• 検索結果がありません。

BMI BMI

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "BMI BMI"

Copied!
47
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

63

県民健康づくり計画「健康実現えひめ 2010」新旧対照表

改 定 後

改 定 前

県民健康水準評価指標

計画の最終目標は、それぞれの分野の目標達成に向けた取組により県民の健康水準を向上さ せることにあります。このため、この計画に基づく具体的取組の効果等を総合的かつ客観的に 評価するため、「平均自立期間」、「要介護高齢者出現率」、「壮年期死亡(早世)の割合」及び「医 療費」を指標に設定しました。 また、活力ある社会を構築するためには、県民一人ひとりが「健康である」と感じ、「健康 に配慮した生活をおくる」ことが重要であるため、県民の健康観についての指標も設定しまし た。 ◎県民健康水準評価指標(計画の評価指標) 【別表 2】

1 栄養・食生活

1 はじめに 栄養・食生活は、死因の上位を占めるがん、心臓病、脳卒中をはじめとする多くの生活習慣 病はもとより、認知症や精神への影響にも深く関わっていることがわかってきました。人が 生きていくためにはまず食べることが第一です。しかし、食物の質・量・食べ方など適正な 栄養・食生活を習慣化している人と偏った食生活をしている人とでは、日々の積み重ねによ り栄養状態の適否を生じ、その格差は増幅し、生活の質(QOL)まで大きく左右します。 また、時代の変化に伴い、県民の食生活は向上してきましたが、一方で、核家族化の進行、 外食産業の増大、食や健康に関する情報の氾濫など、食を取り巻く社会環境も大きく変化し、 エネルギー・栄養素の過剰摂取と摂取不足が混在する状況が生じたり、加工食品や特定食品 への過度の依存や若い女性の過度のダイエット志向など新たな問題も生じてきています。 2 基本方針 県民の栄養状態は、平均的には概ね良好となっていますが、各年齢層において生活習慣病 に関わる食習慣の問題点がみられます。特に、幼少年・青壮年期の食生活面において改善すべ き点が多くみられ、その年代に対する生活習慣病の第一次予防の徹底を図ることが必要です。 また、既に何らかの生活習慣病を有していたり、疑いのある多くの中高年者においては、食 習慣の改善により疾病の進行防止と予防に努めることが望まれます。 今後、県民が健康づくりを実践するための能力を十分に育み、また、それを支援する社会環

県民健康水準評価指標

計画の最終目標は、それぞれの分野の目標達成に向けた取組により県民の健康水準を向上さ せることにあります。このため、この計画に基づく具体的取組の効果等を総合的かつ客観的に 評価するため、「平均自立期間」、「要介護高齢者出現率」、「壮年期死亡(早世)の割合」及び「医 療費」を指標に設定しました。 また、活力ある社会を構築するためには、県民一人ひとりが「健康である」と感じ、「健康 に配慮した生活をおくる」ことが重要であるため、県民の健康観についての指標も設定しまし た。 ◎県民健康水準評価指標(計画の評価指標)

1 栄養・食生活

1 はじめに 栄養・食生活は、死因の上位を占めるがん、心臓病、脳卒中をはじめとする多くの生活習 慣病はもとより、痴呆や精神への影響にも深く関わっていることがわかってきました。人が 生きていくためにはまず食べることが第一です。しかし、食物の質・量・食べ方など適正な 栄養・食生活を習慣化している人と偏った食生活をしている人とでは、日々の積み重ねによ り栄養状態の適否を生じ、その格差は増幅し、生活の質(QOL)まで大きく左右します。 また、時代の変化に伴い、県民の食生活は向上してきましたが、一方で、核家族化の進行、 外食産業の増大、食や健康に関する情報の氾濫など、食を取り巻く社会環境も大きく変化し、 エネルギー・栄養素の過剰摂取と摂取不足が混在する状況が生じたり、加工食品や特定食品 への過度の依存や若い女性の過度のダイエット志向など新たな問題も生じてきています。 2 基本方針 県民の栄養状態は、平均的には概ね良好となっていますが、各年齢層において生活習慣病 に関わる食習慣の問題点がみられます。特に、幼少年・青壮年期の食生活面において改善す べき点が多くみられ、その年代に対する生活習慣病の第一次予防の徹底を図ることが必要で す。また、既に何らかの生活習慣病を有していたり、疑いのある多くの中高年者においては、 食習慣の改善により疾病の進行防止と予防に努めることが望まれます。 今後、県民が健康づくりを実践するための能力を十分に育み、また、それを支援する社会環

(2)

64 境を整備することにより、県民の適正な食生活の実現を目指します。 3 現状と課題 (1)県民の栄養状態(平成11 年県民健康調査結果) ア 身体状況 適正な体重を維持することは、生活習慣病予防の第一歩ですが、児童・生徒に肥満児が 多いこと〔児童・生徒(6∼14 歳)の肥満児(日比式による標準体重の 20%以上)の割 合:13.9%〕、20 歳代女性を除く成人男女で肥満者(BMI≧25.0)が多いこと〔男性(20 ∼69 歳):36.0%、女性(40∼69 歳):28.6%〕、一方、若年女性でやせ(BMI<18.5)の人 が多いこと、運動不足と思う人が多いことなど、健康や生活習慣上の問題が多くみられる ことから、早い時期から健康的な生活習慣を身につける必要があります。 イ 栄養素等摂取状況 県民の栄養素等摂取状況は、平均的には概ね良好となっていますが、性・年齢別でみ ると若年層(15∼39 歳)を中心に、男性ではカルシウムの充足率が低く、女性ではカル シウム、鉄の充足率が低くなっているなど、違いがあります。 また、エネルギー摂取量に占める脂質エネルギー比率は、成人(20∼59 歳)で 26.6%、 児童・生徒(6∼14 歳)で 30.1%と、適正比率の上限 25%〔児童・生徒(6∼14 歳)は 25 ∼30%〕を超えており、食塩の平均摂取量は、成人(20 歳以上)で 12.4g と、厚生労働 省の示す目標摂取量の上限 10g を超えています。 ウ 食品の摂取状況 県民1人1日当たりの食品群別摂取量は、平成 6 年調査と比べて、いも類、野菜類、 肉類が増加し、調味嗜好飲料が減少しています。主要食品群別摂取量を年齢別にみると、 15∼30 歳では油脂類、肉類、50∼69 歳では豆類、魚介類の摂取が多く、30∼49 歳では 緑黄色野菜の摂取量が少なくなっています。栄養素等摂取状況でみると、男女ともにカ ルシウムの充足率が低くなっていることから、牛乳・乳製品、豆類、緑黄色野菜等、カル シウムに富む食品の摂取量を多くする必要があります。 エ 食生活状況 朝食の欠食率は、成人男性(20 歳以上)で 21.3%、小・中・高校生(6∼17 歳)で 6.0% となっています。 また、18 歳以上の人で「半調理食品」や「そうざい」を週 1 回以上利用する人は、43.7% となっており、「ほとんど毎日 1 回以上外食する人」は 9.9%となっています。 (2)食を取り巻く社会環境 ア 健康栄養(食生活)指導者の養成・確保 ① 市町栄養士の配置 地域住民の栄養・食生活改善を通じた健康づくりの中心的役割を担う市町村栄養士 の配置状況は、平成12 年現在、県下 70 市町村(当時)のうち 40 市町村(正職員)、 境を整備することにより、県民の適正な食生活の実現を目指します。 3 現状と課題 (1)県民の栄養状態(平成11 年県民健康調査結果) ア 身体状況 適正な体重を維持することは、生活習慣病予防の第一歩ですが、児童・生徒に肥満児 が多いこと〔児童・生徒(6∼14 歳)の肥満児(日比式による標準体重の 20%以上)の 割合:13.9%〕、20 歳代女性を除く成人男女で肥満者(BMI≧25.0)が多いこと〔男性 (20∼69 歳):36.0%、女性(40∼69 歳):28.6%〕、一方、若年女性でやせ(BMI<18.5) の人が多いこと、運動不足と思う人が多いことなど、健康や生活習慣上の問題が多くみ られることから、早い時期から健康的な生活習慣を身につける必要があります。 イ 栄養素等摂取状況 県民の栄養素等摂取状況は、平均的には概ね良好となっていますが、性・年齢別でみ ると若年層(15∼39 歳)を中心に、男性ではカルシウムの充足率が低く、女性ではカル シウム、鉄の充足率が低くなっているなど、違いがあります。 また、エネルギー摂取量に占める脂質エネルギー比率は、成人(20∼59 歳)で 26.6%、 児童・生徒(6∼14 歳)で 30.1%と、適正比率の上限 25%〔児童・生徒(6∼14 歳)は 25 ∼30%〕を超えており、食塩の平均摂取量は、成人(20 歳以上)で 12.4g と、厚生労働 省の示す目標摂取量の上限 10g を超えています。 ウ 食品の摂取状況 県民1人1日当たりの食品群別摂取量は、前回調査(平成 6 年)と比べて、いも類、 野菜類、肉類が増加し、調味嗜好飲料が減少しています。主要食品群別摂取量を年齢別 にみると、15∼30 歳では油脂類、肉類、50∼69 歳では豆類、魚介類の摂取が多く、30 ∼49 歳では緑黄色野菜の摂取量が少なくなっています。栄養素等摂取状況でみると、男 女ともにカルシウムの充足率が低くなっていることから、牛乳・乳製品、豆類、緑黄色 野菜等、カルシウムに富む食品の摂取量を多くする必要があります。 エ 食生活状況 朝食の欠食率は、成人男性(20 歳以上)で 21.3%、小・中・高校生(6∼17 歳)で 6.0%となっています。 また、18 歳以上の人で「半調理食品」や「そうざい」を週 1 回以上利用する人は、43.7% となっており、「ほとんど毎日 1 回以上外食する人」は 9.9%となっています。 (2)食を取り巻く社会環境 ア 健康栄養(食生活)指導者の養成・確保 ① 市町村栄養士の配置 地域住民の栄養・食生活改善を通じた健康づくりの中心的役割を担う市町村栄養士 の配置状況は、平成12 年現在、県下 70 市町村のうち 40 市町村(正職員)、配置率は

(3)

65 配置率は57.1%にとどまっています。(現在は、配置率 100%。) ② 特定給食施設(旧 集団給食施設。本項において同じ)における栄養指導者の配置 学校、病院、介護老人保健施設、児童福祉施設、社会福祉施設、事業所等の給食施 設のうち、「集団給食施設」(特定多数人に対して、継続的に1 回 100 食以上又は 1 日 250 食以上の食事を提供する施設)の入所者、従業員等に対する健康、栄養指導を行 う栄養指導者(管理栄養士、栄養士)の設置促進が望まれます。 平成11 年度厚生省報告例によると、給食施設の栄養士(管理栄養士を含む)配置状 況は、県下の「特定給食施設」430 施設のうち 315 施設(栄養士配置率:73.3%)、「そ の他の給食施設」494 施設のうち 247 施設(栄養士配置率:50.0%)となっています。 施設別にみると、児童福祉施設では県下 322 施設のうち 60 施設(栄養士配置率: 18.6%)と、低くなっています。 ③ 健康づくりボランティアの育成 地域において、食生活を中心とした健康づくり活動をきめ細かく推進していくため には地域住民を核とした健康づくりボランティア(食生活改善推進員)の養成と育成 が一つのポイントであると考えられます。平成 12 年現在、県下 70 市町村(当時)の うち 62 市町村で市町村を単位とするボランティア組織が結成されており(結成率: 88.6% 現在は組織率 100%)、自分たちが住む「まち」を場とした活動を行っていま す。 イ 関係機関・団体との協力体制の整備 ① 食品製造、販売業者 かつては「出来合い」、「手抜き」といったイメージの強かった惣菜や弁当が、今日 では単身者のみならず家庭生活にまで浸透しています。個人の嗜好が優先される結 果、偏った食生活に陥りやすいことが問題になっており、簡単さ、便利さのみでなく、 外食栄養成分表示の普及や主食+主菜+副菜をそろえたバランスのとれた料理、適正 な食事量を備えたヘルシーメニューの開発・提供など住民が健康確保に努めることが できる体制づくりを推進する必要があります。 ② 地域、学校、職域、医療機関等 学校保健や職域保健を含め、医療、福祉分野との連携・調整の体制を強化し、住民 の健康ニーズに対応した課題や情報を共有することにより、一貫性のある食教育を実 施することが必要です。 また、健康や栄養に関する情報源は、マスメディアが最も多く、次いで家族・友人 となっています。専門家や行政機関等を挙げる人が少ないことから、地域、学校、職域 等で健康や栄養に関する学習の場や自主グループを増やし、情報交換のネットワーク を構築する必要があります。 (3)中間評価の状況 18 年3月に行った「中間評価と今後の取組み」(以下「中間評価」という。)によると 57.1%にとどまっており、未設置市町村の配置促進が重要な課題です。 ② 集団給食施設における栄養指導者の配置 学校、病院、老人保健施設、児童福祉施設、社会福祉施設、事業所等の給食施設の うち、「集団給食施設」(特定多数人に対して、継続的に1 回 100 食以上又は 1 日 250 食以上の食事を提供する施設)の入所者、従業員等に対する健康、栄養指導を行う栄 養指導者(管理栄養士、栄養士)の設置促進が望まれます。 平成 11 年度厚生省報告例によると、給食施設の栄養士(管理栄養士を含む)配置 状況は、県下の「集団給食施設」430 施設のうち 315 施設(栄養士配置率:73.3%)、 「その他の給食施設」494 施設のうち 247 施設(栄養士配置率:50.0%)となってい ます。施設別にみると、児童福祉施設では県下322 施設のうち 60 施設(栄養士配置率: 18.6%)と、低くなっています。 ③ 健康づくりボランティアの育成 地域において、食生活を中心とした健康づくり活動をきめ細かく推進していくため には地域住民を核とした健康づくりボランティア(食生活改善推進員)の養成と育成 が一つのポイントであると考えられます。平成12 年現在、県下 70 市町村のうち 62 市 町村で市町村を単位とするボランティア組織が結成されており(結成率:88.6%)、自 分たちが住む「まち」を場とした活動を行っています。未結成の市町村については、 健康づくりボランティアの養成とその組織化が望まれます。 イ 関係機関・団体との協力体制の整備 ① 食品製造、販売業者 かつては「出来合い」、「手抜き」といったイメージの強かった惣菜や弁当が、今日 では単身者のみならず家庭生活にまで浸透しています。個人の嗜好が優先される結 果、偏った食生活に陥りやすいことが問題になっており、簡単さ、便利さのみでなく、 外食栄養成分表示の普及や主食+主菜+副菜をそろえたバランスのとれた料理、適正 な食事量を備えたヘルシーメニューの開発・提供など住民が健康確保に努めることが できる体制づくりを推進する必要があります。 ② 地域、学校、職域、医療機関等 学校保健や職域保健を含め、医療、福祉分野との連携・調整の体制を強化し、住民 の健康ニーズに対応した課題や情報を共有することにより、一貫性のある食教育を実 施することが必要です。 また、健康や栄養に関する情報源は、マスメディアが最も多く、次いで家族・友人 となっています。専門家や行政機関等を挙げる人が少ないことから、地域、学校、職 域等で健康や栄養に関する学習の場や自主グループを増やし、情報交換のネットワー クを構築する必要があります。

(4)

66 市町栄養士の配置が100%となるなど、栄養・食生活に関する環境整備が進みましたが、 成人の食生活の現状は、脂肪を取りすぎている反面、野菜の摂取量が 284g とさらに減 少しています。また全体として朝食を摂食する人の割合が増加し、特に20 歳代、30 歳 代の男性の朝食欠食率が50%を超えています。 (4) 愛媛県食育推進計画の策定 平成 17 年 7 月に施行された食育基本法に基づき、本県における食育の更なる定着と 推進を図るため、平成 18 年 3 月に愛媛県食育推進計画を策定しました。この計画では 「食を大切にする心の育成」、「心身の健康のための食生活の確立と実践」、「県民運動に よる食育の推進」を重点目標に定めています。 この計画を実効あるものとするため、「みんなで!楽しく!バランスよく!愛ある食卓元気 なえひめ」をスローガンに、子どもからお年寄りまで、一人ひとりがライフステージに 応じた食に関する知識と正しい食習慣を身に付けるとともに、みかんをはじめとする地 元産品や地域の食文化についての理解を深め、健全な食生活を実践する運動を県民総ぐ るみで展開することとしています。 4 目標 【別表1】 1 栄養・食生活参照 5 今後の対応 (1)住民が取り組むべき対応 ア 正しい食習慣、食行動の実践 食生活指針、愛媛県食育推進計画及び食事バランスガイドを参考に、規則正しい食生 活及び家族や仲間と楽しく食べることを基本にして、各ライフステージに応じたよりよ い食生活の実践に取り組むことが大切です。特に、食品摂取面では、毎日たっぷりの野菜 と適量の果物でビタミン、ミネラル、食物繊維をとるとともに、カルシウムを多く含む 牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆腐、小魚なども組み合わせて摂取することが大切です。 なお、病気を有している人は、管理栄養士などにより、病状等に応じた個別指導を受け ることが望まれます。 イ 自分の適正体重の認識と体重コントロールの実践 体重にはエネルギーの摂取と消費のバランスが反映されます。自分の適正体重を知る ことは、健康管理上の基本です。食事や運動等で体重のコントロールを実践するととも に、定期的に体重を測定し、適正体重を維持することが大切です。 (2)行政等関係機関・団体が取り組むべき対応 ア 情報提供 栄養素・食品摂取や適正体重の維持など、住民が取り組む食習慣改善に必要な情報提 供を行います。 また、関係機関・団体ボランティアに対して、栄養・食生活に関する正しい知識を提 供し、地域への普及を図ります。 さらに、住民が必要な情報を得るための学習機会の増加、相談窓口の設置、インター 4 目標 別表参照 5 今後の対応 (1)住民が取り組むべき対応 ア 正しい食習慣、食行動の実践 新しい「食生活指針」を参考に、規則正しい食生活及び家族や仲間と楽しく食べるこ とを基本にして、各ライフステージに応じたよりよい食生活の実践に取り組むことが大 切です。特に、食品摂取面では、毎日たっぷりの野菜と適量の果物でビタミン、ミネラ ル、食物繊維をとるとともに、カルシウムを多く含む牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆腐、 小魚なども組み合わせて摂取することが大切です。なお、病気を有している人は、管理 栄養士などにより、病状等に応じた個別指導を受けることが望まれます。 イ 自分の適正体重の認識と体重コントロールの実践 体重にはエネルギーの摂取と消費のバランスが反映されます。自分の適正体重を知る ことは、健康管理上の基本です。食事や運動等で体重のコントロールを実践するととも に、定期的に体重を測定し、適正体重を維持することが大切です。 (2) 行政等関係機関・団体が取り組むべき対応 ア 情報提供 栄養素・食品摂取や適正体重の維持など、住民が取り組む食習慣改善に必要な情報提 供を行います。 また、関係機関・団体ボランティアに対して、栄養・食生活に関する正しい知識を提 供し、地域への普及を図ります。 さらに、住民が必要な情報を得るための学習機会の増加、相談窓口の設置、インター

(5)

67 ネット等を活用した情報提供等についても積極的に取り組みます。 イ 健康栄養(食生活)指導者の養成・確保 ① 市町栄養士・給食施設における栄養士の配置促進 地域住民、施設における喫食者の栄養・食生活改善を通じた QOL の向上を実現す るために栄養士会等、関係団体と連携して栄養士の配置促進を進めていくことが必要 です。 ② 健康づくりボランティアの育成及び活性化 市町のボランティアの養成を通じて、ボランティア活動の活性化を推進します。 ウ 食環境の整備 地域住民が健康を意識した料理・食品を選択できる売場やバランスのとれたメニュー の提供、栄養成分表示等を進めるために、行政や関係団体と外食産業、スーパーマーケ ットなどの食品販売業者等との連携、協力が必要です。 このため、県内の飲食店や惣菜・弁当販売店、宿泊施設等を対象に、エネルギー、脂 質、食塩相当量の3項目の栄養成分表示と県からの情報提供を要件に認定する、「栄養成 分表示店」認定制度の更なる周知と認定数の拡大に努めます。 エ 地域、学校、職域、医療機関など関係機関・団体の連携による取組 ① 学校 次代を担う子どもたちが早い時期からの健康的な生活習慣を身につけるために、学 校保健の現場において、学校及び教育委員会と連携し、児童・生徒・学生及び教員に 対する栄養・食生活についての知識の普及を行うことが必要です。 ② 職域 職域保健の現場において、従業員に対する健康づくりのための諸活動や栄養指導・ 栄養相談等の支援を行う必要があります。そのためには、施設の管理者、栄養士、調 理従業員等の関係者に対して栄養・食生活についての知識の普及を行うことが必要で す。 ③ 関係機関・団体のネットワーク 保健所が中心となって関係機関・団体のネットワークづくりを行い、一貫した情報 提供と相互の情報交換を行うことが必要です。 オ 栄養・食生活の現状及び目標達成状況を評価するためのモニタリングシステムの確立 栄養・食生活の現状及び目標達成状況を評価するため、5 年毎に実施している県民健 康調査を継続実施するとともに、必要に応じて定期的に健康・栄養に関する実態把握の ための調査を実施し、分析及び施策へ反映できる包括的なモニタリングシステムを開 発・確立するとともに、各種指標に関する研究を進める必要があります。 ネット等を活用した情報提供等についても積極的に取り組みます。 イ 健康栄養(食生活)指導者の養成・確保 ① 市町村栄養士・給食施設における栄養士の配置促進 地域住民、施設における喫食者の栄養・食生活改善を通じたQOL の向上を実現す るために栄養士会等、関係団体と連携して栄養士の配置促進を進めていくことが必要 です。 ② 健康づくりボランティアの育成及び活性化 健康づくりボランティア組織が未結成の市町村については、結成が促進されるよう 支援するとともに、ボランティアリーダーの養成を通じて、ボランティア活動の活性 化を推進します。 ウ 食環境の整備 地域住民が健康を意識した料理・食品を選択できる売場やバランスのとれたメニュー の提供、栄養成分表示等を進めるために、行政や関係団体と外食産業、スーパーマーケ ットなどの食品販売業者等との連携、協力が必要です。 そのためには、関係者に栄養成分表示等について理解を得るとともに、関係者自身 の栄養・食生活についても正しい知識の提供を行い、啓発する必要があります。 エ 地域、学校、職域、医療機関など関係機関・団体の連携による取組 ① 学校 次代を担う子どもたちが早い時期からの健康的な生活習慣を身につけるために、学 校保健の現場において、学校及び教育委員会と連携し、児童・生徒・学生及び教員に 対する栄養・食生活についての知識の普及を行うことが必要です。 ② 職域 職域保健の現場において、従業員に対する健康づくりのための諸活動や栄養指導・ 栄養相談等の支援を行う必要があります。そのためには、施設の管理者、栄養士、調 理従業員等の関係者に対して栄養・食生活についての知識の普及を行うことが必要で す。 ③ 関係機関・団体のネットワーク 保健所が中心となって関係機関・団体のネットワークづくりを行い、一貫した情報 提供と相互の情報交換を行うことが必要です。 オ 栄養・食生活の現状及び目標達成状況を評価するためのモニタリングシステムの確立 栄養・食生活の現状及び目標達成状況を評価するため、5 年毎に実施している県民健 康調査を継続実施するとともに、県が開発した「愛媛県栄養診断標準化システム」を市 町村が中心となって普及推進し、保健所単位で健康・栄養・食生活に関する情報を収集・ 解析する体制づくりが必要です。その他、必要に応じて定期的に健康・栄養に関する実 態把握のための調査を実施し、分析及び施策へ反映できる包括的なモニタリングシステ

(6)

68 (3)愛媛県食育推進計画との調和 本計画の「栄養・食生活」の分野における推進については、愛媛県食育推進計画と調和を 図りながら推進するものとします。

2 身体活動・運動

1 はじめに 運動やスポーツがもたらすプラスの効果としては、子どもから高齢者・障害者に至るすべ ての人にとっての「健康と体力の保持・増進」、「楽しさと喜び」、「交流」などが挙げられま す。「健康と体力の保持・増進」については、運動強度、時間、適性かつ有効で安全である ならば、肥満、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病といった生活習慣病の予防・改善が図られま す。「楽しさと喜び」は、身体を動かすことにより満足感や充足感を得ることができ、さら に健康運動の継続的な実施につながっていきます。「交流」では、社会との接点が生じ、時 間を共有したりすることで、人間関係の拡大等の生きがいという観点での多くの効果が期待 されます。 以上のように、身体活動や運動があらゆる人に有効であるということは、一般に広く知ら れていますが、知識に実践が伴っていくためには、個人的・社会的レベルでの対応及び環境 整備が必要です。 2 基本方針 本計画においては、健康の保持・増進を図る上での「健康運動」の重要性を再認識し、安 全で有効な身体活動を継続的に実施するために、これらに対する意識、その実施状況、毎日 の歩数などについて現状を把握し、それに基づいた目標を設定することとしました。なお、 健康運動の意義・目的及び条件・実施方法は、次のとおりです。 (1)健康運動の意義と目的 ア 意義 健康運動とは、すべての人が個々の身体状況に応じて、健康の保持・増進に最も適し た運動を指し、精神的・社会的効果が得られます。その点、競技スポーツが主に記録や 勝敗に挑戦するのとは異なりますが、状況に応じて安全を確保すれば、競技スポーツも 健康運動に応用でき、動機付けに有用です。 イ 目的 ① 生存に関わる酸素取り入れ能力の維持・増進 ② 身体の構造と機能の保持と確立 ③ 「生活上の働き」と「病気を予防する」ための体力の確保 ムを開発・確立するとともに、各種指標に関する研究を進める必要があります。

2 身体活動・運動

1 はじめに 運動やスポーツがもたらすプラスの効果としては、子どもから高齢者・障害者に至るすべ ての人にとっての「健康と体力の保持・増進」、「楽しさと喜び」、「交流」などが挙げられま す。「健康と体力の保持・増進」については、運動強度、時間、適性かつ有効で安全である ならば、肥満、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病といった生活習慣病の予防・改善が図られま す。「楽しさと喜び」は、身体を動かすことにより満足感や充足感を得ることができ、さら に健康運動の継続的な実施につながっていきます。「交流」では、社会との接点が生じ、時 間を共有したりすることで、人間関係の拡大等の生きがいという観点での多くの効果が期待 されます。 以上のように、身体活動や運動があらゆる人に有効であるということは、一般に広く知ら れていますが、知識に実践が伴っていくためには、個人的・社会的レベルでの対応及び環境 整備が必要です。 2 基本方針 本計画においては、健康の保持・増進を図る上での「健康運動」の重要性を再認識し、安 全で有効な身体活動を継続的に実施するために、これらに対する意識、その実施状況、毎日 の歩数などについて現状を把握し、それに基づいた目標を設定することとしました。なお、 健康運動の意義・目的及び条件・実施方法は、次のとおりです。 (1)健康運動の意義と目的 ア 意義 健康運動とは、すべての人が個々の身体状況に応じて、健康の保持・増進に最も適し た運動を指し、精神的・社会的効果が得られます。その点、競技スポーツが主に記録や 勝敗に挑戦するのとは異なりますが、状況に応じて安全を確保すれば、競技スポーツも 健康運動に応用でき、動機付けに有用です。 イ 目的 ① 生存に関わる酸素取り入れ能力の維持・増進 ② 身体の構造と機能の保持と確立 ③ 「生活上の働き」と「病気を予防する」ための体力の確保

(7)

69 ④ 心の安定や前向きの意欲を養い、生活・行動する上での安全の確保 (2)健康運動の条件と実施方法 ア 条件 科学に基づいた①安全性、②有効性、③継続性とそれを支える身近な体制の整備が必 要です。実施の基本は、速歩と体操(筋力トレーニング)ですが、安全に十分配慮すれ ば、各種の競技スポーツの応用も可能です。 イ 実施方法 ① 年齢や体力などの個人差はありますが、基本的にはその人の「最大酸素摂取量の 50%から 60%」の強さで行い、それを心拍数などから推定します。 ② 1 日 30 分から 1 時間、週2∼3回以上行うことが効果的です。 ③ 速歩と自分の弱点を補う体操、ストレッチング、筋力トレーニングなどを行います。 ※ 実施前後の対応、服装・靴、中止すべき場合など、個人的に注意すべき情報は指導 書や指導者(健康運動指導士など)から入手します。 (3)健康運動の歴史 本県では、20 数年前から、愛媛大学医学部・教育学部などで健康運動の研究と実践が行 われてきました。また、全国でもいち早く県において健康増進センター(現在は廃止)を設 置し、健康運動指導士・実践指導者の養成や保健所への配置などにより、健康運動の指導・ 普及を進めてきましたが、今後とも、県民の運動分野における健康づくりを支援する環境 整備が必要です。 3 現状と課題 (1)成人の現状 ア 身体活動と運動に対する意識〔平成10 年健康(生活習慣)に関する世論調査〕 本県においては、20 歳代では健康に関心のある人の割合は 83%であり、さらに 30∼ 50 歳代では 90%を超えています。その反面、健康を維持するために心がけていること があると答えた割合は、20 歳代から 50 歳代では 45%から 73%に加齢とともに増加し ていますが、健康に対する関心の高さを大きく下回り、実質的な行動が伴っていないこ とがうかがえます。 健康のためにスポーツや散歩を心がけている人の割合は、平成3年から平成 10 年で 35%から 40%に増加していますが、20 歳代及び 30 歳代ではその割合がそれぞれ 31% 及び 8%と他の年代に比べて低いため、この年代からの運動やスポーツに対する一層の 意識づけが必要です。また、運動不足を感じている人の割合は、20,30,40 及び 50 歳 代でそれぞれ61,80,74 及び 68%と高く、健康に対する関心は高いものの、運動やス ポーツを実践することで健康の保持・増進を図っている成人の割合は低いのではないか と思われます。 イ 身体活動と運動の実施状況(平成11 年県民健康調査) ④ 心の安定や前向きの意欲を養い、生活・行動する上での安全の確保 (2)健康運動の条件と実施方法 ア 条件 科学に基づいた①安全性、②有効性、③継続性とそれを支える身近な体制の整備が必 要です。実施の基本は、速歩と体操(筋力トレーニング)ですが、安全に十分配慮すれ ば、各種の競技スポーツの応用も可能です。 イ 実施方法 ① 年齢や体力などの個人差はありますが、基本的にはその人の「最大酸素摂取量の 50%から 60%」の強さで行い、それを心拍数などから推定します。 ② 1 日 30 分から 1 時間、週2∼3回以上行うことが効果的です。 ③ 速歩と自分の弱点を補う体操、ストレッチング、筋力トレーニングなどを行います。 ※ 実施前後の対応、服装・靴、中止すべき場合など、個人的に注意すべき情報は指導 書や指導者(健康運動指導士など)から入手します。 (3) 健康運動の歴史 本県では、20 数年前から、愛媛大学医学部・教育学部などで健康運動の研究と実践が行 われてきました。また、全国でもいち早く県において健康増進センターを設置し、健康運 動指導士・実践指導者の養成や保健所への配置などにより、健康運動の指導・普及を進め てきましたが、今後はさらに、科学的な調査・研究体制を強化し、県民の運動分野におけ る健康づくりを支援する環境整備が必要です。 3 現状と課題 (1)成人の現状 ア 身体活動と運動に対する意識〔平成10 年健康(生活習慣)に関する世論調査〕 本県においては、20 歳代では健康に関心のある人の割合は 83%であり、さらに 30∼ 50 歳代では 90%を超えています。その反面、健康を維持するために心がけていること があると答えた割合は、20 歳代から 50 歳代では 45%から 73%に加齢とともに増加し ていますが、健康に対する関心の高さを大きく下回り、実質的な行動が伴っていないこ とがうかがえます。 健康のためにスポーツや散歩を心がけている人の割合は、平成3年から平成 10 年で 35%から 40%に増加していますが、20 歳代及び 30 歳代ではその割合がそれぞれ 31% 及び 8%と他の年代に比べて低いため、この年代からの運動やスポーツに対する一層の 意識づけが必要です。また、運動不足を感じている人の割合は、20,30,40 及び 50 歳 代でそれぞれ61,80,74 及び 68%と高く、健康に対する関心は高いものの、運動やス ポーツを実践することで健康の保持・増進を図っている成人の割合は低いのではないか と思われます。 イ 身体活動と運動の実施状況(平成11 年県民健康調査)

(8)

70 県下で運動を実施していない人の割合は、20 歳代から 50 歳代で 50%から 63%の範 囲にあり、半数以上が運動やスポーツを行っていないことが報告されています。低体力 者の場合、少なくとも 1 週間に 1∼2 日の頻度での運動実施が必要であり、この頻度で 定期的に運動やスポーツを行っている人の割合は、各年代において 13∼21%程度です。 さらに、体力の向上を目指すためには、1 週間に 2∼3 日以上の実施頻度が必要ですが、 この頻度以上で行っている人の割合は、20 歳代から 50 歳代までの各年代でそれぞれ 23、 12、15 及び 3%でしかありません。健康と体力の保持・増進を目指すためには、これら の時期に確実に 1 週間に 2∼3 日以上の運動習慣を身につけることが必要であり、それ により高齢期における定期的な運動やスポーツの実施にスムーズに移行していくことが できるものと思われます。このようなことを考慮すれば、この年代での積極的な運動やス ポーツの実践が望まれます。 (2)高齢者の現状 高齢者においては、糖尿病、脳血管疾患等といった疾病や関節の障害等の発生が頻発し、 家族や配偶者との死別、退職あるいはそれに伴う社会的地位の喪失等と相まって生活の質 (QOL)を低下させる要因が必然的に増加します。このような要因が引き金となって、抑 うつ度の有症率が高くなりやすく、体力も低下していくことは、周知の事実です。特に、 下肢の筋力に代表される筋機能の低下が著しく、歩行能力の低下も進行しますが、歩行を 中心とした健康運動の実施によって、体力の向上だけでなく、抑うつ度や主観的幸福感が 改善されることなどが明らかにされています。 ア 健康と運動に対する意識 中高齢者層では QOL に対する関心が高まり、積極的にボランティア活動や同好会活 動に参加することで、定期的な運動週間を有する人口が増加する傾向にあります。高齢化 が進む今後においては、健康寿命を更に延長していくことが必要であり、精神的・身体 的機能の保持・増進を図る上でも、運動週間を定着させ身体活動量を高めていくことが 望まれます。 平成10 年度の県の調査では、60 歳以上で自らの健康について「頻繁に」あるいは「時々 考える」と答えた人は 92%以上に達し、50%以上の人が頻繁に考えると答えています。 しかし、70%以上の人が健康のために食生活や睡眠・休養に配慮している反面、散歩や スポーツを心がけている人の割合は40%程度に留まっており、健康運動の効用を一層啓 発したり、実践しやすい環境を整備していく必要があります。 イ 身体活動と運動の実施状況 QOL の低下を予防したり、改善するための有効な手段の一つに「運動の習慣化」が挙 げられますが、高齢者では加齢に伴って運動やスポーツを行う人が減少することは避け られません。本県においても、健康のために運動やスポーツを 1 週間に 1∼2 日の頻度 で実践している人は60 歳代、70 歳代及び 80 歳代でそれぞれ 15、11 及び 10%で、ま た1 週間に 2∼3 日以上定期的に行っている人は、それぞれ 33、46 及び 30%でした。 県下で運動を実施していない人の割合は、20 歳代から 50 歳代で 50%から 63%の範 囲にあり、半数以上が運動やスポーツを行っていないことが報告されています。低体力 者の場合、少なくとも1 週間に 1∼2 日の頻度での運動実施が必要であり、この頻度で 定期的に運動やスポーツを行っている人の割合は、各年代において13∼21%程度です。 さらに、体力の向上を目指すためには、1 週間に 2∼3 日以上の実施頻度が必要ですが、 この頻度以上で行っている人の割合は、20 歳代から 50 歳代までの各年代でそれぞれ 23、 12、15 及び 3%でしかありません。健康と体力の保持・増進を目指すためには、これら の時期に確実に1 週間に 2∼3 日以上の運動習慣を身につけることが必要であり、それ により高齢期における定期的な運動やスポーツの実施にスムーズに移行していくこと ができるものと思われます。このようなことを考慮すれば、この年代での積極的な運動 やスポーツの実践が望まれます。 (2)高齢者の現状 高齢者においては、糖尿病、脳血管疾患等といった疾病や関節の障害等の発生が頻発し、 家族や配偶者との死別、退職あるいはそれに伴う社会的地位の喪失等と相まって生活の質 (QOL)を低下させる要因が必然的に増加します。このような要因が引き金となって、抑 うつ度の有症率が高くなりやすく、体力も低下していくことは、周知の事実です。特に、 下肢の筋力に代表される筋機能の低下が著しく、歩行能力の低下も進行しますが、歩行を 中心とした健康運動の実施によって、体力の向上だけでなく、抑うつ度や主観的幸福感が 改善されることなどが明らかにされています。 ア 健康と運動に対する意識 中高齢者層では QOL に対する関心が高まり、積極的にボランティア活動や同好会活 動に参加することで、定期的な運動週間を有する人口が増加する傾向にあります。高齢 化が進む今後においては、健康寿命を更に延長していくことが必要であり、精神的・身 体的機能の保持・増進を図る上でも、運動週間を定着させ身体活動量を高めていくこと が望まれます。 平成10 年度の県の調査では、60 歳以上で自らの健康について「頻繁に」あるいは「時々 考える」と答えた人は92%以上に達し、50%以上の人が頻繁に考えると答えています。 しかし、70%以上の人が健康のために食生活や睡眠・休養に配慮している反面、散歩や スポーツを心がけている人の割合は40%程度に留まっており、健康運動の効用を一層啓 発したり、実践しやすい環境を整備していく必要があります。 イ 身体活動と運動の実施状況 QOL の低下を予防したり、改善するための有効な手段の一つに「運動の習慣化」が 挙げられますが、高齢者では加齢に伴って運動やスポーツを行う人が減少することは避 けられません。本県においても、健康のために運動やスポーツを1 週間に 1∼2 日の頻 度で実践している人は60 歳代、70 歳代及び 80 歳代でそれぞれ 15、11 及び 10%で、 また1 週間に 2∼3 日以上定期的に行っている人は、それぞれ 33、46 及び 30%でした。

(9)

71 一方、運動やスポーツをしていない人は40∼51%の範囲にあります。 実施している運動やスポーツの主な種類は、約60%以上の人が歩行(散歩)、約 20% が体操やダンスであり、家庭で容易に実施可能なものです。 一方、身体的・精神的状況が大きく異なる高齢者を集団で指導するのは、安全面から も避けるべきであり、個人の意欲を促すような対応が必要です。 (3)中間評価の状況 中間評価によると、成人では、運動習慣を持つ者や運動を心がけている者は増えてお らず、「運動不足を感じているが実際には運動習慣に結びついていない」という現状が続 いています。 また、日当たりの歩数は、計画策定時に比べてむしろ減少しています。一方で、市町 によるウォーキングコースの整備やウォーキングマップの作成、日本健康運動指導士会 愛媛県支部の取組みなどにより、運動に取り組みやすい環境の整備はかなり進んでいま す。 4 目標 【別表1】2 身体活動・運動 参照 5 今後の対応 (1)成人に対する対応 成人には、健康における運動の有効性、短時間でも頻繁に身体を動かす習慣を身につけ る必要性、望ましい運動の仕方などの啓蒙活動にとどまらず、労働時間の変更、サークル 活動の育成と援助、他組織とのスポーツ交流などの実効性のある対応の検討が必要です。 また、このような運動の習慣化を推進する上で、ウォーキングコースの設定や運動施設の 整備、指導者の確保など各種の課題に対しては、企業間のタイアップや行政機関、医療機 関あるいはスポーツクラブ等との連携を図る必要があります。 今後、施設や指導者の数、学習の場の提供機会の増加を目指すとともに、以下の対応が 重要となると考えられます。 ① 十分な知識と優れた指導力を有する人材の確保と育成を図るため、指導者育成を行っ ている県内の大学や学校との連携、指導実績を有する地域のスポーツクラブとの協力、 指導者や施設利用などに関するコーディネート組織・機関を設置(運動、スポーツ、レ クリエーションごとの人材バンクも設置)するとともに、情報の共有化を進めること。 ② 学校や民間の施設・設備の一般開放を進めるとともに、公共スポーツ施設の利用しや すさを考慮した運営を推進すること。さらに、公共及び民間施設の利用方法、利用状況、 プログラム等の状況、指導者リスト及び健康と運動・スポーツに関する講習会の開催案 内などをそれぞれがホームページにリンクさせて登録し、住民が自由に閲覧できるよう な環境整備を行うこと。 ③ 自主運営サークルの組織化を促進し、それを中核として地域住民が主体となった趣 味・スポーツ・ボランティアサークルの育成を目指すとともに、情報提供、大会・発表 一方、運動やスポーツをしていない人は40∼51%の範囲にあります。 実施している運動やスポーツの主な種類は、約60%以上の人が歩行(散歩)、約 20% が体操やダンスであり、家庭で容易に実施可能なものです。 一方、身体的・精神的状況が大きく異なる高齢者を集団で指導するのは、安全面から も避けるべきであり、個人の意欲を促すような対応が必要です。 4 目標 別表参照 5 今後の対応 (1)成人に対する対応 成人には、健康における運動の有効性、短時間でも頻繁に身体を動かす習慣を身につけ る必要性、望ましい運動の仕方などの啓蒙活動にとどまらず、労働時間の変更、サークル 活動の育成と援助、他組織とのスポーツ交流などの実効性のある対応の検討が必要です。 また、このような運動の習慣化を推進する上で、ウォーキングコースの設定や運動施設の 整備、指導者の確保など各種の課題に対しては、企業間のタイアップや行政機関、医療機 関あるいはスポーツクラブ等との連携を図る必要があります。 今後、施設や指導者の数、学習の場の提供機会の増加を目指すとともに、以下の対応が 重要となると考えられます。 ① 十分な知識と優れた指導力を有する人材の確保と育成を図るため、指導者育成を行っ ている県内の大学や学校との連携、指導実績を有する地域のスポーツクラブとの協力、 指導者や施設利用などに関するコーディネート組織・機関を設置(運動、スポーツ、レ クリエーションごとの人材バンクも設置)するとともに、情報の共有化を進めること。 ② 学校や民間の施設・設備の一般開放を進めるとともに、公共スポーツ施設の利用しや すさを考慮した運営を推進すること。さらに、公共及び民間施設の利用方法、利用状況、 プログラム等の状況、指導者リスト及び健康と運動・スポーツに関する講習会の開催案 内などをそれぞれがホームページにリンクさせて登録し、住民が自由に閲覧できるよう な環境整備を行うこと。 ③ 自主運営サークルの組織化を促進し、それを中核として地域住民が主体となった趣 味・スポーツ・ボランティアサークルの育成を目指すとともに、情報提供、大会・発表

(10)

72 会などの開催に向けた支援を行うこと。 ④ 健康づくりのための運動指針 2006(エクササイズガイド 2006)に基づき、安全で有 効な運動の普及に取り組むこと。 (2)高齢者に対する対策 高齢者においても成人と同様な対策が必要ですが、高齢者については精神的及び身体的 健康状態に大きな個人差があるため、個人のレベルに応じたきめ細かな配慮がソフト・ハ ード両面の環境整備において必要です。特に自宅に引きこもりがちで、地域社会との接点が 少なく、QOLが低下傾向にある高齢者に対しては、積極的な働きかけのほかに、QOL のレベルに応じた趣味やリハビリ運動のシステム化が必要となります。

3 休養・こころの健康

1 はじめに こころの健康とは、いきいきと自分らしく生きるための重要な要件であり、生活の質 (QOL)に大きな影響を持つものです。こころの健康には、個人の資質や能力のほかに、身 体状況、社会経済状況、生活・職場環境や人間関係など多くの要因が関係します。また、こ ころの健康を保つためには、運動、適度な栄養の摂取、規則的な食習慣に加え、心身の疲労 の回復と充実した生活を目指す「休養」、さらに十分な睡眠及びストレス管理が必要となりま す。 2 基本方針 (1)こころを知るための科学的アプローチ こころの健康を論ずる上で、“こころの働き”を、経験則のみならず、科学性に裏打ちさ れた客観的手法に則り探求する姿勢が必要です。 (2)こころの癒しを担う人材の育成 継続的かつ個々に適した健康行動の推進を図るために必要な働きかけとして、健康状態 の把握、健康教育、目標の設定、環境の整備等が挙げられますが、何よりもまず住民自ら が自主的に第一歩を踏み出すための適切な“動機付け”が、その後の成否を左右する最大 の要因となります。健康教育プログラムにおいては、押しつけや訓練的な要素は極力排し、 楽しく充実した時を過ごす中で、自然にセルフコントロールの術を体得できる配慮が必要 で、十分な知識と技術を身に付け、住民自らのセルフケア能力の向上に寄与できる人材(住 民の求めに応じて話をよく聞き、回答や助言を押し付けることなく、ともに考えるカウン セラーなど)を養成する環境整備を行う必要があります。 3 現状と課題 会などの開催に向けた支援を行うこと。 (2)高齢者に対する対策 高齢者においても成人と同様な対策が必要ですが、高齢者については精神的及び身体的 健康状態に大きな個人差があるため、個人のレベルに応じたきめ細かな配慮がソフト・ハ ード両面の環境整備において必要です。特に自宅に引きこもりがちで、地域社会との接点が 少なく、QOLが低下傾向にある高齢者に対しては、積極的な働きかけのほかに、QOL のレベルに応じた趣味やリハビリ運動のシステム化が必要となります。

3 休養・こころの健康

1 はじめに こころの健康とは、いきいきと自分らしく生きるための重要な要件であり、生活の質 (QOL)に大きな影響を持つものです。こころの健康には、個人の資質や能力のほかに、身 体状況、社会経済状況、生活・職場環境や人間関係など多くの要因が関係します。また、こ ころの健康を保つためには、運動、適度な栄養の摂取、規則的な食習慣に加え、心身の疲労 の回復と充実した生活を目指す「休養」、さらに十分な睡眠及びストレス管理が必要となり ます。 2 基本方針 (1)こころを知るための科学的アプローチ こころの健康を論ずる上で、“こころの働き”を、経験則のみならず、科学性に裏打ち された客観的手法に則り探求する姿勢が必要です。 (2)こころの癒しを担う人材の育成 継続的かつ個々に適した健康行動の推進を図るために必要な働きかけとして、健康状態 の把握、健康教育、目標の設定、環境の整備等が挙げられますが、何よりもまず住民自ら が自主的に第一歩を踏み出すための適切な“動機付け”が、その後の成否を左右する最大 の要因となります。健康教育プログラムにおいては、押しつけや訓練的な要素は極力排し、 楽しく充実した時を過ごす中で、自然にセルフコントロールの術を体得できる配慮が必要 で、十分な知識と技術を身に付け、住民自らのセルフケア能力の向上に寄与できる人材(住 民の求めに応じて話をよく聞き、回答や助言を押し付けることなく、ともに考えるカウン セラーなど)を養成する環境整備を行う必要があります。 3 現状と課題

(11)

73 (1)社会環境の変遷 家庭においては、核家族化の進行と相まって、携帯電話、インターネット等の通信シス テムの普及により、現実の人間関係より機械との関わりの方に重きを置き、バーチャルの 世界に身を置きながら不自由を感じない子供たちが増えています。 また、職場においては、終身雇用、年功序列の体制が崩壊しつつあり、また、経済状況 等によるリストラ等の雇用不安も増大しており、労働者の精神的な不安と動揺が高まって います。また、電子メール等の普及により、組織内での人間関係も希薄化しているのが現状 です。 (2)親子関係の変遷 近年、育児上の困難に対する耐性の低下した親が増加するとともに、子育て困難症候群、 乳幼児虐待、離婚が増加しています。また、子どもの問題として、不登校、家庭内暴力、行 為障害、いじめの増加等の問題が社会的な課題になっています。同時に、親離れ・子離れが 困難で、相互依存に陥ったり、距離の置き方がわからず、とまどいを感じたりするケース が増えています。 (3)自殺の急増 本県における自殺死亡者数(平成10 年)は、395 人(男 267 人、女 128 人)で、50∼ 59 歳が 96 人、60∼69 歳が 77 人、40∼49 歳が 60 人と増加しつつあることに加え、75 歳 以上の割合が男女ともに多くなっています(総論第2 章図 28 参照)。自殺の動機は、男性 では、病苦等、生活・経済問題、アルコール症・精神障害の順、女性では、病苦等、アル コール症・精神障害、家庭問題の順となっています。特に、男性の 40∼59 歳の動機のト ップは、生活・経済問題で、60 歳以上の高齢者は圧倒的に病苦等が多くなっています。 また、「愛媛のいのちの電話協会」によると、自殺未遂者数は自殺死亡数の5 倍から 10 倍と推定しています。同協会への相談件数はここ4∼5 年急増しており、平成 11 年は 13,618 件で5 年前と比べほぼ倍増しています。相談内容をみると、不況によるリストラ、倒産、生 活苦が主な内容となっており、40∼50 歳代が急増しています。20 歳代では、これまでは女 性が多い傾向にありましたが、最近では男性の方が多くなっています。 自殺は、本計画の基本目標の一つである「壮年期死亡(早世)の減少」に大きく影響す る重大な課題です。 (4)高齢者の置かれた現状 独居世帯が増加するとともに、他世代との同居の場合においても、世代間格差の増大に 伴い、人生経験を伝承する機会が減少しつつあります。加えて平均寿命の伸びに従い、必然 的に社会・課程での役割を喪失した(周囲から疎外された)期間が延長することとなり、 孤独に苛まれる高齢者の数は増加し、自殺率も高くなっています。 (5)中間評価の状況 中間評価によると、メンタルヘルスという言葉は定着してきましたが、育児不安、児童 虐待、若者や高齢者の引きこもり、自殺系サイトの利用、うつ病などこころの健康を取り (1) 社会環境の変遷 家庭においては、核家族化の進行と相まって、携帯電話、インターネット等の通信シス テムの普及により、現実の人間関係より機械との関わりの方に重きを置き、バーチャルの 世界に身を置きながら不自由を感じない子供たちが増えています。 また、職場においては、終身雇用、年功序列の体制が崩壊しつつあり、また、経済状況 等によるリストラ等の雇用不安も増大しており、労働者の精神的な不安と動揺が高まって います。また、電子メール等の普及により、組織内での人間関係も希薄化しているのが現 状です。 (2) 親子関係の変遷 近年、育児上の困難に対する耐性の低下した親が増加するとともに、子育て困難症候群、 乳幼児虐待、離婚が増加しています。また、子どもの問題として、不登校、家庭内暴力、行 為障害、いじめの増加等の問題が社会的な課題になっています。同時に、親離れ・子離れが 困難で、相互依存に陥ったり、距離の置き方がわからず、とまどいを感じたりするケース が増えています。 (3)自殺の急増 本県における自殺死亡者数(平成10 年)は、395 人(男 267 人、女 128 人)で、50∼ 59 歳が 96 人、60∼69 歳が 77 人、40∼49 歳が 60 人、と増加しつつあることに加え、75 歳以上の割合が男女ともに多くなっています(総論第2 章図 28 参照)。自殺の動機は、男 性では、病苦等、生活・経済問題、アルコール症・精神障害の順、女性では、病苦等、ア ルコール症・精神障害、家庭問題の順となっています。特に、男性の 40∼59 歳の動機の トップは、生活・経済問題で、60 歳以上の高齢者は圧倒的に病苦等が多くなっています。 また、「愛媛のいのちの電話協会」によると、自殺未遂者数は自殺死亡数の5 倍から 10 倍と推定しています。同協会への相談件数はここ4∼5 年急増しており、平成 11 年は 13,618 件で 5 年前と比べほぼ倍増しています。相談内容をみると、不況によるリストラ、倒産、 生活苦が主な内容となっており、40∼50 歳代が急増しています。20 歳代では、これまでは 女性が多い傾向にありましたが、最近では男性の方が多くなっています。 自殺は、本計画の基本目標の一つである「壮年期死亡(早世)の減少」に大きく影響す る重大な課題です。 (4)高齢者の置かれた現状 独居世帯が増加するとともに、他世代との同居の場合においても、世代間格差の増大に 伴い、人生経験を伝承する機会が減少しつつあります。加えて平均寿命の伸びに従い、必 然的に社会・課程での役割を喪失した(周囲から疎外された)期間が延長することとなり、 孤独に苛まれる高齢者の数は増加し、自殺率も高くなっています。

(12)

74 巻く環境は悪化しています。事業所検診等におけるメンタルヘルス対策に関する環境整備 も進展しておらず、また、快眠による休養が十分に取れていない人の割合は悪化していま す。 4 目標 【別表1】3 休養・こころの健康 参照 5 今後の対応 (1)こころの健康を保つための対応 ア ストレス対応 適度なストレスは、人が生きていく上で必要不可欠ですが、それが過剰になると心身 のバランスが失われることがあります。ストレス対策としては、①ストレスに対する個人 の対処能力を高めること、②個人を取り巻く周囲のサポートを充実させること、③スト レスの少ない社会をつくることが必要です。 個人がストレスに対処する能力を高めるための具体的な方法としては、①ストレスの 正しい知識を得る、②健康的な睡眠、運動、食習慣によって心身の健康を維持する、③ 自分自身のストレスの状態を正確に理解する、④リラックスできるようになる、⑤もの ごとを現実的かつ柔軟にとらえる、⑥自分の感情や考えを上手に表現する、⑦時間を有 効に使いゆとりの時を増やす、⑧趣味や旅行などの気分転換を図ることなどが挙げられ ます。 なお、県民のストレスやこころの健康状況の概略を把握するため、市町が実施してい る基本健康診査や各事業所の職場健康診断等において、ストレスチェック(アンケート 形式)を実施することが望まれます。 イ 睡眠対応 睡眠に対する対応としては、①睡眠についての適切な知識の普及、②かかりつけ医が 適切な対応をとれるようにすること、③かかりつけ医と専門医との連携を充実させるこ とが必要です。 ウ 対人アプローチの多様化 セルフケアを実施するためには、行動を決定し、それを実行、継続する能力を必要と します。健康行動の増進を目的としたプログラム(健康教室等)に自主的に参加し、日々 の生活の中で実効性のあるセルフケアを維持することのできる人は問題ありませんが、 その意識の希薄な人や不健康予備軍たる人に対しては適切な対応が求められます。 人の心に働きかける手法は、言語的アプローチと非言語的アプローチの2 つに分類で きます。多く用いられているカウンセリングは主として前者に属しますが、これに加えて 言語化が困難である病態には非言語的アプローチを用いることが有効であるといわれて います。 非言語的アプローチで用いられる媒体としては、園芸、陶芸、音楽、絵画、コラージ 4 目標 別表参照 5 今後の対応 (1)こころの健康を保つための対応 ア ストレス対応 適度なストレスは、人が生きていく上で必要不可欠ですが、それが過剰になると心身 のバランスが失われることがあります。ストレス対策としては、①ストレスに対する個 人の対処能力を高めること、②個人を取り巻く周囲のサポートを充実させること、③ス トレスの少ない社会をつくることが必要です。 個人がストレスに対処する能力を高めるための具体的な方法としては、①ストレスの 正しい知識を得る、②健康的な睡眠、運動、食習慣によって心身の健康を維持する、③ 自分自身のストレスの状態を正確に理解する、④リラックスできるようになる、⑤もの ごとを現実的かつ柔軟にとらえる、⑥自分の感情や考えを上手に表現する、⑦時間を有 効に使いゆとりの時を増やす、⑧趣味や旅行などの気分転換を図ることなどが挙げられ ます。 なお、県民のストレスやこころの健康状況の概略を把握するため、市町村が実施して いる基本健康診査や各事業所の職場健康診断等において、ストレスチェック(アンケー ト形式)を実施することが望まれます。 イ 睡眠対応 睡眠に対する対応としては、①睡眠についての適切な知識の普及、②かかりつけ医が 適切な対応をとれるようにすること、③かかりつけ医と専門医との連携を充実させるこ とが必要です。 ウ 対人アプローチの多様化 セルフケアを実施するためには、行動を決定し、それを実行、継続する能力を必要と します。健康行動の増進を目的としたプログラム(健康教室等)に自主的に参加し、日々 の生活の中で実効性のあるセルフケアを維持することのできる人は問題ありませんが、 その意識の希薄な人や不健康予備軍たる人に対しては適切な対応が求められます。 人の心に働きかける手法は、言語的アプローチと非言語的アプローチの2 つに分類で きます。多く用いられているカウンセリングは主として前者に属しますが、これに加え て言語化が困難である病態には非言語的アプローチを用いることが有効であるといわ れています。 非言語的アプローチで用いられる媒体としては、園芸、陶芸、音楽、絵画、コラージ

参照

関連したドキュメント

実施を発表し,2015年度より本格実施となった(厚生 労働省,2017).この事業は, 「母子保健相談支援事業」

に関して言 えば, は つのリー群の組 によって等質空間として表すこと はできないが, つのリー群の組 を用いればクリフォード・クラ イン形

② 特別な接種体制を確保した場合(通常診療とは別に、接種のための

(2)特定死因を除去した場合の平均余命の延び

全国の宿泊旅行実施者を抽出することに加え、性・年代別の宿泊旅行実施率を知るために実施した。

○特定健診・保健指導機関の郵便番号、所在地、名称、電話番号 ○医師の氏名 ○被保険者証の記号 及び番号

燃料デブリを周到な準備と 技術によって速やかに 取り出し、安定保管する 燃料デブリを 安全に取り出す 冷却取り出しまでの間の

平成29年度も前年度に引き続き、特定健診実施期間中の7月中旬時点の未受