2. 平常時(災害予防)
3.6 迅速な災害廃棄物処理の開始(処理実行計画の作成)
3.6.1 廃棄物発生量の把握
(1)
災害廃棄物処理実行計画の位置付け災害廃棄物処理実行計画は、発災後、被災市町又は事務委託を受けた県が、国の策定する
「災害廃棄物の処理指針(マスタープラン)」を踏まえ、被災状況に応じた処理の基本方針を 含む災害廃棄物の処理作業を、具体的に定めるものである。
以下、県が事務委託を受けた場合について、災害廃棄物処理実行計画の策定に当たり、県 が検討する事項と市町に具体的検討を求める事項について記載する。
3.応急 対応時
75
(2)
処理方針の決定災害廃棄物の処理を行うに当たっては、最初に、処理期間、処理費用、処理方法等を処理 方針として明確にする。
○ 災害廃棄物の処理方針は、処理主体である市町が、想定される量及び種類を前提とし て平常時に設定する。発災後は、災害廃棄物の発生状況を把握し、速やかに処理方針を 決定する。
県は、市町が処理方針を決めるために必要な情報提供及び支援を行う。
○ 災害廃棄物の処理に当たっては、3R(削減:Reduce、再使用:Reuse、再生利用:Recycle)
の観点から、一次仮置場、二次仮置場においてリサイクル処理を進め、焼却量、最終処 分量をできるだけ少なくすることを基本とする。
○ 処理方針に沿って、仮置場の面積や運営方法、分別精度、仮設廃棄物処理施設、地元 雇用、処理フロー等が決定されていくが、実際の作業としては、最終的にどうするかと いう観点から逆算して全体スケジュールとフローを構築する。
(3)
種類別発生量・処理必要量の見直し県及び市町は、平常時(2.9.1 参照)において推計した災害廃棄物発生量について、発災 後、収集した情報をもとに適宜見直す。
種類別発生量・処理必要量は、トラックスケール(災害廃棄物を車載して計量できる計量 装置)での重量管理を行うとともに、計量していない仮置場内の災害廃棄物については、測 量を行い体積に種類別の単位体積重量(比重)を掛け合わせて重量換算し、これに今後の建 物解体・撤去等によって発生する量を加えることにより推計する。
(4)
処理スケジュール県及び市町は、発災後、職員の被災状況、災害廃棄物の発生量、処理施設の処理可能量等 を踏まえた処理スケジュールを作成する。
処理の進捗に応じて、施設の復旧状況や稼働状況、処理見込量、動員可能な人員数、資機 材の確保状況等を考慮し、処理スケジュールの見直しを行う。
広域処理や仮設焼却炉が必要となる場合、それらの調整期間や施設設置期間を踏まえた処 理スケジュールとする。
(5)
処理フロー発災後は、災害廃棄物の処理の進捗や性状の変化等に応じ、「2.9.3(2)処理方針、処理 フロー」に示す処理の基本方針と処理フローを随時見直す。
3.応急 対応時
76
(6)
災害廃棄物処理実行計画に基づく進捗管理当初の災害廃棄物処理実行計画は、発生直後に、その時点で把握できた被害の情報に基づ くシミュレーションによって発生量を推計し策定する。
その後、新たに把握できた被害の情報に基づき、精度を向上させた推計結果を踏まえて災 害廃棄物処理実行計画の見直しを行っていく。
災害廃棄物処理実行計画に従って実施される事業の進捗管理方針(例)は、図 3.7 のとお りである。
出典:災害廃棄物対策指針 環境省 平成 26 年3月
図 3.7 進捗管理方針(例)
災害サイクル 災害前 発災 災害直後 復旧・復興 災害情報 想定地震動
津波浸水マップ 洪水ハザードマップ
計測震度分布
衛星画像(浸水エリア)
浸水シミュレーション結果
被害情報 被害想定(住宅被害)
被害報(消防・防災部局・災害対策本部)
応急危険度判定
災害に係る住家の被害想定 公費負担による家屋解体申請数
家屋解体実績値 仮置場搬入量(実績値)
災害情報と被害情報とを用いて 災害廃棄物量を算出 災害廃棄物 推定値
推定値 実績値
災害廃棄物発生量と災害サイクル
3.応急 対応時
77
処理のスケジュールと進捗評価の方法を検討し、実行に移す。処理が長期間にわたる場合 は、総合的、計画的に処理を進める観点から、必要に応じ関係機関による連絡会を設置し、
全体の進捗管理を行う。連絡会の設置例は、図 3.8 のとおりである。
一般廃棄物処理事業者 建設事業者
産業廃棄物処理事業者 コンサルタント事業者
労働基準監督署 警察署 被災市町
関係機関
監理業務受託会社
処理業者 県
○
○ 市 災 害 廃 棄 物 処 理 連 絡 会
出典:災害廃棄物対策指針(環境省、平成 26 年3月)に加筆
図 3.8 連絡会の設置(例)
全体の進捗管理を行うに当たり、東日本大震災において廃棄物の移動管理や処理の進捗管 理の把握等に有益であったシステムの活用を検討する。
なお、公益財団法人日本産業廃棄物処理振興センターにおいては、統一フォーマットによ る一元的な災害廃棄物の情報管理ができる「JW災害廃棄物処理支援システム」が開発され、
平成 23 年8月から提供を開始し、岩手県内4市町村及び宮城県内1市3ブロックで利用さ れている。