを選択するかは外資委員会宛の外国投資申請書の中に記載 しなければならない。
a) チリ国内の企業に適用される一般税率
(注:現行税率は法人税15%+追加税20%の合計35%)
b) 固定税率42%
ただし,期間は10年間に限る。外国投資家はいつでもこの特権を放棄し,一般 税率に拠ることができるが,一旦放棄すると再び固定税率に戻ることはできな い。
②外国投資によって取得した株式や企業を譲渡・清算することによって得られる金額に ついては,外資委員会に認可された外国投資額まで非課税とされる。
③間接税,関税はチリ国内企業と同一の制度が適用されるが,法令600号に基づく場合 は,チリにて製造されていない機械・設備で,かつ,1974年法令825第12条B項10に 示されたリストに含まれるものの輸入については付加価値税および関税を投資完了 までの間,税率不変にて輸入することもできる。
(6) 5,000万USD超の大型外国投資の場合は次の特権が認められている。ただし,工業プロ ジェクト,鉱業など採掘プロジェクトに限る。
①42%の固定税率期間を最長20年まで延長できる。
②輸出代金の一部を国外に保有し,この外貨を使って対外借り入れの元利返済,資本金 の償還,利益送金に充てるための特別許可を受けることができる(Off Shore Escrow Account)。
6-3.中銀外国為替規則第14条に基づく投資
中銀外国為替規則第14条は,2001年4月19日に大幅改正され,手続きがかなり簡素化さ
れた。この中での最重要変更点は,外資をチリ国内に導入するに当たって,従来チリ中央 銀行の事前承認が必要であったものが,すべて事後の報告となったことである。つまり,
前述の外資法600号に基づき外資導入を行なう場合を除いた全ての外資導入は,正当な理 由さえあれば,事実上自由にできるようになったということである。その特徴は以下の通 り。
1. 利益・配当送金および出資金返還は全く自由である。
2. 外資導入を行なった場合には,対ペソの為替が発生する発生しないにかかわらず,
チリ中央銀行に対してどのような名目で資金を導入したかについて事前または資金 到着当日に報告する義務がある。
3. 導入した資金のペソ転換を行なうかどうかは,完全に自由である(導入通貨のまま,
たとえばUSDのまま残しておくことは可能である)。
4. 但し,ペソ転換を行わなかった場合,仮にその資金を外国に戻す際,Formal市場で ペソから外貨を買う権利を持てない。
6-4.外資政策 (1) 外国投資監督機関
外国投資監督機関として外国投資委員会(Comité de Inversiones Extranjeras)がある。
(2) 外国投資に関する法令
①対内投資
外国からチリに投資するためには外資法(法令600号)または中銀外国為替規則第14条 に準拠しなければならない。外資法による投資の場合は外国投資委員会(以下,単に外資 委員会)の承認を必要とするが,中銀外国為替規則第14条による投資の場合は中銀の事前 承認を必要としない。
外資法に準拠して国内に持ち込まれた資本金は銀行でペソ転換を行うことが義務づけ られている。しかし中銀外国為替規則第14条に準拠して国内に持ち込まれた資本金はペソ 転換を行う必要はない。
また,外資法の場合は資本の償還送金は1年経過後でないと不可であるが,中銀外国為 替規則の場合は資本の償還送金は初年度より可能である。利益送金はいずれの場合も初年 度から可能である。両法規の要旨は以下のとおり。
(a) 外資法(法令600号)
同法は1974年に制定され,1977年の法令1748号により抜本改正された。外国投資家 は外資委員会に所定の形式により申請書を提出する。最低資本金は100万USD。ただし,
現物および技術の出資に関しては,2万5,000 USD。資本金に加え外国の融資を導入す る場合は,その比率は投資総額の75%までとされている。
外国投資の許可は,外資委員会が外国投資家と締結する「外国投資契約書」によりな される。この契約書により,外国投資家は資本・利益の対外送金の権利が保証される。
(b) 中銀外国為替規則第14条
同条により下記の条件を満たす投資については,資金受領時に商業銀行を通じて中銀 にこの事実を通知することによりチリへの投資が実行できる。
①外資による出資(外国からの借入金も可能)
②投資額が1万USD以上
外為規則第14条に則る投資は法令600号に比べて手続きが極めて簡単である。しかし,
法令600号の場合は,外国投資家の権利が(チリ国を代表する)外資委員会との契約で 守られているのに対し,外為規則第14条の場合は,法令600号の場合ほど法的基盤が強 固ではない(即ち,外為規則の改正により各種条件が変更される可能性がある)。
②対外投資
一般のチリに居住する者(銀行は除く)が外国投資(融資,預金も含む)を行う場合は,
中銀外国為替規則第12条に準拠しなければならない。
同規則12条に準拠してチリに居住する者が海外に投資や融資,預金の目的で外貨を送金
または支払う場合には,商業銀行で外貨を購入,もしくは海外への送金を行った時点で同 銀行を通じて中銀にこの事実を事後報告するだけでよい。これらの目的のために公式市場 での外貨購入は自由に行うことができる。しかし,送金は公式市場を使用しなければなら ない。同規則第12条が適用されるのは1回につき10,000 USD以上の外貨送金についてのみ である。10,000 USD未満の外貨持ち出しや送金については何ら規則はない。
チリに居住する投資家は,上記の海外投資により生じた資本金,利益,配当などのチリ への送金を義務付けられていないが,送金する場合は公式市場を使わなければならない。
ただし,送金された外貨をペソ転換する際に公式市場を使う義務はない。送金された外貨 をペソ転換せずに保有することも可能である。
(3) 外資に関する奨励 奨励業種
森林開発,石油事業,原子力事業,高度技術(ハイテク)産業
各種優遇措置
地域別優遇措置:アリカ,アラウコ,アイセン・マガジャネス プロジェクト別優遇措置:なし。
保税区の優遇措置:イキケ・フリーゾーン,プンタアレーナス・フリーゾーン 輸出奨励措置:輸出払戻金制度(3,5,6%)
(4) 税 制 所得税
第1カテゴリー所得税(法人税)16%,第2カテゴリー所得税0~43%,総合補完税0~43%,
追加税35%。
二国間租税条約
施行:アルゼンチン,カナダ,メキシコ 国会批准手続中:エクアドル,ポーランド 締結:ブラジル,ペルー,ノルウェー,韓国