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必要な計算資源

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第 6 章 評価

6.2 性能評価

6.2.1 必要な計算資源

本評価では,ミドルウェアを動作させるために必要な計算資源としてメモリ使用量を測 定した.用いた機器は,SHARP Zaurus SL-C1000であり,Intel(R) XScale(TM) (PXA270

416MHz) RAM 64MBである.実験は,端末数を5,10,20,40台と変化させて,位置計算

サーバにおける計算資源を測定した.この実験では,位置計算サーバへ送られる情報はダミー のものを使用しており,位置計算サーバのソフトウェア内で乱数を発生させてそのつど用意 している.このため,ダミー情報保存用のメモリ使用量については,あらかじめ減算した値 を測定値としている.ダミー情報は,次のようなものを想定している.端末は100m四方の 平面上にランダムに配置されており,各端末の無線LANデバイスの到達距離は十分に長い ものとし,全領域で通信が可能とする.また,無線LANデバイスの2点間の距離の測定誤差 は±10%以下になる確率が68.26%,±20%以下になる確率が95.44% となるような正規分布 に従うものとした.測定値は10秒間の平均をとった.

メモリ使用量の結果を表6.1に示す.まず注目する点は,端末数の増加に対して,それほど メモリ使用量は増えないことである.具体的には,64[KB]程度増加しただけである.また,

値の絶対値を見てみると,約3.7 [MB]程度使用している.しかし,近年の端末のメモリ搭載 量から考えると,十分実用的であるといえる.

計算により求めた位置計算サーバの通信量を表6.2に示す.提案ミドルウェアにおいて,各 端末が位置計算サーバに送信するデータ量は,一回当たり他の端末数×8[B]である.端末数 が10台の場合,これが1秒間に10回送信されてくるので,スニファ,位置計算サーバ間の通 信量は,9×8×10=720[B/s]である.位置情報のリクエストメッセージサイズは10[B],配

表 6.1: 位置計算サーバに必要な計算資源 端末数 メモリ使用量[KB]

5 3700

10 3704

20 3716

40 3764

表 6.2: 位置計算サーバの通信量 端末数 通信量[KB/s]

5 2

10 8

20 34

40 135

布する位置情報は,端末数×76[B]である.端末数が10台,各端末が1秒間に1回のリクエス トを送ってくる場合,位置計算サーバ,セッションマネージャ間の通信量は,(10+10×76)

×10=7700[B/s]である.よって端末数10台の場合,総通信量は720+7700=8420[B/s]で ある.通信量のオーダは端末数の二乗であり,端末数40台の場合でも総通信量は135[KB/s]

+プロトコルオーバヘッド程度と少ない.また,情報を圧縮することでさらに低減できると 考えられる.

6.2.2 相対位置計算に必要な時間

位置計算サーバにおける位置計算処理にかかる時間を測定した.今回の測定では携帯端末と して,B5サイズのノートPCとPDAを用いて測定を行なった.測定に使用したノートPCは,

Panasonic Let’s note CF-R4であり,CPUはIntel(R) Pentium(R) M 1.20GHz RAM 1GB である.また,PDAは,SHARP Zaurus SL-C1000 であり,Intel(R) XScale(TM) (PXA270

0.01 0.1 1 10 100 1000 10000

0 5 10 15 20 25 30 35 40

ノード数

[ms]

PDA初回 PDA2回目以降 ノートPC初回 ノートPC2回目以降 ノート最悪計算時間

図 6.3: 位置計算処理時間

利用した.ノートPC では端末数を2〜40の間で,PDAでは端末数を2〜20の間で変化させ て,各端末において1000回ずつ実行時間を測定し,平均値を求める.ノートPCでは併せて 最悪実行時間も計測する.

測定結果を図6.3,および表6.3に示す.2回目以降の位置計算では,初回の計算結果を繰 り返し計算の初期値とすることで,位置計算にかかる時間が初回よりも少ない.図6.4,およ び表6.3に初回計算にかかる時間と2回目の計算にかかる時間の比較を示す.2回目の計算で は端末の位置は変えずに距離測定誤差のみ再度付加し直している.

2回目以降の計算にかかる時間は,ノード数が増えるにつれて初回計算にかかる時間より も少ない割合であることが見て取れる.処理能力の低いPDAであっても,端末数が10台程 度なら初回の位置計算に0.52[s]程,2回目以降の計算なら0.36[s]程しかかかっていない.こ のため,位置計算にリアルタイム性がそれ程もとめられない小規模な会合程度ならPDAで

表 6.3: 携帯端末での位置計算処理時間 [ms]

端末数

ノートPC 初回

ノートPC 2回目

PDA 初回

PDA 2回目

5 0.43 0.35 104 90

10 2.5 1.8 523 361

20 15 9 2088 1278

40 98 53 -

-40 50 60 70 80 90 100

0 5 10 15 20 25 30 35 40

ノード数

[%

]

図 6.4: 2回目以降の計算時間の初回に対する割合

も十分に測位サービスを提供できると考える.端末数がさらに多い場合や,高いリアルタイ ム性が求められる場合には,PDAよりも高機能な端末を設ける必要がある.ノートPC程の 処理能力があれば,数十台の携帯端末に対してサービスを提供するのに十分である.

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