●食事治療と膵消化酵素薬内服によって栄養障害を改善したうえで糖 尿病の治療をおこないます。
●慢性膵炎の糖尿病治療の基本はインスリン治療です。
●低血糖をおこしやすいため、禁酒をおこない、HbA1c(JDS 値)
7 %前後を目標に血糖コントロールをおこないます。
解 説
溶かして飲む、ジュース 200 mL・糖分 20 g 含有など)、②症状が治まったら、普 通に食事を摂る、③意識障害がある場合はすぐに病院に連絡、または連れていって
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:慢性膵炎の治療について表 1 慢性膵炎にともなう糖尿病の治療
薬物療法 栄養評価
評価・治療 ポイント
食事療法
[胃酸分泌抑制薬]
H2受容体拮抗薬、プロトンポンプ阻害薬
[消化酵素薬]
通常量の 3〜10 倍
例:ベリチーム 経口 3.6〜30g/ 日
[インスリン]
超速効型インスリン 3回/日 + 持効型イン スリン 1回/日
例:アピドラ+ランタス
(4 単位・毎食前+8 単位就寝前)
通常、一般診療で測定が可能な、BMI , ヘモ グロビン、血清総コレステロール、血清アル ブミン、脂肪便の有無などにて評価する。
カロリー:標準体重(kg)×30kcal 以上 脂肪量:40〜60g/ 日
[その他]
ビタミン、亜鉛、鉄、など
消化酵素活性は十二指腸の pHに依存する。
胃・十二指腸の pH 上昇は消化酵素薬の 失活を防止。
ベリチームの通常量は 1.2〜3.0g/ 日。通 常量ではリパーゼの力価が治療域に達しな い。胃・十二指腸での失活防止のため食直 前もしくは食直後に内服。
グルカゴン分泌の低下もあり、インスリン治 療では低血糖に注意。少量頻回投与が効果 的である。インスリン量の変更は 1〜2 単位 の少量ずつ行う。
BMI は 20(kg/m2)以上、ヘモグロビンは 12.0(g/dL)以上を目標とする。総コレステ ロールおよびアルブミンは正常域を目標。
必要十分量のカロリー、脂肪量 40〜60g/
日で栄養状態の改善は可能。
十分に食事が摂れ、消化酵素薬補充後も低 下傾向がみられる場合適宣補充。
BMI(体格指数)= 体重(kg)÷[身長(m)× 身長(m)]
表 2 糖尿病薬物治療による低血糖症状
自律神経症状 空腹感、発汗、心悸亢進、脱力感、振戦、悪心 中枢神経症状 頭痛、めまい、傾眠傾向、視力障害、異常行動、
意識障害、痙攣・手足のふるえ
指標 設定目標
HbA1c(JDS 値)(%)
7.0 前後
空腹時血糖値(mg/dL)
80〜150
食後 2 時間血糖値(mg/dL)
150〜250
(低血糖をおこさないコントロールが重要)
糖尿病健康手帳を常に携帯することも必要です。
慢性膵炎にともなう糖尿病患者さんの死因の多くは、通常の糖尿病と同様に糖尿 病合併症によるものといわれています。そのため、合併症の早期発見・適切な治療 と、それに先行する血糖コントロールが重要です(表 4 参照)。近年は、超速効型イ ンスリンの少量頻回投与(各食直前)と長時間持効型インスリン(1 回/日)を用いる ことで低血糖の予防、血糖のコントロールに有用であると報告されています。
表 4 慢性膵炎にともなう糖尿病の合併症の診断と評価
インスリン使用患者さんで自律神経 障害を合併していると、低血糖に 陥った場合、症状が乏しく重篤になり やすい。そのため、発汗異常、起立性 低血圧、消化管運動障害(便秘・下 痢)、膀胱機能障害などの自律神経 障害の有無の評価は重要である。
網膜症を認めなかった場合でも少な くとも年 1 回の定期眼科受診を行う。
高血圧は網膜症を増悪・進展させる ため、積極的に降圧治療を受ける。
陰性でも早期腎症の診断のため尿 中微量アルブミンを年に 1 回は測 定してもらうことが望ましい。良好な 血糖コントロールおよび厳格な血圧 管理は腎症の進展を抑制する。
膵性糖尿病診断時に神経障害の有 無を評価してもらう。診断には、腱反 射、振動覚、心拍変動、神経伝達速度 などの検査が用いられている。
、 膵性糖尿病診断時に必ず眼科を受
診し、網膜症の有無を評価してもら う。
膵性糖尿病診断時に尿検査を行い、
蛋白尿の有無を評価してもらう。持 続性尿蛋白が存在すれば腎症と診 断される。通常、蛋白尿が陽性であ れば、尿蛋白定量を行い、0.5g/ 日 以上が顕性腎症と診断される。
網膜症
神経症
腎症
合併症 診断・評価 ポイント