第1節 災害復旧計画
災害復旧は、災害発生後、被災した各施設の原状復旧に合わせ、再度被害の発生を防止する ため必要な施設の新設又は改良を行う等、将来の災害に備える事業計画とし、災害応急活動計 画に基づく応急復旧終了後、被害の程度を十分検討して計画します。災害復旧・復興に当たっ ては、公共事業などから暴力団の排除に努めます。
なお、本計画は、おおむね次の事業について計画します。
1 公共土木施設災害復旧事業計画 (1) 河川公共土木施設災害復旧事業計画 (2) 林業施設災害復旧事業計画
(3) 道路公共土木施設災害復旧事業計画 2 農林水産業施設災害復旧事業計画 3 都市災害復旧事業計画
4 下水道災害復旧事業計画 5 住宅災害復旧事業計画
6 社会福祉施設災害復旧事業計画
7 公共医療施設、病院等災害復旧事業計画 8 学校教育施設災害復旧事業計画
9 社会教育施設災害復旧事業計画 10 その他の災害復旧事業計画
第1項 公共施設の復旧
市は、復興の円滑化のため、あらかじめ地籍、建物、権利関係、施設、地下埋設物等の情報 や測量図面、情報図面等の各種データの整備保存並びにバックアップ体制の整備を行います。
また、公共土木施設管理者は、円滑な災害復旧を図るため、あらかじめ所管施設の構造図、
基礎地盤状況等の資料を整備しておくとともに、資料の被災を回避するため、複製を別途保存 するよう努めます。
第2項 環境への配慮
1 市は、環境に配慮し、かつ迅速な災害廃棄物の処理体制の整備を進めるため、仮保管場所・
最終処分適地、中間処理能力と人材等の確保策を検討し、収集・運搬から再利用・最終処分 までの機能的なシステムの確立に向け取り組みます。また、作業に当たっては、アスベスト 対策等、建物解体時の環境保全に努めます。
2 市は、復興に際し、都市防災やエネルギー利用などを見直し、自然と調和したまちづくり に努めます。
第3項 市民参加と復旧
市の被災の状況、地域の特性、関係公共施設の管理者の考え方等、市民の意見を踏まえ、迅 速な原状復旧か、災害に強い都市づくりを目指す計画的復旧かを検討し、復旧・復興の基本方 向を早期に決定できるよう、市は、人的、技術的支援を行うとともに、財政的な援助を国と協 調して進めます。被災施設の復旧に当たっては、可能な限り改良復旧に努めます。
第4項 事前対策の実施
災害復旧計画の策定に当たっては、県の「復興対策マニュアル」に沿って行うものとし、円 滑な復旧のために、各種データの整理、及び保存に努めるとともに、市街地の復旧・復興の方 向や方針を決定する判断基準を事前に検討します。
さらに、復興期において高齢者や障がい者等の災害時要配慮者に対して適切にサービスが実 施できるよう、事前に、社会福祉施設等の管理者や関係機関との情報の収集・提供に関する連 携システムを強化します。
第2節 復興体制の整備
被災後、迅速かつ的確に復興対策を実施するため、復興体制を整備します。
第1項 復興計画策定に係る庁内組織の設置
市は、復興に関わる総合的措置を講じ、速やかな復興を図るために、復興に関する事務等を 行う組織(災害復興本部)を庁内に設置するとともに、当該本部内における復興計画の策定を 進める担当部等において、復興計画作成方針の検討、復興検討に係る庁内案の作成、既存計画
(施策)との整合性の確保、庁内各部等の調整を行います。
第2項 人的資源の確保
本格的な復旧作業及び災害復興事業の実施のためには、通常業務に加えて膨大な事務執行が 長期間にわたり必要になりますが、被災職員による減員等により、特定の分野や職種において 人員不足が予測されます。
このため、特に人材を必要とする部門については、関係部等と協議・調整し、弾力的かつ集 中的に人員配置を行うとともに、臨時職員等の雇用を行います。
1 派遣職員の受入れ
不足する職員を補うため、地方自治法、災害対策基本法、九都県市災害時相互応援に関す る協定等に基づき、職員の派遣又はあっせんの要請を行い、職員を受け入れます。
2 専門家の支援の受入れ
災害後は、土地の測量、登記、建築、不動産評価などの土地に関する法律的な問題など、
さまざまな問題が発生し、専門的なサービスの提供が求められることが予測されます。そこ で、こうした問題について、弁護士、司法書士、建築士、不動産鑑定士、税理士などの専門 家に支援を要請し、支援を受け入れます。
第3節 復興対策の実施
市は、復興対策の実施に当たって、災害防止の視点だけでなく、より快適な都市環境を目指 し、市民の安全と環境保全等にも配慮した防災まちづくりを実施します。その際、まちづくり は現在の市民のみならず将来の市民のためのものという理念のもとに、計画作成段階で都市の あるべき姿を明確にし、将来に悔いのないまちづくりを目指すこととし、市民の理解を求める よう努め、併せて、要配慮者等の多様な主体の意見が反映されるよう、環境整備に努めます。
復興対策を迅速・的確に行うためには、被災状況に関する正確な情報の収集を行い、それに 基づいて各分野の対策を実施します。
第1項 復興に関する調査
本計画第2部第3章の「応急活動計画」において、災害発生時における防災関係機関の情報連 絡体制、被災状況及び人的被害の状況を速やかに把握するための体制等について定めています が、更に詳細に被災状況を把握し、市街地及び都市基盤施設の復旧・復興の基本方向の決定、
応急住宅対策、生活再建支援など、復興対策及び復興対策に関わる応急対策を迅速・的確に行 うため、復興に関する調査を行います。なお、復旧・復興調査に当たっては、土地にコンクリ ート杭や金属鋲などの埋標の確認に留意するものとします。
1 建築物の被災状況に関する調査
市は、応急復旧対策、復興対策を効果的に行うために、全壊、半壊といった被災地全体の 建築物の被災状況調査を行い、その結果を整理して県に報告します。
県は、市の行う調査に対し、職員の派遣を行うとともに、必要に応じて国や他の自治体等 の協力を得ながら、派遣要請等を行います。
2 都市基盤復興に係る調査 (1) 公園・緑地等の被災状況調査
市は、広域避難地や応急仮設住宅用地となる公園・緑地等の被災状況を調査します。
(2) その他都市基盤復興に係る調査
市は、下水道施設等の被害状況や、災害廃棄物の状況について調査します。
3 応急住宅対策に関する調査
応急仮設住宅等の住宅対策について、迅速な意思決定や適切かつ計画的な住宅供給を行う ための調査を行います。
(1) 応急仮設住宅必要戸数の把握
市は、家屋の被害状況調査、建設戸数調査を行い、県に報告します。
県は、市からの報告のほか、「全壊、焼失、半壊建築物数及びデータ」、「避難者数及 びその分布」等のデータを活用し、必要とされる応急仮設住宅の戸数、公営住宅の戸数の 概要、全壊、焼失、半壊した住宅が数多く存在する地域等を把握します。
4 生活再建支援に係る調査 (1) 罹災証明用住宅被災認定調査
ア 建物被害認定調査に関する事前対策
罹災証明は建物の被害調査を基に認定された被災の度合いを示すもので、各種の被災 者救援施策の受給資格を決定する根拠となります。建物被害認定調査の漏れや認定結果 の変更などによる混乱が生じないよう、市は、事前に被害の認定基準の周知、調査要員 の教育の徹底などを行います。
イ 建物被害認定調査の実施
市は、災害見舞金等を支給するために必要な罹災証明を発行するため、住宅の被災状況 を調査し、被害の程度を認定します。
なお、罹災証明書で認定する被害の程度によって、罹災者に対する支援措置が異なるた め、認定結果に対する罹災者の理解を得られるよう十分な説明を行います。理解が得られ ない場合は、被害程度の判定作業を再度行います。
(2) 被災による離職者に係る調査
雇用対策のため、地域経済の被災状況を把握するとともに、雇用保険求職者給付の対象 となる被災離職者の調査を行い、離職者の特性等について把握します。
(3) 住宅再建に関する意向調査
市は、恒久的な住宅の必要量を把握するため、被災者に対して住宅を再建する意向等に ついて確認します。
県は、市でとりまとめた結果と被災者の実態を基にして、恒久的な住宅の必要量を算出 します。
(4) その他生活再建に係る調査
市は、要配慮者の被害状況や地域における医療需要、医療機関の再開状況の把握、社会 福祉施設の被災・復旧状況、社会教育施設等の被災状況等、その他の生活再建に必要とな る被災状況について調査します。
5 地域経済復興支援に係る調査
市は、被災地全体の概要の把握、特に中小企業の工場や商店街の商店等の被災状況等は、
生活再建支援策と密接に関連するため、可能な限り綿密に調査を行います。
(1) 事業所等の被害調査
市は、被災直後の緊急対応及び復興に向けての施策を検討するために、業種別、規模別 被害額や工場、商店、農地・農林水産業等の被害について調査を行います。
(2) 地域経済影響調査
市は、産業基盤施設の被害状況や事業者の物的被害状況、事業停止期間の把握、取引状 況の調査等を行い、地域経済への影響を把握します。
6 復興の進捗状況モニタリング
復興対策は長期にわたるため、その進捗状況は地域によって異なります、そこで、住宅、
都市基盤、地域経済などの復興状況や被災者の生活再建の度合い、失業率、将来への意向等 を復興状況等に応じて的確に調査し、必要に応じて復興対策や復興事業を修正します。