第 5 章 乾式二重床構造の面材部分の検討
5.4 乾式二重床構造の構成と床衝撃音レベルの関係
5.4.1
乾式二重床構造面材部分の断面性能の算出式
2.1
及び式2.2
を用いて乾式二重床構造面材部分の曲げ剛性B
, 面密度m
, 駆動点 インピーダンスZ
bを算出した。床を施工する際は , 一般的にフローリング材のみを接着するが , 本論では , 各面材 の留めつけは接着材を使わずビス留めとした。よって , 曲げ剛性は面材毎の加算値 ( 以 下 ,「加算値」とする ) に近いと考えられるが , 比較のために各面材が一体化してい ると仮定した場合の値 ( 以下 ,「一体化値」とする ) についても算出した。
各部材の物性値を表
5.2
に , 各仕様の曲げ剛性B
, 面密度m
, 駆動点インピーダンスZ
b とそれぞれのレベルの算出結果を表5.3
に示す。なお,面密度については全て実測値を用いた。
面材名称 ヤング率 E [N/m2 ] 面密度m [kg/m2 ]
パーティクルボード20 mm 4.0E +09 14.5
合板15 mm 5.0E +09 7.6
WFL 12 mm 5.0E +09 5.9
HPB 21 mm 4.0E +09 16.4
HPB 15 mm 3.0E +09 11.8
遮音マット 8 mm 1.7E +08 22.5
表
5.2
各部材の物性値表
5.3
乾式二重床構造面材部分の駆動点インピーダンスなどの計算結果試験 体名
曲げ剛性 B
[N・m2 ] 曲げ剛性レベル
LB [dB] 面密度 [kg/mm 2 ]
面密度 レベル Lm [dB ]
駆動点 インピーダンス
Zb [kg/s]
駆動点 インピーダンス
レベル LZb [dB]
加算値 一体化値 加算値 一体化値 加算値 一体化値 加算値 一体化値
A1 3.4E+03 1.2E+04 71 82 20.4 26 2.1E+03 4.0E+03 66 72
A2 4.8E+03 4.0E+04 74 92 28.0 29 2.9E+03 8.5E+03 69 79
A3 6.2E+03 9.4E+04 76 99 35.6 31 3.8E+03 1.5E+04 71 83
A4 7.6E+03 1.8E+05 78 105 43.1 33 4.6E+03 2.2E+04 73 87
A5 8.7E+03 2.0E+05 79 106 56.2 35 5.6E+03 2.7E+04 75 89
A6 8.7E+03 2.5E+05 79 108 78.6 38 6.7E+03 3.5E+04 76 91
5.4.2
乾式二重床構造の床衝撃音レベル差と曲げ剛性の算出方法の関係図
5.8
及び図5.9
に乾式二重床構造を施工した仕様 (A1
からA6
) の床衝撃音レベル 差(A1
の床衝撃音レベル-各仕様の床衝撃音レベル,以下,ΔL
Fとする)と駆動点イ ンピーダンスレベル差(A1
の駆動点インピーダンスレベル-各仕様の駆動点インピー ダンスレベル,以下,ΔL
Zbとする)の関係を示す。タイヤ衝撃源の
125 Hz
帯域から500 Hz
帯域をみると , 加算値におけるΔL
F とΔL
Zbの関係はA6
の値を除くとΔL
Fの方が3 dB
以内で大きい値になった。63 Hz
帯図
5.8
乾式二重床構造の床衝撃音レベル差ΔL
F と駆動点インピーダンスレベル差ΔL
Zbの関係(タイヤ衝撃源)(1) 63 Hz帯域
(2) 125 Hz
帯域0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2 A3
A3 A4
A4
A5 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A3
A4 A4
A5 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A3
A4 A4
A5 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A3
A4 A4
A5 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB] 駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB]
駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB] 駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB]
(3) 250 Hz帯域
(4) 500 Hz
帯域については ,
ΔL
Zbに比べてΔL
Fの方が1
~4dB
小さく,他の周波数帯域と傾向が 異なった。一体化値については ,ΔL
F よりもΔL
Zbの方が63Hz
帯域で7
~12 dB
,125 Hz
帯域から500 Hz
帯域では3
~6 dB
大きい値であり,加算値における差より も大きい値であった。ゴムボール衝撃源の結果をみると , 加算値における
ΔL
FとΔL
Zbの差の絶対値はA6
の値を除くと0
~2 dB
以内であり,タイヤ衝撃源の場合よりもその差は小さい値となっ た。一体化値におけるΔL
F とΔL
Zbの差の絶対値は2
~10 dB
と加算値よりもその差図
5.9
乾式二重床構造の床衝撃音レベル差ΔL
F と駆動点インピーダンスレベル差ΔL
Zbの関係(ゴムボール衝撃源)(1) 63 Hz帯域 (2) 125 Hz帯域
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A4 A5 A3 A4 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A3
A4 A5 A4 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差[dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A3
A4 A4
A5 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
駆動点インピーダンスレベル差 [dB]
加算値 一体化値
0 5 10 15 20
A2 A2
A3 A4 A3 A4
A5 A5
A6 A6
床衝撃音レベル差[dB]
駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB] 駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB]
(3) 250 Hz帯域
(4) 500 Hz
帯域駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB] 駆動点インピーダンスレベル差ΔLZb [dB]
は大きい値であった。
いずれの衝撃源の場合も,
A5
及びA6
の値は他の仕様に比べてΔL
Fに対するΔL
Zb が小さくなっている。これは強化せっこうボードと遮音マットが , 合板に比べて床衝 撃音レベル低減に寄与する特性を有しているためと考えられる。以上の結果より,面材の留めつけにビスを用いた場合には,曲げ剛性の算出方法を 加算値とすることで
ΔL
FとΔL
Zbは近い値となることが明らかになった。また,
ΔL
FとΔL
Zbがリニアに上昇していることから,更に乾式二重床構造の面材部 分の駆動点インピーダンスの値を大きくすることにより,ΔL
F の増加が可能であると 考えられる。5.4.3
乾式二重床構造の面材部分の構成と特性乾式二重床構造の面材部分の特性を表すために,図
5.10
~図5.12
にΔL
Fと , 曲げ 剛性の算出値を加算値とした場合の , 曲げ剛性レベル差 (A1
の曲げ剛性レベル-
各仕 様の曲げ剛性レベル , 以下 ,ΔL
Bとする ), 面密度レベル差 (A1
の面密度レベル - 各 仕様の面密度レベル , 以下 ,ΔL
mとする ),ΔL
Zbの各指標との関係を示す。曲げ剛性が 加算値の場合にこれらの関係は,同じ面材が追加される場合など曲げ剛性と面密度が 整数倍に増加する場合はΔL
F= ΔL
Zb= ΔL
m= ΔL
Bで傾きが1となる。更にΔL
Fの増 加に寄与する程度が,曲げ剛性より面密度の方が大きい場合は,ΔL
B< ΔL
Zb< ΔL
m, 剛性の方が大きい場合はこの逆の関係となる。全ての衝撃源の場合に当てはまるが ,
A5
及びA6
については ,ΔL
ZbよりもΔL
mの 値が大きいため,曲げ剛性よりも面密度の方がΔL
Fに与える影響が大きい仕様といえ る。A2
からA4
の仕様では ,ΔL
BとΔL
m,ΔL
Zbの値は傾きが1
で一致した。衝撃源別にみると,例えば
125 Hz
帯域と250 Hz
帯域のΔL
mに着目すると,タイ ヤ衝撃源のΔL
FとΔL
mの差は0
~4 dB
,ゴムボール衝撃源で0
~2 dB
,ゴムボール衝撃源
0.1 m
落下では0
~1 dB
となり衝撃力が小さいほど差は減少する傾向がみられた。他の周波数帯域では違う傾向もみられるが,タイヤ衝撃源よりもゴムボール衝 撃源の方が
ΔL
Fとの差は小さい傾向がみられた。
63 Hz
帯域についても , 各指標のレベル差とΔL
F の関係をみると , ゴムボール衝撃 源よりタイヤ衝撃源の方がΔL
F は小さい値であり , 衝撃力が小さい方がΔL
Fとの差が 小さくなった。0 5 10 15 20 0
5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2
A3 A4
A5 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2 A3
A4 A5
A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2 A3
A4 A5
A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
各指標のレベル差[dB]
A2 A3
A4 A5
A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
図
5.10
乾式二重床の床衝撃音レベル差ΔL
Fと各指標のレベル差の関係(タイヤ衝撃源)
ΔLB ΔLm ΔLZb
(3) 250 Hz
帯域(4) 500 Hz
帯域(1) 63 Hz
帯域(2) 125 Hz
帯域各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB] 各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB]
各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB] 各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB]
ΔLB ΔLm ΔLZb
ΔLB ΔLm ΔLZb
ΔLB ΔLm ΔLZb
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2
A3 A4
A5 A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2 A3
A4 A5
A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2 A3
A4 A5
A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2
A3 A4
A5 A6
0 5 10 15 20
床衝撃音レベル差[dB]
図
5.11
乾式二重床の床衝撃音レベル差Δ L
F と各指標のレベル差の関係(ゴムボール衝撃源)
(3) 250 Hz
帯域(4) 500 Hz
帯域(1) 63 Hz
帯域(2) 125 Hz
帯域各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB] 各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB]
各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB] 各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB]
ΔLB ΔLm ΔLZb ΔLB ΔLm ΔLZb
ΔLB ΔLm ΔLZb
ΔLB ΔLm ΔLZb
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
0 5 10 15 20
A2
A3 A4
A5 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2 A3
A4 A5
A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2 A3
A4
A5 A6
床衝撃音レベル差[dB]
0 5 10 15 20
0 5 10 15 20
各指標のレベル差 [dB]
A2
A3 A4
A5 A6
床衝撃音レベル差[dB]
図
5.12
乾式二重床の床衝撃音レベル差ΔL
Fと各指標のレベル差の関係(ゴムボール衝撃源
0.1 m
落下)(3) 250 Hz
帯域(4) 500 Hz
帯域(1) 63 Hz
帯域(2) 125 Hz
帯域各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB] 各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB]
各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB] 各指標のレベル差ΔLB, ΔLm ,ΔLZb [dB]
ΔLB ΔLm ΔLZb ΔLB ΔLm ΔLZb
ΔLB ΔLm ΔLZb
ΔLB ΔLm ΔLZb