(2 × 2) DFT
4.4 適応分割
4.4.3 帯域ブロック数の増加による対応
画像 "Building" に対して,本節において選定された帯域分割数
M
=4,帯域ブロック数N
2=64の条件下で適応分割を適用することによって得られた帯域分割パターンを図4.18に 示す.本適応分割後に4.3.2.1節に述べたDFTを用いた非定常直流成分の分離法を適用し た場合に,量子化雑音改善量G
=11.604[dB
]の値を得ることになり,表4.1に示された(8×
8) 画素のDCTによる改善量値を上回ることができる.また,固定の最適帯域分割と比較し た場合,本適応分割により 3.93[dB
]もの大きな改善が行われていることになる.本適応分割の実行においては,まず,64個の帯域ブロックを得るために,図4.5のフィ ルタバンクのtree の段数を前節までに述べた場合と比べて1段増加し,3段のtree構成と する必要がある.また,帯域分割数
N
2が64に増加しているために,式(4.4)のG
(J
(M))を最 大にする最適解の探索回数は更に増加し,3782回となる.これら全てを含めた帯域分割 処理に要するコストは,固定の最適帯域分割の場合に比して 2.0 倍となる.また,画像"Building"の場合に,本適応分割は,4分割のlinear分割に比して,帯域分割に要する処理 コストが4.0倍になるものの,量子化及び符号化に要する処理コストは変わらないという 条件で,量子化雑音改善量
G
において,3.23[dB]
の大きな改善を得ることができる.ま た,16分割のlinear 分割と比較した場合には,帯域分割に要する処理コストは2.0倍だけ 増加するが,それに対して量子化及び符号化に要する処理コストは0.25倍に抑えられる にもかかわらず,このときのG
の値は,064[dB]
も改善されている.更に,本適応帯域分割においても,固有の帯域分割パターンを表す情報をサイド情報 として受信側に伝送する必要がある.しかし,(256
×
256)画素の画像に対して,各画像の最 適帯域分割パターンを表すのに必要なビット数は,僅か約 0.0019[bit/pel
]となる.最後に,画像 "Building" に本適応分割を適用した場合の
SNR
対エントロピー特性を図 4.19に示す.同図には,本分割による改善効果を確認するために,固定の最適帯域分割を 適用した場合,及び比較方式として,(8×
8)画素のDCTを適用した場合の同特性を併せて 表示している.図4.19 において,帯域ブロックをベースとする最適帯域分割によるSNR
特性は,固定分割の場合に,同じビットレートの(8×
8)画素のDCTのSNR
特性とほぼ同等 性能を有しているが,本適応分割の特性は,これらの特性から更に1[dB
]程度優れた値を 示し,適応分割により効果的な特性の改善が得られることが明らかになった.本節を終えるにあたって,帯域ブロックをベースとする最適帯域分割に基づいた固定 及び適応分割の適用による再生画像と,それらの比較方式である(8
×
8)画素のDCTを適用 したときの再生画像に生じる符号化ひずみについて簡単な考察を行う.エントロピーレー トが低い場合に,DCTによる再生画像には,画面全体においてブロックひずみが現れて おり,それに起因する画質劣化が著しい.一方,本最適帯域分割による再生画像には,同 等のエントロピーレートにおいて,サブバンド符号化特有の符号化ひずみである輪郭部 周辺のリンギングが若干現れているものの,DCTの場合に比べて主観的に比較的良好な 再生画像を得ることができる.図 4.19
SNR
対エントロピー(画像 "Building")図 4.18 帯域ブロックをベースとする適応帯域分割パターン
(画像 "Building",M=5,N2
=64)
π /2 π 0
π
π/2 ω
vω
hΩ 0 Ω 1
Ω 3
Ω 2
2.5 2.0
1.5 1.0
0.5 0.0
25 27 29 31 33 35 37 39 41
adaptive optimum band partition based on band blocks fixed optimum band partition based on band blocks (8 8) DCT
entropy [bit/pel]
SNR [dB]
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ドキュメント内
Japan Advanced Institute of Science and Technology
(ページ 95-98)