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展望

ドキュメント内 学位授与機関 関西大学 (ページ 152-183)

第5章 メディア・リテラシー教育のカリキュラム開発

6.3. 展望

新教科を考える際には,子どもたちに 10 年後どのようなメディア・リテラシーの力が必 要になるかを考え,その力を育てるカリキュラムを開発しなければならない。そのために,

具体的なメディアの使い方や留意事項を検討するのではなく,4つのメディア形態を提案 し,それぞれの中で,メディア・リテラシー の構成要素をもとに基本となる力や 10 年後に 必要になると考えられる力について議論し,題材を配置し体系的なメディア・リテラシー 教育のカリキュラムを提案した。

新教科「MC」の取組は,今後の学習指導要領の改訂の際の基礎データとなることが決 まっている。本研究で,課題として検討してきたメディア・リテラシー教育の学校教育に おける普及に向けて,その第一歩が踏み出せたと言えよう。そして,2014 年度は研究開発 学校の指定が1年延期になり,研究を続けられた。さらに, 2015・2016 年度についても,

国立教育政策研究所の指定を 受け,教育課程の変更を認められた。2011 年度から始めた本 教科「MC」の取組は,その重要性から希望した通り,6年間続けられることが確定した。

今後は,本研究の課題で挙げた他教科・領域との棲み分けと関連性や,評価についての検 討,「MC」という教科のカリキュラムを,「真正の課題」とするための評価方法の工夫や ルーブリックを検討して,より系統性のあるものにしていきたい。さらに,未来ある子ど もたちに小学校から高等学校までの系統的なメディア・リテラシー教育を学校教育の中で 行っていけるよう,長期カリキュラムの開発研究を行い たい。本研究の成果により,山内 (2003)が指摘するメディア・リテラシー教育が学校で普及しない理由の「 教員養成にメデ ィア・リテラシーを学ぶコースが設けられていないこと」や「教員が授業を作るために十 分な支援体制が整っていないこと」を改善する一助になった。また,教科として新設され ると,教員養成大学でメディア・リテラシーを学ぶコースが開設され,教員を目指す学生 や教員にメディア・リテラシーへの理解が深まったり,メディア・リテラシー教育が普及 したり発展したりする。また,そのことが,教員が授業を作るための支援体制の充実 にも つながっていくのではないかと考えた。

学会や文部科学省の会議等で,この「MC」という新しい教科の考え方を提案し,学校 教育でのメディア・リテラシー教育の普及に務めていきたい。そのために,国内外のメデ ィア・リテラシー教育の動向についても常に確認し,訪問調査を実施していきたい。

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今回,現代社会でより重要性の増しているメディア・リテラシー教育の新教科の開発研 究を行った。本研究により,現代日本の小学校におけるメディア・リテラシー教育の課題 が明らかとなり,その解決方法の一つとして新教科の開発に取り組んだ。しかし, 教科の 新設までには時間がかかるであろうということとともに,実現も必ずしも確定していない。

そこで,本研究の2章で明らかになった「母国語(国語)の教科を中心に教科横断的に教 えること」という留意点をもとに,メディア・リテラシー教育のカリキュラムを検討する ことも本研究領域の普及・発展につながる可能性がある。本研究を足がかりとして,今後 はさらなるメディア・リテラシー教育のカリキュラムの発展や開発研究に取り組んで行き たい。

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