R−一。。H8
第 3 節 構 成 基 本 物 質
上述したように,樹皮のジオキサンリグニンあるいはBj6rkmanリグニンの諸性状が,木材のそれらに類似し ていることから,その構成基本単位も類似しているであろうと考えられる,.この点を確認するために,ニトロベ ンゼン酸化,エタノリシス,水素化分解,過マンガン酸カリ酸化で生ずる分解生成物をしらべた・・
ァヵマツ,ミズナラの樹皮ジオキサンリグニンの構成核要素を知るためにSTONEらの方法(1$2)でニトロベン
ゼン酸化し,酸化生成物をペ−パ−クロマトグラフイ−・でしらべ,その結果を第39表に示したり これらアルデ
第39表 樹皮ジオすサツリグニンのニトロベンゼン酸化生成物
バニリン シリングアルデヒド 与うさ,蔓Y苓 プロトカテクアルデヒド
種 類
榊 +
川 +十 +
ア カ マ ツ ミ ズ ナ ラ
ヒドのiまかに,酸類,5−フか−ミルバエリン,アセトグアヤコンも検出されたぃこれらの結果は,木材リグニ ンについて認められた結果(82,188)に一徹した.従って,樹皮ジオキサンリグニンほ木材リグニンと・丑的な関係
は別問題として,同種の構成核要素をもつことば明らかである.
−49−
この構成核要素が,木材リグニンの場合と同様に,フェニルプロパン体として樹皮ジオキサンリグニンを構成 しているか否かを・しらべるために,アカマツ樹皮ジオキサンリグニンをエタノリシス,あるいは水素化分解し
(実験法は第4章に詳述),それらの生成物をペ・−リヾ一−タロマトグラ■7法でしらべた..
樹皮ジオヰサンリグニンのエタノリシス油から,辺材リグニンの場合(第30表参照)に匹敵する量のHibbert のケトン類,すなわちグアヤシルアセトン,α−ヒドロキシプロピオソヾこロン,α−エトキシプロピオソヾニロン,バ エロイルメチルケトンを検出した.また,ジオヰサンリグニン試料の分離過程のジオヰサンー塩酸抽出時にもエ ーーテル可溶性の分解物質を生じ,そのなかにもグアヤシルアセトン,パニロイルメチルケトンが検出された.従 って,樹皮ジオヰサンリグニン中には,木材リグニン申に確認されているアリルグリセロ・−ルーβ一アリルエ−・
テル構造が相当品含まれて−いると考えられるり
また,水素化分解生成物を辺材ジオキサンリグニンの場合と比較した結果は,第40表に示したように,グア 第40表 アカマツのジオキサンリグニンの水素化分解生成物
l、
.・. ∴ ・さ.ミニ
+
+十 +
ー一一 フ㌻⊥rかrか ル 酸 ル
香
、エ.
オ■ キ シ ク レ
自他
安ゾ
エ チ ル17.ェ ノ −・ ル
プ ロ ピ ル ■7 ェ ノ−・ル + +
ヤシルプロパン体のほかにj叶 オキシフェ.こル核のプロパン体が検出され,木材リグニンの場合に類似するが,
樹皮ジオヰサンリグニンは木材リグニンに比してC6−Cl型の分解物質を多く与えた..これらの結果から,外皮と 辺材のジオキサンリグニンは,結合様式上の多少の差異はあるにしても,同種のフユニルプロパン体からなるこ
とば明らかである〃
さらに数種類の樹種の外皮のジオキサンリグニン,鱒j6rkmanリグニンを,第4章で述べた方法でエチル化し た後,過マンガン酸カリ酸化して,2,3の木材リグニンについての結果と比較した..その結果ほ第41表に示
した通りである.すべての試料で,カテコーーリレ核,レゾシノ・−ソレ核,ピロガロ・−ル核にもとづく酸化生成物は全 く認められない.従って,樹皮Bj6rkmanリグニン試料に樹皮フェノ・−・ル酸が混入していないものと考えられる.
樹皮ジオキサンリグニンは,同樹種の樹皮鱒j6rkmanリグニンと同一・種類の酸化生成物を与えた.しかし,各酸 化生成物質の収虫は一・般的に,樹皮ジオキサンリグニンで僅かに少ない傾向が示された.これは HCl含有ジオ
…50一
第41表 ジオヰサンリグニン,Bj6Tkmanリグニンのエチル化彼の過マンガン酸カリ酸化生成物
A の 成 分 *
全エーテル
可溶物(刃 G2/Gl旦音量
GI G2 S IIl 壬Ⅰ2
ジオヰサンリグニン ア カ マ ツ エ ゾ マ ツ ア カ シ ャ コ ナ テ ク リ
% % 9‖02 1い96 − 8.11 L31
519 0.80 6小21 8い50 1.06 4い49 6.81 0u95 4巾01
% % % 2り51 0..54 0り96 0..08 0.61 + 0.10 + 0.05 +
一山 961293
0 2 1
2 6 5 3 4 2 1 1 1 1 ハu O O nu O
4 9 0J 1 5
2 1 2 2 2
外
鱒j6Ⅰkmanリグニン ア カ マ ツ エ ゾ マ ツ ア カ シ ャ コ ナ ラ ク リ
4 6 6 9
2 りー 9 2 6 8 2 9 3 7 一l〇 2 0 0 0 0 L O 6 6 0 8 7 5 7 7 8 0 0 0 0 0 ︻〇 8 1 9 1 7 −1 1 2 6 L 2
⁝︼ 26 76 35
55 4 一肌 81 7079 9 3 5 9 7 2 3 3 3 2 0 0 α 〇︵U
21192225竺 9 2 4 6 ■h︶ ■・1 9 0 0 1 9 8 7 ワト 6 7 −hJ 3
4 7 6
2 2 1
ジオヰサンリグニン ミ ズ ナ ラ 巧j6rkmanリグニン
ア カ マ ッ ク リ
辺 6 0 8 3 5. 0 8
041 0.50 0.05 0.23 1..28
0.32 014 1‖22 11い51 3、64 − 2.63 0い39 0い11
6.17 0.88 5.79 0…83 0..57 0い42 材
* Gl〜打8は第9図参照
キサン抽出過程で,樹皮プロトリダニンがいくらか変質をうけていることによるものと考えられる岬 従って前述 したように,木材リグニンと比較するためには,樹皮のB匝kmanリグニンが過当であろう.樹皮のBj6工kman リグニンについての結果は,木材のそれに比べて,酸化生成物質の鼠比の多少異なることを別問題とすれば,同 種の分解物質を与えることから,樹皮Bj6rkmanリグニンが木材リグニンと同様に,グアヤシル核,♪−オキシフ ユニル核,シリンギル核及び前■2者の縮合型からなっていることを示唆する.また,樹種によって G2/Gl値に 多少の偏差が示されるので,グアヤシル核の開放型と縮合塑の割合が樹種によって差異のあることが考えられる..
また,広葉樹における(Gl+G2)/S値から,樹皮Bj6rkmanリグニンには木材鱒匝kmanリグニンにおけるより も金橋成核要素中に占めるシリンギル核の割合の低いことが推察される一
構成核の組成に関する知見を深めるために,Gl〜Hるの過マンガン酸カリ酸化による二次的分解(第35表参照)
を考慮して,樹皮鱒j6∫kmanリグニンの構成核の相対比を試算すると,針葉樹ではグアヤシル核が約76%,♪−
オキシフェニル核が約24%であり,辺材B匝kmanリグニン(グアヤシル核が約81%,♪−オヰシフェニル核 が約19%)よりもクーオキシ■7.王ニル核が多い.一・方,広葉樹の樹皮鱒匝kmanリグニンでは,グアヤシル核が 53−57%,シリンギル核が29−34%,クーオキシフユニル核が9−19%であり,辺材のリグニン(グアヤシル核が 約48%,シリンギル核が39%,♪−オキシフユニル核が13%)に比して,シリンギル核が少ないことが推察さ れる一.これら構成核組成における木材リグニンとの相違は,樹皮Bj6Ⅰkmanリグニンのメトキシル基が同樹種の 木材リグニンにくらべて僅かながら少ないことと符合する.
すなわち,木材リグニンに比して樹皮リグニンでは,核にメトキシル基をもった構成核要素の全構成核中に占 める割合が低い.このことから,形成層付近における樹皮リグニンの生合成過程において,ワダニン構成核C6−
Cl体あるいはC6−C8体のオヰシ化とメチル化が,木材リグニンの場合ほどには行なわれないままで脱水素重合
ー 51…
反応が急速にすすむものと解釈される.また,樹皮リグニンは木材リグニンに比して分子盈の小さいことがスル ホン化物として認められること(第7章参照)を考えると,脱水素重合して生じた初期重合物の高分子化は,木 材リグニンほどにすすまないことも推察されるり
第 4 節 摘 要
数種の針葉樹,広葉樹の外皮と辺材からジオすサツリグニン,B沖kmanリグニンをそれぞれ分離して,それ らの呈色反応,活性基,吸収スペクトルなどを測定し,アカマツ外皮のジオキサンリグニンについてはエタノリ シス,水素化分解生成物について研究した1・また,数樫の外皮のB匝kmanリグ・ニン,ジオキサンリグニンをエチ ル化後過マンガン酸カリ酸化して,同樹種の辺材リグニンと比鮫した・樹皮のジオヰサンリグニン及びB匝1【man
リグニンは,同樹種の木材のそれらと物理的,化学的性状が類似しており,樹皮アユノ・−ル酸の混入は全く認め られず,また同樹種の木材リグニンと同じ種類のフ、ユニルプロパン単位からなっていることを明らかにした.し かし,次の点において僅少ながら木材リグニンと異なった特徴が示された=・すなわち,構成単位の量的割合にお いて−,針葉樹の樹皮リグニンでほグアヤシル核が,広葉樹のそれではシリンギル核が,それぞれ同樹種の木材リ
グニンの場合に比して少ない.また,同樹種の木材リグニンに比して−メトキシル基含有率が低く,反面フユノー・
ル性水酸基が多い.
これら樹皮リグニンの特徴及び樹皮リグニンが木材リグニンより低分子であると推定されること(第7章参照)
から,形成層付近における辺材リグニンの生合成過程に比べて,樹皮リグニンの生合成過程における構成核のオ キシ化とメチル化及び構成単位の高分子化がやや低度であることを推定したり
第 6 章 樹皮の難溶性リ グニ ン
樹皮には,ソーダ法,酸性亜硫酸塩法,あるいはHydrotropic法で蒸煮しても溶出しない一層のリグニンが存 在している(10・15・27,88,89).第3草で述べたように,アカマツ外皮リグニン及び類似物の混合物を分別した際,1%
NaOH処理後,0‖4%HCl含有ジオササツ抽出した残法を42%HCl処理すると,KuRLTH(68)の呼称によるいわ ゆる 残留塩酸リグニン が得られる仙・また,アカマツ外皮を中性でスルホン化後,酸性亜硫酸塩蒸煮しても溶 出しないリグニンを塩酸リグニンとして分離できる.これら樹皮の難溶性リグニンの性状につけては,douglas一点r
樹皮の残留塩酸リグニンのメトキシル基嵐(68)が測定されているが,それ以上の研究ほなされないままである‖
樹皮中に難溶性リグニンが存在することば極めて興味あることである.そこで数種の外皮から難溶性リグニン試 料を分離し,その収監,メトキシル基虫,スベリン虫,エチル化後の過マンガン酸カリ酸化生成物を測定し,さ らに亜硫酸塩蒸煮後の難溶性リグニン試料についてはイオウ虫をしらペ,同樹種の樹皮ジオキサンリグニン(第
5章参照),樹皮リグニンスルホン酸(第7章参照)と比較することによって,樹皮の難溶性リグ・ニンの特性を明 らかにしようと考えた.なお,上述のように樹皮の難溶性リグニン試料はすべて42%HCl処理を経て分離され ているので,42%HCl処理による二次的変質をチェックする必要がある.従って,HCl処理を経ていないジオ キサン抽出残波及び亜硫酸塩蒸煮残故についても過マンガン酸カリ酸化生成物を測定し,樹皮リグニンと比較し た.それらの研究(1恥129)について記述する.
第1節 試 料 の 調 製
数種の外皮粉末をアルコール・ベンゼン,アルコ・−ル,熱水で充分抽出した残症から,第3章記述の如く,残 留塩酸リグニンを調製した.また,クルグレン法一酸性亜硫酸塩法の2段蒸煮彼の残泣から塩酸リグニンを調製