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第7章  枠組壁工法床の重量床衝撃音遮断性能の向上方法

7.2 技術的課題への対応

7.2.1

乾式二重床の有効性

 第

5

章で示した,乾式二重床構造は,ベースの枠組壁工法床の重量床衝撃音遮断性 能を一定程度確保し,その上に施工することで更に性能向上を図ることができること を示した。これを具体的に設計資料としてまとめる。

7.2.1.1

乾式二重床構造の面材部分の仕様と最大

A

特性床衝撃音レベルの関係

 図

7.1

及び図

7.2

に駆動点インピーダンスと

L

iA,Fmaxの関係を示す。両者の関係は 相関が高い。駆動点インピーダンスで設計をするこれも面密度と同様に相関が高い。

 駆動点インピーダンスを

2000 kg/s

(乾式二重床構造の基本であるパーティクルボー ド

20 mm +

木質フローリング

12 mm

)に駆動点インピーダンス

2000 kg/s

を加えて

65 70 75 80 85 90

50 55 60 65 70

[dB]

2000 3000 5000 10000

駆動点インピーダンス [kg/s]

20000 30000

y = 158.0e-0.013x R = 0.99

最大A特性床衝撃音レベル LiA,Fmax [dB]

65 70 75 80 85 90

55 60 65 70 75

[dB]

2000 3000 5000 10000

駆動点インピーダンス [kg/s]

20000 30000

y = 149.4e-0.011x R = 0.97

最大A特性床衝撃音レベル LiA,Fmax [dB]

7.2

 駆動点インピーダンスと

L

iA,Fmaxの関係(タイヤ衝撃源)

7.1

 駆動点インピーダンスと

L

iA,Fmaxの関係(ゴムボール衝撃源)

4000 kg/s

とすることで,ゴムボール衝撃源の場合に

L

iA,Fmax

5 dB

程度低減できる。

また,更に駆動点インピーダンスを増加し

7000 kg/s

とすると計

11 dB

低減となった。

タイヤ衝撃源の場合は計

13 dB

の低減となった。

 駆動点インピーダンスは設計上,わかりづらいので,曲げ剛性と面密度の関数で表 される(式

2.1

,式

2.2

)ため分解して示す。曲げ剛性及び曲げ剛性レベル,面密度及 び面密度レベルの値と

L

iA,Fmaxとの関係を図

7.3

及び図

7.4

に示す。面密度と

L

iA,Fmax

の関係はゴムボール衝撃源もタイヤ衝撃源も非常に相関が高い。

 ここで選択した合板,遮音マット,せっこうボードを使用する場合は,この関係が 成り立つと考えられる。よって,面密度を

20 kg/m

2(乾式二重床構造の基本であるパー ティクルボード

20 mm +

木質フローリング

12 mm

)に面密度

10 kg/m

2を加えた

30 kg/m

2とすることで,ゴムボール衝撃源の場合に

L

iA,Fmax

5 dB

程度低減すること

15 20 25 30 35 40

65 70 75 80 85 90

55 60 65 70 75

[dB] [dB]

2000 3000 5000 10000

曲げ剛性 [Nm2]

10 20 30 100

面密度 [kg/m2]

50 20000 70

30000

y = 136.1e-0.009x R = 0.92

y = 213.7e-0.028x R = 0.99

曲げ剛性 面密度

最大A特性床衝撃音レベル LiA,Fmax [dB]

15 20 25 30 35 40

65 70 75 80 85 90

50 55 60 65 70

[dB]

[dB]

2000 3000 5000 10000

曲げ剛性 [Nm2]

10 20 30 100

面密度 [kg/m2]

50 20000 70

30000

y = 144.3e-0.011x R = 0.96

y = 241.5e-0.034x R = 1.00

曲げ剛性 面密度

最大A特性床衝撃音レベル LiA,Fmax [dB]

7.4

 曲げ剛性及び面密度と

L

iA,Fmaxの関係(タイヤ衝撃源)

7.3

 曲げ剛性及び面密度と

L

iA,Fmaxの関係(ゴムボール衝撃源)

ができる。また,更に面密度を増加し

50 kg/m

2とすると計

9 dB

低減,

80 kg/m

2で計

11 dB

低減となった。タイヤ衝撃源の場合は計

14 dB

の低減となった。

 設計する際には,要求性能に対しての低減量を乾式二重床構造面材部分の面密度で 表すことが最もわかりやすい方法と考える。

7.2.2

遮音工法

 枠組壁工法床の重量床衝撃音遮断性能を向上するためには,第

3

章に示した工法に 加え,乾式二重床構造面材部分の駆動点インピーダンスレベルを調整することにより,

想定した性能を確保することが可能である。

 表

7.1

に成果として得られたデータをまとめて,ゴムボール衝撃源を用いた場合の 床構造の仕様と

L

iA,Fmaxの改善効果を示す。省令準耐火構造適合仕様は試験室におけ る実測から

L

iA,Fmax

70 dB

となった。試験室は下室の壁と床が

RC

造であるため,

実際の建物とは,異なるが,既往の論文3.4)から,下室壁からの放射音が床衝撃音の 測定値に与える影響は

L

i,Fmax,r,(H1)

-65

以上の性能から生じるとの報告がある。つまり,

これよりも性能が悪い場合は下室壁面からの放射音の影響が小さいため,試験室と実 際の建物による差は少ないと考えられる。

 L

i,Fmax,r,(H1)

-65

は,ゴムボール衝撃源に換算するとタイヤ衝撃源との

63 Hz

帯域の衝

撃力暴露レベル差が

9 dB

であるから,

L

数で

56 dB

と仮定し,これまでの現場にお ける実測結果から

L

iA,Fmax

= L

- 2 dB

とすると,ゴムボール衝撃源では

L

iA,Fmax

-54

以上の性能の場合に下室壁面からの放射音の低減を図る必要がある。

 表

7.1

では

TypeD

から下室壁面の補強を加えているが

TypeC

においても補強する

ことが望ましいと考える。

 第

6

章に示したとおり,枠組壁工法床に乾式遮音二重床構造を施工した場合に普通 コンクリート

150mm

厚に北海道の公営住宅で使用されている木質フローリングを施 工した場合よりも主観評価の結果,気になる程度が小さかったこと,これまでの現場 における実測から

RC

造公営住宅(床スラブ厚

150mm

)は

L

iA,Fmax,(H2)

-54

であったこ とから,表

7.1

に示した

TypeB1

及び

TypeC0

C1

はこれと同程度,

TypeD0

D1

は床スラブ厚

180mm

に近い性能が得られると考えられる。以上から乾式二重床構造 により,

RC

造床に見合った性能を確保することが可能である。

WFL 12 mm 床合板 15 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 12.5 mm せっこうボード 9.5 mm

グラスウール24K- 50 mm

乾式遮音二重床 WFL 12 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 12.5 mm せっこうボード 9.5 mm

乾式遮音二重床 WFL 12 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 12.5 mm せっこうボード 9.5 mm

高性能グラスウール 16K- 200 mm

乾式遮音二重床 WFL 12 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 15 mm×2 せっこうボード 9.5 mm

高性能グラスウール 16K- 200 mm 乾式遮音二重床

WFL 12 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 15 mm×2 せっこうボード 9.5 mm

乾式遮音二重床 合板 15 mm×2

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 15 mm×2 せっこうボード 9.5 mm

WFL 12 mm

高性能グラスウール 16K- 200 mm 乾式遮音二重床

合板 15 mm×2

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 15 mm×2 せっこうボード 9.5 mm

WFL 12 mm

乾式遮音二重床 HPB 15 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 15 mm×2 せっこうボード 12.5 mm×2

HPB 12 mm

遮音マット 8 mm 合板WFL 12 mm 15 mm

遮音マット 8 mm 乾式遮音二重床

HPB 15 mm

床根太 38 mm×235 mm 天井根太 38 mm×140 mm せっこうボード 15 mm×2 せっこうボード 12.5 mm×2

HPB 12 mm

合板WFL 12 mm 15 mm

高性能グラスウール 16K- 200 mm

L

iA,Fmax

- 70

TypeA0: L

iA,Fmax

- 65 TypeA1: L

iA,Fmax

- 61

TypeB0: L

iA,Fmax

- 58 TypeB1: L

iA,Fmax

- 54

TypeC0: L

iA,Fmax

- 55 TypeC1: L

iA,Fmax

- 51

TypeD0: L

iA,Fmax

- 47 TypeD1: L

iA,Fmax

- 43

+ 7

+ 3

+ 8

+ 4

+ 4

+ 4

+ 4

乾式二重床構造

天井懐グラスウール200mm

天井 : せっこう ボード15mm×2

乾式二重床面材部分 の面密度30 kg/m2

面密度20 kg/m2

乾式二重床面材部分 の面密度80 kg/m2

7.1

 床構造の仕様と

L

iA,Fmaxの改善効果 ( ゴムボール衝撃源)

+ 5