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2. 成果の概要

1)HGP44のPorphyromonas gingivalisによって誘発されたマウスの歯槽骨吸収に対する骨吸収の抑制誘導能 本研究は、歯周病を予防するため、その原因菌であるP. gingivalisに対する防御抗体を誘導できるワクチンの開 発を目的としている。その防御作用を明らかにしてきた本菌表層のタンパク分解酵素 arg-gingipain(RgpA)に対 する DNA ワクチン、rgpA DNA vaccine に含まれる触媒ドメイン、付着・血球凝集素ドメインの前半部と後半部を 発現するワクチン pCAT、pHGP44、pHGP15-27 を作製し、その効果を比較検討している。

ELISA 法によって測定した免疫による抗体価の解析によっては、pHGP44、pHGP15-27 に抗体の上昇が認めら れ、その上昇は pHGP44 の方が高かった。pHGP44 によって誘導された抗体は、rgpA DNA vaccine で誘導さ れたレベルとほぼ同程度であり、イムノブロット法分析において主要なバンドを 43.8kDa に認め、HGP44 と同じ大 きさであった。このことは HGP44 が高い免疫原性を持つことが考えられる。さらに pHGP44 は、作製した3つの ワクチンの中で、最も歯槽骨吸収抑制効果が強いことを確認した。

Clin Vaccine Immunol 18(5): 888-891, 2011.

2) 11q13領域内DNAコピー数増幅コアの組み合わせと口腔扁平上皮癌頸部リンパ節転移

口腔扁平上皮癌において、頸部リンパ節転移の有無は予後に関わる因子である。本研究では、54 症例の口腔扁 平上皮癌患者を対象とし、うち 20 症例で行ったアレイCGH 法で 11q13 領域のコピー数増幅が転移有り群 30%

のみに検出された。この領域の 11 遺伝子について、全 54 症例でコピー数変動解析を行った。コピー数相関から、

11q13 増幅領域は二分され、TPCN2とMYEOVのコア1とCCND1からCTTNまでのコア2という構造が示唆され、

実験的に新規 Breakpoint を同定した。転移予測能として CCND1,FGF4,CTTN の 3 マーカーが統計学的有意差 を示した。TPCN2/MYEOV と CTTN の組み合わせが最も P 値が低く、Kaplan-Meier 解析において増幅有り群 で低い生存率を示した。コア 1とコア 2 のコピー数変動は口腔扁平上皮癌患者における新規頸部リンパ節転移予測 マーカーとなる可能性が示唆された。

Int J Oncol 39(4): 761-769, 2011.

3)日本人口唇裂・口蓋裂関連遺伝子8q24領域の解析

口唇裂・口蓋裂は世界中で最も一般的な先天性異常の 1 つであり、発生率も人種間で著しく異なる。特に口唇裂・

口蓋裂は日本人に多く見られる疾患である。口唇裂・口蓋裂の発症原因はこれまでの研究で、遺伝因子が関与する 事はわかっているが、明らかな原因となる遺伝子は明らかにされていない。今回ヨーロッパ起源集団の非症候性口 唇裂・口蓋裂患者を対象に GWAS を行い、疾患の発症に感受性の高い領域が報告された。本研究は 8q24 領域 が日本人非症候性口唇裂・口蓋裂の発症に関与するか否か検証を行った。

口唇裂患者 45 人、唇顎口蓋裂患者 122 人。合計 167人と健常者 190 人の末梢血から古典的な方法で DNA を抽 出した。8q24.21 領域で疾患への関与が報告されている13 個の SNP 中 P 値の高い SNP を選び、ダイレクトシー ケンス法を行い、SNP の遺伝子型を用いて患者対照試験を行った。

ヨーロッパ起源集団の GWAS で報告された 8q24.21 領域内で疾患への関与を示した SNP はいずれの SNP にお いても有意な値を示す結果は認められなかった。8q24.21 領域の口唇裂・口蓋裂に対する感受性規定 SNP は日本 人において同様な結果が得られなかった。この結果から、日本人の口唇裂・口蓋裂発症には特有の遺伝領域があ るものと考えられる。今後、我々はさらに検体数を増やし解析を行っていきたい。

Cleft Palate Craniofac J Oct 7, 2011.

4)三次元CTデータを用いて術後評価を行った顎裂部骨移植術

CT データを用いて、顎裂部骨移植の骨形成に関与する因子が顎裂部の骨形成量に関連を明らかにすることを目 的に検討した。対象は、当科で一貫治療を行っている片側唇顎口蓋裂患者 12 例である。CT データから Mimics

と 3-matic を利用して術前と術後6か月の骨を重ね合わせた。計測項目は移植骨形成割合 (BBF%)、未萌出の犬歯 の位置(X)、犬歯の長さ、手術年齢、最小の顎裂幅とした。移植骨の形成は、術前犬歯位置 (r=-0.766, p<0.01) と、犬歯長 (r=0.681, p<0.05) が Pearson の積率相関係数 (r) で有意な相関を認めた。また段階的重回帰分析に おいて移植骨形成の割合には、術前犬歯位置のみが独立して相関を示し、BBF%=58.478-2.912×X の結果を得た。

術前の埋伏している犬歯の位置が歯槽骨面に近いほど術後の骨形成が良好であることが判明した。これより顎裂部 骨移植術施行時期は年齢などの要因で決定するのではなく、埋伏犬歯の位置で時期を決定することが妥当であると 考えられた

Cleft Palate Craniofac J Feb 8, 2012.

3. 学外共同研究

担当者 研究課題 学外研究施設

研究施設 所在地 責任者

柴原 孝彦 口腔癌の SNP 解析 放射線医学総合研究所 千葉市 鎌田 正

高木多加志 顎変形症の三次元的診断と治療計画 マテリアライズ・デンタル・

ジャパン

東京都 中央区

尾崎 浩明

高木多加志 Tempolary Anchorage Devices:

TADs 関連機器の開発と改良

株式会社プロシード 東京都 渋谷区

大串 和幸

高木多加志 硬組織用超音波切削機器 OSADA FALCON の改良

長田電気工業株式会社 東京都 品川区

君島 栄一

野村 武史 新規蛍光診断機器「VELscope」の口 腔癌切除マージンの設定について

British Columbia 大学歯学 部

Vancouver, Canada

Zhang L

恩田 健志 頭頸部重粒子線治療後の顎骨骨壊死 の発現について

放射線医学総合研究所 重粒子医科学センター病院

千葉市 鎌田 正

4. 科学研究費補助金・各種補助金

研究代表者 研究課題 研究費

内山 健志 口唇口蓋裂児の母乳育児を可能にする哺乳具の 開発と授乳方法の確立

文部科学省科学研究費補助金・基盤研究(B)

柴原 孝彦 重粒子線がん治療 頭頸部治療臨床研究班員委託研究費

野村 武史 白板症の癌化能を予測するための総合診断システ ムの開発

東京歯科大学学長奨励研究助成

渡邊 章 口唇裂・口蓋裂の候補遺伝子のダイレクトシークエ ンスによる解析

文部科学省科学研究費補助金・若手研究(B)

恩田 健志 口腔扁平上皮癌の非侵襲的診断用検査ツールの 開発

文部科学省科学研究費補助金・若手研究(B)

5. 研究活動の特記すべき事項

受賞

受賞者名 年月日 賞名 テーマ 学会・団体名

恩田 健志 2011.10.

21-23

優秀ポスター賞

(ゴールドリボン賞)

口腔扁平上皮癌の分泌タンパク質解析 第56回日本口腔外科学 会総会・学術大会 関根 理予 2012. 1.

26-27

優秀ポスター賞 拡大鏡観察による口腔粘膜疾患診断 法の確立

第30回日本口腔腫瘍学 会総会・学術大会 渡部 幸央 2011. 6.

25-26

奨励賞 東京歯科大学千葉病院における過去 5年間の歯性感染症による入院症例の 検討

第31回日本薬物療法学 会総会

渡部 幸央 2012. 1.

26-27

優秀ポスター賞 Low-grade dysplasiaを伴う口腔白板 症の臨床統計的検討

第30回日本口腔腫瘍学 会総会・学術大会 学会・研究会主催

主催者名 開催年月日 学会・研究会名 会場 開催地

野村 武史 2011. 8.9 がんプロフェッショナル養成プラン 口腔がん専門医コース「初期研修 ワークショップ」

東京歯科大学千葉病院 千葉市

野村 武史 柴原 孝彦

2011. 8.10 がんプロフェッショナル養成プラン 主催「口腔癌の外科治療」

東京歯科大学 千葉病院

千葉市

野村 武史 2011.11.8 がんプロフェッショナル養成プラン 主催「がん医療現場での口腔ケア セミナー

東京歯科大学 千葉病院

千葉市

野村 武史 2012. 3.28 がんプロフェッショナル養成プラ ン主催「口腔がん専門医コース  フォーラム」

東京ドームホテル 東京都

文京区

シンポジウム

シンポジスト 年月日 講演演題 学会・研究会名 開催地

渡邊 章 2011.11.17 Current problems associated with orthognathic surgery for secondary for secondary cleft palate skeletal deformity

The 50th Congress of the Korean Association of Max-illofacial Plastic and Recon-structive Surgeons

大韓民国

学会招待講演・特別講演・教育講演

講演者 年月日 演題 学会名 開催地

柴原 孝彦 2010.10. 8 口腔外科領域の話題・口腔外科学会の取 組

口腔衛生学会学術大会 新潟市

学術学会に相当しない団体が開催するセミナー・研究会・カンファレンス等における発表・講演

講演者 年月日 演題 会合の名称 開催地

髙野 伸夫 2011. 5.28 これだけは知っておきたい口腔粘膜疾患 東京歯科大学同窓会東北地域 支部連合会総会学術講演会

青森市

髙野 伸夫 2011. 7.14 歯科医院で遭遇するさまざまな口腔粘膜 疾患を考える —口腔がんを見逃さない検 診法のすすめ—

東京歯科大学同窓会卒後研修 セミナー

東京都 千代田区

髙野 伸夫 2011.11.12 見逃してはいけない口腔粘膜疾患—集団 および個別口腔がん検診に向けて—

東京歯科大学同窓会山形県支 部学術講演会

山形市

髙野 伸夫 2012. 1.28 口腔粘膜疾患 MDA研究会 福岡市 髙野 伸夫 2012. 2.19 茨城県障害児・者歯科医療連連携ネット

ワークの構築を目指して 障害者歯科医療の現況

—東京都における取り組み—

第20回茨城県歯科医学会 水戸市

柴原 孝彦 2011. 4.22 マクロ診断の新たな試み 第65回日本口腔科学会総会 東京都 江戸川区 柴原 孝彦 2011. 5.21 口の中にもがんはできる!口腔がん検診し

てますか?

練馬区歯科医師会区民講座 東京都 練馬区 柴原 孝彦 2011. 6. 5 口腔がんの術後経過およびケアの実際 千葉県衛生士会 千葉市 柴原 孝彦 2011. 6. 5 口腔がんについて 越谷市歯科医師会十四代の会 越谷市 柴原 孝彦 2011. 6.10 口腔癌検診について 第35回頭頸部腫瘍学会総会 名古屋市 柴原 孝彦 2011. 6.16 検診の目的と実際 千葉市歯科医師会口腔がん検

診事業

千葉市

柴原 孝彦 2011. 6.19 口腔粘膜疾患の診断ポイント

—スクリーニングから『口腔癌検診』まで—

日本歯科医師会 福井市

柴原 孝彦 2011. 7.10 口腔粘膜疾患の診断ポイント

—スクリーニングから『口腔癌検診』まで—

日本歯科医師会 宮崎市

柴原 孝彦 2011. 7.14 口腔がんとの鑑別の実際

—口腔がん検診の標準化—

東京都歯科医師会 東京都

千代田区 柴原 孝彦 2011. 7.28 千葉市歯科医師会口腔がん検診事業 ア

ドバンスコース『非上皮性腫瘍の実際、病 診連携の確立』

千葉市歯科医師会 千葉市

柴原 孝彦 2011. 7.31 口腔粘膜疾患の診断ポイント

—スクリーニングから『口腔癌検診』まで—

日本歯科医師会 長野市

柴原 孝彦 2011. 8.28 日本口腔腫瘍学会学術委員会WG1 meeting(2) in 埼玉

早期癌の臨床的診断

—表在癌の亜分類に向けて—

日本口腔腫瘍学会 さいたま

柴原 孝彦 2011. 8.31 第62回全国労働衛生週間実施要綱説明 会

千葉労働基準協会 千葉市

柴原 孝彦 2011. 9.17 本当は怖い家庭の歯学–口腔がん– 市川浦安金曜会 市川市 柴原 孝彦 2011. 9.28 本当は怖い家庭の歯学–口腔がん– 港区民講演会 東京都

港区 柴原 孝彦 2011.10.23 口腔粘膜疾患の診断ポイント —スクリー

ニングから『口腔癌検診』まで—

日本歯科医師会 鳥取市

柴原 孝彦 2011.10.27 本当は怖い家庭の歯学・・・口腔がん 船橋市民講演会 船橋市 柴原 孝彦 2011.10.29 口腔癌検診 顎・口腔腫瘍研究会加古川 加古川市 柴原 孝彦 2011.11.18 急性期神経機能修復外来の開設 医療連携協議会 千葉市 柴原 孝彦 2011.11.27 口腔粘膜疾患の診断ポイント —スクリー

ニングから『口腔癌検診』まで—

日本歯科医師会 千葉市

柴原 孝彦 2011.12. 3 口腔癌検診のための研修会 青森市歯科医師会 青森市