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   における授業の在り方についての考察

ここでは,第4章の授業実践を通しての分析結果と考察を「教師の支援の視 点」「統合教育の視点」「学習評価の視点」「単元開発の視点」からまとめ,「総 合的な学習の時間」の授業の在り方についての1つの指針を示す。

5.1教師の支援の視点から

本研究実践は6年生3クラス103名を対象に,クラス解体の11グループを組 み行なった。教師は3クラスの担任と私の4名でTT(Team Teaching)を組んだ。

その結果,4章の分析の部分で述べたように,聞き取り調査を行なったグルー プへの支援を上手く行なえず,そのグループの活動を形骸化してしまう結果

になった。

また,グループ内で活動が細かく細分化されている場合には,活動状況に 違いがあることを教師は発見できなかった。そして,上手く活動できているペ アーの陰で活動が停滞しているペアーを発見できず,適切な支援をすること ができなかったペアーがあった。

総合的な学習は,今後,これまでの学級単位ではなく,学年単位あるいは学 年を超えた集団での共同学習が増えてくると考える。そうなると,当然教師はT Tを組んでその支援にあたることになるが,集団が大きくなるほど今回のように 教師の目が届かず,教師の支援が上手く機能せずに,放任状態になるグル

ープが出てくる可能性が増えると考えられる。

そこで,教師は次のような支援の視点を持つことが大切になると考える。

(1)聞き取り調査を行なうグループがある場合には,事前に「聞く内容,聞く 相手の計画はどうなっているか。」事後に「聞き取りの結果,どんな情報を得ら

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れたか。」を把握して,支援を行なう。特に,聞き取り調査後の学習状況の把握 は問題発見に大きく関係し,次の問題解決活動にも大きく関係してくるので特 に注意を払う必要がある。

(2)グループ内で,活動が細分化されている場合。つまり,調べ活動場含に は同じ1つのグループとしてではなく,個別あるいはペアーごとに注意を払う

必要がある。

こういつた支援を行なう上での注意点を考えると,教師が子ども達の学習状 況を的確に把握:し,視点をしっかりと持って支援をしていくことが重要に成って くる。子ども達への支援の方法としては,単元の途中で子ども達と教師が学習 状況について,子ども達のポートフォリオをもとに話し合うポートフォリオ会議

(Portfoho Conference)をで可度か取り入れ,支援の場を設ける方法等が紹 介されている[加藤・佐野1998]。しかし,こうした形式的な活動は順調に自 分達のペースで学習を進めているグループにとっては学習を停滞させるもの

になるとも考える。

そこで,なにより,教師による臨機応変な支援活動が必要になる。そのため には,TTを組んだ教師集団が子ども達の学習状況を共通理解のもと,常に把 握していることが重要であり,教師1人ひとりがその場その場ではなく,ある程 度見通しを持った学習支援をすることが大切と考える。そのために,子ども達 が問題発見するまでの段階で,教師集団は,Tr会議を何度か取り入れ子ども 達の学習状況の把握と支援についての話し合いを持つ必要があると考える。

子ども達の学習の停滞を発見して,その場ですぐに適切な支援を与えること は,教師がかなりの力量を持つことが必要であり,TTを組んだ教師同士でも 支援に差が出てくると考えられる。TTを組むのは当然,個に応じた指導をす るためであるが,それ以前に,これから始まる「総合的な学習の時間」を子ども 達にとって「生きる力」を育成するものにするには,教師がお互い協力し合っ て,足りない面を補い合いながら支援することが大切になってくる。そのため

にも,TT会議を子ども達が問題発見するまでの間には毎時間後に取り入れ,

子ども達の学習状況についてTTを組んだ教師全員で把握し,支援について 教師全員で常に話し合い,どの教師も具体的な支援の方針を持っておくこと が大切になると考える。また,本研究実践を振り返ると,児童103名を11のグ ループに分け,4名の教師によるTTで学習支援を行なったことにも大きな問 題があったと考える。児童103名に対して教師4名では無粋があり,グループ への支援,ペアーへの支援が十分行なえず,学習が形骸化してしまうグルー プが現れたのも当然であったと考えられる。そう考えると,今後,「総合的な学 習の時間」の中で,学年解体,学級解体での共同学習のように,児童の人数 が多くなる単元を開発し,授業を行なう場合には,単元開発の中で,校長,教 頭,養護教諭など担任教師以外の職員や,外部の人材等の活用など,支援者 の組織づくりも視野に入れて単元を開発していくことが重要であり,そのため の具体的な計画も単元構成の中に盛り込む必要があると考える。また,小学校 においては,例えば,クラス単位の共同学習を何度か経験させた後,児童の 人数が多くなる共同学習に進み,最終的には個人課題による共同学習に進む というように,6年間を通して段階的にステップを踏めるようにカリキュラムに工 夫をしていき,1年生から6年生までの6年間を視野に置いたカリキュラムを考 えていく必要があると考える。

5.2統合教育の視点から

本研究実践の結果,障害を持つ児童に対する1人の児童の意識の変容が見 られ鳥しかし,これは,実践の中の一例に過ぎず,本研究実践で行なった学 習の効果であったとは言いきれない。本研究実践で明らかになったことは,障 害を持つ児童が教室に入ると,その児童への直接的な手助けに負担を感じる 児童が出てくるということと,教師が行なう障害を持つ児童への配慮に不満を 持つ児童が出てくるということである。

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そこで,普通学級における統合教育を考えるとき,教師は,これらの不満が 起こることを十分認識しておく必要がある。そして,不満が出てきた時に教師 が考えを押しつけるのではなく,子ども達同士の話し合いの時間を取り,子ど も達に障害を持つ友達への手助けについて考えさせることが特に大切と考え る。それは,子ども達が持つ不満は,善悪の判断ができないのではなく,それ を超えた精神的な部分での不満だからである。教師が前面に出て,正しいこと を示しても,それは,子ども達にとって分かっていることであり,建前論で終わ ってしまう可能1生が多いにあり,子ども達の持つ不満は解決できないと考えら

れる。

その他,本研究実践で脳1生麻痺の児童も協同学習に参加できたということか ら,交流教育への本研究実践の応用が考えられる。交流教育として障害児学 級と普通学級,養護学校と普通学校の問で様々な交流活動が行なわれている。

それらの中に,本研究実践で行なったように,「やさしい町づくりの提案」を題 材とした協同学習を組んだ交流活動を行なっていけば,これまでのような,お 互いに作ったものを発表したり,健常児が障害児のために何かをしてあげたり するという,上下関係を乗り越えた,つまり,お互いに対等な立場での学習が 行なえると考える。障害児の立場からすれば,自分達の日頃の生活の中で不 便と感じる,あるいは困ると感じることを健常児に教える。また,健常児からす れば障害児の情報をもとに,自分達の日頃の生活では気付かないことを教え てもらい,町を見直すという学習が成立し,いつも健常児が障害児を助けると いう形ではない学習が展開できる。こうすることにより,健常児と障害児が対等 な立場で学習に参加し,それらの学習活動を通して,違う立場の人のことを考 えることができ,しいてはお互いの立場を理解し,助け合って生きていくという 共生の考え方を育成することに繋がっていく。

障害には身体障害,知的障害をはじめさまざまな障害があり,本研究実践で の学習が全ての障害を持つ児童と健常児との交流教育にすぐ応用できるとは

いえないが,これまでの交流教育のように,ある一場面で交流するという学習 ではなく,「総合的な学習の時間」を活用すれば,ひとつの単元を通して交流 する学習を創り出していける可能性があると考える。

5.3学習評価の視点から

本研究実践の学習では,GTAつづりを使っての自己評価を中心に学習の 評価を行なってきた。その中でも,発表会,Webページ発信をした後,保護者 をはじめ様々な方からの反応は,子ども達に学習を振り返させると同時に,自 分達の行なってきた学習に対して自信を持たせることに役立った。学習発表 会的な学習場面はこれからも「総合的な学習の時間」に取り入れられると思う が,その後,参加者から発表内容に対しての感想瞭り意見をもらえるようにす ることが,学習を振り返る上で大切なことであり,自己評価のためにも重要であ ることが分かった。

発表会的な学習活動を取り入れた時には,教師は必ずその反応を子ども達 へ返せるような工夫を取り入れていくことが重要であると考える。

毎回の日記の中には,グループやペアーの人への評価を行なっているもの も見うけられた。本研究実践では,相互評価については,プラスの評価があっ た場合は,その都度,子ども達に返すという形でしか行なわなかったが,学習 過程を修正したり,学習過程で子ども達に自信を持たせるためには,途中に 何度か相互評価を取り入れる必要があったと考える。

「総台的な学習の時間」の諦面については今後とも大きな課題がある,しかし,

評価は,あくまでも学習を深化させたり,学習に生かされるものでないと,評価 のための評価となるのであれば意味がない。私は,評価は大切であるが,自 己評価も相互評価も,と評価に教師が振り回されないように注意することも忘 れてはならない重要なことであると考える。

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