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Fig. 1‑8 アセチレン類縁体の NOESY(左)およびROESY(右)の測定結果
以上のように、アセチレン、オレブインおよびテトラエンセグメントの 3つのハーフセグメン トから、改良ジュリア反応を用いることでアレンを修飾したそれぞれ特有の性質を有する 3つの 類縁体の合成に成功した口これら類縁体の合成では、共役鎖が長くなるほど合成が難しく反応条 件を精査する必要があった。例えば、オレフィン類縁体から共役鎖が一つ長くなったジオレブイ
ン類縁体の合成では、共役鎖を伸長するためのStilleカップリングにおいて、低温かっアミンを添 加して反応条件を温和にすることで初めて立体化学を制御できた。またScheme1‑9に示すように、
アセチレンジエン79、 トリエン 81、テトラエン83の各々のスルブイドからスノレホンへの酸化段 階において、ペリジニン合成の時に用いた Mo試薬では低収率もしくは副生成物しか得られない ものの、温和な条件となる
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試薬を用いることで初めて安定した収率で望む生成物を得ることが できた。また各々のハーフセグメントを用いた改良ジュリア反応では、 3つの類縁体すべてにお いて問題なく反応が進行したことから、改良ジュリア反応がアレンを修飾した種々の類縁体にお いても適用できることを示せた。しかしながら、ハーフセグメントに必要なスルブイドからスノレ ホンへの酸化段階では、共役鎖が長くなるにつれ収率が低下し、ハーフセグメントの量的な供給 が難しくなることも分かつた。また、これ以上共役鎖が長い化合物ではスルホンへの官能基変換 が困難であることが予想、されることから、さらに効果的な改良法の開発が望まれる。1‑4 イリデンブテノリド環を修飾したペリジニン類縁体の合成27
A .
ハーフセグメントの合成次に、ペリジニンが持つイリデンブテノリド環の効果を明らかにするため、これを開環したア セチレンエステル類縁体9およびオレブインエステル類縁体10の合成を試みた(Fig.1‑2)。特に共 役鎖内にカノレボ、ニル基を有するカロテノイドは多く存在するものの、イリヂンブテノリド環のよ うな環構造を有するものはほとんど見られず、なぜペリジニンがこのような環構造を持つのか非 常に興味深い。これら類縁体の合成ではFig.1.・3で示した合成戦略に基づき、新たにアノレデヒドを 有するアセチレンエステルセグメント 41およびオレブインエステルセグメント 42を合成し、既 知の C17アレンセグメント 32とカップリングすることで合成することとした。
Scheme ト11に示すように2つのハーブセグメントは、共にイリデンブテノリドセグメント 36 の合成時に用いられた中間体であるブテノリド64から合成することとした。まず、生合成前駆体 を意識したアセチレンエステル類縁体のハーフセグメントであるアセチレンエステルセグメント 41は、 Z選択的に64のブテノリド環を関環後、 Melでアニオンを捕捉し、 Corey法によりジブロ モ体とした。次に、Scheme1‑6と同様の反応条件であるTBAFを用いてアルキン85へと誘導した。
Scheme 1‑6でアリノレブロマイドでアニオンを捕捉した時と比べて開環、 Corey法およびTBAFに よる処理の収率はほとんど変わらなかった。最後に、得られたアノレキン85と先に合成しているピ ニルヨージド35との薗頭カップリング、続く Mn02酸化により立体化学を完全に制御しながらア セチレンエステルセグメント 41を合成することができた。
一方で、ペリジニンと同様の共役鎖長を持つオレブインエステル類縁体の合成に必要となるオ レブインエステルセグメント 42は、まずアルキン85に対しヒドロスズ化もしくはヒドロホウ素 化を行い86を得、ヨウ素アルコール35との Stilleカップリングにより合成することを計画した。
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42:・9'E鍋OlefinEster Segment CHO
Scheme 1‑11 イリデンブテノリド環を修飾したハーフセグメントの合成
しかしながら、これらの反応条件を稜々検討したものの、基質が分解するか反応が進行せず良い 結果は得られなかった。そこで、共通のブテノリド64に対し、3段階をワンポットで行うことで、
ブロモ体87を得ることができた。すなわち、
H u n i gB a s e
によりZ
選択的にブテノリド環を関環後、生じたアルデ、ヒドと
W i t t i g
壊とのW i t t i g
反応を行い、最後に反応系内のアニオンをMelで捕捉す ることで69%の収率でブロモ体87を得た。ここで得られたブロモ体は 11'位のオレブインが1/1 の異性体混合物であった。次に、その異性体混合物のままピ、ニルスズ51との Stilleカップリング を行ったところ驚くべき結果を得た。ブロモ体87およびスズアルコール51を お(CH
3C N ) 2 C 1 2
触 媒存在下600Cで反応させたところ、 50%の収率でカップリング体を得た。これの NMR解析を行 ったところ、42'のように先程1/1
の混合物であった1 1
'位のオレフィンは完全にE
体のみとなり、9'位のオレブインがE/Z
=
6/ 1となった異性体混合物であることが明らかとなった。 このStilleカ ップリングを室温で反応させても同様の結果であったことから、熱ではなく Pdによってエステル のカルボニル基の共役安定化効果によりポリエンが異性化したことが考えられる。また9 ' Z
体をHPLC
により単離し‑200C
で数担保存したところ構造不明体となったことから、望む9 ' Z
体は安定 に存在できないことが分かつた。このことから 9'E体が主生成物の異性体混合物のまま反応を進 めることとし、アレンセグメントとのカップリング後に光異性化を行い、オールトランス体を得 ることとした。最後に TBSの脱保護、 Mn02酸化を行うことで 9'E‑オレフィンエステルセグメントを合成した。
B .
各種類縁体の合成および物性検討各々のハーフセグメントが得られたので、まず Scheme1‑12に示すアセチレンエステル類縁体 を合成した。改良ジュリア反応は、これまでと同様の手法で
THF
溶媒中 ω780C
で塩基にN
aHMDS
を用いたところ、反応は直ちに進行しカップリング体を良好な収率で得ることができた。異性化 反応もこれまでと同様にベンゼ、ン溶媒中、室温蛍光灯下で静置したところ、カップリング直後は
②のピークが主生成物であったが、徐々に異性化が進行し①のピークが主生成物となった。 これ までの類縁体では、平衡状態に達するまでに最大でも 3日しか必要としなかったが、アセチレン エステノレ類縁体は異性化が遅く平衡状態に達するまで 8日を必要とした。これは、共役オレブイ ンの中にアセチレンが含まれているため、他の類縁体と比べて十分に共役しておらず異性化が遅
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after 3 days after 8 days
①
くなったと推測される。 2つのピ}クを分取し、 750MHzの詳絡なNMR解析により①がオールト ランスの 13E体9‑1、②が 13Z体9‑2であることを構造決定した。
さらにここで単離した 13E体および 13Z体では、化合物の安定性が異なることが明らかとなっ た。 Schemeト13に示すように 13巴体9‑1を重クロロホノレムを用いてNMR測定したところ、重ク ロロホルムに含まれる僅かな酸により容易にジヒドロフラン体ヂへと異性化することが分かつた。
このような性質は、ト3節 A で述べたオレブインセグメント 39で観測されたものと同じである。
そのため、アルミナにより酸を除去した重クロロホルムを用いてNl¥尽を測定する必要があった。
一方、 13Z体9‑2では環化は全く観測されなかった。また共同研究者のFrank教授らがこれら類縁 体の分光測定を行ったところ、 13E体9‑1は466nmのレーザー光により容易に 13Z体9‑2へ異性 化することが分かつた。以上のことから単離したオールトランス体である 13E体は、 13Z体より
も不安定であることが明らかとなった。
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9‑1: all trans綱derivative