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事故と骨折

ドキュメント内 BMI BMI (ページ 39-43)

1  はじめに

    不慮の事故、特に交通事故、窒息、転倒・転落、溺死・溺水などや、職場・スポーツ等に おける傷害及び自殺は、個人・家庭の範囲にとどまらず社会的にも大きな犠牲や損失であり、

本計画の主眼である早世や障害の減少に深く関連する要因です。

    平成10年の不慮の事故による死亡者は、全国で38,925人、本県でも622人にのぼり早世 の大きな原因となっています。また、本県の交通事故による負傷者は年間約1万4千人に近 く、その他の事故による傷病の多くも漸増しており、県民特に高齢者の「寝たきり」をはじ

(4)新しいがん検診システムの導入

      乳がんマンモグラフィなど、より精度の高いがん検診の導入を推進する必要があります。

(5)がん登録システムの精度向上

      がん予防対策の評価指標としてがん罹患率は極めて重要であり、その低減目標の評価の ため、がん登録システムの精度向上に努める必要があります。

(6) 職域におけるがん予防対策の現状把握と支援

働き盛りの年代に対するがん予防対策は極めて重要な施策であり、職域でのがん予防対 策の現状把握を行うとともに、その推進のための支援に努めます。

11  事故と骨折

1  はじめに

    不慮の事故、特に交通事故、窒息、転倒・転落、溺死・溺水などや、職場・スポーツ等に おける傷害及び自殺は、個人・家庭の範囲にとどまらず社会的にも大きな犠牲や損失であり、

本計画の主眼である早世や障害の減少に深く関連する要因です。

    平成10年の不慮の事故による死亡者は、全国で38,925人、本県でも622人にのぼり早世 の大きな原因となっています。また、本県の交通事故による負傷者は年間約1万4千人に近 く、その他の事故による傷病の多くも漸増しており、県民特に高齢者の「寝たきり」をはじ

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めとする障害の重要な要因といえます。

    さらに、我が国では人口の高齢化が進行し、「寝たきり」等の要介護状態に陥る高齢者が増 加していますが、原因としては脳卒中と並んで骨折、特に大腿骨頚部骨折が多いとされてい ます。

    加齢に伴う骨の老化現象の中で最も多いのは骨量の減少で、骨量は 20〜30 歳代をピーク としてその後は減少します。特に女性は閉経期を迎えると急激に骨量が減少する傾向にあり、

大腿骨頚部骨折の発生率も圧倒的に女性が多くなっています。

2  基本方針

(1)すべての事故・傷害の防止

事故・傷害の要因にはそれぞれ人間側、環境側などの特性があり、年代的にも変移して いるので、総合的・継続的な分析と対応を進めなければなりません。また、乳幼児につい ては保護者の、高齢者については本人だけでなく周囲の認識と努力が欠かせませんが、一 般には個人の安全についての学習と行動を深める機会を充実し、家庭内や職場及び建物・

道路など公共の場所のバリアフリー化、情報化による安全性の向上に地域をあげて取り組 むことが必要です。

(2)転倒・骨折の予防

      骨折の予防対策は、下記の骨粗鬆症の危険因子に留意し、骨折しない強い骨を目指すこ とと、骨折の直接原因となる転倒の防止を両輪で進める必要があります。

      <骨粗鬆症の危険因子>

        ①性別(女性に多い)    ②閉経    ③やせ型の体型    ④運動不足

        ⑤腸管吸収の不良    ⑥日光にあまりあたらない    ⑦カルシウムの摂取不足    ⑧ 飲酒    ⑨喫煙    ⑩リンの過剰摂取

3  現状と課題

(1)事故

      先に述べたように、本県の平成10年の不慮の事故による死亡者は622人(人口10万人 対41.5、全国5位)と多くなっており、そのうち交通事故が215人、窒息が137人、転 倒・転落が97人、溺死・溺水が83人などで、いずれも加齢とともに増加傾向がみられ、

特に、つまづきによる転倒、階段等からの転落では高齢者が約半数に及びます。また、国 際的に見ても、高齢者の溺死は著しく高く、とりわけ浴槽への転落が目立っています。さ らに窒息は、0歳と1歳及び高齢者が特に高く、ともに誤嚥(えん)によるケースが8割 を占めます。

  また、すべての場における事故・傷害など多くの要因によって、一次的ないしは生涯に わたる障害を持つ人の数は極めて多くかつ漸増しており、経済的・労働的そして人間的に 多大の損失を蒙る状況も、 介護保険時代 を迎えて社会的な重要課題になっています。こ

めとする障害の重要な要因といえます。

    さらに、我が国では人口の高齢化が進行し、「寝たきり」等の要介護状態に陥る高齢者が 増加していますが、原因としては脳卒中と並んで骨折、特に大腿骨頚部骨折が多いとされて います。

    加齢に伴う骨の老化現象の中で最も多いのは骨量の減少で、骨量は 20〜30 歳代をピーク としてその後は減少します。特に女性は閉経期を迎えると急激に骨量が減少する傾向にあ り、大腿骨頚部骨折の発生率も圧倒的に女性が多くなっています。

2  基本方針

(1) すべての事故・傷害の防止

事故・傷害の要因にはそれぞれ人間側、環境側などの特性があり、年代的にも変移して いるので、総合的・継続的な分析と対応を進めなければなりません。また、乳幼児につい ては保護者の、高齢者については本人だけでなく周囲の認識と努力が欠かせませんが、一 般には個人の安全についての学習と行動を深める機会を充実し、家庭内や職場及び建物・

道路など公共の場所のバリアフリー化、情報化による安全性の向上に地域をあげて取り組 むことが必要です。

(2)転倒・骨折の予防

      骨折の予防対策は、下記の骨粗鬆症の危険因子に留意し、骨折しない強い骨を目指すこ とと、骨折の直接原因となる転倒の防止を両輪で進める必要があります。

      <骨粗鬆症の危険因子>

        ①性別(女性に多い)    ②閉経    ③やせ型の体型    ④運動不足

        ⑤腸管吸収の不良    ⑥日光にあまりあたらない    ⑦カルシウムの摂取不足   

⑧飲酒    ⑨喫煙    ⑩リンの過剰摂取

3  現状と課題

(1)事故

      先に述べたように、本県の平成10年の不慮の事故による死亡者は622人(人口10万人 対41.5、全国5位)と多くなっており、そのうち交通事故が215人、窒息が137人、転 倒・転落が97人、溺死・溺水が83人などで、いずれも加齢とともに増加傾向がみられ、

特に、つまづきによる転倒、階段等からの転落では高齢者が約半数に及びます。また、国 際的に見ても、高齢者の溺死は著しく高く、とりわけ浴槽への転落が目立っています。さ らに窒息は、0歳と1歳及び高齢者が特に高く、ともに誤嚥(えん)によるケースが8割 を占めます。

  また、すべての場における事故・傷害など多くの要因によって、一次的ないしは生涯に わたる障害を持つ人の数は極めて多くかつ漸増しており、経済的・労働的そして人間的に 多大の損失を蒙る状況も、 介護保険時代 を迎えて社会的な重要課題になっています。

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の視点からの総合的な調査解析とそれに基づく対応の構築が必要になっています。

(2)骨折・転倒

国の長寿科学研究組織により大腿骨頚部骨折の新規患者について、過去3回の全国調査 が行われていますが、1987年の調査では53,200人、1992年では77,000 人、1997年で

は92,400人と10年間で約倍増しています。

  高齢者の骨折の原因には、骨粗鬆症がその背景にあることが多く、その予防の必要性か ら近年骨粗鬆症検診を導入する市町や事業所などが増えてきました。また、カルシウムや ビタミンD等骨の強さに関係する栄養成分の十分な摂取や適切な運動が、骨を強く保つ効 果があるとされています。

  一方、高齢者が骨折する直接の原因は、「転倒」が大部分を占めています。本県で行われ た調査でも、65歳以上の大腿骨頚部骨折の原因は男性の50〜80%、女性の60〜80%が転 倒によるものでした。また、骨折に至らない場合でも、その後に閉じこもりがちになった り、活動性の低下が見られるなど、高齢者の健康度低下をきたすこともわかっています。

(3)中間評価の状況

中間評価によると、17市町で骨粗鬆症検診を取り入れており、関心が高まる一方で、カ ルシウムに富む牛乳・乳製品の摂取量は目標に達していない状況です。

4  目標    【別表1】11  事故と骨折  参照

5  今後の対応

(1)事故・傷害

    ア  交通事故の防止

        人間側として、①高齢者の加害・被害の増加抑止[運転適性の検査機会の増大、運転断 念の奨励、横断時・自転車走行時等の特性の理解促進]、②若年者の無謀運転の抑止等の ための学習や実践と包括的な社会的取組の推進

        車側として、①シートベルトやエアバッグのロック付き取り付けの推進、②各種安全 装置と高齢者等向けの使用の改良等の義務化

        道路環境側として、①ITSなど高度情報交通システムの整備、②標識・信号等の改 善、③救助・救急体制の整備等の対応を速やかに実行することです

    イ  その他の事故・傷害の予防

      ①  窒息については、乳幼児の保護者、高齢者とその関係者に対する発生状況等の学習 と緊急対応(吸引など)や作業現場の酸欠危険を理解するための講習

      ②  溺水については、入浴死を予防するための入浴法、浴槽・浴室・脱衣室の安全化(高 齢者には脳・心発作の予防のための暖房)、地域における溺水危険個所の点検・解消と 管理・監視の強化、救急法の普及徹底

      ③  その他の災害・事故・傷害については、地域や職場における安全上のマップやマニ

この視点からの総合的な調査解析とそれに基づく対応の構築が必要になっています。

(2)  骨折・転倒

国の長寿科学研究組織により大腿骨頚部骨折の新規患者について、過去3回の全国調査 が行われていますが、1987年の調査では53,200人、1992年では77,000人、1997年で

は92,400人と10年間で約倍増しています。

  高齢者の骨折の原因には、骨粗鬆症がその背景にあることが多く、その予防の必要性か ら近年骨粗鬆症検診を導入する市町村や事業所などが増えてきました。また、カルシウム やビタミンD等骨の強さに関係する栄養成分の十分な摂取や適切な運動が、骨を強く保つ 効果があるとされています。

  一方、高齢者が骨折する直接の原因は、「転倒」が大部分を占めています。本県で行わ れた調査でも、65歳以上の大腿骨頚部骨折の原因は男性の50〜80%、女性の60〜80%が 転倒によるものでした。また、骨折に至らない場合でも、その後に閉じこもりがちになっ たり、活動性の低下が見られるなど、高齢者の健康度低下をきたすこともわかっています。

4  目標    別表参照

5  今後の対応 (1) 事故・傷害

    ア  交通事故の防止

        人間側として、①高齢者の加害・被害の増加抑止[運転適性の検査機会の増大、運転断 念の奨励、横断時・自転車走行時等の特性の理解促進]、②若年者の無謀運転の抑止等の ための学習や実践と包括的な社会的取組の推進

        車側として、①シートベルトやエアバッグのロック付き取り付けの推進、②各種安全 装置と高齢者等向けの使用の改良等の義務化

        道路環境側として、①ITSなど高度情報交通システムの整備、②標識・信号等の改 善、③救助・救急体制の整備等の対応を速やかに実行することです

    イ  その他の事故・傷害の予防

      ①  窒息については、乳幼児の保護者、高齢者とその関係者に対する発生状況等の学習 と緊急対応(吸引など)や作業現場の酸欠危険を理解するための講習

      ②  溺水については、入浴死を予防するための入浴法、浴槽・浴室・脱衣室の安全化(高 齢者には脳・心発作の予防のための暖房)、地域における溺水危険個所の点検・解消 と管理・監視の強化、救急法の普及徹底

      ③  その他の災害・事故・傷害については、地域や職場における安全上のマップやマニ

ドキュメント内 BMI BMI (ページ 39-43)

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