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帯域分割数の増加による対応

ドキュメント内 Japan Advanced Institute of Science and Technology (ページ 92-95)

(2 × 2) DFT

4.4  適応分割

4.4.2  帯域分割数の増加による対応

 図4.13において,帯域ブロックをベースとする最適帯域分割による

SNR

特性は,固定 及び適応両分割共に,同じビットレートの(8

×

8)画素の DCTの

SNR

より1 〜2

[dB

]程度優 れた値を示している.このとき,固定分割と適応分割における差は,前節に示した画像

"Hada"の場合よりは若干大きくなっているものの,両分割方式による特性の差は未だ無 視できるほど小さく,この場合においてもまた,適応分割を行わなくとも,固定な最適 帯域分割パターンによってDCTに比べて十分な符号化性能を得ることが可能であり,本 適応分割を固定分割によって近似することができる.このとき,更なる特性の改善を行 うために,適応分割が有効であると考えられる.

 これらの画像に対して,帯域分割数

M

を増加させることで,量子化雑音改善量

G

の改 善を試みるわけであるが,ここではまず,十分な改善量値を得るに必要な帯域分割数

M

の選定を行う.上記のテスト画像に対して,帯域分割数

M

を 4 から 5 に増加させた場合 に,各画像に適応分割を適用することで,量子化雑音改善量において約0.4[

dB

]の比較的 大きな改善が得られる.しかし,帯域分割数

M

を更に 6 に増加させたとしても,量子化 雑音改善量の改善は僅か0.1[

dB

]にすぎない.この結果,帯域分割数

M

の増加に伴う最適 解の探索及び量子化,符号化に要する処理コストの増加を踏まえて,簡易的な符号化シ ステムの実現を考慮することで,本適応分割において必要とされる帯域分割数として,

M

=5 を選定する.

 画像"Lenna"に対して,本節において選定された帯域分割数

M

=5,帯域ブロック数

N

2=16 の条件下で適応分割を適用することによって得られた帯域分割パターンを図4.15に示す.

本適応分割後に4.3.2.1節に述べたDFTを用いた非定常直流成分の分離法を適用した場合 に,画像 "Lenna" においては量子化雑音改善量

G

=17.974[

dB

]の値を得ることになり,表 4.1 に示された(8

×

8)画素の DCT による改善量値を上回ることができる.また,固定の最 適帯域分割と比較した場合,3.54[

dB

]もの大きな改善が行われていることになる.

 本適応分割においては,4.5.1節に述べた場合に比べて帯域分割数

M

が1だけ増加して いるために,式(4.4)の

G

(

J

(M))を最大にする最適解の探索回数が増加する.しかし,本適応 分割に要する探索回数は364回であり,これによる帯域分割処理に要するコストは,固定 の最適帯域分割の場合に比して1.05倍にすぎない.また,画像"Lenna"の場合に,本適応 分割は,4分割のlinear 分割に比して,上述の最適解の探索を含めた帯域分割に要する処 理コストが2.10倍に,量子化及び符号化に要する処理コストが1.25倍に増加するという 条件で,量子化雑音改善量

G

において,4.64

[dB]

の非常に大きな改善を得ることができ る.また,16分割のlinear分割と比較した場合には,帯域分割に要する処理コストは僅か 1.05 倍だけ増加するが,それに対して量子化及び符号化に要する処理コストは0.31 倍に 抑えられる.このときの

G

の低減は僅か 0.29

[dB]

にすぎない.

 更に,本適応帯域分割においても,画像毎に求められた固有の帯域分割パターンを表 す情報をサイド情報として受信側に伝送する必要がある.しかし,(256

×

256)画素の画像に 対して,各画像の最適帯域分割パターンを表すのに必要なビット数は,約0.0007[

bit/pel

] となり,これは無視できるほど小さい値になる.

 最後に,画像"Lenna"に本適応分割を適用した場合の

SNR

対エントロピー特性を図4.16 に示す.同図には,本適応分割による改善効果を確認するために,固定の最適帯域分割 を適用した場合,及び比較方式として,(8

×

8)画素のDCTを適用した場合の同特性を併せ て表示している.図4.16において,帯域ブロックをベースとする最適帯域分割による

SNR

特性は,固定分割の場合において,同じビットレートの(8

×

8)画素のDCTの

SNR

より2

[dB

] 程度優れた値を示し,適応分割を行うことにより,更なる特性の改善が得られることが 明らかになった.

図 4.16 SNR対エントロピー(画像 "Lenna")

図 4.15 帯域ブロックをベースとする適応帯域分割パターン

(画像 "Lenna",

M=

5,

N

2

=

16)

π/2 π 0

π

π /2 ω

v

ω

h

Ω 0 Ω 1 Ω 2

4

Ω 3

2.0 1.5

1.0 0.5

0.0 28 30 32 34 36 38 40 42 44

adaptive optimum band partition bansed on band blocks fixed optimum band partition based on band blocks (8 8) DCT

entropy [bit/pel]

SNR [dB]

×

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