第 5 章 入力同定実験
5.5 応答の再合成
TPA による寄与分析は,同定した加振力と推定した周波数応答関数からある評価点の応 答を算出することが必要になる.そこで本節では第 4 章の数値シミュレーション同様に,
得られた周波数応答関数(FRF,SFRF)と入力同定によって得られた加振力を用いて,応答の 再合成を行い,加速度計を用いた手法とひずみ計を用いた手法の精度を比較する.よって 再合成する応答量は加速度とひずみとする.なお再合成に使用するデータは第5章3節の2 点加振4点応答のものを使用する.
5.5.1 再合成について
再合成の算出は第1章1節に示す,式(1.1)を用いて行う.本節では第4章のシミュレー ション同様に,逆行列法を用いて同定された加振力と同定する際に使用した周波数応答関 数を用いて再合成を行う.再合成の評価方法は,相対誤差,周波数平均誤差を用いて行う.
第4章の数値シミュレーション同様に,相対誤差,周波数平均誤差は f k
をk回目の応 答の真値のフーリエスペクトル,fˆ k
をk回目に再合成された応答のフーリエスペクト ルとして求める.5.5.2 再合成の条件
本節では第5章3節の2点加振4点応答のデータを使用して再合成を行う.図5.27に加 振点位置を示す.また評価点は図5.27の応答点③とする.
図5.27 応答点位置
F1,F2 :Excitation Point
①~④: Response Point
83 5.5.3 再合成の結果
本項では各応答を用いた入力同定によって得られた加振力と各周波数応答関数を用い て再合成を行った結果を示す.なお結果は逆行列法に基づくもののみとする.
図5.28,図5.29にそれぞれ加速度応答の再合成結果,ひずみ応答の再合成結果を示す.
図5.30 に再合成した各応答の真値に対する相対誤差を示す.図 5.31に周波数平均誤差を 示す.
図5.28より再合成した加速度応答は175~350Hz以外の周波数ではほぼ一致していない ことがわかる.一方で図5.29より再合成したひずみ応答は100~175Hzでは精度が悪いが,
それ以外の周波数は概ね良好な結果を示していることがわかる.図5.30より,250~350Hz 付近では加速度応答の方が誤差は小さいが,それ以外の周波数はひずみ応答の方が誤差は 小さいことがわかる.また図5.31より,周波数平均誤差はひずみ応答の方が小さいことが わかる.
以上より,実際のTPAで評価する値である,再合成値を算出したところ,ひずみ応答を 用いた手法は従来法よりも精度が高い傾向があることがわかった.
84
図5.29評価点③のひずみ応答の再合成(左:対象周波数 右:拡大)
図5.28 評価点③の加速度応答の再合成(左:対象周波数 右:拡大)
2550 100 150 200 250 300 350 400 450 10
010
210
410
610
8Frequency[Hz]
P o w e r S p e c tru m [(m /s
2)
2]
Synthesis(Acceleration) Measured(Acceleration)25 50 75 100
100 102 104
Frequency[Hz]
Power Spectrum[(m/s2 )2 ]
Synthesis(Acceleration) Measured(Acceleration)
2550 100 150 200 250 300 350 400 450 10
-1410
-1210
-1010
-810
-6Frequency[Hz]
P o w e r S p e c tru m [-]
Synthesis(Strain) Measured(Strain)
25 50 75 100
10-9 10-8 10-7 10-6 10-5
Frequency[Hz]
Power Spectrum[-]
Synthesis(Strain) Measured(Strain)
図5.30 再合成値の相対誤差(対象周波数)
0 0.5 1 1.5 2
Frequency Averaged Error[-]
Acceleration Strain
図5.31 再合成値の周波数平均誤差
(対象周波数) 0.94
0.16
2550 100 150 200 250 300 350 400 450 10
-810
-610
-410
-210
010
2Frequency[Hz]
Re la ti v e E rro r[-]
Acceleration
Strain
85