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年度ベースメタル研究ステーション合同シンポジウム 資源変換・再生研究センター合同シンポジウム

ドキュメント内 研究業績・活動報告2007 (ページ 160-164)

IMRAM   Tohoku University–England–IMCE Kyushu University– 1st Joint Workshop

平成 19 年度ベースメタル研究ステーション合同シンポジウム 資源変換・再生研究センター合同シンポジウム

平成191129-30日,於 東北大学片平さくらホール,参加者数 :140

主題:技術戦略から見た我が国の素材・エネルギープロセシングの進むべき姿

[鉄鋼産業の競争と調和]

1. 東アジアにおける鉄鋼企業の生産システムと投資行動

東北大学大学院経済研究科 川端望 東アジアの鉄鋼企業を生産システムと投資行動の面から比較分析を行った。日本は第2.5世代の先頭にあ

るが、POSCO、宝鋼も非常に近い位置にある。今後、一連の巨大化や合併・買収が生産システムの構築の

ために投資を喚起するのか、抑制に作用するのかが注目される。

2. 環境における中国との共生

東北大学東北アジア研究センター 明日香壽川

中国の環境問題が深刻であり、日中の協力が必要なことは言うまでもない。しかし、中国における環境問題 解決に関してはアジアの特殊性と普遍性を考える必要がある。単なるODAのような既存のシステム適用 だけでは解決できない複雑さがある。大局的な見地から取り組むべきである。

3. 日本鉄鋼業の地球温暖化問題への対応 新日本製鐵 米澤公敏

日本の鉄鋼業は既に省エネに関しては世界のトップレベルにあるが、自主行動計画の達成に向けて、またポ スト京都への対応について様々な検討を進めている。長期的な観点からのCO2の大幅削減に関しては産官 学の英知を集めて積極的に取り組む体制もできつつある。

4. 独自の製銑技術を目指して

新日本製鐵 内藤誠章 中国の急成長に伴う資源価格の急騰、地球温暖化問題への対応など製銑を取り巻く状況は大きく変化しつつ ある。製銑技術は既に限界に近いところまで来ているが、新しい高炉原料の開発、次世代高炉の検討など、

いくつかの提案も出てきている。技術伝承も課題の一つであり、大学も含めた研究開発、人材の育成などを 積極的に進めるべきであろう。

[高級鋼戦略と資源への対応]

5. 製鋼プロセスにおける高級鋼指向

住友金属 樋口善彦、山田和之 世界のエネルギー需要の急拡大に対応し、より優れた性質を持つ油井管へのニーズは高まっている。この要 求を満たすには極低燐濃度、極低硫濃度という鋼の高純度化が重要であり、製鋼技術の改善がその鍵を握っ ている。

6. 高合金鋼製造プロセスの展望と課題

東北大多元研 北村信也 我が国の鉄鋼業は付加価値の高い高級鋼にシフトする戦略を取っている。その中でも特殊鋼、高合金鋼の重 要性は従来にも増して大きくなっている。それに対応し、今後は元素資源戦略、エネルギー問題も含めた広 い視野での取り組みが必要になっている。

7. 薄鋼板製造技術の進歩と今後の高級鋼戦略

JFEスチール 細谷佳宏 自動車用鋼板は我が国の鉄鋼業の高級鋼戦略の中でウエイト非常に大きい。自動車メーカーの厳しい要求 の中で鋼板の材質安定性、表面品質、寸法精度、板形状などの改善を図ってきた。また加工メーカーにおけ る量産安定性、加工不良に対する要求から欠陥検知技術も大きく進歩し、我が国の高級鋼技術は強い基盤を 構築しつつある。

8. 特殊鋼線材・棒鋼の現状の課題と今後の取り組み

神戸製鋼所 鹿礒正人 特殊鋼は自動車、産業機械、電気・電子機器、土木・建築の分野で幅広く使用されている。特に最近では環 境問題に対応して小型化、軽量化に繋がる高強度鋼の開発が強く望まれている。また、開発のスピードも求 められており、需要家との情報交換が重要になっている。

9. 素材産業における資源セキュリティの重要性

丸紅経済研究所 柴田明夫 資源市場ではここ数年、原油、非鉄、鉄鉱石、石炭などの国際価格が高騰している。中国、井戸の急発展の 他に、資源ナショナリズムの高揚もあり、しばらくこの基調は続く。日本の素材産業は資源備蓄、リサイク ルシステムの確立、代替材の開発など資源セキュリティ戦略を早急に進めるべきである。

10. 資源から見た非鉄製錬技術のあり方

東北大学多元物質科学研究所 中村崇 石油天然ガス金属鉱物資源機構 岡本信行 エネルギー鉱物資源の需要の増加により鉱物資源価格の高騰が起きている。低位品位資源の利用、国内にお ける非鉄金属の循環を確保し、資源・環境の安全保障をする必要がある。ここで製錬技術の基礎である鉄と 硫黄の除去、不純物除去技術がより重要となる。

11. 乾式銅製錬技術新動向

三菱マテリアル 飯田修、松谷輝之 これまで我が国の乾式銅製錬技術は、銅精鉱処理技術の向上に向けられてきたが、近年リサイクル事業への 展開が図られ資源の多様化が進んだ。リサイクルによる新たな課題も発生し、今後さらなる乾式銅製錬技術 の向上を図る必要がある。

12. 湿式亜鉛精錬技術新動向

三井金属工業 坂田政民 湿式亜鉛精錬法は20世紀初頭から改良が加えられながら世界各地で行われてきた。その中で亜鉛の採取 率の向上、省エネルギー、省力化、硫酸対策が加えられてきた。現在でも難処理鉱、リサイクル原料への対 応が求められ、資源・エネルギーの有効利用の重要性が増している。今後も製錬技術の改良を持続が必要で ある。

13. 非鉄金属製錬業の資源循環における貢献

日本鉱業協会 浅井一宏 非鉄金属製錬業は銅、鉛、亜鉛等の素材を安定的に供給している。主な原料は鉱石であるが、近年ではリサ イクル原料や廃棄物等の二次原料からの回収も進めている。今後、非鉄金属製錬業は保有技術を活用し循環 型社会の構築に貢献していく。

14. チタン製錬技術の新展開

東京大学生産技術研究所 岡部徹、大井泰史 チタンは金属材料中でも高い物性を備えている。低コストでチタンを製造することが重要な課題である。

様々なチタン還元プロセスが提案され、新製錬法も考案されている。我が国は世界生産の30%のシェアを 占めているが今後さらに新規プロセス技術開発が不可欠となる。

[放射性廃棄物の地層処分の安全性と環境問題] 15. 高レベル放射性廃棄物処分の現状

東北大学多元物質科学研究所 杤山修 日本のエネルギー供給の4割は電気でそのうちの30%は原子力発電によりまかなわれている。原子力発 電では、高レベル放射性廃棄物が発生し、原子力エネルギーの選択においては廃棄物の管理もセットとし て考えなければならない。地層処理は放射性廃棄物の安全な隔離に適しており、地層埋設の計画を進めて いる。

16. 放射性廃棄物地層処分のセーフティケース

日本原子力研究開発機構 梅木博之 高半減期が極めて長い放射性核種を含む放射性廃棄物は長期にわたり危険源と成る可能性があるため、地 層が有する特性を利用した地層処分がある。安全性を確保するために地質環境を選定し人工バリア、処分施 設の設計、施工を進めるさいに、天然を対象とすることと時間スケールが長いことを考慮する必要がある。

17. 地層処分事業実施の現状

原子力発電環境整備機構 北山一美 高レベル放射性廃棄物の最終処分は長期にわたる事業で安全性と地域からの信頼獲得が不可欠である。処 分事業の推進にあたり3段階のサイト選定と公募により処分施設建設地の選定を行う。事業展開に影響を

与える因子を構造的に処理しサイトの評価と処分場の概念の提示を行う。

18. 地層処分基盤研究開発の現状と課題

日本原子力研究開発機構 油井三和 高レベル放射性廃棄物の地層処分の安全性向上について、恒常的な技術の更新が必要である。これまでに、

深地層の科学的研究および処分場の運用に対する工業技術の開発、安全評価手法の開発が行われた。今後も 研究開発を通じて国民の理解促進をはかることが重要である。

19. 地層処分にとっての地質環境の長期安定性

首都大学東京 山崎晴雄 地層処分においては地質環境をとらえ長期安定性評価を的確に予測する必要がある。地質環境には定常的 な変化と非定常な変化があり、長期の評価には不確実性が増大する。地質環境には様々なスケール因子が存 在するため、科学的合理性を取り入れたプロセス、メカニズム解明が必要である。

第2回「高機能材料とその機能発現機構」に関するシンポジウム

平成19121713:00-17:10,於 東北大学多元物質科学研究所材料物性棟 大会議室 参加者数:40名、主催:東北大学多元物質科学研究所 一色・田中・鈴木研究室

協賛:日本金属学会東北支部・日本鉄鋼協会東北支部

「量子ビームで創れる・測れるナノ構造」

近年、イオンやフォトン等の量子ビームを用いたナノ構造をもつ物質の創製や構造解析法が著しく進歩してき た。本シンポジウムではそれらの分野での研究動向について理解を深めるために、異なる分野の研究者から最近 の話題について紹介していただき、活発な討論が行われた。

1.(特別講演)「量子ビームを用いた材料・バイオ・環境に関する研究の現状」

(独)日本原子力研究開発機構高崎量子応用研究所長 南波 秀樹 2.「高エネルギーイオンビームによる高分子架橋ナノ構造体の形成と制御」

東北大学多元物質科学研究所 佃 諭志 3.「放射光を利用した高角度分解X線回折による構造解析」

(独)物質材料研究機構 田中 雅彦 4.X線を用いたラボ実験による先端構造解析技術の動向」

()リガクX線研究所 田口 武慶 5.「ナノ構造を有する機能性素材の精密構造解析」

東北大学多元物質科学研究所 篠田 弘造

ドキュメント内 研究業績・活動報告2007 (ページ 160-164)