1 はじめに
戦後の労働条件・食生活の改善、医療の発達、健診の普及及び内容の充実によって、我が 国の循環器疾患による死亡は減少したものの、いまだに脳血管疾患と虚血性心疾患などの循 環器疾患は本県の主要な死因です。さらに、その急性期や後遺症の治療のために、個人及び 社会の負担は増加しています。特に、脳卒中は全国と同様に本県においても「寝たきり」の 主要な要因となっており、循環器疾患の死亡・罹患の抑制は医療・保健・福祉分野の重点課 題です。
2 基本方針
我が国の平成10年の脳卒中及び心疾患死亡数は、それぞれ年間37,819人、143,120人で あり、この二大循環器疾患だけでも総死亡の約30%を占めています。このため、循環器疾患 の罹患率や死亡率を低下させ、さらに寝たきりの人や後遺症に悩む人を減少させることが重 要な課題となっています。
循環器疾患の発症には、生活習慣が深く関与することが明らかであるため、食生活や運動 習慣等の改善についての情報提供、啓発活動を通して、危険因子を持つ多くの人への発症予 防対策等を講じることが重要です。
また、特定健診の実施によって、メタボリックシンドロームの該当者とその予備群を抽出 し、特定保健指導を実施することによって脳血管疾患や虚血性心疾患などの循環器病の発症 を抑える必要があります。
なお、本県においては、腹囲がメタボリックシンドロームに係る基準以下である、いわゆ る非肥満者であっても、高血圧等の危険因子を有する場合には脳卒中を発症するリスクが高 いとの報告がされていることから、非肥満のハイリスク者に対する対策も重要です。
3 現状と課題
(1)高血圧、脂質異常症の現状
循環器疾患対策を考えるとき、高血圧、脂質異常症の現状を把握する必要があります。
血圧は、循環器病の最大の危険因子ですが、近年、肥満、運動不足などによって拡張期 高血圧者の増加がみられるので、減塩運動の展開、運動習慣の確立などの取組が特に必要 です。
また、本県でも都市部を中心に血清コレルテロールの上昇がみられるので、内頸動脈や 冠動脈の動脈硬化につながる可能性が懸念されます。
9 循環器病
1 はじめに
戦後の労働条件・食生活の改善、医療の発達、健診の普及及び内容の充実によって、我が 国の循環器疾患による死亡は減少したものの、いまだに脳血管疾患と虚血性心疾患などの循 環器疾患は本県の主要な死因です。さらに、その急性期や後遺症の治療のために、個人及び 社会の負担は増加しています。特に、脳卒中は全国と同様に本県においても「寝たきり」の 主要な要因となっており、循環器疾患の死亡・罹患の抑制は医療・保健・福祉分野の重点課 題です。
2 基本方針
我が国の平成10年の脳卒中及び心疾患死亡数は、それぞれ年間37,819人、143,120人で あり、この二大循環器疾患だけでも総死亡の約30%を占めています。このため、循環器疾患 の罹患率や死亡率を低下させ、さらに寝たきりの人や後遺症に悩む人を減少させることが重 要な課題となっています。
循環器疾患の発症には、生活習慣が深く関与することが明らかであるため、食生活や運動 習慣等の改善についての情報提供、啓発活動を通して、危険因子を持つ多くの人への発症予 防対策等を講じることが重要です。
また、各種健康診断等で発見されたハイリスク者に対しては、事後措置、健康教育等を充 実するなど一層効果的な対策を推進する必要があります。
3 現状と課題
(1) 高血圧、高コレステロール血症の現状
循環器疾患対策を考えるとき、高血圧、高コレステロール血症の現状を把握する必要が あります。
血圧は、循環器病の最大の危険因子ですが、近年、肥満、運動不足などによって拡張期 高血圧者の増加がみられるので、減塩運動の展開、運動習慣の確立などの取組が特に必要 です。
また、本県でも都市部を中心に血清コレルテロールの上昇がみられるので、内頸動脈や 冠動脈の動脈硬化につながる可能性が懸念されます。
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(2)循環器疾患危険因子を持たないための生活習慣の確立 ア 栄養
循環器疾患予防のための食生活のポイントは、摂取総エネルギー過多を避けることと 塩分摂取量を制限することです。
今後は、家庭内での調理担当者に対して食材や料理のエネルギー及び塩分量の概量の 知識の普及を図るとともに、提供する料理にエネルギーや塩分量を表示するように食品 衛生協会、栄養士会などを通じて外食産業に働きかけていく必要があります。
イ 運動
近年、労働の機械化、OA化などにより労働上の身体活動量は低下しており、循環器 疾患の予防のための適切な運動を意識的に行う必要があります。
このためには、民間を含む各種の運動を行うための組織、施設を網羅した情報をイン ターネットなどを通じて広く県民に提供する必要があります。
ウ 喫煙
喫煙は、がんだけでなく循環器疾患の危険因子です。このため、禁煙希望者を支援す るだけでなく、学校教育の早期に徹底した説明を行い、喫煙しない生活習慣を確立する ことが大切です。
エ 体重及び血圧の測定機会の増加
自分の身体状況を把握し、どのように推移しているかを知ることは、健康を増進する ための第一歩です。このため、体重及び血圧を測定するための装置の普及を図るととも に、個人が継続して測定を実行するよう意識啓発が必要です。
(3)中間評価の状況
中間評価によると、老人保健事業の基本健診で、高血圧者の割合は男女ともに減少し ていますが、壮年女性の脳卒中や虚血性心疾患による死亡率はやや増加しています。
4 目標 【別表1】9 循環器病 参照
5 今後の対応
(1)住民が取り組むべき対応
ア 循環器疾患危険因子を持たないための生活習慣の確立
これまでの循環器疾患に関する各種研究によって高血圧、脂質異常症、糖尿病、肥満、
喫煙などが危険因子と考えられるので、これらを持たない生活習慣の確立を目指す必要 があります。
特に、循環器疾患の主要な危険因子である高血圧・脂質異常症については、摂取総エ ネルギーの抑制、食塩摂取の抑制、カリウム摂取の増加、肥満者の減少、運動習慣者の 増加の5点をポイントに、県民一人ひとりが自らの健康づくりに取り組むことが必要で
(2) 循環器疾患危険因子を持たないための生活習慣の確立 ア 栄養
循環器疾患予防のための食生活のポイントは、摂取総エネルギー過多を避けることと 塩分摂取量を制限することです。
今後は、家庭内での調理担当者に対して食材や料理のエネルギー及び塩分量の概量の 知識の普及を図るとともに、提供する料理にエネルギーや塩分量を表示するように食品 衛生協会、栄養士会などを通じて外食産業に働きかけていく必要があります。
イ 運動
近年、労働の機械化、OA化などにより労働上の身体活動量は低下しており、循環器 疾患の予防のための適切な運動を意識的に行う必要があります。
このためには、民間を含む各種の運動を行うための組織、施設を網羅した情報をイン ターネットなどを通じて広く県民に提供する必要があります。
ウ 喫煙
喫煙は、がんだけでなく循環器疾患の危険因子です。このため、禁煙希望者を支援す るだけでなく、学校教育の早期に徹底した説明を行い、喫煙しない生活習慣を確立する ことが大切です。
エ 体重・体脂肪率及び血圧の測定機会の増加
自分の身体状況を把握し、どのように推移しているかを知ることは、健康を増進する ための第一歩です。このため、体重・体脂肪率及び血圧を測定するための装置の普及を 図るとともに、個人が継続して測定を実行するよう意識啓発が必要です。
4 目標 別表参照
5 今後の対応
(1) 住民が取り組むべき対応
ア 循環器疾患危険因子を持たないための生活習慣の確立
これまでの循環器疾患に関する各種研究によって高血圧、高コレステロール血症、糖 尿病、肥満、喫煙などが危険因子と考えられるので、これらを持たない生活習慣の確立 を目指す必要があります。
特に、循環器疾患の主要な危険因子である高血圧・高コレステロール血症については、
摂取総エネルギーの抑制、食塩摂取の抑制、カリウム摂取の増加、肥満者の減少、運動 習慣者の増加の5点をポイントに、県民一人ひとりが自らの健康づくりに取り組むこと が必要です。